ERPとCRMの違いとは?それぞれの導入するメリット3つと注意点を解説!

CRM

ERPとCRMにはどのような違いがあるのでしょうか。この記事ではERPとCRMの違いやERPを導入するメリット、CRMを導入するメリット、それぞれの導入する際の注意点などをご紹介します。

ERPとは、CRMとは

ERPとは

ERPは「企業資源計画」を行うことができるシステムです。

ERPは「エンタープライズ・リソース・プランニング」を略した言葉で、日本語では「統合基幹業務システム」などと呼ばれることもあります。

ERPは企業における会計業務、生産業務、在庫管理業務、人事業務、販売業務といったさまざまな基幹業務を統合することで、業務の効率化や情報の一元化を実現します。

ERPの主な機能

ERPには企業運営を行う上での基幹業務を支援する5つの機能が備わっています。

ERPは企業活動の基幹となる「会計」「販売」「物流」「生産」「人事」などの業務に適したシステムを搭載しています。

そのため、「会計管理システム」「販売管理システム」「在庫購買管理システム」「生産管理システム」「人事給与管理システム」の5つを合わせて「完全統合ERP」と呼ばれています。

CRMとは

CRMとは「顧客関係管理」を実現するためのシステムです。

「カスタマー・リレーションシップ・マネジメント」を略した言葉で、日本語では「顧客関係管理」と訳すことができます。CRMは顧客に対して最適なアプローチを行い、顧客ロイヤルティを最大化することで利益を向上させるツールです。

CRMはビジネスの要素の中でも顧客との友好な関係を築くことを重視したマネジメント手法となっている点が特徴です。

CRMの主な機能

CRMには顧客管理に必要な4つの機能が備わっています。

顧客情報を重視していることから、顧客データベースの管理機能が基本的に搭載されていて、顧客の氏名や属性、購買履歴、購買の目的や志向などを管理し、分析します。

また、顧客1人ひとりに対するプロモーション機能や、問い合わせをサポートするサポート機能、顧客情報を保護するセキュリティ機能などが搭載されているという特徴があります。

ERPとCRMの違い2つ

ERPとCRMの違いをご紹介します。

ERPとCRMは企業における課題解決のために導入されるIT製品となっているため、混同されるケースも多いです。

しかしそれぞれコンセプトが異なるため、導入する目的や対応しているシステム等も異なります。ここではERPとCRMの違い2つをご紹介しますので、導入を検討する参考にしてみてください。

導入する目的

ERPは企業のシステム環境を統合するため、CRMは顧客管理の徹底のために導入します。

ERPは企業が利用しているさまざまな種類の業務アプリケーションの統合管理を実現するものです。ERPの導入により、本来であれば独立して稼働するはずの業務アプリケーションをまとめて管理できます。

一方、CRMは顧客情報だけでなく顧客との関係も管理することで、顧客満足度を向上させて利益拡大へつなげることを目的としています。

対応システム

ERPは企業における基幹システム、CRMはコールセンター向けのシステムがあります。

前述のとおり、ERPは企業における基幹業務である会計や財務、人事、物流、販売などを行えるシステムを保有しており、それを統合してERPと呼びます。

一方、CRMは顧客情報を管理することに特化しているため、電話相手の顧客の情報をすぐに一覧で表示するなどコールセンターで活用できるようなシステムになっているものもあります。

ERPを導入するメリット3つ

ERPを導入することによって、企業はこれまで分断されていたさまざまなシステムを統合することが可能になります。それでは、そのことによって具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。

ここからはERPを導入するメリット3つをご紹介します。

メリット1:リアルタイムで経営判断できる

ERPを導入することでリアルタイムなデータにより状況を把握し、的確な経営判断を下すことが可能になります。

ERPの多くは、経営状況に関するさまざまなデータをリアルタイムに把握できるようになっています。そのため、経営陣も状況に応じた迅速な経営判断が行えるというメリットがあります。

さらに現場の社員にとっても部門の売上などのデータをリアルタイムに確認できるため、経営状況を把握することができます。

メリット2:業務効率の上昇

ERPを導入することで本来の業務へ集中でき、業務効率を上昇させることが可能になります。

ERPを導入することで情報の一元管理が可能になるため、部署間での情報のすり合わせや問い合わせ作業をしなくても、システムを見ればすぐに把握できます。

そのため、部署をまたいでの納期の決定なども簡単になるため、本来の販売などの業務に集中することができ、業務効率をアップさせることができます。

メリット3:情報を一元管理できる

ERPを導入することで企業のデータを一元管理することが可能になります。

ERPでは社内で使用する全てのデータを一元管理できるため、たとえば販売管理システムで製品価格が変更された場合、すぐに全体のデータに反映され、個別に修正する必要がありません。

そのため、データの不整合や要件の見落としなどのヒューマンエラーを未然に防ぐことができます。

ERPを導入する際の注意点

ERPは企業業務全体を最適化するものですが、そのためには各部署での従来の業務プロセスを必要に応じて変えていく必要があります。そのため、現場からはシステム化に反対する声が上がるケースも多いと言われています。

また、現場のデータ入力も必須の業務となるため、システム導入の意義を十分に説明して社員の管理を徹底し、会社全体で協力する体制を整えることが重要です。

CRMを導入するメリット3つ

一方、CRM導入の場合は具体的にどのような効果が得られるのでしょうか。

ここではCRMを導入するメリット3つをご紹介します。

メリット1:迅速に情報を共有できる

CRMを導入することで社内で迅速に情報を共有できます。

CRMというシステムで情報を一元管理することで、入力するだけでリアルタイムに情報共有を行うことが可能になります。そのため顧客へのアプローチも的確かつスピーディに行うことができるようになります。

メリット2:顧客情報管理が営業に依存しない

CRMを導入することで顧客情報管理が営業部門に依存しなくなります。

営業担当者によって顧客情報が管理されている場合、担当者が不在の時には顧客情報について連携できず、適切なフォローが取れない状態になります。

しかしCRMで情報の一元管理が行われることで、営業だけでなく他の部署でも顧客情報を管理することができるようになります。

メリット3:顧客の傾向を分析できる

CRMを導入することで顧客の傾向を分析することができます。

CRMの顧客解析機能によって顧客ごとの売れる傾向などを分析することができるため、分析結果をもとにアプローチするべきターゲットや最適なタイミングを算出することができます。

また、分析をもとに適切な施策を実施することで、顧客ロイヤルティを向上させることができるでしょう。

CRMを導入する際の注意点

CRMは効果が表れるまでに時間がかかります。

CRMを導入する場合、顧客情報を一元管理できるように体制を改善する必要があります。また、実際に運用が始まってからも通常業務として入力作業が発生し、効果が出るまで数ヶ月の時間がかかります。

そのため、途中で入力を辞めてしまうケースも少なくありません。しかしCRMを導入した目的をしっかりと持ち、定着するまで使い続けることが重要です。

ERPが向いていること

ERPは業務の最適化やビッグデータの管理に向いています。

ERPを導入することにより、これまで企業内で蓄積してきたビッグデータを部署の垣根なく管理することができるようになります。

また、全ての部署で情報の連携が簡単に行えるようになるため、業務を最適化、効率化することが可能になります。

CRMが向いていること

CRMは売上アップや顧客情報の管理に向いています。

CRMは顧客情報を一元管理して営業部門やマーケティング部門、カスタマーサービス部門などのさまざまな部署で共有し、戦略を練ることで顧客ロイヤルティを向上させることができます。

また、顧客管理を重視したマーケティングを行うことにより、ビジネスとしても利益を最大化し、売上を向上させることができるものです。

ERPとCRMの違いを知って目的に合うものを検討しよう

混同されがちなCRMとERPですが、その機能やメリットはそれぞれ異なります。ぜひこの記事でご紹介したERPとCRMの違いや導入するメリットを参考に、自社に適したシステムを導入してみてはいかがでしょうか。

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