太陽光発電の設置を検討している方で、新築時に設置すべきか、後付にすべきか悩んでしまう方は多いのではないでしょうか。太陽光発電に対しての知識に乏しく、興味はあるけど設置の手続きや方法がわからない方も多いようです。
この記事では、太陽光発電を付けるときに知っておきたい基礎知識を紹介します。さらに新築と後付について、それぞれのメリットとデメリットも解説します。合わせて、後付する際の流れなどもまとめました。将来的に太陽光発電の設置を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
太陽光発電一括見積りサイトTOP3
太陽光発電の設置で失敗しないためには、複数のメーカー・販売施工業者を比較・検討して選ぶことが重要です。メーカーによってかかる費用やサービスなど違いがあるため複数業者をしっかり比較することで失敗を避けることができます。
編集部では、実際に太陽光発電の一括見積もりサイトを利用したことのあるユーザーにアンケートをとり、特に評価の高いサイトをまとめました。
- ソーラーパートナーズ
太陽光発電見積サイト部門 依頼件数ランキング」にて4年連続No.1(2015〜2018年リフォーム産業新聞調べ) - タイナビ
最短30秒の入力操作で、最大5社に見積りを依頼可能! - グリエネ
全国450社以上の業者と提携。カスタマーサポートによる完全個別対応!
※ランキングは、実際にサイトを利用した人に実施した満足度アンケートをもとに構成しています。
太陽光発電を付けるときに知っておきたいこと
まず最初に、太陽光発電を設置するなら、あらかじめ知っておきたいことを紹介します。検討をスムーズに進めるためにも、基礎知識としてここで紹介する内容はしっかり理解しておきましょう。
太陽光発電の設置基準
太陽光発電を設置するにあたって、目安とされている基準があります。太陽光発電を取り付けたいと思っている方は、取り付ける住宅がここで紹介する基準を満たしているか確認してみてください。
まず、屋根の面積と角度に基準があります。この際、面積は20~30平方メートルほど必要といわれています。ただし天窓や装飾がついている場合は、面積が基準を満たしていても設置できない場合があるため注意が必要です。
合わせて、角度は30度前後が推奨されています。角度によって発電効率が変わり、売電収入にも大きく影響するため、これも注意しなければなりません。そもそも、太陽の高さが地域によって異なるため、それに応じてもソーラーパネルの角度を調整する必要があるでしょう。
また、太陽光発電の設備は塩害による影響を受けやすいため、沿岸部など海に近い地域では設置できない場合があります。そのような地域で太陽光発電を設置したい場合は、事前にメーカーに設置可能か確認するようにしましょう。
複数から見積もりをもらう
太陽光発電を後付する場合は、複数の業者に見積もりを依頼しましょう。そもそも1社だけに見積り依頼をした場合、その見積もり内容が適正か、その業者が優良かを正しく判断するのは難しいことです。そのため、複数業者の見積もり内容を比較して、一番よいと思われる業者に依頼するのがおすすめです。
複数業者の見積もりを比較することによって、各業者の違いがわかりやすくなります。例えば費用が安くて一見お得に見えても正しく施工できない業者もあるため、見積もり内容に提示されている条件や項目も細かくチェックしましょう。
太陽光発電の導入を検討しているなら、「タイナビ」の一括見積もりがおすすめ!
太陽光発電や蓄電池の設置で、希望に合う施工業者を効率よく探すなら、太陽光発電・蓄電池の一括見積もりサービスが便利です。中立的な立場から、あなたの状況に合うおすすめの施工業者を紹介し、契約までサポートしてくれます。 特に編集部がおすすめしたいサービスが「タイナビ」です。タイナビがおすすめな理由は大きく4点!
太陽光の専門家監修!太陽光発電一括見積もりサイトおすすめランキング
タイナビの他にも複数の業者を比較して、質の高い業者に依頼したいという方に向けて、実際にサービスを利用したことのある方に行ったアンケート結果をもとに、太陽光発電一括見積もりサイトをランキング形式で紹介!
さらに、専門家に聞いた太陽光発電一括見積もりサイトを利用する際の注意点や、質の高い業者を見極めるポイントも紹介しているのでぜひご覧ください。
売電収入のシミュレーションをする
太陽光発電で得られる収入を売電収入といいます。
そこで太陽光発電を設置する前に、売電収入をシミュレーションしてみましょう。太陽光発電を設置するなら、収入の計算は非常に重要です。具体的には設置費用を売電収入で回収し、更に利益を出していかなければなりません。年間売電収入を算出する計算式は下記のとおりです。
売電単価(円/kWh)×ソーラーパネルの容量(kW)×1,100(kWh/年・kW)
なお、売電単価は設置する年によって変わっています。経済産業省が公表しているデータによると、2024年の売電単価は16円です。
後付と新築時の費用
後付の場合にかかる費用は、機器の種類や必要な工事で変わりますが、おおよそ100万円から300万円程度が相場です。しかし屋根のリフォームなどが必要になることもあるため、更に費用がかかる場合があることは頭に入れておきましょう。
新築時に太陽光発電を設置する費用は、後付と同じく100万円から300万円程度です。いずれの場合も、蓄電池を後付する場合はさらに費用が必要です。
このように、後付・新築どちらでも、初期費用で大きな金額が必要となることがわかります。しかし、太陽光発電の耐用年数は30年以上と長いため、長期にわたってしっかりした管理と運用をしていけば、初期費用を回収するのはそこまで難しいことではありません。
また、自治体によっては太陽光発電の設置費用で利用できる補助金を用意しているところもあります。補助金を利用することによって、コストの低減が可能です。金額や条件、受付機関などは自治体によって異なるため、太陽光発電設置の際はお住まいの自治体に確認しましょう。
太陽光発電後付にするメリットとデメリット
ここからは、後付で太陽光発電を設置するメリットとデメリットを紹介します。後付で太陽光発電の設置を検討している方は、ここで紹介するメリットとデメリットをしっかり把握しておきましょう。
メリット
太陽光発電を後付するメリットとしては、下記のようなことが挙げられます。
それぞれどのようなメリットなのかを詳しく解説していきます。この機会に、後付のメリットを知っておきましょう。
固定資産税が抑えられる
太陽光発電を後付するメリットとして大きいのが、固定資産税を抑えられることです。固定資産税は所有している不動産に対して課せられる税金ですが、後付の場合は屋根とは別のものとみなされるため、太陽光発電の設備に対して固定資産税がかかりません。
固定資産税がかからないため、つまり毎年かかる費用を抑えられるということに繋がります。一方、新築時に設置する場合は太陽光発電も住宅の一部とみなされるため、固定資産税が課されることになります。
余裕を持って検討ができる
後付の場合、施工会社の選定や機器選びを急ぐ必要がありません。時間をかけて、多くの選択肢から価格や性能などを比較できます。期間に制限があると複数の会社とやり取りするだけでも大変ですが、時間に余裕があれば複数の会社に見積りを取って、じっくり比較検討もしやすくなります。
期限が迫った状態では精神的にも余裕が持てません。時間に追われることがなく精神的にも余裕が持てるのは、後付の大きなメリットといえるでしょう。
設置業者の選択肢が広い
新築時に太陽光発電も設置する場合は、家を建てる業者もしくはその業者と提携している業者が施工するのが一般的です。そのため、太陽光発電の設置業者を選ぶことができません。しかし、後付であれば数多くある施工業者の中から自由に選べます。
業者を選べない場合は最適な太陽光発電の商品を選べなかったり、割高になってしまったりする可能性があります。設置業者の選択肢が広くて自由に業者を選べるのも、後付の大きなメリットです。
デメリット
新築の場合もメリットだけではなく、デメリットがあります。太陽光発電を後付するデメリットしては、以下のようなことが考えられます。ぜひこの機会に、メリットだけではなくデメリットについても詳しく知っておきましょう。
屋根の負担が大きい
太陽光発電の設置では重量のあるパネルを乗せる必要があるため、どうしても屋根に負担がかかることになります。新築時に太陽光発電を取付ける場合は、それも考慮して重量に耐えられるように屋根が設計されます。
しかし、後付の場合はそのような前提がないため、まず屋根がパネルの重量に耐えることができるか診断しなければなりません。
診断の結果、屋根のリフォームが必要になった場合は、その分の費用が上乗せでかかってしまいます。そのような場合、住宅ローンは使用できないことにも注意が必要です。
住宅ローンの利用ができない
太陽光発電の設置にかかる費用は、住宅ローンで借り入れすることができません。自己資金、もしくはソーラーローンを利用することになります。一般的に、ソーラーローンは住宅ローンよりも金利が高く設定されています。
このようなことから、ソーラーローンを利用すると新築で設置する場合よりも割高になってしまうケースが多いです。住宅ローンを支払い中の場合は、それに加えてソーラーローンも支払い開始となり、支払い終了まで両方を払い続けなければなりません。これらのことも踏まえたうえで、無理のない支払い計画を立てましょう。
屋根の補償期間
新築住宅の屋根は、住宅品質確保促進法によって引き渡しから10年間の契約不適合責任が定められています。この契約不適合責任には防水補償も含まれていますが、太陽光パネルを設置した時点でその補償は無効になる可能性が高いことに注意しましょう。
多くの場合、太陽光発電にも補償はありますが、施工業者によって期間が異なります。もし太陽光発電を後付するのであれば、10年以上経過してからがお勧めです。建築から10年経過すると住宅にも経年劣化がみられるため、リフォームも含めて検討するとよいでしょう。
家に合わない設備になることも
一般的な住宅は太陽光発電の設置を考慮せずに設計、建築されています。
そのため、後付の場合は太陽光発電の設備や配線が家の外観に合わない可能性があります。
例えば新築時なら屋根との一体型として自然な外観に仕上げられますが、後付の場合は不自然な外観にならないかどうしても注意が必要です。
また、屋根の角度や面積などの問題で、太陽光発電の設置ができない可能性もあります。その場合は屋根のリフォームが必要です。
太陽光発電新築時につけるメリットとデメリット
ここからは、新築時に太陽光発電の設備を取り付けるメリットとデメリットを紹介します。新築と後付、それぞれどのようなメリットとデメリットがあるのかを知ったうえで、どちらのタイミングが最適か考えましょう。
メリット
新築時に太陽光発電を設置する主なメリットは下記のとおりです。
- 住宅ローンの利用ができる
- 工事費用が安くなりやすい
- 太陽光発電に合わせた家造りがしやすい
- 雨漏り等のトラブルが少ない
ここからはそれぞれについて詳しく解説していきます。自分にとってお得感があるメリットか、考えながら読んでみてください。
住宅ローンの利用ができる
新築で太陽光発電を設置する大きなメリットが、新築する費用とひとまとめにして住宅ローンの借り入れができることです。太陽光発電設置の費用で借り入れできるソーラーローンというものもありますが、住宅ローンと比べて金利は高くなります。
太陽光発電の費用を住宅ローンならではの低金利で長期の返済ができるのは大きなメリットといえるでしょう。結果的に、後付するより大幅にコストを削減できます。
工事費用が安くなりやすい
住宅の建築費用と太陽光発電の設置費用をひとまとめにできるため、トータルの工事費用が安くなりやすいというメリットがあります。後付の場合は、屋根のリフォームなど追加工事が必要になるケースがよくみられますが、追加工事が発生すれば費用は増えてしまいます。新築時に設置すれば、そのような事態も回避可能です。
太陽光発電に合わせた家造りがしやすい
住宅設計の初期段階から、太陽光発電の設置を含めた設計ができます。屋根の形状や角度、面積なども太陽光発電を考慮して設計するため、外観や配線についても違和感のない家にしやすいというメリットがあります。充電効率も考慮した設計ができるため、長期的な視点で見るとランニングコストの面でもお得です。
新築は、屋根の種類や向きを調整でき、太陽光に向いた家を作ることができます。最近では、屋根の種類 はガルバリウムが人気ですが、金属のほうが安く、雨漏りしずらい傾向にあります。
雨漏り等のトラブルが少ない
後付の場合は、屋根を剥がしてボルトなどで固定する工事が必要です。大掛かりな工事になるため、雨漏り等のトラブルが発生するリスクは大きくなってしまいます。その点、新築時の取付であれば屋根を剥がさずに設置できるため、そのようなトラブルが発生する可能性も低く済みます。
デメリット
新築時に太陽光発電を設置するデメリットも紹介します。メリットだけではなく、デメリットについても詳しく知っておきましょう。
- 太陽光発電のメーカー選びが難しい
- 家造りに手間がかかる
太陽光発電のメーカー選びが難しい
新築時に太陽光発電を設置する場合は、住宅の建築と太陽光発電の設置を同時進行するため、建築と設置の両方が得意な業者に依頼するのが理想です。例えばどちらかを苦手にしている業者に依頼した場合、工事がスムーズに進まなかったり、後付するよりも割高になってしまったりする可能性があります。
さらに工事の品質だけではなく、費用の面から見てもメーカー選びは非常に重要です。建築と太陽光発電をまとめて依頼することで値引きしてくれる業者もありますが、一切値引きに応じない業者もあります。
また、依頼する業者によって設置できる太陽光発電のメーカーの選択肢が限られていることもあります。希望の太陽光発電メーカーがある場合は、事前にそのメーカーの商品を設置可能か業者に確認しましょう。
家造りに手間がかかる
太陽光発電を活かした家造りを行うため、機能や外観などの設計に手間と時間がかかります。
細部にまでこだわりたいのであれば、業者との打ち合わせも複数回行うことになるでしょう。そのため、新築で太陽光発電も設置する場合は、通常の新築よりも余裕を持ったスケジュール計画をたてる必要があります。
後付で太陽光発電を設置する流れ
ここからは、後付で太陽光発電を設置する流れについて解説します。おおまかな流れは以下のとおりです。太陽光発電を使用するためには、設置工事だけではなくさまざまな手続きも必要となります。
- 業者選定
- 見積もり
- 施工内容の確定と補助金の申請
- 電力会社と電力受給契約を締結
- 事業計画認定申請書を作成して経済産業省へ申請
- 太陽光発電の設置工事
- 系統連系の確認
太陽光発電を運用するためには、電力受給契約の締結と事業計画書の申請が必要です。
このうち電力受給契約の締結は、事業認定取得前に済ませておかなければなりません。しかし事業計画認定申請書は申請から認定取得できるまで3カ月以上かかる場合があったりと長めです。そのため、それを見越したスケジュールをたてましょう。
また、見積もり時には、業者が現地調査を実施して屋根の面積や角度、太陽光発電の重量に耐えられるか等を確認します。後付の場合、太陽光発電の設置工事期間は2日から4日間ほどかかるのが一般的です。もし屋根のリフォーム等が必要になった場合はさらに工事期間が長くなります。
まとめ
太陽光発電の設置を検討する際は、取り付ける屋根が設置できる基準を満たしているか確認しましょう。複数の業者から見積もりをとって、比較検討することも大切です。さらに取り付けて利益を得られるかを確認するために、売電価格のシミュレーションも行いましょう。
また、太陽光発電は新築でも後付でも設置可能です。例えば新築での設置費用を抑えられるというメリットがあります。建築と同時に設置するため、雨漏り等のトラブルも起きにくいです。しかし、メーカー選びが難しく、家造りに時間がかかるという側面もあります。
一方、後付は固定資産税を抑えられますが、屋根に負担がかかるデメリットがあります。後付と新築時の太陽光発電設置のそれぞれのメリットデメリットを知った上で、ぜひどちらが良いか検討してください。
※「マイナビニュース太陽光発電」は以下に記載されたリンク先からの情報をもとに、制作・編集しております。
・東京都環境局
・こどもエコすまい支援事業
・葛飾区公式ホームページ
・経済産業省
監修者情報
太陽光や蓄電池等の専門家。2017年より某外資系パネルメーカーに所属し年間1000件以上の太陽光を販売しトップセールスを記録。これまでの知見を活かしたYouTubeが業界NO,1の再生数を誇り、2021年に開業。現在は一般の方向けに自社で販売〜工事を請け負う。Youtubeチャンネル
◆記事で紹介した商品・サービスを購入・申込すると、売上の一部がマイナビニュース・マイナビウーマンに還元されることがあります。◆特定商品・サービスの広告を行う場合には、商品・サービス情報に「PR」表記を記載します。◆紹介している情報は、必ずしも個々の商品・サービスの安全性・有効性を示しているわけではありません。商品・サービスを選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品・サービススペックは、メーカーやサービス事業者のホームページの情報を参考にしています。◆記事内容は記事作成時のもので、その後、商品・サービスのリニューアルによって仕様やサービス内容が変更されていたり、販売・提供が中止されている場合があります。