物販コーナーに足湯とは小田急らしい

ロマンスカー50周年記念缶コーヒーは駅売店でも発売中とのこと

第2会場は、鉄道イベント恒例の物販コーナーがメイン。小田急の他、グループ企業の箱根登山鉄道や箱根ロープウェイ、江ノ電、"私鉄仲間"の京浜急行や相模鉄道、つくばエクスプレス、かつては"箱根戦争"のライバルだった西武鉄道なども登場。駅名看板などの廃品も僅かながら用意されていた他、カレンダーや路線図、電車チョロQが売れていた。小田急ブースでは、この会場で先行発売されたカレンダーもあった。

特に目を引いたのは、5000形VSEの登場を予告する駅の横断幕だった。さらには、箱根の観光PRコーナーに足湯が登場。そういえば箱根には遊覧船もあり、小田急グループは飛行機以外のすべての交通機関を保有している。うーむ、小田急グループの幅の広さを感じさせた瞬間だ。物販コーナーの脇にはミニSLの運転会場もあった。ミニSLは第2会場の他に第3会場のビナウォークでも走っていた。体験イベントの多さも小田急ファミリー鉄道展の特徴といえそうだ。

鉄道グッズ販売ブースも大にぎわい

なんと、VSE登場記念の駅の横断幕も。最高頒布価格は2万円

第2会場のミニSL列車

箱根の温泉で足湯を体験

ステージは向谷実氏、木村裕子さんが登場

第3会場のビナウォーク広場では、鉄道グッズ即売会や駅弁コーナー、HOゲージ運転会を開催。そして特設ステージでは、鉄道にゆかりのあるゲストを招いたトークショーが行われていた。ビナウォークでは毎週土曜日に「ミュージック ディライト」、毎週日曜日に「SHINSEIDOライブ」を開催しており、今回は拡大版として「ファミリー鉄道展」コーナーに参加していた。

イベント1日目は、フュージョンユニット「カシオペア」のキーボード担当・向谷実氏が登場。鉄道ファンには、音楽家というより「トレインシミュレータ」の開発者として知られているのではないだろうか。この日が誕生日という向谷氏は、まだ世間に認めてもらえなかった頃の初代「トレインシミュレータ」の苦労話をはじめ、相模鉄道版や小田急版以降は鉄道会社の協力のおかげで作品の品質が良くなったことなどを話してくれた。さらには、最近のプロジェクトである駅の発車メロディーや、九州新幹線つばめ号の車内チャイムなどを実演した。「京阪電鉄の駅発車メロディーは、停車駅順に繋ぐと1つの曲になるんです」と全曲を披露し、観客から喝采を浴びていた。

"司会屋実"の異名を持つ向谷実氏の爆笑トーク

2日目は、鉄道アイドルの木村裕子さんが登場。小田急直営の鉄道グッズショップ「トレインズ」店長の濱崎氏と、ロマンスカーに関するトークを繰り広げた。トークをリードしたのは、元ロマンスカーの運転士だった濱崎氏。「小さなモーターをたくさん載せた列車のほうが運転しやすい」「VSEには、非常時に運転士が脱出するためのハッチがある」などのロマンスカートリビアを披露した。木村裕子さんは持ち歌の「鉄ヲタだって人間だぁ! 」を小田急バージョンで歌った。歌詞に小田急の駅や車両が登場し、小田急ファンも大喜び。

「トレインズ」店長濱崎氏も参加した木村裕子さんのライブ

木村裕子さんの撮影会もあり、ファンサービスもたっぷり

小田急の愛を感じた2日間

このファミリー鉄道展は、小田急グループから利用者への感謝祭として行われているそうだ。車両、保線、販売など、ほとんどのブースは社員が総出で取り組んでいる。そして、どの担当者も休日出勤なのに笑顔を絶やさない。いや、それどころか、子供たちのはしゃぐ様子を見て本当に嬉しそうだ。「小田急の方々は鉄道と地域を愛しているんだなあ」と感動した。私にとっては、新型ロマンスカーやお蔵出しの初代ロマンスカー、先行販売のカレンダーよりも、小田急そのものに対して好感度を高める1日となった。2007年は小田急線開業80周年、ロマンスカー50周年を記念する特別な年とのことだが、ぜひ2008年以降もこの勢いで続けてほしい。