山東省では韓国企業の"夜逃げ"相次ぐ

中国国営の新華社通信(新華通訊社)が発行する新聞である国際先駆導報の1月28日付報道によると、最近、中国の南部と北部で、外資企業の"撤退ブーム"が起こり、注目を集めているという。北部では、すでに103社の韓国企業が山東省から夜逃げ同然で撤退した。1月21日には、韓国産業資源部と外交通商部、労働部、法務部、大韓商会などからなる"無断撤退特別対策チーム"が山東省青島市、広東省広州市など韓国企業が集中している地域に入り、現地調査を行った。

さらに「南方都市報」によると、南部では1月末までに500社余りの台湾企業が広東省東莞市から撤退した。かつてFDI(Foreign Direct Investment、外資の直接投資)が大挙して中国大陸に進出した光景は一体どこへ行ってしまったのだろうか。

長期的な上昇トレンドが労働コスト増大の主因

ある専門家は、労働契約法が労働コストを押し上げ、一部外資企業の収益予想が下がったので、撤退を決めたと分析している。中国に進出した韓国系中小企業のほとんどは、労働集約型の加工工場で、東莞市の台湾企業も同じような工場である。労働契約法のためにコストが上がるという予想は確かにもっともらしく聞こえる。

だが少し詳しく調べてみると、同法施行前の昨年下半期から、韓国企業はすでに撤退し始めており、東莞では2006年から出稼ぎ労働者不足(民工荒)と呼ばれる現象が起きていた。この現象はむしろ、長期にわたってあまりにも過小評価されてきた中国の労働コストがようやく上昇に転じ始めたという、長期トレンドに根ざしたものであり、労働契約法は、そのトレンドを単に一時的に刺激したということに過ぎないというのが真実なのである。