金型から設計、製造する山形カシオ

「OCEANUS Manta」シリーズの薄型クロノグラフ「OCW-S1200」

今回、見学させていただいたのは、オシアナス プレミアムライン「OCEANUS Manta(マンタ)」シリーズの厚さ10.5mmという薄型クロノグラフ「OCW-S1200」の生産ライン。まず訪れた場所は金型と部品を生産する部門。内部は同じ形をした工作機、成形機が整然と並んでいる。この山形カシオの工作機、成形機はすべてコンピューターで制御され、ネットワーク環境に置かれており、それぞれの情報がリアルタイムでモニタリングできるようになっている。モニター画面を見ると、現在の生産状況がどうなっているのか、金型が壊れていないかなどの情報が一目瞭然となっているのだ。

金型を作って、プラスチックのケースなどを製造。機械はすべてコンピューターで制御され、ネットワーク化されており、1台1台がどういう状態になっているのか把握できる。製造データは自動で分析され、不良品は自動的に排除される。不良品が連続すると機械が止まり、作業担当者のトランシーバーへ音声メールを発信する仕組みになっている

不良品が出ないようレーザーで厚みと径を2回計測しているという

携帯電話のプラスチック筐体を成形している隣で、時計のローター(磁石)となる部品の製造が行われていた。ひとつの工場内で異質なものを作るのは、世界でも希なケースだという。金型の加工は、セッティングなどを除き機械が全て自動で行う。ネットワークにつながっているため夜間や土日は無人で稼動しており、何かあれば担当者の携帯電話にメールが送られる仕組みになっているという。続いてムーブメントの生産現場へ……

マグネットをひとつずつ並べ、ロボットが金型に入れプラスチックで固める。これで磁石の入ったギアができ上がる。装置にはカメラがついており状態を確認。部品は1回の動作で6個でき上がる

金型の設計はCADで。図面なし、データだけで製造を行う

金型の磨きを行っているところ。わずか数ミクロンのところを人間の手で磨いていく。どこを磨くのかは3次元のデータによって紫色で指示されているが、金型が小さいので顕微鏡で見ながらの作業となる。仕上がりは磨きで変わってくるのだという