経費精算システムの導入メリットとは?気になるデメリットや選び方も紹介!

経費精算システム

経費精算システムを導入することで、経費精算はどのように効率化できるでしょうか。本稿では、経費精算システムの導入メリット・デメリット・製品の選び方について詳しく解説します。導入メリットを確認して、自社の経費精算業務がどのように改善できるかを把握しましょう。

経費精算システムの
おすすめ製品比較記事を見る

経費精算システムとは

経費精算システムとは、企業の経費精算業務を効率化するための機能を提供しているITシステムのことです。経費精算の申請・承認および経理部門での経費精算処理を自動化し、データを一元管理することで経費の予実管理も可能にします。

製品によっては、経費精算業務のペーパーレス化に対応し、経費精算業務をオンラインで完結できるものもあります。経費精算システムで蓄積したデータは、会計システムなど他システムと連携することで、さらなる業務効率化が可能です。

経費精算システムを導入すると、具体的にどのような導入メリットがあるのかについて、もう少し詳しく見ていきましょう。

経費精算システムを導入する9つの導入メリット

経費精算システムを導入することで得られるメリットについて、9点にまとめて解説します。

1、領収書やレシートの撮影で申請時の負担軽減

従来、経費を申請する際は、紙またはExcelの申請書に必要事項を記入し、領収書やレシートは紙の状態で提出する必要がありました。経費精算システムを導入すると、領収書やレシートを撮影して申請画面に画像データとして添付してすぐに申請できるようになります。

さらに、OCR読取機能(画像から文字情報を読み取る機能)や、領収書の情報をオペレーターが代行入力するサービスを提供する製品もあります。これらの機能やサービスを備えた製品を利用すると、経費を申請する従業員の負担はかなり軽減できます。

2、定期圏内の交通費自動控除やICカードの読み取りが可能

経費精算の中でも、交通費の精算は頻度が多く手間がかかります。特に、交通費精算で多いミスは、交通費から定期券の区間分をマイナスせず、区間分の交通費をそのまま精算するミスです。経費精算システムを導入すると、2種類の機能で、交通費の精算ミスを防止できます。

1つは、定期圏内の交通費自動控除機能です。外部の乗換サービスと連携し、移動区間を入力するだけで、従業員の定期区間から自動的に正しい交通費を算出して経費申請画面に反映できます。

もう1つの機能は、交通系ICカード利用履歴読取機能です。交通系ICカードの利用履歴より実際にかかった交通費を経費申請画面に反映できます。製品によっては、交通系ICカードと連携して、自動改札を通過したタイミングで自動的に経費精算が完了するというものもあります。

3、ペーパーレス化による領収書紛失防止と保管場所のコスト削減

従来では、紙の領収書は整理して保管しておく必要があり、整理の手間・保管場所の確保などが必要でした。

電子帳簿保存法に対応している経費精算システムを導入することで、領収書やレシートなどの国税関連書類や帳簿のペーパーレス化が可能に。領収書などを紛失するリスクを防止でき、保管場所や整理にかかっていたコストも削減できます

4、経費の申請から承認・精算処理までの期間を大幅短縮

従来、経費の申請から実際に経費精算処理が完了するまでは時間がかかっていました。まず、経費申請は出張先から戻って職場で行わなくてはなりません。承認を貰うべき上司が出張の場合は、上司が戻るまで承認は滞ります。経理部門までようやく申請書が届いても、記入ミスがあれば差し戻しで一からやり直しです。

経費精算システムを導入することで、経費精算が完了するまでの期間を大幅に短縮できます。経費申請や承認は社外からモバイルデバイスを使うことですぐに対応可能です。申請データは入力チェック機能によりある程度正しいデータが担保されるため、経理部門の申請内容チェックの手間も軽減されます。

5、社外からの申請・承認が可能

経費精算システムのほとんどは、社外からの経費申請・承認が可能です。職場に戻らず申請や承認が行えるため、経費精算処理は滞ることなくスムーズに進行できます。また、経費精算のためだけに職場に戻る、無駄な移動にかかる交通費も削減できます。

6、経理部門の負担軽減

従来の経費精算処理では、経理部門にも大きな負担がかかっていました。経費申請書と領収書の内容チェック、精算ルールに沿っているかの確認を行い、間違っている場合は申請者に連絡して申請書を返送します。これらの手間はかなりのものです。さらに、経費申請書や領収書の整理・保管の手間もかかります。

経費精算システムを導入すると、経費申請内容のチェックは、システム側の設定でかなりの部分がカバー可能に。差し戻す場合も画面からの操作だけで済むため簡単です。経費申請書や領収書はシステム内で整理・保管できているので、これらの作業も必要ありません。

また、手間のかかる経費精算業務の1つに小口現金の処理があります。クレジットカードやプリペイドカードとの連携が可能な経費精算システムなら、仮払いをなくして経費精算を全てキャッシュレス化することも可能です。

7、仕訳データや振込データの作成も自動で行う

経理部門で経費精算処理が完了すると、会計システムに経費のデータを入力し、申請者の銀行口座に精算した金額を振り込む作業が発生します。

経費精算システムを利用すれば、精算した経費は自動的に仕訳データとして蓄積され、会計システムに連携できるようになります。また銀行口座へまとめて振り込むための振込データも作成可能で、振り込みの手間も大幅に軽減されます。

8、内部統制の強化

経費精算システムの承認ワークフロー機能を利用して内部統制の強化を図ることもできます。

例えば、社内ルールで一定金額以上の出張旅費や交際費に対して事前承認を必要とする場合は、承認ワークフローを利用して承認の履歴を残してください。この運用により誰が承認したかが明確になり、トラブルを未然に回避できます。

9、不正申請の防止

経費精算システムの中には、交通系ICカードだけでなく、クレジットカードやプリペイドカードなどの利用履歴が連携できるものもあります。外部サービスの連携データを活用することで、不正申請の防止も可能です。

高額な経費精算には事前申請が完了しているかどうかのチェックを設けることで、ルールに反した経費精算も防止できます。

以上、経費精算システムを導入するメリットについて、具体的に解説しました。メリットの多い経費精算システムですが、導入時に気をつけたいデメリットもあります。

経費精算システムの
おすすめ製品比較記事を見る

経費精算システム導入時のデメリット6つ

経費精算システムを導入する際に注意したいデメリットについて紹介します。いずれも事前に備えることで回避できるので、併せてご確認ください。

1、使いにくいと運用が困難になる

どんなに高機能なシステムでも、使いにくいと社内に浸透せず、運用が困難になります。経費精算システムの場合は、特に全従業員が利用する経費申請の機能が使いやすいかどうかが、スムーズに運用するための重要なポイントです。

2、システム化できる範囲の見極めが必要

システム化できる範囲は、製品により異なります。領収書などのペーパーレス化を進めたい場合は、電子帳簿保存法に対応している製品を選ばなくてはなりません。経費精算を全てキャッシュレス化したい場合は、クレジットカードやプリペイドカードと連携できる経費精算システムなどが適しています。

3、研修資料の作成や運用方法の検討・対応が必要

経費精算システムは、導入してすぐに使えるものではありません。研修資料の作成・運用方法の検討や体制作りなどに手間や時間がかかる点は、経費システムシステム導入のデメリットです。

システムの利用を組み込んだ経費精算業務の運用ルールを検討し、従業員に周知・研修などのスケジュールを組むなどの準備を進めるようにしましょう。

4、導入目的を明確にしておかないとコストがかかる

経費精算システムを導入することで業務の効率化は可能です。ただし導入目的が明確でないまま高機能な製品を選ぶと、費用対効果が悪いという結果になる可能性があります。

経費精算業務でも特にどの業務に工数がかかっているかを明確にしてから、工数のかかっている業務を確実に効率化できる機能を持つ製品をいくつか選んでください。さらに、システム導入および運用の総コストも計算して、費用対効果のいい製品を選ぶようにしましょう。

5、情報漏洩のリスク

社外から接続できる経費精算システムは便利です。しかしその分、情報漏洩が起こる可能性がある点には注意してください。暗号化通信や格納しているデータの暗号化など、情報漏洩のリスクを低減するセキュリティ機能を持つ製品を選びましょう。

6、サポート体制が不足していると導入に時間がかかる

経費精算システムを導入した直後は、システムを使い慣れていないこともあり、想定外のトラブルが発生する可能性が高くなります。導入前後の支援体制が手薄だと、スムーズな運用に移行できません。導入支援サービスが手厚い製品を選び、システムの利用開始後も問題なく運用できる体制を整えましょう。

ここまで経費精算システムの導入メリットとデメリットについて整理しました。これらの内容を踏まえて、経費精算システムの選び方を解説します。

経費精算システムの選び方9つ

自社に合った経費精算システムを選ぶためには、いくつかの確認ポイントがあります。ここでは、9つの確認ポイントを順番に解説します。

1、従業員や管理者にとって使いやすいか

経費精算システムの使いやすさは、システムの活用を全社に浸透させるために欠かせないポイントです。

通常、製品には機能の制限がある無料プランや期間限定のトライアル版が提供されていて、操作性や機能を確認できます。いくつかの候補を絞り込めたら、操作性を比較して、より使いやすい製品を選びましょう。

また操作性を確認する際は、経費の申請や承認を行う従業員と経費精算業務を管理する管理部門の担当者が、それぞれ操作するようにしましょう。

2、自社に適した提供形態か

経費精算システムは、主に自社内で環境を構築するオンプレミス型と、インターネット上に構築されたサービスを利用するクラウド型に分かれます。

近年では、多くの経費精算システムは低コストかつ短期間で導入しやすいクラウド型が人気です。ただ、自社の経費精算ルールや自社システムと連携したいなど、拡張性を求める場合はオンプレミス型が適しています。

3、自動化したい経費精算業務の範囲を明確にする

経費精算システムのどの部分を自動化したいかを決めておくことも重要です。製品によって、自動化の範囲や手段が異なるため、自社に合った製品を選んでください。

例えば、テレワーク勤務などで定期券を使わず、出社ごとに交通費を精算している会社の場合は、交通費の精算を自動化できる製品を選ぶといいでしょう。交通費以外の経費の支払いを効率化する場合は、クレジットカードやプリペイドカードの利用明細と連携して自動で経費精算が進められる製品が適しています。

4、経理担当者以外にも導入メリットがあるか

経費精算システムによる業務効率化は、主に経理部門の負担を大きく軽減します。ただ、経理担当者以外にも、経費精算システムの導入メリットがあるかどうかも確認しましょう。社外からでも経費の申請や承認は可能か、経費申請時に入力をアシストする機能がどれだけ充実しているかなどは確認したい点です。

5、マルチデバイス対応か

社外から接続する場合、スマートフォンやタブレットの対応OSの範囲が広いと、より多くの機種が使えます。自社の状況を踏まえて、できる限り多くの機種に対応している経費精算システムを選びましょう。

6、セキュリティ機能・体制の確認

クラウド型の経費精算システムは、セキュリティを高める機能や体制などが整っているかどうかを確認します。特に、データを格納しているデータセンターの場所(国)や堅牢性については、しっかりと確認したいポイントです。

オンプレミス型経費精算システムは、社内に環境を構築するため、クラウド型よりは一定の安全性を保てます。ただし社内のセキュリティ対策が弱いと意味がないため、社内のセキュリティ体制を今一度見直してください。

7、既存システムとの連携しやすさ

経費精算システムで扱う経費のデータは、他システムと連携させることでさらに業務効率化が可能です。特に、今利用している会計システムと連携しやすいかどうかは忘れず確認しましょう。

8 サポート体制は求めるレベルか

経費精算システムを提供する会社のサポート体制は、自社が求めるレベルでしょうか。問い合わせは電話でも可能か、メール・チャットのみかなど、製品によってサポート体制には違いがあります。各製品を比較して、自社の求めるレベルのサポートが受けられるかどうかを確認しましょう。

9、導入支援サポートなど必要なサービスメニューがあるか

製品のサポート体制とは別に、導入支援サポートや研修サービスなど、サービスベースのソリューションメニューを用意している製品もあります。システム導入時に手間取りそうだという場合は導入支援サポート、従業員教育に不安のある場合は研修サービスなど、利用したいサービスメニューの多い製品を選びましょう。

経費精算システムのメリットを活かして業務効率化を進めよう

経費精算システムは、企業の経費精算業務を大幅に効率化できるメリットを数多く備えています。メリットを活かして、手間のかかっている経費精算業務を自動化しましょう。

経費精算システムの
おすすめ製品比較記事を見る
タイトルとURLをコピーしました