BIツールの価格はいくらぐらいかご存知でしょうか。パッケージソフトかオンプレミス型のシステムか、クラウドサービスかで費用相場は異なります。また、料金体系もライセンスやデータ容量などさまざまな要素が関わるため、簡単ではありません。この記事では、BIツールの価格について情報を整理しながら解説します。
BIツールの製品比較記事を見るBIツールとは
BIツールとは、さまざまな業務データやログ情報などから必要なデータを抽出・加工し、何種類ものデータ分析手法を使ってビジネス課題を解決するツールです。膨大なデータも扱えるうえ、データの収集から分析まで自動化できるため、より迅速なデータ分析・問題点の検出と改善策の検討・実施が可能となります。
BIツールは、提供形態としてオンプレミス型・パッケージソフト・クラウド型に大別され、費用相場も異なります。BIツールの費用を算出するには、提供形態以外にも別の要素が絡むため、順番に確認しましょう。
BIツールの費用を算出する4つの要素
BIツールの費用を算出するには、提供形態・ライセンス体系・データ容量、そして使用したい機能の数が関係します。これら4つの要素について順番に解説します。
1 提供形態(オンプレミスかクラウドか)
提供形態によって、料金体系はまったく異なります。オンプレミスは初期費用が高く、その後は年間保守費用が発生します。パッケージソフトを導入するだけならこの費用で済みますが、カスタマイズする場合はさらに開発費用がかかるため、まとまった予算が必要です。
クラウドは、オンプレミスよりは安い初期費用と、別途プランごとに異なる月額料金がかかります。一般的に、クラウド型の方がオンプレミス型よりも低コストでBIツールの導入が可能です。
2 ライセンス体系(ユーザーごとかサーバーごとか)
提供形態にも絡みますが、ライセンス体系の違いもBIツールの費用相場に直結します。扱えるデータの容量単位やユーザー単位は、クラウド型のBIツールに見られる料金体系です。一方、サーバー単位は、オンプレミス型やパッケージソフトで多く採用されるライセンス体系です。
3 データ容量
ここで言うデータ容量とは、社内システムからデータ分析に必要となるデータを転送する容量のことです。データ容量単位の料金は、従量課金制または、一定容量ごとに定額制など、製品によって詳細が異なります。
特に従量課金制の場合は、自社で分析したいデータ容量を概算レベルで計算してから、いくらぐらいかかるか計算しなければなりません。データ容量タイプの料金が必要となる製品の場合、自社で分析対象データ量がどれだけあるか調査が必要不可欠です。
BIツールの利用目的を決める際は、一緒にBIツールの分析対象データを決めて、必要容量を算出しておくと、BIツールの選定時に役立ちます。
4 使用したい機能数
使用する機能数も、BIツールの料金を左右する大きな要素です。オンプレミス型の場合は、必要に応じてカスタマイズ費用がかかり、クラウド型の場合は必要機能をオプションなどで追加し、月額料金と合算して支払います。
BIツールの費用相場
BIツールの費用相場は、オンプレミス型とクラウド型で大きく異なります。それぞれの費用相場について見ていきましょう。
1 オンプレミス型の費用相場
オンプレミス型(パッケージソフト)の費用相場は、サーバーライセンスで数十万~数千万円レベル、プラス年間保守費用が必要です。
年間保守費用は、「ライセンス価格の●%」として設定されている場合もあります。さらに、パッケージソフトをベースにカスタマイズする場合は、さらに数十万円単位以上のカスタマイズ費用が必要です。
具体例として、富士電機ITソリューション株式会社の「軽技Web Version7」の場合を見てみましょう。サーバー1ライセンス198万円~で、年間保守費用は29万7,000円~です。軽技Webは、今流行りのセルフサービスBIツールで機能も豊富な製品なので、他のオンプレミス型BIツールと比較するときの参考にしてください。
2 クラウド型の費用相場
クラウド型BIツールの費用相場は、1ユーザー単位の月額料金で数百~数千円単位がベースです。もっとも安い有料プランは数百円、高機能になると数千円と見ておくといいでしょう。製品によってはボリュームディスカウントをしている製品もあるため、料金プランはしっかり確認しましょう。
クラウド型BIツールの費用相場の例として、「Microsoft Power BI」を見てみましょう。料金体系はユーザー単位と容量単位の2種類用意されており、ユーザー単位の「Power BI Pro」は、月額1,090円です。容量単位の「Power BI Premium」なら、月額54万3,030円となります。
他のクラウド型BIツールも、1ユーザー単位の月額料金は「Microsoft Power BI」と近い製品が多く見られます。
単純に容量単位の月額料金をユーザー単位の月額料金で割ってみましょう。1ヶ月あたりの利用人数が498人まではユーザー単位の方が安くなります。499人を超えると容量単位の方が割安です。
BIツールの製品比較記事を見る無料で使えるBIツールの特徴と注意点
BIツールの中には、完全無料で提供されているオープンソースのものや、有料製品の無料プランなど、費用がかからないものもあります。無料で使えるBIツールの特徴と、利用する場合の注意点について確認し、自社に適しているかどうかを判断しましょう。
1 手軽に導入できる
無料で使えるBIツールは、インターネット上からダウンロードするだけで簡単に使えるため、導入はとても手軽です。
BIツール作成に使用している言語の種類によっては、別途実行環境を整える必要があります。そのようなケースは、基本的に環境構築のチュートリアルが用意されているため、確認しながら作業を進めれば問題ありません。クラウド型のBIツールなら、無料プランに登録するだけでインストールの手間も不要です。
ただし、日本語対応は少し手間がかかるかもしれません。情報を集めて日本語化対応にすることで、ツールはより使いやすくなります。
2 基本的な機能は使える
無料のBIツールでも、基本的なデータ収集とデータ分析機能は備わっています。データの収集方法やデータ分析に関する基礎的な知識があれば、すぐにでもBIツールを利用可能です。使用できる機能の範囲内で求めるデータ分析が行えるなら、無料のBIツールでも十分に業務効率化に役立ちます。
データの収集方法やデータ分析などの知識が乏しい場合は、BIツール導入の支援サービスがあると便利です。しかし、オープンソースなど完全無料のBIツールでは、人による対面のサポートはありません。
自力でBIツールを使いこなせない場合は、無料のツールよりも有料ツールを選び、導入支援や運用支援のソリューションサービスを利用することも検討しましょう。
3 機能制限がある
特に製品の無料プランでは、基本的に機能制限があります。利用人数、扱えるデータ容量、使えるデータ分析の種類などは事前に確認しましょう。セキュリティ関連の機能も、無料プランでは使えないケースが多いので要注意です。
無料ツールを使って、できる範囲でのデータ分析で問題ないなら、無料のBIツール導入も検討しましょう。機能制限がネックになる場合は、有料プランや有料製品がおすすめです。
BIツールの費用は利用期間で算出して比較しよう
BIツールの費用は、さまざまな条件で変わってきます。BIツール選定の際は、複数の製品に対し、希望する利用期間をもとに算出してからの比較がおすすめです。一般的には、高機能になるほど価格も高くなるため、自社に最適なプランを選んで予算内に収まるかどうかを検証してください。
BIツールの価格調査や機能比較などを行う場合は、ぜひ以下より製品の資料を入手して、比較検討にお役立てください。
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