企業の資産(人材・物品・金)を一元管理し、各業務システムを統合する役割を持つ統合基幹業務システムのERP(Enterprise Resource Planning)。この記事では、おすすめのERP製品を比較しながら特徴を紹介するとともに、ERPの基本機能や製品選定のポイントについても解説します。
ERPとは

ERPは、各企業で共通する会計や販売などの業務を全社で一元管理するシステムです。なお、CRM(顧客関係管理)やSFA(営業支援システム)とは、管理対象のデータが違います。ERPの導入効果は、データの一元化や見える化により業務効率化が実現できる点です。一元管理している情報は経営分析にも役立てられるため、BIツールがセットになっているERP製品も見られます。ERP製品が世に出始めたころは、おもに大企業が利用していました。近年では、中小企業向けの製品も増えており、経営分析や経営戦略を立てるための情報源として活用されています。
ERPは基幹システムと混同されがちですが「全社での一元管理」か「部門ごとでの管理」か、という点がERPと基幹システムの違いです。ERPは、主要な業務を統一管理することで、企業全体の最適化を目的としたシステムです。バックオフィス業務の効率化を目的とする基幹システムは、部門単位の業務を効率化することを目的としており、部門間の情報までは意識しません。ERPは、基幹システムを統合する形で発展してきました。
ERPとCRMとSFAの違い
基幹システムはバックオフィス業務を効率化しますが、CRMとSFAは、営業活動(フロントオフィス業務)をサポートするシステムです。CRMは顧客関係管理システムのことで、顧客への最適なアプローチや顧客ロイヤルティの最大化をサポートします。SFAは営業支援システムのことで、営業先での商談内容の記録など営業部門に特化した機能によって、営業活動の効率化をサポートします。
CRM・SFAの扱うデータは経営資源の一部でもあり、ERPにて統合化されるべきものです。しかし、ERPはバックオフィス業務を扱う基幹システムを統合してきたという経緯があるため、CRMやSFAまで包含している製品は少ない傾向にあります。
ERPパッケージの種類(提供形態・統合度)
ERPパッケージの種類は、提供形態と各システムの統合度合いによって違いがあります。それぞれの特徴について順番に解説します。
提供形態の違い
ERPパッケージの提供形態は、オンプレミス・クラウド・ハイブリッドの3種類に分かれます。
オンプレミス型
オンプレミス型のERPは、社内LAN内にERP用のサーバーを設置して、パッケージをインストールまたはカスタマイズを行って導入するタイプです。自社の各業務システムに合わせた柔軟な カスタマイズできますが、高コストとなります。運用開始後は、自社で運用保守を行う必要もあります。
クラウド型
クラウド型のERPは、サービス提供者と契約をして利用します。環境を構築する必要がなく、低コストで比較的短期間での導入が可能な点が大きな特徴です。近年はクラウドサービスを利用する企業が増えているため、ERPもクラウド型を採用する企業が増えています。クラウド型は、提供される環境でサービスを利用するため、カスタマイズ性がオンプレミス型に比べて低い点がデメリットです。
ハイブリッド型
ハイブリッド型は、オンプレミス型とクラウド型を組み合わせて両方の長所を活かすタイプのERPです。カスタマイズが必要な部分はオンプレミス型で、度重なる法改正対応が必要となる業務機能はクラウド型にする、といった使い分けをします。
2、統合度の違い
ERPパッケージを構成する各業務機能がどこまで統合されているかの度合いによる違いでの分類です。
独立業務ソフト型
業務ソフトとしては独立しており、ERPはデータの一元管理を重点的に行うタイプです。業務ソフトを必要な分だけ組み合わせて使える点では、基幹システムに近い性質を持ちますが、ERPによって全社業務・データの統合管理は行われます。既存のシステムがあり、そこにERPによるデータの一元化を行いたい場合に適した種類です。
コンポーネント型
各業務システムをモジュール化し、後から好きなように足すこともできるタイプのERPです。まずは重点的にERP機能を利用したい部門・業務から導入して、少しずつERPの適用範囲を広げたい場合に適しています。また、既存システムと重なるモジュールは外して導入コストを削減したい場合にも便利です。
完全統合型
主要なバックオフィス業務がすべて統合され、1つのパッケージとなったERPです。統合されている業務の範囲は料金プランなどによって異なります。自社システムがない状態で一気にバックオフィス業務をシステム化したい場合に適した種類です。
ERP製品選定のポイント4つ
自社に導入するERP製品を選定するためには、先述した基本機能の他にもポイントがあります。ここでは、忘れず確認したいポイントを4つの観点から解説します。
1、導入コストと運用コスト
ERPに限りませんが、導入コストと運用コストは必ず比較項目として確認しましょう。一定年数を決め、従業員数などから総費用を算出できます。
パッケージソフトの場合は、導入コストが大きく、別途運用コストとして保守管理費用が必要となるのが一般的です。クラウド型は、初期費用は少なく、月額料金がメインとなるため運用コストがかかります。
2、納期が自社の予定に合うか
新規事業の立ち上げや海外展開の必要があってERPを導入したいという場合、自社の予定が決まっているため納期が明確です。その納期までに導入ができるかどうかも確認したいポイントです。急ぎの場合、まずはクラウド型を導入して、様子を見てからオンプレミスに切り替える、という判断も必要かもしれません。
3、ライセンスの柔軟性
大規模な企業の場合、親会社が一括で基本契約を結び、グループ会社は個別に直接契約をしたいというケースがあります。しかし全てのERP製品がこのようなライセンスに対応できるわけではありません。
また、オンプレミスのERPシステムを、アクセスの集中する時期だけはクラウドで使いたいという場合も、ライセンスの都合上無理な場合もあります。自社ではどのような形で利用したいのかを洗い出し、その使い方が可能なライセンス体系になっているかどうかを忘れず確認しましょう。
4、カスタマイズなしでどこまで使えるか
全社の各部門で利用するERPは、標準仕様のままでどこまで使えるかも確認しましょう。業務によっては、企業の文化や競争力に直接かかわる部分に合わせたいこともあるでしょう。
標準仕様のままで使える部分はクラウド型でも問題ありません。一方カスタマイズが必要な場合は、オンプレミス型を検討する必要があります。
大企業向きERPおすすめ6選比較
Oracle NetSuite
Shearwater Japan株式会社

- 対象従業員規模:大企業/中小企業/企業規模問わず
- 提供形態:クラウド
- 初期費用:5,000,000円~、月額費用:300,000円~
- 対応機能:管理会計、連結会計、外貨管理、税務申告、生産管理、BIツール
「Oracle NetSuite」は、現場から経営層まで全ての業務を効率化するクラウドERPシステムです。企業に必要不可欠な基幹システムを1つのアプリケーションで管理し、データ管理の時間を大幅に削減します。
本製品はCRM(リード&顧客管理)、基幹システム(受発注、在庫管理)、会計(売掛、買掛、仕訳入力、銀行業務、財務諸表、連結)従業員管理(時間、経費精算)、Eコマースまでの機能が、ひとつのアプリケーションに統合されており、リアルタイムに「一元管理」「経営の見える化」を実現することが可能。幅広い業種業界、お客様の企業規模業界に合わせた最適なソリューションを提供します。
必要な機能を選ぶコンポーネント型ERP「OBIC7」
株式会社オービック
- 参考価格:別途問い合わせ
- 提供形態:クラウド
- 対象従業員規模:100名以上
- 対応機能:管理会計、連結会計、外貨管理、生産管理、BIツール
「OBIC7」は、必要な機能を自由に組み合わせて構築する、コンポーネント型のERPです。会計情報・人事情報・給与情報・就業情報・販売情報・生産情報の各システムで、必要なシステムを選んでERPとして利用できます。
プライベートクラウドでの提供なので、オンプレミスと同じようにカスタマイズが可能です。クラウドのためインターネット環境さえあれば利用でき、導入までの期間も比較的少なくて済みます。
ERPを一気に導入するのではなく、必要な部門から少しずつ進めていきたい場合には選択肢として検討したい製品です。
オールインワン型でECやBI機能も標準提供「 GRANDIT(グランディット)」
GRANDIT株式会社
- 参考価格:別途問い合わせ
- 提供形態:オンプレミス / クラウド / ASP
- 対象従業員規模:100名以上
- 対応機能:管理会計、連結会計、外貨管理、生産管理、BIツール
機能豊富な統合型ERPシステム「GRANDIT」。一般的なERP製品に見られる組織・経営・人事・財務・会計などの各業務機能に加えて、ワークフローやEC・BIなどの機能も標準で提供するオールインワン型です。
GRANDITは、ユーザー系のSI企業を中心としたコンソーシアム形式を採用し、多種多様な業種のノウハウを取り入れている点も注目ポイント。様々なノウハウを統合して、共通で使える機能として提供しています。
提供形態は、ライセンスを一括購入するオンプレミス型と、サービスとして提供を受け、月額料金を支払うサブスクリプション型(IaaS)を選択できます。どちらも、独自要件のカスタマイズは可能です。
会計機能が使いやすくSalesforceやkintoneとの連携も可能「クラウドERP freee」
freee株式会社
- 参考価格:会計 + 人事労務 エンタープライズプラン・別途問い合わせ
- 提供形態:クラウド / SaaS
- 対象従業員規模:100名以上
- 対応機能:管理会計、連結会計
「クラウドERP freee」は、特に会計関連機能が使いやすいクラウドERPです。部門・プロジェクト・商材などのセグメント管理が可能で、内部統制対応としてイベントログや各種履歴機能なども備えています。
また、勤怠管理や給与計算などの人事労務管理機能と連携して、経費精算と給与の一括振込や部門別給与仕訳の自動連携といった機能も提供。SalesforceやkintoneとAPI連携ができ、業務部門と管理部門でのデータ統合も可能です。
グローバル展開や複雑なビジネスプロセスにも対応「Oracle Fusion Cloud ERP」
日本オラクル株式会社
- 参考価格:別途問い合わせ
- 提供形態:SaaS / クラウド
- 対象従業員規模:100名以上
- 対応機能:管理会計、連結会計、外貨管理、生産管理、BIツール
「Oracle Fusion Cloud ERP」は、グローバル展開を計画している企業や、ビジネスプロセスが複雑な企業にも対応できる多機能なクラウドERPです。
提供機能は財務会計を中心に、調達・生産・物流など基幹業務を全てカバーしています。さらに海外拠点が増えても、全社の業務データを一元管理してリアルタイムにデータ分析することも可能です。
海外進出を検討していて、海外拠点のデータも一元管理したい場合や、自社のビジネスプロセスが複雑すぎてマッチするERPがないとお悩みの場合、本製品を検討してみてはいかがでしょうか。
グローバルに活躍する大企業や中堅企業向け「Dynamics 365 Finance , Supply Chain Management」
株式会社パシフィックビジネスコンサルティング
- 参考価格:別途問い合わせ
- 提供形態:オンプレミス / クラウド / パッケージソフト / SaaS
- 対象従業員規模:全ての規模に対応
- 対応機能:管理会計、連結会計、外貨管理、税務申告、生産管理、BIツール
「Dynamics 365 Finance , Supply Chain Management」は、「Dynamics 365」シリーズの財務会計など財務関連業務用の基本機能に加え、流通・小売業向けの販売・マーケティング関連の機能も備えた多機能なERPソリューションです。
複数拠点展開でもデータを一元化できる機能や、多言語・多通貨対応など、本製品は海外に拠点を多く持つ国内企業にとって使いやすい機能が多く見られます。グループ企業の情報をリアルタイムで把握していち早く経営判断をしたい場合に検討したい製品です。
中小企業向きERPおすすめ9選比較
MA-EYESnc
株式会社ビーブレイクシステムズ

- 対象従業員規模:中小企業
- 提供形態:クラウド
- 初期費用:0円~、月額費用:40,000円~
- 対応機能:管理会計、販売管理、グループウェア、購買・経費管理、勤怠管理、SFA、帳票・分析
MA-EYESncはシステム開発業に特化したクラウドERP。受注前の案件~工数管理~入金支払まで一元的に管理することができます。
本製品は、自社に必要な機能のみを選んで利用することが可能。最低初期費用0円、月額4万円から利用することができるため、安く手軽にシステム化したいという企業におすすめです。申込から最短で3営業日で利用することができるのも嬉しいポイント。なるべく早くシステムを稼働させたいという場合にも適しています。
また、紙のマニュアル以外に、動画マニュアル、電話やメールでのサポート、FAQサイト等、サポートも充実。システム導入が初めてで不安がある企業でも、安心して利用することが可能です。
Salesforceと連携し業務の自動化を加速「RobotERP® ツバイソ」
ツバイソ株式会社
- 参考価格:60,000円 ~
- 提供形態:クラウド / SaaS
- 対象従業員規模:1,000名未満
- 対応機能:管理会計、生産管理、BIツール
RobotERP® ツバイソは中小企業の生産性を向上させることに特化したERP製品です。クラウド型のサービスのため導入に無駄な手間がかからず、 モダンなGUIのため社員への浸透もスムーズに行うことができるでしょう。
Salesforceとも連携しており、AIが効率的に業務を進めるためのアドバイスを自律的に行います。また、REST APIによる業務自動化(RPA)も可能です。業務データが蓄積するほどアドバイスやRPAの精度は上がっていきますので、使い続けることでより大きなメリットをもたらしてくれる製品と言えます。
グローバル対応やグループ経営管理に強み「Microsoft Dynamics 365 Business Central」
株式会社パシフィックビジネスコンサルティング
- 参考価格:別途問い合わせ
- 提供形態:オンプレミス / クラウド / パッケージソフト / SaaS
- 対象従業員規模:全ての規模に対応
- 対応機能:管理会計、連結会計、外貨管理、税務申告、生産管理、BIツール
Microsoft製の中堅・中小企業向けERP「Microsoft Dynamics 365 Business Central」。世界中で利用されているERPシステムで、特にグローバル対応やグループ経営管理に強いという特徴があります。
グループ経営管理では、コンパクトなERPという本製品の特徴を活かした2層ERPでの管理が可能です。
親会社には大企業に対応した本製品の上位ERP「Dynamics 365 Finance , Supply Chain Management」を導入。グループ会社には本製品を導入することで、現地法人の個性を活かしつつ、グループ全体の連結決算や全体コントロールは本社のERPで行うことができます。
提供形態の柔軟性も特徴的で、オンプレミス・SaaSだけでなく、両方を組み合わせたハイブリッド方式にも対応。組織体系が複雑で、柔軟な構成で利用したいというニーズにも応えられます。
プロジェクト型業務特化でIT・広告・コンサル業向け「クラウドERP ZAC」
株式会社オロ
- 参考価格:初期費用:12,000,000円 月額費用:190,000円(社員数100名程度・ZACのベーシックな機能の全社導入例)
- 提供形態:クラウド / SaaS / パッケージソフト / ASP
- 対象従業員規模:50名以上 5,000名未満
- 対応機能:管理会計、BIツール
IT・広告・コンサル業向けの「クラウドERP ZAC」。管理会計やBIツール機能を持つERPシステムです。
一般的な業務システムでは、物販業務を想定して、売上と仕入れが1対1となっているケースが多く見られます。一方、本製品は、IT・広告・コンサル業によく見られるプロジェクト型の業務に対応。売上に対してかかった原価を複数種類紐づけることができ、プロジェクト別の収支を「見える化」できる点が大きな特徴です。
また、受注前の段階から見込みデータを入力することで、未来の売上・費用・利益の予測を立てることができます。プロジェクト別の見込み状況をリアルタイムに集計して、全社の売上・利益を正確に予測可能です。
世界50ヶ国対応で海外関連会社用のERPに最適「SAP Business One」
be one solutionsジャパン株式会社
- 参考価格:別途問い合わせ
- 提供形態:パッケージソフト / オンプレミス / クラウド
- 対象従業員規模:250名未満
- 対応機能:管理会計、連結会計、外貨管理、税務申告、生産管理、BIツール
「SAP Business One」は、従業員規模250名未満の中小関連会社に適したERPシステムです。世界50ヶ国の法律や会計などの要件に対応し、28言語にも対応しており、世界に拠点のある関連子会社のスムーズな運営をサポートします。
本社には同じSAP社の「SAP ERP」を導入し、「SAP Business One」と連携させることで2層ERPの構築も可能。全世界の関連子会社のデータも含めてリアルタイムで一元管理を実現します。機能も豊富で、ERPの機能をフル活用したい企業におすすめです。
グローバルに活躍する中堅・中小規模製造業特化型「Infor SyteLine(CloudSuite Industrial)」
京セラコミュニケーションシステム株式会社
- 参考価格:別途問い合わせ
- 提供形態:オンプレミス / クラウド
- 対象従業員規模:100名以上 5,000名未満
- 対応機能:管理会計、連結会計、外貨管理、生産管理、BIツール
「Infor SyteLine(CloudSuite Industrial)」は、グローバルに活躍する中堅・中小規模の製造業に適した機能を多く提供する、業界特化型のERPシステムです。製造業の中でも特に組立製造(自動車部品、産業機械、電気・電子機器など)にフィットする業務フローに沿った使い方ができます。
製造業で必要な基本機能を網羅しており、需要予測や販売計画から受注・出荷管理、実績管理などが利用できます。管理会計・連結会計やBIツール、外貨管理などにも対応しており機能豊富。業種と従業員規模がマッチすれば、有力な選択肢となり得る製品です。
統合型&コンポーネント単位の導入が可能「IFS Applications」
チェンシージャパン株式会社
- 参考価格:30,000,000円 ~
- 提供形態:オンプレミス / クラウド / SaaS
- 対象従業員規模:50名以上 5,000名未満
- 対応機能:管理会計、連結会計、生産管理
「IFS Applications」はERPとしての標準機能に加えて、各業種のニーズに特化した機能も用意している統合型のERPソリューションです。画面は直感的でITシステムに習熟していなくても操作しやすい点も大きな特徴の1つです。
機能はコンポーネント単位での導入が可能なため、自社に必要な機能だけを選び、最適な機能でシステムを組めます。導入コストを最適化しつつ、慣れてきたら少しずつコンポーネントを増やしていくという運用も可能です。
自社にフィットするシステムを構築しやすい「InfiniOne ERP」
Future One株式会社
- 参考価格:別途問い合わせ
- 提供形態:オンプレミス / クラウド / パッケージソフト
- 対象従業員規模:50名以上 1,000名未満
- 対応機能:管理会計、生産管理
企業の基幹業務データを一元管理できる、中堅企業向けのERP「InfiniOne ERP」。8つの標準パッケージ(販売・購買・在庫・債権債務・貿易・生産・原価・会計)を提供し、拡張パーツや個別カスタマイズをして利用する仕組みです。
さらに、食品・製造小売業、総合・専門商社・IT・その他サービス業など8業種は、業務テンプレートを用意。業種に合わせたテンプレートを適用することで、自社によりフィットするシステムを構築できます。
各業務パッケージの扱うデータは一元管理され、ある業務で処理したデータは、関連する業務機能のデータにもリアルタイムで自動反映されます。
高機能で段階的な導入がしやすい「EXPLANNER/Z」
NEC
- 参考価格:別途問い合わせ
- 提供形態:オンプレミス / クラウド / その他
- 対象従業員規模:50名以上 1,000名未満
- 対応機能:管理会計、外貨管理、税務申告、生産管理
6種類(販売・会計・債権・債務・生産・原価)の基本システムを自由に組み合わせて使える「EXPLANNER/Z」。主に中堅企業向けの基幹業務システムとして提供されている総合型ERPシステムです。基本システムをまず1つだけ導入し、段階的に導入業務を広げていく、という導入方法もできます。
基本システムをフルに選択すれば、管理会計や外貨管理など、ERPの基本機能の多くをカバーできる機能の豊富さも本製品の魅力です。
また、開発元のNECが提供するAI・IoT活用ソリューションなど、外部システム連携やアドオンによる機能追加、独自のカスタマイズもできます。常に最新技術を取り入れた業務システムのコアシステムとしても使えます。
その他特化型のERPおすすめ5選比較
導入から運用まで一貫サポート&特定業態特化型「Plaza-i(プラザアイ)」
株式会社ビジネス・アソシエイツ
- 参考価格:別途問い合わせ
- 提供形態:パッケージソフト / オンプレミス / クラウド
- 対象従業員規模:50名以上 1,000名未満
- 対応機能:管理会計、連結会計、外貨管理、税務申告
中小企業から中堅企業向けのERPソリューション「Plaza-i」。導入から運用サポートまで一貫したソリューションを提供している点が大きな特徴です。特に導入コンサルでは、要求をヒアリングして短期間で確実な導入を実現しています。
機能面では、複数会社の処理やマルチカレンシー対応(多通貨対応)、バイリンガル対応など、海外進出をしている企業や外資系企業に適した機能を網羅しています。
本製品は、専門商社、役務提供、プロジェクト、シェアードサービスなど特定業態に特化しています。きめ細かいサポートを受けながらERP導入を進めたい場合には検討したいソリューションです。
食品業界などプロセス製造業向け「Ross ERP」
システムプラザ株式会社
- 参考価格:別途問い合わせ
- 提供形態:ASP
- 対象従業員規模:全ての規模に対応
- 対応機能:ー
食品業界・医薬・化学業界など、プロセス製造業向けの業種特化型ERP「Ross ERP」。製造工程に欠かせない購買管理・生産計画・販売管理などの機能を中心に、一般会計や固定資産管理など製造現場から経営までを網羅した機能を備えています。
ASPで提供されているため、利用企業側でのバージョンアップ対応は不要。長い間基幹業務を支えるシステムとして使い続けられる点も特徴の1つです。
プロセス製造業に当てはまる企業に特化しているため、業種が当てはまれば検討したい製品です。
小規模のクリエイティブ業特化型で低価格「Reforma PSA」
株式会社オロ
- 参考価格:初期費用0円、月額費用(1ユーザー)販売ライセンス6,000円・購買ライセンス2,000円・勤怠ライセンス300円・経費ライセンス300円・セキュリティオプション300円
- 提供形態:クラウド / SaaS
- 対象従業員規模:50名未満
- 対応機能:管理会計、BIツール
「Reforma PSA」は、従業員50名未満の小規模クリエイティブ業(ITやWeb、広告、コンサル業など)の基幹業務をサポートするクラウドERPサービスです。
クラウド型で初期費用は不要。ライセンスも販売・購買・勤怠・経費・セキュリティオプションと分かれており、必要な機能だけ選んで使うことで、手軽にERPを導入できるプラン構成です。
ITの知識がなくても自社に合ったERPを構築できる「kintone」
サイボウズ株式会社
- 参考価格:初期費用0円、ライトコース月額780円(年額9,170円/1ユーザー)、スタンダードコース月額1,500円(年額17,640円/1ユーザー)(最低契約数5ユーザーから、ディスク容量5GB×ユーザー数)~
- 提供形態:クラウド
- 対象従業員規模:5名以上の全ての規模に対応
- 対応機能:管理会計、生産管理
「kintone」は、ERPの機能に加えてコミュニケーション機能も備えたクラウドERPサービスです。他にはない大きな特徴は、必要な業務のサンプルアプリを追加するだけで、ITの知識がなくても自社に必要な機能のある業務システムを構築できる点です。
業務のサンプルアプリは、業種や利用シーンなどの分類で探すことができ、自社に欲しいアプリを選んでそのまま組み込むだけ。アプリのパーツをドラッグ&ドロップでデザインするだけで、自社オリジナルのアプリとして利用可能になります。
さらに、APIやプラグインなど豊富な連携サービスがある(スタンダードコースのみ利用可能)ため、簡単に機能を拡張できる点も注目ポイントです。
情報系システムやRPA機能も搭載「SMILE V」
株式会社大塚商会
- 参考価格:別途問い合わせ
- 提供形態:パッケージソフト / オンプレミス
- 対象従業員規模:全ての規模に対応
- 対応機能:管理会計
「SMILE V」は、基幹系システムと情報系システムがセットされたオンプレミス型のERP製品です。基幹系システムは販売・会計・人事給与・CRMなどから構成。情報系システムは、ワークフロー・ドキュメント管理・スケジューラ・コミュニケーションの4機能から構成されています。
「SMILE V」の大きな特徴は、業務の効率化や自動化を実現するRPA機能を搭載している点。定型業務を自動化することで、業務を大幅に効率化するとともに、人的ミスを低減します。ERPの基本機能による業務効率化だけでなく、業務の自動化にも興味がある場合、本製品のRPA機能は要チェックです。
ERP比較表
製品名 | 参考価格 | 提供形態 | 特徴 |
---|---|---|---|
Oracle NetSuite | 月額300,000円~ | クラウド | ECやCRMも入ったERP |
MA-EYES | 月額40,000円~ | クラウド | システム開発業に特化 |
OBIC7 | 別途問い合わせ | クラウド | 必要機能を組み合わせカスタマイズ可能 |
GRANDIT | 別途問い合わせ | オンプレミス / クラウド / ASP | 機能豊富なオールインワン型 |
クラウドERP freee | 別途問い合わせ | クラウド / SaaS | 会計に強いERP |
Oracle Fusion Cloud ERP | 別途問い合わせ | オンプレミス / クラウド / パッケージソフト / SaaS | 複雑なビジネスプロセスにも対応 |
Dynamics 365 Finance , Supply Chain Management | 別途問い合わせ | オンプレミス / クラウド / パッケージソフト / SaaS | 多業種対応の多機能ERP |
RobotERP® ツバイソ | 60,000円~ | クラウド / SaaS | 中小企業の生産性向上特化 |
Microsoft Dynamics 365 Business Central | 別途問い合わせ | オンプレミス / クラウド / パッケージソフト / SaaS | 中堅・中小企業向けのコンパクトERP |
クラウドERP ZAC | 月額190,000円 | クラウド / SaaS / パッケージソフト / ASP | プロジェクト型業務特化のERP |
SAP Business One | 別途問い合わせ | パッケージソフト / オンプレミス / クラウド | 中小規模に最適化したERP |
Infor SyteLine(CloudSuite Industrial) | 別途問い合わせ | オンプレミス / クラウド | 中堅・中小規模製造業特化型ERP |
IFS Applications | 30,000,000円 ~ | オンプレミス / クラウド / SaaS | 統合型&コンポーネント単位のERP |
InfiniOne ERP | 別途問い合わせ | オンプレミス / クラウド / パッケージソフト | 業務テンプレートが充実したERP |
EXPLANNER/Z | 別途問い合わせ | オンプレミス / クラウド / その他 | 高機能で段階的な導入が可能 |
Plaza-i | 別途問い合わせ | パッケージソフト / オンプレミス / クラウド | 特定業態特化型ERP |
Ross ERP | 別途問い合わせ | ASP | 食品業界などプロセス製造業に強み |
Reforma PSA | 月額300~6,000円/1ユーザ~ | クラウド / SaaS | 小規模のクリエイティブ業特化型 |
kintone | 月額780円~ | クラウド | IT初心者も安心のERP |
SMILE V | 別途問い合わせ | パッケージソフト / オンプレミス | 情報系システムやRPA機能搭載 |
ERPのメリット
1、情報を一元管理できる
ERPは、導入することで企業内に点在しているさまざまなデータを一元管理することができます。 各業務で個別に管理していると、どこかで1点修正が発生した場合にそれぞれのシステムに入って修正していく手間がかかりますが、 ERPではデータ全体に反映させることができるため、それぞれを修正していく必要がありません。 また、経営状況に関するデータをリアルタイムで把握できるため、経営判断も状況に応じて迅速に行えるというメリットもあります。
2、業務効率改善につながる
各業務ごとにシステムが異なると、社内で情報共有するのにも手間がかかります。社内共有のための情報整理に多くの時間を割くことは、あまり効率的とは言えません。 ERPを導入すればシステムを見て確認できるため、そういった手間もなくなり業務効率化を図ることが可能です。
ERPの基本機能
ERPは、企業の共通業務を広くカバーしており、会計管理・人事管理・生産管理・物流管理・販売管理など、各業務のシステムを統合する役割もあります。中でも、特に重要な基本機能を6つピックアップして解説します。
1、管理会計
管理会計は、企業内部に対して情報提供するための資料を作る元となる数値情報を出すための会計業務です。管理会計で出力する情報は、業績評価や経営判断に使われます。
管理会計機能は会計システムでも備わっていますが、ERPの場合は、多業務からのデータも利用できるため会計システムとはまた違った視点での分析が可能です。
2、連結会計
連結会計とは、子会社及び関連会社を含めて1つの企業体として、財政状態や経営状況を把握するための会計業務です。連結会計も会計システムに属する機能ですが、ERPの組織階層や多通貨対応などを利用することで、よりスムーズな連結会計業務を可能とします。
3、外貨管理
輸出入業務を行っている企業では、ERPの外貨管理機能も重要な比較ポイントです。輸出入業務が必要な企業にとって、受発注や在庫・会計処理での多通貨対応は欠かせません。ERPは、統合データベースで外貨に関するマスタデータを保持し、会計管理の決算処理や販売管理での為替差損益管理で利用できるようにします。
4、税務申告
税務申告は、あらゆる企業にとって不可欠の業務です。ERPは、各部門の情報を集約管理するため、税務申告資料の作成も効率化します。
5、生産管理
製造販売業にとって、生産管理は欠かせない機能です。生産管理では生産計画の立案や適正な在庫管理、生産業務の効率化を行います。ERPは、生産管理以外の業務からのデータを利用することで、リアルタイムに需要予測や在庫管理などを行えるようにします。
6、BIツール
BI(Business Intelligence)ツールとは、企業活動により蓄積されたデータを駆使して分析し、経営戦略の立案を支援するツールのことです。ERPは全社全業務のデータを一元管理するため、BIツールを機能として持っている製品も多く見られます。
ERPの導入手順
ERP製品を導入しようと考えた時に、重要になってくるのは導入手順です。正しい導入手順をふまなければ、ERP製品の本来の効果を発揮できず、自社の課題解決につながらないことも。ERP製品の効果を最大限に活かすためには、以下の手順で導入を行うのが良いでしょう。
1、導入目的、利用ルールの明確化
まずは自社内における課題を抽出し、ERP製品を導入することによってどのように改善していくのかを明確化しましょう。その上でERP製品を活用する範囲、ルールを設定しておくことも重要です。
2、製品や導入形態の検討
導入目的や利用ルールの設定ができたら、製品や導入形態の検討を行います。ERP製品の導入時には、自社の規模感や管理体制にあわせた製品検討が重要です。規模に見合わず無駄なコストがかかったり、自社内で管理できる人材がいなかったりということにならないように注意しましょう。
3、導入計画の作成、試験導入
ある程度製品や導入形態の検討ができたら、導入計画や試験導入を実施し、導入までのタスクや導入後の課題把握を行いましょう。このステップを丁寧に行うことで、導入後に効果を発揮するまでのリードタイムを短くすることができます。
4、導入後のメンバー教育
現場に新しいツールを導入する際にはトラブルがつきものです。慣れないツール利用に嫌気がさし、利用が形骸化してしまうケースも多く見られます。EPR製品を導入して満足ではなく、利用を促進する施策や活用方法の教育を定期的に実施するようにしましょう。
ERPを使いこなして今後の経営戦略に役立てよう
ERPは、導入するだけではなく全社が業務で活用してこそ、業務の効率化や素早い経営判断ができるようになります。自社にマッチしたERPを選定し、社員教育などによってERPを積極的に使っていくようにして、経営戦略に役立てましょう。
ERP製品の選定にお困りの場合は、下記より製品資料を入手して、製品検討にお役立てください。