原価管理システムおすすめ6選比較!【2021年最新版】基本性能や選び方も解説

原価管理システム

会社を経営する上で、原価計算は欠かせない業務です。本稿では、原価管理システムの製品を比較しながらその特徴を解説します。原価管理の基本機能と、製品選択時のポイントについても紹介します。

30秒で分かる原価管理システム

原価管理システムとは、原価計算を効率よく実行し、原価の「見える化」をサポートするシステムです。原価データを蓄積することで、原価のシミュレーションや予実管理も行え、経営判断の材料としても活用できます。

以前はパッケージソフトが主流でした。しかし近年はクラウド型も増えていて、初期コストを抑え手軽に導入できる製品も増えてきました。

原価管理システムには、どの業種でも使えるタイプの総合型と、業務特化型の2種類があります。どちらを選ぶかは、自社の原価管理業務に使える機能があるかを確認しなければなりません。

以降で、原価管理システムを6製品紹介しますので、自社に適した製品があるかを確認してください。

原価管理システム6製品を徹底比較!

工程入力だけで原価が見える「鉄人くん」
株式会社 ビジネス・インフォメーション・テクノロジー

POINT
  • 参考価格:月額30,000円(ライセンス数の制限なし)~
  • 提供形態:クラウド
  • 従業員規模:100名未満
  • 売上規模:全ての規模に対応
  • 対応機能:汎用、組立・加工製造、プロセス製造

クラウド型の生産管理+販売管理システム「鉄人くん」。工程を入力するだけで原価を確認できる手軽さが魅力です。100名未満と比較的小規模な製造業に向いています。

外出先でも利用できるよう、スマートフォンやタブレットからのアクセスも可能。ITシステムに慣れていない人でも使いやすいインターフェースも特徴の1つです。ライセンス数に制限はなく、月額料金のみで手軽に導入できます。


企業名機能を組み合わせて希望のプロジェクト管理を実現「クラウドERP ZAC」
株式会社オロ

POINT
  • 参考価格:ベーシックな例・初期費用:12,000,000円 月額費用:190,000円~
  • 提供形態:クラウド / SaaS / ASP
  • 従業員規模:10名以上 5,000名未満
  • 売上規模:全ての規模に対応
  • 対応機能:プロセス製造

プロジェクト型ビジネス特化型の「クラウドERP ZAC」。クラウド型で提供されている、統合型基幹業務システム(ERP:Enterprise Resources Planningの略)です。

原価管理もプロジェクト別の管理となり、仕入れ費用だけでなく外注費や労務費も全て管理できる点は、ERPならではでしょう。

プロジェクト損益を可視化するためには、販売・購買・工数・勤怠・経費・仕訳連携の各機能を組み合わせることで実現できます。


案件単位で原価管理&カスタマイズ可能「アラジンオフィス」
株式会社アイル

POINT
  • 参考価格:別途問い合わせ
  • 提供形態:パッケージソフト
  • 従業員規模:1,000名未満
  • 売上規模:全ての規模に対応
  • 対応機能:プロジェクト型

原価管理、案件管理、収支管理などからなるプロジェクト管理システム「アラジンオフィス」。案件ごとの手配状況や収支、原価を可視化できるシステムです。案件別原価一覧画面で案件の現状を確認できるだけでなく、事業全体の状況が把握できます。

イージーオーダー システムにより、必要な機能の追加や既存機能のカスタマイズも可能です。イージーオーダーによって、自社にフィットしたシステムにすることもできます。システムは、関東・関西・中部地方の企業のみ利用できる点にご注意ください。


サービス業向き!案件ごとに収支を見える化「Project Director」
株式会社大塚商会

POINT
  • 参考価格:別途問い合わせ
  • 提供形態:その他
  • 従業員規模:全ての規模に対応
  • 売上規模:全ての規模に対応
  • 対応機能:プロジェクト型

「Project Director」は、案件・プロジェクト単位で収支管理を行うプロジェクト収支管理ツールです。広告業やソフトウェア開発業などの業態にマッチしており、案件の見込み状態から売上形状までの間、収支状況を見える化します。工数原価を一元管理するとともに、案件・プロジェクト単位でも収支管理は可能です。

また、進ちょく状況・収支状況は、案件ポータル画面(コックピット画面)を確認することで、現状の原価がどのような状態にあるかをタイムリーに確認できます。


小規模のクリエイティブ業に適したプロジェクト収支管理機能「Reforma PSA」
株式会社オロ

POINT
  • 参考価格:初期費用0円、販売ライセンス月額6,000円(1ユーザー)、購買ライセンス月額2,000円(1ユーザー)、勤怠ライセンス・経理ライセンス・セキュリティオプション月額300円(1ユーザー)、最低料金月額30,000円
  • 提供形態:クラウド / SaaS
  • 従業員規模:50名未満
  • 売上規模:10億円未満
  • 対応機能:プロジェクト型

クラウドERP「ZAC」とは姉妹製品の「Reforma PSA」。「ZAC」の機能を一部制限する代わりに、月額30,000円から利用可能です。原価管理機能は「Reforma PSA」でも利用でき、プロジェクト原価はタイムリーに自動計算しています。

プロジェクト特化型で、小規模のクリエイティブ業で使う機能に厳選しています。原価管理はしっかりしたいが、ITシステムにあまりコストをかけられない、という場合に選択肢となるシステムです。


AWS活用で低コストの生産管理システム「FutureStage」
株式会社日立システムズ

POINT
  • 参考価格:20,000,000円
  • 提供形態:オンプレミス / クラウド / パッケージソフト
  • 従業員規模:10名以上 500名未満
  • 売上規模:10億円以上 500億円未満
  • 対応機能:対応機能:汎用、組立・加工製造

「FutureStage」は、製造業、卸売業、小売業向けの生産管理システムです。原価管理機能は標準原価・個別原価・総合原価をサポートしているため、自社の運用に適した原価計算ができます。

原価管理によって「原価の見える化」ができ、仕掛原価もリアルタイムに確認可能に。直接費(※1)に加えて間接費(※2)も正しく計算できるため、実際の製造においてかかった費用を正確に把握でき、迅速な経営判断が可能です。


(※1)直接費:原材料費など、製品の製造に使っていることが明白な費用
(※2)間接費:総務部の人件費など、製品の製造と直接結びつかない費用


原価管理システムの基本機能

原価管理システムには様々な機能があります。特に基本的な5つの機能について見ていきましょう。

1、原価計算

必要な項目にデータを入力し、ルールに基づいて原価計算を行う機能です。原価計算の種類は、主に以下の6種類があります。

原価計算の種類 計算内容
個別原価計算 個別の製品にかかった原価を計算する方法
総合原価計算 特定期間内に発生した原価を全て計算する方法
全部原価計算 製品の製造にかかった原価全てを原価起算する方法
部分原価計算 製品の製造にかかった原価のうち一部を原価計算する方法
実際原価計算 実際にかかった原価を元に原価計算する方法・実績の計算
標準原価計算 製品の製造にかかると予想される標準的な金額を元に原価を設定する計算方法・予算の計算

状況に応じて適切な計算方法で原価計算を行うと、製品個別、部署別、全社など様々な切り口で原価の状況を可視化できます。原価を可視化すると、変化をより早く捉えて先手を打つ、といったこともできるようになります。

2、原価差異分析

標準原価計算は、製品製造の予算を計算することと同じです。また、実際原価計算は、予算に対する実績値を算出できます。これらの原価計算結果から、原価差異分析を行うことも、原価管理システムの基本的な機能です。

原価が予定より高くなってしまった場合は改善案を検討し、予定より大幅に低くなった場合は、予算を他へ配分することも検討します。定期的に原価再分析と改善案の実行を繰り返すことで、より効率のよい経営が可能となります。

3、損益計算

原価管理システムには収益性判断機能もあります。製品の計画立案から製造、販売、破棄までのライフサイクルから、限界利益を算出し、利益が出るかを判断する機能です。

収益性判断機能により、製品製造のときだけでなく販売から破棄に至るまでの総原価化を可能にします。その結果製品の収益性について、より正確な判断ができるようになります。

4、シミュレーション

シミュレーション機能は、経営の中長期的なビジョンを立てるために重要な機能です。原価システムに蓄積された原価データにより、次世代の新製品開発に必要な原価変動も計算可能に。その結果将来の経営状況が見えるようになり、より素早く的確な経営判断を下せるようになります。

5、システム連携

原価管理システムは、他の業務システムとも密接なかかわりを持ちます。システム連携によってデータを共有してERPシステムで統合できれば、経営情報の一元管理も可能です。

原価管理システム製品選定のポイント3つ

原価管理システムは、製品によって業界特化型であったり、特殊な管理が可能だったりと、かなり個性的な製品が多く見られます。製品選定のポイントとして、自社が求める機能を明確にしたうえで、どういう点に着目して製品を選べばよいかについて、3つの観点を示して解説します。

1、カスタマイズ性や拡張性

原価管理システムは、パッケージをそのまま導入しても、自社業務にマッチしない部分が出てくる場合も少なくありません。そんな場合、カスタマイズ性や拡張性が高いと、自社の原価計算に合わせたシステムにでき、業務をより効率よく進められます。

ITの知識がなくても設定だけである程度動作を変えられるかどうか、自社の求めている処理ができない場合改修は可能か、といった点を確認しましょう。

2、他システムとの連携は可能か

経理業務は、原価計算だけが独立しているわけではありません。販売管理や在庫管理、プロジェクト管理などとも密接に関係し、共有したいデータも多いでしょう。システム連携ができないと、システム間でやり取りするデータをいちいち入力しなおさなければならず、非常に手間がかかります。

それぞれの業務システムとシステム連携できるかどうかは、原価管理システム選定の重要なポイントです。全社の基幹系システムを一新してERPを導入する方が効率的な場合もあります。自社のITシステムの現状を確認して慎重に検討しましょう。

3、業界特化型か総合型か

原価管理は、業種や企業単位で計算方法や細かいルールが異なります。自社と同じ業種特化型の製品は、総合型よりも使い勝手がよいと考えてください。ただ、総合型は、システム連携や基本機能の豊富さなどの強みがあります。自社の原価計算ルールを洗い出し、自社に必要な機能や業務との合致度を入念に調査しましょう。

自社にマッチした原価管理システムを選ぼう

原価管理システムは、製品によって機能に大きな違いがあります。そのため自社の業種や規模、他の業務システムと連携できるかなど、検討すべきポイントは少なくありません。候補となる製品を絞り込んだ後は、自社の経理業務にマッチしているかをしっかり検証しましょう。

※(価格は2020年12月11日時点、税別で記載)

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