ログ管理システムおすすめ7選を比較【2021年最新版】| 選定のポイントも解説

ログ管理

ログ管理システムとは、ログインログアウトのようにコンピューターの動作や、入退室記録などのように物理的な動きの履歴をログ形式で収集・管理するシステムのことです。本稿では、ログ管理システムの製品を比較して特徴を紹介するとともに、出力されるログの種類や製品選びのポイントについて解説します。

ログ管理システムとは

ログ管理システムは、様々な種類のログを収集します。ログは、不正使用の監視、トラブルが発生したときに問題を特定する手がかりや、マーケティング施策検討のインプットなどに利用されます。

取得できるログの種類はとても多いですが、あまりに細かいログを収集すると、コンピューターの動きが遅くなる点がデメリットです。自社にとって必要なログは何か、取得するログの量はどの程度かを見極めて、適切なログ管理システムを選びましょう。

ログ管理システム7製品を徹底比較!

あらゆるログの収集・管理ができるオールインワン「Logstorage」
インフォサイエンス株式会社

POINT
  • 参考価格:別途問い合わせ
  • 提供形態:オンプレミス / クラウド / パッケージソフト
  • 対象従業員規模:全ての規模に対応
  • 対象売上規模:全ての規模に対応

「Logstorage」は、統合ログ管理システムであり、あらゆる種類のログを収集し、ログ管理や分析までサポートするオールインワンのシステムです。

ログ管理の上で必要となる機能も網羅されています。大量のログを圧縮して長期保管する機能や異常を感知した場合にリアルタイムでアラートを上げる機能などはその一例です。

ログの検索・分析機能や定期レポート出力機能など、ログ情報を活かす機能も搭載。ログをただ収集するだけでなく活用できる仕組みも整えています。多機能なログ管理システムが必要な場合に検討したい製品です。


PCログオン&ログオフ情報に特化「ez-PCLogger」
株式会社ニッポンダイナミックシステムズ

POINT
  • 参考価格:100名で利用する場合月額8,775円 ~
  • 提供形態:オンプレミス / クラウド
  • 対象従業員規模:全ての規模に対応
  • 対象売上規模:全ての規模に対応

PCログオン&ログオフ情報収集ツール 「ez-PCLogger」。社員の勤務状況を確認する方法の1つとして利用されるPCログオン&ログオフのログ情報収集に特化したログ管理システムです。

自動収集したログはCSV形式で出力でき、各種勤怠システムに取り込めます。勤怠システムに入力された自己申告の勤怠情報と実態(PCログオン&ログオフ情報)の勤務時間を比較する場合などに便利です。

ネットワークに接続していないPCの場合は、ローカルにデータを保存して、社内ネットワーク接続時にログ情報をアップロードします。職場の労務管理だけでなく、テレワークの労務管理としても便利な製品です。


バラバラな形式のログを統一した形式で管理「Log Option」
アイビーシー株式会社

POINT
  • 参考価格:別途問い合わせ
  • 提供形態:オンプレミス / クラウド
  • 対象従業員規模:全ての規模に対応
  • 対象売上規模:全ての規模に対応

統合ログ管理システム「Log Option」は、あらゆるログを統一した書式で出力できる点が大きな特徴です。ログの中には、人が読むと意味が分かりにくいものもあります。本システムを利用すると、統一した形式で、人が読んですぐに理解できる形式にログを整えて出力することが可能です。

保存したログは一元管理できるほか、ログの暗号化や改ざん検出の機能もあります。収集したログは圧縮保管でき、ログ内容の分析も可能です。

また、システム情報管理ソフトウェア「System Answer」シリーズとセットで使うこともできます。セットで使用することにより、性能情報とログ情報の統合管理ができるようになり、より安全で可用性の高いシステム運用を実現できます。


データベースの操作ログ特化型「AUDIT MASTER」
株式会社アクアシステムズ

POINT
  • 参考価格:AUDIT MASTER本体(AM本体)・750,000円 / 1,500,000円、監査対象DBサーバー(サーバー単位)・250,000円~ / 500,000円~、別途ライセンス費の15%~22.5%分の保守費用(年額)が必要
  • 提供形態:オンプレミス / クラウド / パッケージソフト
  • 対象従業員規模:全ての規模に対応
  • 対象売上規模:全ての規模に対応

「AUDIT MASTER」は、データベースの操作ログを対象としたログ管理システムです。対応するデータベースの種類は幅広く、企業で多く導入されているOracleはもちろん、クラウドのデータベースサービスにも対応しています。

本システムは、データベースの標準機能である監査機能を活用して、データベースへ直接アクセスした場合や、管理ユーザーの操作ログも確実に取得します。ポリシーに違反する操作を検出した場合はアラートを出す仕組みです。

ログのモニターやレポート機能、出力したログの暗号化・圧縮保存機能などもあり、単にログを収集するだけでなく活用する機能も充実しています。


テレワークの情報漏洩に対応「InfoBarrier / PrintBarrier」
株式会社富士通アドバンストエンジニアリング

POINT
  • 参考価格:InfoBarrier初期費用(インストールメディア購入)5,000円、InfoBarrierサーバー1ライセンス380,000 円~、InfoBarrierクライアント1ライセンス10,800円~、PrintBarrie4r初期費用(インストールメディア購入)5,000円、PrintBarrier4 Standard1ライセンス10,800円~、PrintBarrier4 Enterprise1ライセンス520,000 円~
  • 提供形態:パッケージソフト
  • 対象従業員規模:全ての規模に対応
  • 対象売上規模:全ての規模に対応

「InfoBarrier / PrintBarrier」は、特にテレワークに着目したセキュリティ対策システムです。

「InfoBarrier」はデータ全般を守るシステムで、ファイルのアクセス制限・コピー防止・暗号化などの機能でデータの漏洩を防止します。「PrintBarrier」は印刷者を特定できる透かし模様などを印刷物に印字することで、印刷物の責任は誰にあるのかを明示する仕組みです。

「InfoBarrier / PrintBarrier」は、どちらもログ出力機能を持っており、サーバー側で問題のあるログ検索や、問題検出時のアラート通知もできます。


ゲートウェイにアクセス制御や操作ログ管理機能を追加「SMART GW」
株式会社日立ソリューションズ・クリエイト

POINT
  • 参考価格:別途問い合わせ
  • 提供形態:パッケージソフト
  • 対象従業員規模:全ての規模に対応
  • 対象売上規模:全ての規模に対応

「SMART GW」は、従来あるゲートウェイの機能(ネットワーク間の中継)に加えてアクセス制御や操作ログ管理などの機能を追加したソリューションです。

「SMART GW」には、ネットワーク間の中継に加え、内部不正対策と操作監視という大きな役割があります。内部不正対策としてアクセス制御や特権コマンド制御、特権ID管理を行います。また、オペレーションの監視として詳細な操作ログを収集することも可能です。

本製品はパッケージソフトとして提供され、Windows版、Linux版、Desktop Proxy版(WindowsとLinuxの両方を統合管理)の3種類があります。自社の環境により、どのパッケージを選べばいいか確認しましょう。


さまざまなIT資産を一元管理「SKYSEA Client View」
Sky株式会社

POINT
  • 参考価格:別途問い合わせ
  • 提供形態:パッケージソフト
  • 対象従業員規模:全ての規模に対応
  • 対象売上規模:全ての規模に対応

「SKYSEA Client View」はWindows端末やMac端末だけではなく、ネットワークに接続されているプリンタなどのオフィス機器やソフトウェアなど、さまざまなIT資産を一元管理できます。

各機器の日々の動作ログを記録できることはもちろん、資産管理の状況をレポートする機能なども備えています。例えばIT資産の利用状況のログから、活用頻度の低いものを洗い出すことができます。

ありとあらゆるIT資産を一元管理することで、より有効な運用を支援し、より安全な情報漏洩防止対策が実現可能になります。

ログ管理システム選定のポイント4つ

ログ管理システムを選定する際のポイントについて4つ紹介します。

1、取得できるログの種類を確認

取得できるログの種類を確認して、自社に必要なログが取得できるかチェックしましょう。テレワークのセキュリティ対策で不正監視のログを追加したいのか、社内システムのログを統合管理したいのか、データベース周りのログを強化したいのかで選択するべき製品は変わってきます。

2、オンプレミスかクラウドか

提供形態がオンプレミスかクラウドか、ライセンス体系はどうなっているのかも忘れず確認したいポイントです。

まずログ管理システムを導入するマシンの数を確認し、必要なライセンス数を洗い出してから、初期コストや運用コストを計算しましょう。基本的にはオンプレミスの方が高額になりますが、必要ライセンス数によってはオンプレミスの方が安価になる場合もあります。

3、使いやすさ(画面・操作性・管理)

多くのログ管理システムには、ログ管理用の画面や、ログを管理しやすい機能が備わっています。画面は見やすいデザインか、ストレスなく操作できるか、ログ管理の手間をどこまで軽減してくれるかなど、使いやすさも精査したい点です。

4、ユーザーサポートは充実しているか

新しいシステムを導入する際、ユーザーサポートの充実度はとても大事な選定基準になります。わからないことを調べられるユーザーサポートWebページがあるか、メールでの質問や電話での問い合わせに対応しているかなど、不測の事態に対するサポート体制を確認しておきましょう。

ユーザーサポートの充実度が、ログ管理システムを導入した後の業務効率に大きく関わってきます。投資コストを最大化するためにもサポート体制を事前に確認し、社内のユーザーに問い合わせ先を周知しておきましょう。

ログ管理システムで取得できる主なログ種別9種

ログ管理システムで取得できるログの種類は数多くありますが、中でも主要なログ種別9種類を紹介します。

No ログの種類 内容
1 操作ログ ユーザーの操作履歴
2 認証ログ 認証時のログ(いつ・誰が・どこから・成功or失敗)
3 イベントログ システム内の特定イベントの動作履歴
4 通信ログ サーバーとやり取りした内容、エラー内容
5 通話ログ 着信・発信・不在着信履歴
6 印刷ログ 印刷したときの内容(機密文書の持ち出しチェック)
7 設定変更ログ 設定変更時の担当者、変更内容(内部不正チェック)
8 エラーログ エラー発生時に取得するエラー調査に必要な内容
9 カメラ映像
入退室記録
ドア開閉記録
物理的なセキュリティログ

ログ管理システムは、製品によって収集するログの種類に違いがあります。全種類のログが出力できる製品もあれば、特定のログに特化した製品もあるため、自社が管理するべきログの種類を検討してからログ管理システムを選びましょう。

ログ管理システムの機能

ログ管理システムの一般的な機能を紹介します。

1、ログを取得する

ログ管理システムにおいて、最も基本的な機能が「ログを取得する」ことです。取得するログに抜け漏れがあっては、必要なタイミングで必要な解析ができない恐れがあります。フォーマットはログ管理システムで扱えるものか?各情報機器の時刻は同期できているか?などを確認して、ログ取得機能を最大限活用しましょう。

2、ログを保存する

取得したログを保存・管理します。収集したログはローカル環境に保存するよりも、専用のサーバーを用意し、そこで管理・運用することがリスク管理やセキュリティ面から考えて有効です。

3、ログを監視する

ログを常時監視し、不正な挙動が検出されたときにアラートを通知できます。この機能によって、監視対象機器は安全・健全に運用されていることが保証されます。

4、ログを分析する

保存されたログを分析し、自社システムのウィークポイントを洗い出すことができます。ウィークポイントを改善することが、より適切なシステム運用の実現につながります。

ログ管理システムの導入メリット

ログ管理システムを導入すると、どのようなメリットがあるのでしょうか?以下に5つの導入メリットを紹介します。

1、情報漏洩を抑止・防止できる

近年、企業の情報漏洩は社会問題となっています。情報漏洩は、ハッカー集団などから自社の情報機器が攻撃される外部要因によるものと、社員が社内情報を意図的に持ち出す内部要因によって引き起こされます。

ログ管理システムを用いることで、外部からの攻撃ログや、社内の情報機器操作ログを残すことが可能です。異常なログを検知した瞬間にアラートをあげ、対応することで重大な情報漏洩を防止できます。

このように、有事の際に取得したログを解析することで原因特定や適切な対応が行えるのです。また、自社内のログ管理システムの存在を外部・内部に認識させることで、情報漏洩につながる行動の抑止力として働くことが期待できます。

2、マーケティング改善につながる

ログ管理システムには、社内情報機器の操作に関わるログだけでなく、例えばWebページの記録を残せる製品もあります。Webページを訪れた人がどの領域を注視しているのか、どこで離脱したのかなどの情報を記録することでマーケティングの参考にできます。

これらの情報を収集し、分析することでコンテンツの改良や最適化が図れ、売り上げ向上に寄与します。

3、内部統制を促進できる

内部統制とは、社内の活動レベルをチェックすることを指します。情報機器の内部統制では、主に情報機器類を正しく扱えているかをチェックすることが必要となります。

ログ管理システムで収集したログを分析することで、社内の使用状況を把握できるため、効率的に内部統制を促進することが可能になります。

4、ファイルアクセスログが管理できる

ログ管理システムを導入することで、社内のあらゆるファイルへのアクセスログを残すことができます。例えば、社外から攻撃されたファイルのログを辿れば、データアクセスのために踏み台にされたPC端末を特定することが可能です。そのPC端末をネットワークから切り離すことで、それ以上の攻撃を防ぐことができます。

5、システム障害を事前に検知できる

ログ管理システムは、刻々と変化する稼働状況を記録することに適しており、サーバーの負荷状態を常に監視することができます。サーバーへのアクセスが増えてシステムトラフィックが急上昇したことを検知し、それを管理者へ通達することで、サーバーダウンに至る前に対処することが可能になります。

このように、ログ管理システムによってシステムが常時監視されることで、サーバーダウンなどの重大な障害を未然に防ぐことができます。その結果、企業は大きな機会損失を回避できるのです。

無料で使えるログ管理システムはある?

ログ管理システムには無料で使える製品があります。メリットは以下の通りです。

1、コストを抑えられる

無料で利用できることが最大のメリットです。コストを心配する必要がなく、最初に利用するのに最適なシステムといえます。

2、システム乗り換えの障壁が低い

新しいシステム(例えば有料システム)に乗り換える際に、旧システム(無料システム)の投資コストを考える必要がなく、乗り換えの障壁が低くなります。

このようなメリットがある一方で、以下のようなデメリットがあります。

1、機能や台数制限がある

無料システムの中には、機能が絞られていたり、インストール台数に制限がある場合があります。会社規模によっては使えないことも多く、使用する際には注意する必要があります。

2、ユーザーサポートが薄く、使い勝手に不満が出る場合がある

システムを導入する際、ユーザーサポートや使い勝手はとても重要な選定基準になります。無料製品は無料であるがゆえにこれらが充実していないことが最大のデメリットといえます。

以上のように、無料で使えるログ管理システムは存在しますが、メリットデメリットを鑑みると、ユーザーサポートなどの面で有料の製品を使う方が業務効率向上に寄与するといえます。

ログ管理システム導入時の注意点

ログ管理システム導入時に注意すべきことを説明します。

1、ログ収集の目的を明確にする

ログ管理システム導入時には、ログ収集の目的を明確にしましょう。ログはテキスト形式や画像形式など、さまざまな種類があります。これら全てをログとして収集した場合、膨大なデータ容量が必要となり、ストレージコストが膨れ上がります。

なんのためにログを収集するのかを明確にし、必要なログの種類を洗い出しましょう。それによって各コストを最小に抑えることができ、最大のコストパフォーマンスが実現されます。

2、完璧なセキュリティ対策が実現されるわけではない

ログ管理システムを導入したからといって、完璧なセキュリティ対策が実現されるわけではありません。確かに、ログ管理システムによって社外からの不正アクセスを検知したり、社内の意図的な情報漏洩を防ぐことができます。しかし、それでも100%の危険回避を保証することは難しいのが現状です。

他のセキュリティソフトや社内啓蒙活動などを併せて実行することが、より強固なセキュリティ対策につながります。

ログ管理システムは導入の目的を明確に

ログ管理システムは、製品によって出力するログの種類やログ管理機能などに違いがあります。なぜ自社にログ管理システムを導入するのか、その目的を明確にしましょう。導入の目的が明確になっていれば、検討すべき製品を絞り込めます。

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