san値の意味と使い方は? san値ピンチやsan値直葬などの派生語解説 【診断付】
SNSなどでよく見聞きする「san値」の意味とは? 今回は、語彙解説を得意とするライターのSaiさんに、「san値」の意味や派生語「san値直葬」「san値ピンチ」について解説してもらいます。 また、あなたの今のsan値を診断でチェックしてみましょう。
「san値」の使い方と例文
「san値」を使う時は、主に「san値が減った」とか「san値が削られた」などという表現をします。日常生活でショッキングなことに遭遇したり、精神的につらい出来事が続いていたりする時などに使われる言葉です。
ネットスラングになじみがないとなかなか使い方をイメージできないかもしれません。例文で具体的な用法を確認しておきましょう。
例文
・ショッキングな映画を見てしまったせいでかなりsan値が削られてしまった。
・金曜日に昇給面談があるせいで、今週のsan値はだだ下がりだ。
・やってもやっても仕事が終わらなくて、さすがにsan値がピンチだ。
・毎日上司に叱られてばかりで、san値がかなり減っている。
・職場での人間関係が苦痛でsan値がどんどん削られていく。
「san値」の派生語
「san値」には、会話やSNS上などにおいてよく使用されるいくつかの派生語があります。代表的なものを紹介していきます。
san値直葬
「san値直葬」は、たまたま見たものがきっかけで「san値」が一気に削られ正気を失ってしまう状態を表す言葉です。
言葉の音からも分かるように「産地直送」をもじった表現であり、何気なくクリックした動画がかなりショッキングな内容だったり、ホラー系のイラストを見て正気を失いそうになったりした時に使われます。
また、インターネット上では閲覧注意な動画や画像などに「san値直葬」と注意書きされていることが多々あります。
sanチェック
「sanチェック」は、元々は前述のテーブルトークRPG『クトゥルフの呼び声』において、正気度ポイントを使った判定を指す言葉として使われていました。
ゲーム内では、怪物に遭遇したり恐ろしい真実に直面したりすると「san値」が削られることになるのですが、その削られる「san値」の量を確認する作業を「sanチェック」と言います。
そこから転じて、「精神がすり減るイベントが起こったこと」に対しても「sanチェック」が使われるようになりました。
例えば、ショックなことが起こった時に「sanチェックが入った」と言ったり、衝撃を受ける画像などを載せる時に「sanチェック入るのでモザイクを入れます」などと記載したりするのが具体的な使い方となります。
san値ピンチ
「san値ピンチ」は、正気度のパラメーターが極限まで低下し、精神的にダメージを受けている状態であることを表す言葉です。
元々はゲーム『クトゥルフの呼び声』にて正気度パラメーターが0に近づいている状態を指す時に使われていた言葉ですが、クトゥルフ神話を題材にしたアニメの作中や楽曲の歌詞に使われたことから徐々に浸透していきました。
日常生活では、「仕事が終わらなさそうでsan値ピンチだ」といったように、精神的に追い込まれ、どうにかなりそうな状態を表す意味でよく使われています。
「san値ピンチ」を表す顔文字とは?
「san値ピンチ」には、この状態を表す顔文字が存在します。
\(・ω・\)SAN値!(/・ω・)/ピンチ!
焦っている様子を適格に表現したユニークな顔文字。友達とのフランクな会話の最中などに使用してみるのもありでしょう。
san値削れる
「san値」が減ることを、削れるという動詞で表現することがあります。
従って、「san値削れる」とは、文字通り「san値」が減り、正気を失っていくさまを表しています。
正気を失いそうな場面では、「○○のせいでsan値削れる」などと表現してみましょう。
san値ゼロ
「san値ゼロ」とは、こちらもそのままの意味。san値が全くのゼロ状態であることを示しています。ゲーム内では、san値ゼロになると、永久的狂気に陥ります。
つまり、正気の沙汰ではなくなり、回復できないほどメンタルが追いやられるさまや、「もうダメ……」という絶望を指す意味合いで、このスラングが使えるでしょう。
san値回復シナリオ
「san値回復シナリオ」は、ゲーム内でよく使われる言い回し。意味は、san値を回復させる方法の想定、といったところでしょうか。
スラングとして派生して使う場面はあまりなく、ゲーム内で主に使われる表現だと思っておくと分かりやすいでしょう。
「san値」を使う上での注意点
元々はゲーム内で使われていた言葉であるものの、ネットスラングとして広く普及している「san値」。
使い勝手の良い言葉ですが、使用する上でいくつかの注意点があります。正確に使うためにもポイントを押さえておきましょう。
「san値」は俗語であり公式のルール用語ではない
元々ゲーム『クトゥルフの呼び声』のプレーヤーの間で広く使用されてきた「san値」ですが、実は公式のルール用語ではなく、ファンの間でのみ使われている俗語となります。
原語のルールブックには「Sanity Point」、現行の日本語ルールブックでは「正気度ポイント」と訳されており、「san値」という表記は公式ルールブックのどこにもありません。
なお、国内で昭和の頃に出た古いルールブックには「san値」と書かれていることもあるようですが、これは当時の翻訳スタッフの誤記であり、現在のルールブックでは徹底して「san値」の表記が削除されています。
すでにゲームとは関係なく幅広く使われている言葉のため使用に問題があるわけではありませんが、誤解のないように覚えておくと良いでしょう。
職場などで使うのは控えよう
インターネット上や若者の間では浸透している「san値」ですが、あくまでもネットスラングですので、使用する相手やシーンなどは正しく見極める必要があります。
例えば、職場で使うと「砕けすぎている」という印象を持つ人もいるでしょうし、そもそもビジネスシーンにそぐわないと考えている人も少なくありません。
また、初対面の人や知り合って間もない人と話す場合も、基本的には使用を避けた方が無難です。
相手の感情や立場などを考え、適切なシーンでのみ使用した方が良いでしょう。
次のページでは、あなたの正気度や忍耐力をチェックするsan値診断を紹介します。
※この記事は2021年07月01日に公開されたものです