悪意のある第三者が無線LANネットワークに不正アクセスし、個人情報や通信内容を盗み取る「Wi-Fiハッキング」。
Wi-Fiのアクセスポイントが増えた昨今は、注意すべきセキュリティリスクです。
この記事では、Wi-Fiのハッキングの手法やその被害、そして具体的な対策方法を詳しく解説します。
Wi-Fiをハッキングする主な手法
Wi-Fiハッキングにはいくつかの方法があり、それぞれ異なる手口でユーザーを攻撃します。主な手法は、以下の通りです。
- マンインザミドル攻撃
攻撃者が偽のWi-Fiアクセスポイントを設置し、ユーザーを誘導する手法です。例えば、カフェなど公共の場で「Free_WiFi」といった紛らわしい名称のネットワークを設定し、接続を試みたユーザーの通信を傍受します。 - スニッフィング
攻撃者がネットワークに直接侵入してデータを盗み出す方法です。特に暗号化されていないネットワークや、初期設定のままのパスワードが使用されている場合に危険です。 - パスワード解読
総当たり攻撃や辞書攻撃と呼ばれる手法を使い、Wi-Fiネットワークのパスワードを解読します。弱いパスワードや初期設定のままのパスワードを使っている場合、この攻撃に非常に脆弱です。
Wi-Fiがハッキングされた場合の被害
Wi-Fiハッキングが成功すると、ユーザーにはさまざまな被害が及びます。代表的な被害例は、下記の3つです。
- 個人情報の窃取
通信中の情報が盗み取られ、個人情報が漏洩します。これには、ログイン情報やクレジットカード情報が含まれることが多いです。 - 不正利用
盗まれた情報をもとに、なりすましや不正送金、クレジットカードの不正利用などが行われる場合があります。 - デバイスの乗っ取り
ネットワーク経由でデバイスに侵入し、不正プログラムをインストールされることで、さらなる被害が拡大する可能性があります。
Wi-Fiがハッキングにあった場合の早急な対処法
上記の様な被害を防ぐためには、適切な対処が必要です。ハッキングが疑われる場合は、以下の手順で迅速に対応してください。
- ネットワークから即時切断する
- Wi-Fiルーターの設定を変更する
- デバイスのウイルススキャンとパスワード変更を行う
- ルーターのログを確認する
- 専門家に相談する
各手順の詳細は、以下の通りです。
1. ネットワークから即時切断する
ハッキングが疑われる場合にまず行うべきは、「ネットワークからの切断」です。下記の手順ですべてのデバイスをWi-Fiネットワークから切断し、不正なアクセスを即座に遮断しましょう。
- スマートフォンやPCなど、Wi-Fiに接続しているデバイスをすべてオフラインにする。
- Wi-Fiルーターの電源を切る。
- モデムの電源も一時的に切断する。
2. Wi-Fiルーターの設定を変更する
続いて、ハッキングの原因となった設定を修正し、再発を防ぎます。
- ルーターに物理的に接続(LANケーブルなど)し、管理画面にログインする。
- SSID(Wi-Fiネットワーク名)とパスワードを変更する。
- ルーターの管理パスワードを初期設定から変更する。
- 暗号化方式を「WPA3」または「WPA2」に設定する。
- 接続されているデバイスを確認し、不審なデバイスをブロックする。
3. デバイスのウイルススキャンとパスワード変更を行う
ハッキングされたデバイスにマルウェアやスパイウェアが仕込まれている可能性があるため、念のためWi-Fiに接続した全デバイスを確認してください。
- 信頼できるセキュリティソフトでデバイスをスキャンする。
- オンラインサービス(メール、SNS、銀行など)のパスワードを変更する。
- 二段階認証を有効にして、アカウントのセキュリティを強化する。
4. ルーターのログを確認する
ハッキングの痕跡や不審なアクセスが記録されていないか確認します。
- ルーターの管理画面から「ログ」または「接続履歴」を開く。
- 不審なIPアドレスや接続履歴を確認する。
- 必要に応じてルーターのIPアドレスを再設定する。
5. 専門家に相談する
被害が重大で個人での対処が難しい場合は、躊躇せずに専門家に相談しましょう。フォレンジック調査により、被害範囲の特定や再発防止策を講じることができます。
フォレンジック調査の必要性について
フォレンジック調査は、ネットワークやデバイス内のデータを解析し、不正アクセスやハッキングの痕跡を特定するための技術です。この調査を行うことで、被害範囲の把握と再発防止策の実施が可能になります。
おすすめフォレンジック調査会社
フォレンジック調査を依頼するなら、デジタルデータフォレンジックがおすすめです。
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Wi-Fiのハッキングを防ぐための対策
Wi-Fiハッキングのリスクを軽減するためにも、以下の具体的な対策を講じておくことをおすすめします。
- 安全なWi-Fi接続を選ぶ
- 暗号化方式を強化する
- パスワードを強化する
- VPNを活用する
- ルーター設定を見直す
安全なWi-Fi接続を選ぶ
公共のWi-Fiネットワークは危険です。信頼できないWi-Fiには接続せず、必ず暗号化されたネットワークを使用しましょう。
公共のフリーWi-Fiの利用時には必ずVPNサービスを併用するなど、対策は必須です。
暗号化方式を強化する
Wi-Fiルーターの設定を確認し、最新の暗号化方式(WPA3またはWPA2)を使用してください。古いWEPやTKIP方式は脆弱性があるため、避けるべきです。
ご自宅のルーターがWPA3またはWPA2に対応していない場合は、買い替えを推奨します。
パスワードを強化する
パスワードは複雑で長いものを設定し、定期的に変更することが大切です。大文字、小文字、数字、記号を組み合わせ、セキュリティを強化しましょう。
VPNを活用する
VPNサービスを利用すれば、公共Wi-Fi利用時であっても通信を暗号化できるため、安全性が向上します。
ただし、VPNの運用を誤ると逆に脆弱性にもなりかねませんので、注意が必要です。
ルーター設定を見直す
Wi-Fiルーターの管理画面にログインし、次の設定を確認してください。
- 初期設定の管理パスワードを変更する。
- SSIDを変更して個人を特定されにくくする。
- 接続されているデバイスを確認し、不審なデバイスがないかチェックする。
- ファームウェアを最新バージョンにアップデートする。
まとめ
Wi-Fiハッキングは、現代のネットワーク社会において避けられない脅威の一つです。しかし、適切な対策とセキュリティ意識を持つことでリスクを大幅に減らせます。
万が一Wi-Fiハッキングの被害が疑われる場合は、専門家に相談のうえ、必要な対策を迅速に実施してください。