クラウドサーバーのメリット・デメリットをわかりやすく解説!

クラウドサーバー

以前はオンプレミス型が主流だったサーバーですが、クラウドサービスの普及により、クラウドサーバーを選択する企業も増えています。この記事では、クラウドサーバーのメリットとデメリットを解説するともに、クラウドサーバーで提供されるサービスの種類も紹介します。

クラウドサーバーのメリット・デメリットをオンプレミスと比較

クラウドサーバーとは、クラウド上で稼働するサーバーです。社内に設置するオンプレミスサーバーと比較して、それぞれどのようなメリット・デメリットがあるかを以下にまとめました。

メリット デメリット
クラウド インフラ管理・運用の負担軽減
スピーディに導入
インフラにかけるコストの削減
必要な機能や容量だけ拡張可能
バックアップ・BCP対策が可能
情報共有が容易
セキュリティ対策や障害対応はサービス提供者頼み
長期的にはコスト高になる可能性
インターネット接続が必要
物理サーバーに比べると処理パフォーマンス低下の可能性
カスタマイズできる範囲は限定
オンプレミス 求めるレベルのセキュリティ対策や障害対応が可能
長期的には低コストになる場合も
インターネット接続不要
処理パフォーマンスは高い
自由度の高いカスタマイズ
インフラ管理・運用の負担
導入に時間がかかる
インフラにかけるコスト増大
必要な機能や容量だけ拡張するには時間がかかる

クラウドサーバーのメリットとデメリットについては、以降でくわしく解説します。

クラウドサーバーのメリット6つ

オンプレミスサーバーと比較して、クラウドサーバーにはどのようなメリットがあるかを見ていきましょう。

1、インフラ管理・運用の負担を軽減

自社でサーバーの運用管理作業をしなくていい点は、クラウドサーバーのメリットです。クラウドサーバーは、クラウド上に配置され、インフラ管理・運用はすべてサービス提供者が行います。

サーバーが故障した場合の対応や、OSの脆弱性対応やバージョンアップ作業など、サーバーの運用管理作業は大きな負担になるので、専門家に運用してもらうと安心です。

2、スピーディに導入

クラウドサーバーを利用する場合、パブリッククラウドならクラウドサーバーサービスのアカウントを発行するだけです。当日中にクラウドサーバーを使い始めることもできるほどスピーディに導入できます。

オンプレミスサーバーを導入する場合は、サーバーを購入して、必要なOSやシステムなどをセットアップする必要があります。クラウドサーバーに比べると導入までにはかなり時間がかかる上に初期設定作業も必要です。

3、インフラにかけるコストの削減

オンプレミスサーバーは、情報システム部門で運用管理をするコストがかかります。サーバー内にデータベースやミドルウェアをインストールして運用する場合は、それぞれのライセンスと年間の保守費用も必要です。

クラウドサーバーは、インフラにかけるコストもすべて月額料金に含まれています。従量課金制となっている場合が多いため、毎月の利用量に即したコストで済む点もクラウドサーバーのメリットです。

4、必要な機能や容量だけ拡張可能

クラウドサーバーの場合、機能や容量を必要な分だけ拡張できます。拡張は、サービス提供者に連絡するだけですぐに対応可能。

オンプレミスサーバーの場合、運用担当者が調達に動きますが、すぐに必要な製品が入手できるとは限りません。ソフトウェアなどの導入にも時間がかかります。

5、バックアップ・BCP対策が可能

クラウドサーバーは、国内外の堅牢なデータセンター内に構築されており、BCP対策がなされています。BCP(Business Continuity Plan)とは、事業継続計画という意味で、災害やシステム障害などが発生しても事業を継続できる計画のことです。

データセンターは災害や停電に強い設計で、館内のサーバーマシンを守ります。また、サーバーのハードディスクはバックアップをしており、データ消失の心配もありません。

オンプレミスサーバーの場合、バックアップやBCP対策などすべて自社で行う必要があり、かなりのコストがかかります。

6、情報共有が容易

クラウドサーバーの場合、社外からマルチデバイスでのアクセスが可能で、ファイルの共有なども容易です。

オンプレミスサーバーの場合は、社外から社内へのアクセスにVPNを導入するなどの手間やコストがかかります。

クラウドサーバーのデメリット5つ

クラウドサーバーにはメリットもたくさんありますが、その一方で知っておきたいデメリットもあります。どのような点がデメリットとなるのかも確認しましょう。

1、セキュリティ対策や障害対応はサービス提供者頼み

特にパブリッククラウドのクラウドサーバーを利用する場合、セキュリティ対策や障害対応はサービス提供者を頼るしかありません。

自社のセキュリティポリシーに合わせた運用を行いたい場合は、プライベートクラウドを利用する手もありますが、オンプレミスサーバーに比べると自由度は低めです。

2、長期的にはコスト高になる可能性

クラウドサーバーを利用し続けていると、長期的にはコスト高になる可能性もあります。一方オンプレミスサーバーは、ライセンス契約をすれば、後は年間保守費用だけで済むケースもあります。

コストについては、サーバーの利用年数について予測を立て、クラウドとオンプレミスのどちらが低コストなのか、料金を試算して比較しましょう。

3、インターネット接続が必要

クラウドサーバーは、インターネット接続できる環境でなければ利用できません。オンプレミスサーバーはインターネットに関係なく利用できるため、比較するとクラウドサーバーのマイナス点と言えます。

4、物理サーバーに比べると処理パフォーマンスが下がる可能性

クラウドサーバー(特にパブリッククラウド)の場合、多くの人が利用するためアクセスが集中すると処理パフォーマンスが落ちる可能性があります。

オンプレミスサーバーは社内の人間しかアクセスしないため、クラウドサーバーに比べると安定したパフォーマンスです。

5、カスタマイズできる範囲は限定

クラウドサーバーはサービス提供側が環境を構築します。

プライベートクラウドの場合自社で占有できるため、ある程度カスタマイズは可能ですが、オンプレミスサーバーに比べると限定的です。

パブリッククラウドの場合、他の利用者とサーバーを共有するため、基本的にカスタマイズはできません。

クラウドサーバーで提供されるサービスの種類

クラウドサーバーで提供されるサービスの種類には、SaaS・IaaS・PaaSの3種類があります。各種類のメリットとデメリットは以下の通りです。

種類 メリット デメリット
SaaS

インフラ、OS、ミドルウェア、アプリケーションすべてサービス提供者が用意

ユーザー側でなにも用意しなくてもサービスが利用できる

サービス提供者が用意する環境はカスタマイズできない
IaaS

インフラ、OSまでをサービス提供者が用意

ユーザー側でミドルウェア等の環境構築を好きに行える

3種類の中でもっとも運用管理の手間がかかる
PaaS

インフラ、OS、ミドルウェアまでをサービス提供者が用意

ユーザー側は好きなアプリケーションをインストールして利用できる

ミドルウェアを好きに導入できない

SaaS・IaaS・PaaSの概要については、以降でくわしく解説します。

1、SaaS (Software as a Service)

SaaSとは、アプリケーションやソフトウェアの機能をクラウドサービスとして提供します。利用者は提供されているサービスを利用するだけで、自分で環境設定などを行う必要はありません。

SaaSサービスの代表例としては、顧客管理システムのSalesforceが挙げられます。

2、IaaS (Infrastructure as a Service)

IaaSは、インフラ周りからOSまでのコンピューターリソースを提供するクラウドサービスです。3種類の中で一番環境のカスタマイズができます。

クラウドサーバーを導入したいが、ある程度の柔軟性を求める場合はIaaSを検討しましょう。

3、PaaS (Platform as a Service)

PaaSは、インフラ、OS、ミドルウェアまでを構築した環境を提供するクラウドサービスです。ランタイムも環境に入っているため、ITシステムの開発環境としても活用できます。

クラウドサーバーのメリット・デメリットを確認して製品選びを

クラウドサーバーは、導入が簡単で低コストです。社外からのアクセスも容易に行えて、運用管理の手間がかからない点も魅力です。しかし、カスタマイズの自由度が低いなどのデメリットもあるため、特性を踏まえて導入を検討しましょう。

タイトルとURLをコピーしました