キッティングとは？サービスの比較8選！メリットや選び方まで徹底解説

会社で新たにPCやスマートフォンを導入するとき、機器が多いほど、初期設定作業は煩雑になります。新入社員の入社時期や古い機器の一斉買い替えといった、大量に機器を導入する際は、より負担が増えるでしょう。そんな場合に検討してほしいのが、キッティングサービスです。

• 新しいPCやスマートフォンの導入作業の負担を減らしたい
• おすすめのキッティングサービスが知りたい
• キッティングサービスの選び方で悩んでいる

このような担当者の方に向けて、本記事はキッティングサービスのメリットや選び方、おすすめサービスを8つ紹介します。

キッティングサービスとは

キッティングサービスとは、名前の通りキッティングを代行してくれるサービスです。そもそもキッティングとは、企業が新規導入するPCやスマートフォンの初期設定を行うこと。簡単に言えば、使用者がPCに電源を入れて、すぐに使える状態にすることを意味します。

キッティングには、業務で使用するアプリケーションやセキュリティソフトのインストール、キーボードなど周辺機器との接続といった最初のセットアップ全般が含まれます。これらの作業を代行してくれるのが、キッティングサービスです。

一般的にキッティングは、新入社員の入社や人事異動の時期、古い機器の買い替え時に行われます。数十台を超える導入の場合、作業者の負担は避けられません。そこで、キッティングサービスを利用すれば、社員に負担をかけずにPCを準備できます。

キッティング方法は2種類ある

キッティングの方法は、次の2種類があります。

• 1台ずつ手作業で行う方法
• クローニングでまとめて行う方法

1台ずつ手作業で行う方法は、台数が少ない場合に適しています。反対に、台数が多い場合は向いていません。1台ずつ開梱からセットアップまでするのは非常に時間が掛かる上、設定ミスのリスクもあるからです。

クローニングは、複数のPCをまとめてキッティングする方法です。複製元となるマスターPCを作成し、マスターPCの中身をまるごと他のPCに反映させます。台数が多い場合に適していますが、マスターPCの設定は知見がないと難しいでしょう。

キッティングサービスの3つのメリット

キッティングサービスのメリットは、以下の3つです。

1. 作業負荷の削減
2. 短期間でセットアップ完了
3. 適切なセキュリティ設定

具体的にどのようなメリットなのか、詳しくお話しします。

1、作業負荷の削減

1つ目のメリットは、作業負荷の削減です。PCの開梱から設定作業まで完全に外部に委託できるため、自社で作業を行う負担がなくなります。

1台のみや2台だけなど小規模なケースであれば、自社でキッティングを行っても作業負荷は少ないでしょう。しかし、新入社員の入社準備や一斉買い替えといった大規模なケースでは、作業負荷は多大なものになります。実際にどのくらいの工数がかかるのかも把握しづらく、作業担当者の本来の業務を圧迫してしまうでしょう。

キッティングサービスに依頼すれば、どれほど多くの台数であっても、自社の作業負荷が増えることはありません。

2、短期間でセットアップ完了

セットアップ作業のすばやさも、キッティングサービスを利用するメリットです。プロの手で、迅速な設定作業を行ってもらえるため、自社で対応するよりも短期間でセットアップが完了できます。

自社で対応する場合、担当者の知識や経験により作業期間が左右されます。買い替えの場合、作業に長期間かかるとPCやタブレットなどを使う業務に取りかかれません。結果として、生産性のロスにもつながります。

一方、キッティングサービスは、経験とノウハウを積んだプロが作業します。自社で行うよりも、短期間で作業が完了できるでしょう。

3、適切なセキュリティ設定

キッティングサービスの利用は、セキュリティ対策としても効果的です。専門のスタッフが各種必要なソフトウェアをインストールし、セキュリティを設定。そのため、対策ミスや対応漏れの危険を減らせます。

自社で行うキッティングは、専門知識がないと1つひとつ調べながらの作業になるでしょう。しかし、慣れていない人がOSの各種ソフトウェアのインストールなど全ての初期設定を実施し、万全な状態にするのは非常に骨が折れます。

新しいデバイスに適切なセキュリティ設定をしたいなら、キッティングサービスの利用がおすすめです。

以上の3つが、キッティングサービスのメリットです。キッティングサービスを使えば、迅速かつ適切に機器を準備できるでしょう。

キッティングサービスの比較8選

おすすめのキッティングサービス8社を比較していきます。各サービスの特徴を解説しますので、ぜひサービス選定の参考にしてください。

「IT資産運用支援サービス（キッティング）」
株式会社エスエヌシー

「IT資産運用支援サービス（キッティング）」は、「情報システム部代行」として業務を止めないサポート、外部の情報システム部として活用されているキッティングサービスです。PCの導入、入替時に手間の掛かるキッティング作業を担当者に代わって対応してくれます。

キッティングではマスター作成、バージョン管理はもちろん、台数、設定によってクローニングなど各企業の運用に適した方法を提案。PC/IT機器に関しても新品/中古問わず導入時のキッティングから、使用終了後のデータ消去、再キッティングまたは買取のサイクルまで対応可能です。

また、場所についても同社施設のほか、指定の場所へ同社スタッフが訪問するオンサイトキッティングにも対応可能。これまで官公庁、金融機関も数多く対応した実績があります。

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「LCMサービス」
株式会社アイエスエフネット

株式会社アイエスエフネットの「LCMサービス」は、システムの導入・自社への展開・システム運用・保守業務まで対応可能なサービスです。小ロットからのPC/タブレットキッティングも可能で、各企業に最適なLCMサービスを提案してくれます。マルチベンダ対応・24時間365日サポート・柔軟なサービス提供・マルチリンガル対応などが特徴のサービスです。

・主なサービス内容
【導入】
導入設計支援•マスターイメージ作成/支援・クローニングツール選定
【展開】
展開/回収計画策定•オンサイト端末回収• オンサイト端末展開•キッティング•クローニング•データ移行
【運用・保守】
運用設計•資産管理•マスターイメージ管理•修理端末回収•代替機発送•データ復旧•ヘルプデスク•オンサイトサポート

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「IT資産運用最適化サービス」
ヤマトシステム開発株式会社

「IT資産運用最適化サービス」は、IT資産の企画・導入・運用・撤去の4フェーズにトータルで対応 するアウトソーシングサービスです。導入フェーズにキッティングサービスが含まれています。トータルの利用だけでなく、キッティングサービスのみの依頼も可能です。

30年以上もの実績があり、豊富な経験とノウハウを活かした適切な作業をしてくれます。キッティングの手法は、「個別キッティング」と「クローニング」に対応しており、企業ごとに最適な手法を提案してくれるでしょう。

さらに、大手物流企業であるヤマトグループならではの配送ノウハウ により、物流コストを削減。キッティングにかかる費用を抑えられます。

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「キッティングサービス」
株式会社パシフィックネット

株式会社パシフィックネットの「キッティングサービス」は、約1,000坪の首都圏最大級のセンター により、大量機器でも短期間で対応可能です。

作業場所であるテクニカルセンターは全国にあり、各支店でISO 27001取得済みです。 そのため、セキュリティ面でも安心して任せられます。キッティングだけでなく、必要な機器の販売およびレンタルも実施しているため、利便性の面でも優れたサービスです。

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「LCMサービス」
SBフレームワークス株式会社

「LCMサービス」は、同社の「フルフィルメントサービス」に含まれるサービスです。「LCMサービス」はキッティングを含むITデバイスの運用全般をサポートし、キッティングサービスだけの利用もできます。

お台場の生産設備と、オリジナルの自動化ツール によって、作業品質を担保。安定した品質のキッティング作業で、機器を納品してくれます。顧客希望の場所に訪問して作業する「オンサイト対応」も実施しているので、うまく活用すれば機器の配送費用を削減できるでしょう。

また、PCのみならず、サーバー・タブレット・スマートフォンなど多様なIT機器のカスタマイズ作業にも対応しています。

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「キッティングサービス」
株式会社プロデュース

株式会社プロデュースが提供する「キッティングサービス」は、数百台を超える大規模な依頼でも、現地でのキッティング作業が可能なサービスです。

長期作業時は、案件管理者がスケジュールの作成や管理 を実施。窓口を一本化できるため、問い合わせや要望をスムーズに伝えられます。 キッティング対象はPCやタブレットだけでなく、サーバーやネットワーク機器の設置作業も依頼可能です。

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「キッティングサービス」
ペネトレイト・オブ・リミット株式会社

ペネトレイト・オブ・リミット株式会社の「キッティングサービス」は、モバイル端末のキッティングに特化したサービスです。モバイル機器の熟練スタッフが、 運用など各種要件定義から支援 。他社事例や開発・運用で得たノウハウをもとに、顧客に最適なキッティングを提案してくれます。

端末の購入にも対応 しており、端末の手配とキッティングをあわせた迅速な支援が可能です。作業は自社のキッティングルームで実施し、企業ごとに柔軟な対応やスピーディーな納品を行ってくれるでしょう。

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「Ryobi-IDCサービス」
株式会社両備システムズ

「Ryobi-IDCサービス」は岡山県にあるデータセンターで、データセンターサービスだけでなく、インフラ構築やキッティングサービスも実施しています。 災害が少ない地域の安心・安全なデータセンターなので、災害によるデータ消失といったリスクを抑えられます。

サーバーやネットワーク機器の設定から搭載まで提供 し、既存システムとの連携もサポート。他にも、アプリケーションの開発や業務改善支援といった、データセンターサービスの枠組みを超えた各種サポートが充実しています。

以上、8つのキッティングサービスを紹介しました。自社に合うサービスを選んで、スムーズなキッティング作業を実現しましょう。

キッティングサービスの4つの選び方

ここまで、キッティングサービスのメリットやおすすめサービスを解説しました。最後に、キッティングサービスの選び方を4つ紹介します。

1. 料金体系を確認する
2. 一度に対応可能な台数と期間を確認する
3. 作業場所および拠点を確認する
4. セキュリティ対策を確認する

1つずつ詳細を見ていきましょう。

1、料金体系を確認する

キッティングサービスを利用するときは、まずは料金体系を確認しましょう。自社の予算をもとに、費用対効果の高いサービスを利用することが大切です。

導入台数が数台など少ない数であれば、かえって割高になる可能性もあります。自社で対応する場合にかかる人件費やリソースと、外注による費用を比較した上で、利用するか検討しましょう。

2、一度に対応可能な台数と期間を確認する

キッティングサービスは、業者によってサービス内容も異なります。サービスによっては、自社の台数に対応できなかったり、導入予定期間に間に合わなかったりするかもしれません。

そういった事態がサービスを依頼する直前になって発覚すると、改めて業者を探すことになり、通常業務に支障をきたすでしょう。導入予定の端末台数に加え、いつまでに導入しなければいけないのかを基準に、対応可能な業者を選定することが重要です。

3、作業場所および拠点を確認する

キッティングサービスの作業場所および拠点の確認も大切です。キッティングサービスは、全国に対応している業者だけでなく、特定のエリアにのみ対応している業者もいます。検討しているサービスが全国対応でない場合、自社の地域によっては、対応エリア外となるかもしれません。

キッティングサービスを選ぶときは、自社の地域に対応可能なサービスから候補を挙げていきましょう。また、海外拠点で端末導入が必要な場合、海外に対応している業者を選定する必要もあります。自社やデータセンターにきて、対応してくれるかといった柔軟性もあわせて確認してみてください。

4、セキュリティ対策を確認する

キッティングサービスを提供する各社のセキュリティ対策も重要です。多くのPCやスマートフォンなどの機器には、会社の機密情報が含まれています。それらの機器を取り扱うキッティング作業場所のセキュリティが甘いと、最悪な場合は情報漏えいにつながるかもしれません。

複数のキッティングサービスを比較する際、作業場所は専用のセンターで行われるのか、監視体制は充分かといったセキュリティ対策をチェックしてください。守秘義務に関するコンプライアンスおよび意識の確認も欠かせません。

まとめ

ここまで、キッティングサービスのメリットやおすすめサービスを比較しました。解説した内容を振り返ってみましょう。

• キッティングとは、使用者がPCに電源を入れてすぐに使える状態にすること
• キッティングサービスを利用すると、作業期間の短縮・負担削減になり、セキュリティ対策にもなる
• キッティングサービスを選ぶときは、料金、対応台数と期間、対応エリア、セキュリティ対策を確認する

以上の内容を参考に、キッティングサービスの利用を検討してみてください。キッティングサービスを使えば、自社の負担を最小限に抑えて、新たな機器を円滑に導入できるでしょう。