多くのマザーボードベンダーが南港の新展示場に移ったのに対し、旧会場の方に残ったのがASUS。今年のCOMPUTEXは会場が拡大したことで、展示スペースは確保しやすくなったようで、ASUSはEee PCブースとメインブースの2カ所を使って製品を紹介していた。Eee PCについてはすでにレポートしたので、ここではメインブースの様子を見ていこう。

まずはマザーボードから

同社が積極的にPRしていたのは、OSを起動しなくてもインターネットアクセスが可能な「Express Gate」機能。電源を入れてから5秒ほどで起動するので、ホームページを見たいだけのときなどには便利だ。プログラムは基板上のフラッシュメモリに入っているということで、ブックマークの編集なども可能だ。この機能はP5Qシリーズなどで搭載されている。

Express GateのWEBブラウザ。そのほか、VoIPやメッセンジャーなども搭載

ちょっと見えにくいが、スロットの間にある基板がExpress Gate用のフラッシュ

またAMD向けマザーボードの新製品では、「140W CPU」へのサポートが謳われていた。現状のPhenom X4は最高速の9850でもTDPは125Wだが、新モデルではさらに消費電力が上がるのかもしれない。

例えばこれは「M3N72-D」

"Phenom FX"に対応とあるが……

展示会では恒例の"未発表チップセット"搭載マザーボードだが、今回はNVIDIAのGeForce 9400/9300を採用した製品が出ていた。これはIntel向けのグラフィック統合型チップセッで、8月くらいの発売を予定しているそうだ。

GeForce 9400を搭載する「P5N7A-D/SAS」。SASをサポートするが、これは別チップで対応している

こちらはGeForce 9300の「P5N7A-VM」。9400とはGPUコアのクロックスピードが違うとのこと

またAMD向けには、未発表の790GXチップセットを搭載した「M3A78-T」も展示していた。ブース担当者によれば、グラフィック性能についてはあまり780Gと変わらないそうだが、790GXはCrossFireをサポートするということで、PCI Express x16形状のスロットが3本用意されていた。この製品の発売は7月頃になるという。

790GXチップセットを搭載するという「M3A78-T」。サウスブリッジも新しいSB750となる

そして同社としては初めてとなるDisplayPort装備のマザーボードが「M3A78-EM」。チップセットはAMD 780Gで、出力はHDMIとの排他使用になる。

DisplayPortを装備する「M3A78-EM」

DVI/VGAに加えて、HDMI/DisplayPortもサポート

トリプルGPUのグラフィックカードが展示

グラフィックカードでは、MXMモジュールで3つのGPUを搭載するという「EAH3850 TRINITY」が目を引いた。コンセプトモデルということで、製品化の予定はまだないそうだが、シングルGPUに比べて性能は2.4倍程度になるそうだ。GPUはRadeon HD 3850が片面に1つ、反対側に2つ搭載されているが、MXMなので、将来アップデートすることも可能だという。

こちら側に1つ、向こう側に2つGPUを搭載している

上から見ると配置が良く分かる

発売される製品としては「EN9600GT MATRIX」に注目。新しいMATRIXシリーズの製品となるもので、GPUはGeForce 9600 GT。省電力機能「Super Hybrid Engine」を搭載しており、クロック速度・電圧・ファン回転数などが調整可能となっている。負荷の軽い2D作業などでは、26%の消費電力削減が可能で、温度が低いときはファンレスでも問題ないそうだ。

「EN9600GT MATRIX」。大きなクーラーが乗っており、2スロットを占有する

また本来はモバイル向けのGPUを搭載することで、消費電力の低減に成功しているのが「SPLENDID MA3850M」という製品。ATI Mobility Radeon HD 3850を搭載しており、カードサイズも小さめとなっている。画質向上のための「SPLENDID HD」プロセッサを搭載したことも特徴の1つ。

横方向の長さが短めの「SPLENDID MA3850M」

上にはみ出た部分はMXM

ニンテンドーDS風なノートPC?

新しいユーザーインタフェースのコンセプトモデルも展示されていた。液晶ディスプレイが上下に並べられたもので、"ニンテンドーDSのようなノートPC"と言えば分かりやすいかもしれない。今回のデモ機は液晶画面に映像を流すだけで、実際に操作できるところまではできていなかったが、アプリケーションごとにインタフェースを変えられる様子が紹介されていた。

普通のノートPCのように見えるが……

ビデオ再生のときはこのように変わる