CRMマーケティングを活用する基本手順10選|戦略を実行するポイントも紹介!

CRM

CRMをマーケティングに活用するにはどうすればよいのでしょうか。この記事ではCRMを活用したマーケティングの基本手順、実行するポイントをご紹介します。CRMの導入を検討している企業の方や、マーケティングのためのツールを探している企業の方は、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。

そもそもCRMとは

CRMはCustomer Relationship Managementの略語で、顧客関係管理や顧客管理などと訳されています。これは、顧客を中心に据えてビジネスを展開することで、利益を最大化しようとするマネジメント手法です。

また、顧客と良好な関係を築くために顧客情報を管理し、それによって収益の拡大を図る仕組みとも言えます。

CRMマーケティングとは

CRMマーケティングとは、上記のCRMの考え方をマーケティングに活用したもので、顧客ごとの情報を一元的に管理し分析することで、それぞれに合ったマーケティング戦略を立案する手法です。ここではCRMマーケティングの詳細について見ていきます。

目的

企業がどのような商品やサービスを提供しても、それらを購入する顧客がいなければ販売は成り立ちません。しかも、顧客が求めているのは価格か、あるいは品質かといったニーズを理解しなければ、売上にはつながらないのです。

さらに、市場や顧客の価値観が多様化したため、少品種大量生産の時代のマスマーケティングが通用しなくなってきています。こうした理由や背景から、新規顧客やリピート客の獲得を目的とし、その満足度を向上させる手法としてCRMマーケティングが要請されたのです。

戦略

CRMマーケティングは、複数のツールにまたがって分散化した顧客情報をまとめて一元的に管理します。そして、その一元化した情報は、顧客分析とそれに基づく戦略立案を容易にするので、マーケティング活動を効率化することができます。

施策実施のタイミング

CRMマーケティングをうまく活用すれば、顧客満足度を向上させて顧客と長期的に良好な関係を築いていけるでしょう。そして、その関係からもたらされる情報を分析すれば、いつ商品やサービスを提供するかについて、最適なタイミングを導き出すことができます。

漠然と欲しいと思っていた商品やサービスの情報をタイミング良く提供されると、すぐに買いたくなる人もいるでしょう。最適なタイミングを知ることは購入に結びつきやすいため、販売の増進に貢献します。

顧客ニーズ

上記の施策実施のタイミングの場合と同様に、CRMマーケティングがもたらす良質な情報を分析すれば、顧客のニーズに合致した最適な商品やサービスを導き出すことができます。

顧客にしても、興味のない商品情報が混ざったものが画一的に送られてくるよりも、興味深い商品の情報だけが送られてくる方が購買意欲をそそられるでしょう。

CRMマーケティングを活用する基本手順10選

マーケティングにCRMを活用すると、上記のような効果を期待できるということがわかりました。それでは、CRMマーケティングはどのようにすれば活用できるのでしょうか。ここからはその基本手順を具体的に見ていきます。

基本手順1:顧客情報の蓄積

CRMとは顧客管理のことですが、顧客を管理するためにはその情報の蓄積が必要です。しかし、部署ごとに異なる情報システムを使っていると、全社レベルで不具合が生じやすくなります。

例えば、コールセンターへの問い合わせやクレームが営業に伝わっていない場合、対応を間違えて顧客を不満足にさせかねません。それゆえ、まずは社内の情報基盤を整備し、バラバラに管理された顧客情報を集約して一元化しなければなりません。

基本手順2:顧客情報の管理

CRMで顧客情報を管理するためには、蓄積した顧客情報を活用しやすいように分類する必要があります。分類の仕方はいろいろありますが、CRMの顧客データは大きく定量データと定性データの2種類に分けられます。

定量データは、顧客の住所や家族構成、年齢といった情報のことで、数値で表せます。一方、定性データは、カスタマーセンターなどに届く問い合わせや使用後の感想、苦情、改善要求などの情報のことで、数値化が困難です。

基本手順3:顧客情報の共有

CRMに蓄積された顧客情報には、組織内の誰でもアクセスできます。そして、顧客情報を企業全体で共有することは、意外な見込み客の発見にもつながります。

売上に直結しないように見えても、別の視点では見込み客になりうる可能性があるからです。このように、CRMは潜在的な顧客情報の共有を通じて見込み客という企業資産の形成にも役立ちます。

基本手順4:顧客情報の統合

基本手順1において、社内情報基盤の整備が必要だと述べました。それは具体的には、顧客情報を異なるシステムから収集する場合、データフォーマットを加工して統合することを意味します。

もしそれをしなければ、情報が部門やチャネルごとに分散されるので、顧客情報(コンタクト履歴、購買履歴、行動履歴など)は、各ポイントでしか見られなくなります。

しかし、顧客情報を統合すれば、データ間に埋もれた顧客の抽出に時間や労力を費やすことなく、マーケティング的に重要な顧客を簡単に検索して抽出することができます。

基本手順5:顧客情報の分析

CRMマーケティングは、顧客情報を収集してそれを統合した後、目的を持って顧客情報の分析に取り組みます。そして、その目的はLTV(Life Time Value:顧客生涯価値)の最大化であるため、自社の顧客を対象にしてマーケティングを行い、必要な情報について定義します。

例えば洋服の場合、自社のメインターゲットの性別や年代、よく売れている時期などが必要な情報です。それらが明確に定義されれば、ターゲットと季節感をかけ合わせたプロモーションなどの施策を実行することができます。

基本手順6:顧客マーケットセグメントの想定

前述のように、顧客分析に必要な情報を定義するにはターゲットを決める必要がありますが、このターゲティングの前段として用いられるのがセグメンテーションです。これは、顧客情報を何らかの要素で細分化し、ニーズごとにグループ化する手法です。

例えば、自社商品の購入者を年齢で細分化してどの年齢層が多いのかを知れば、そこにターゲットを絞り、そこに合った商品やサービスのコンセプトを明確にすることができます。

その結果、ターゲットの年齢層に対して、購入履歴の有無に関わらず、積極的なアプローチが可能になります。

基本手順7:立案

前述のターゲットが明確になれば、それを取り込むためのマーケティング戦略を立案するわけですが、その際に有効な手法がKPI(Key Performance Indicator)です。KPIとは事業目標の達成に必要なプロセスを数値化し、指標として表す重要業績評価指標のことです。

例えば、来年度の売上を40%増大させるという事業目標を定めたら、KPIの設定は、それを達成するために、メルマガからの流入を30%、広告からの流入を40%向上させるというように、必要な要素を定量化していきます。

こうすることで、どのように目標のゴールに到達するかという筋道を立てるのです。

基本手順8:実行

マーケティング戦略を立案した後は、可能な限り計画に沿ってマーケティングの施策を実行することが重要です。具体的には、KPIを使って小さな目標を達成しながら、終局の大きな目的の実現に向かっていきます。

上手く運べば、顧客のニーズに合わせたサービスの提供やカスタマーサポートの品質向上、データに基づく意思決定などを達成できます。CRMマーケティングの戦略に基づき、顧客を中心にしたマーケティングを実行していきましょう。

基本手順9:効果検証

戦略の施策を実行した後は、戦略通りの結果が得られたかどうかを確認するためにデータを集め、それを分析して評価します。その際、KPIは効果を数値化するので、評価に使うと便利です。

数値化が難しい定性的な課題に対してKPIを設定するときは、結果に着目し、課題を解決したらどのような成果をもたらすかを逆算して定量化します。

また、課題解決に必要な行動に着目し、行動の一つ一つに目標を設定することも定量化に有効です。さらに、第三者のアンケートを活用することも定量化に役立ちます。

基本手順10:評価や改善

効果を検証した後は、得られた結果に基づいて改善策や次の施策を検討して、実行に移します。戦略通りの結果が得られないときは、分析方法が違っていた可能性なども考慮しながら、さらにPDCAのサイクルを回していきましょう。

CRMマーケティング戦略を実行するポイント

CRMマーケティングを実行する際は、蓄積した情報を全社的に共有して分析しながら、KPIで目標に到達するまでの中間指標の管理を効率的に進めていくことがポイントです。

KPIを行うには、まず課題を整理して、どのような目標を達成するために何をするのかを明確にする必要があります。そうすることで、どの指標に対してKPIを設定すればよいのかが見えてきます。

そして、KPIの具体的な数値設定は過去の売上などから導出して実現可能なものにします。その後は、KPIの達成状況を見ながら適宜戦略の見直しを行えば、戦略に実効性を持たせることができるでしょう。

CRMマーケティングを導入しビジネス戦略を立てよう

ここまでCRMマーケティングを活用するための基本手順について、KPIの使用を絡めながら解説してきました。

CRMで仕入れた顧客情報は、ただデータベースとして存在するだけでは意味がありません。CRMをマーケティング戦略にどう活用していくかというCRMマーケティングが重要なのです。

ぜひ今回の記事を参考に、CRMを導入したマーケティングを行ってみてはいかがでしょうか。

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