本記事では、パソコンが遠隔操作されている場合に見られる兆候や、その原因、そしてすぐに行うべき対処法について詳しく解説します。
遠隔操作による被害は、個人情報の流出やデータの改ざん、さらには金銭的被害を招く恐れもありますので本記事を参考に対策していきましょう。
パソコンが遠隔操作されて乗っ取られる危険性
パソコンが遠隔操作されている場合は、すでにデータ窃取など被害が出ている可能性が高いです。遠隔操作によって受ける被害の代表的なものは以下のとおりです。
- 個人情報や企業データが盗まれる
- 被害者のアカウントやクレジットカード情報の悪用
- 乗っ取ったパソコンでマルウェアの拡散
- パソコンがロックされる
- 勝手にソフトウェアや危険なファイルをインストールされる
- 被害者のパソコン経由で犯罪行為をし、冤罪被害が起きる
遠隔操作でできることは幅広く、最悪の場合は乗っ取られてしまい、データの改ざんや盗難、さらには金銭的な損失を招く恐れもあります。
こうしたリスクを未然に防ぐためには、遠隔操作の兆候を早期に見抜き、適切な対処を行うことが不可欠です。
パソコンが遠隔操作されている時の症状
パソコンが遠隔操作されている場合によく表れる症状について解説します。
身に覚えのないソフトウェア、アプリ、操作履歴
自分でインストールした覚えのないソフトウェアやアプリケーションがある場合や、操作履歴に見覚えのないアクティビティがあれば、第三者の遠隔操作を疑いましょう。
特に、企業のパソコンで遠隔操作されていた場合は、アクセスできる対象のデータが漏洩している疑いがあります。
情報漏洩の可能性があれば、「改正個人情報保護法」に基づく個人情報保護委員会への報告が必要になるため注意が必要です。
変更した覚えのない、ファイルやフォルダの場所や名前
以下で挙げている項目が「変更されている」もしくは「新しく作成されている」という状況は、第三者からの遠隔操作の痕跡かもしれません。
- ファイルやフォルダの名前
- ファイルやフォルダの保存されている場所
調査を行う場合は、怪しいファイルでもすぐに削除しないように注意してください。削除してしまうと、調査に必要なログなどの情報が抽出できなくなる可能性があるからです。
基本的に遠隔操作はインターネット経由で行われますので、心配な場合はインターネットから切り離し、そのうえで専門家に相談しましょう。
パソコンの動きがとても重い
パソコンが遠隔操作を受けると、パソコンでCPUやネットワークの回線などのリソースが使用され、通常時より負荷がかかります。これに付随してバッテリーの消耗が早いこともあります。
パソコンの単なる不具合やスペック不足などの理由で動作が重くなることもありますが、パソコンの動きがいつもと比べて快適に操作できないほど重い際には、遠隔操作の可能性も考えましょう。
パソコンのコントロールができなくなる
遠隔操作されている場合、急にパソコンの操作が利かなくなることがあります。コントロールできなくなる理由として考えられるのは、以下のような要因です。
- メモリ不足
- 第三者からの遠隔操作
- アプリケーションやソフトの不具合
- 電源ユニットやハードディスクの故障
- 周辺機器の干渉
- Windows Updateによる起動エラー
- BIOS(バイオス)の破損
- モニター/ディスプレイの不具合
- 静電気の発生や熱暴走
- マルウェア・ウイルスに感染している
- マウスやキーボードの電池切れや故障
ただの不具合の可能性もありますが、第三者に遠隔操作されているケースや不正なプログラムを実行されているケースも考えられるため、注意が必要です。
原因を突き止めるためにも、調査専門会社に調査を依頼することをおすすめします。
パソコンが遠隔操作されているか確認する方法
パソコンが遠隔操作されているかを確認したい場合は、以下のことを試してみましょう。
パソコンが普段の動作と違う動きをしていないかチェックする
パソコンが通常と異なる動作をしていないか、以下の9点を注意深く観察してください。
- 勝手にアプリが起動する
- 起動が遅い、または全く起動しない
- 動作が遅い、フリーズする
- 画面が真っ暗、または表示が乱れる
- 音がでない、または変な音がする
- インターネットに繋がらない
- 特定のキーが利かない
- ファイルが開けない
- 警告のようなメッセージが表示される
特に、勝手にアプリが開かれたり、画面の動きがいつもと違う場合は、遠隔操作の兆候かもしれません。
マウスのカーソルや文字の入力が勝手に行なわれる場合なども、遠隔操作の可能性があります。
マウスとキーボードを外してみる
「カーソルが勝手に動いている」「勝手に文字が打たれている」「操作していないのに入力操作が行われている」という症状が発生した場合は、マウスやキーボードなどが故障している可能性もあります。
まずは、パソコンに対する入力機器を物理的に外してみましょう。
それでもパソコンに不審な兆候が見られるなら、遠隔操作の可能性が非常に高いです。原因を突き止めるためにフォレンジック調査会社に依頼することをおすすめします。
不審なアプリやファイルがないか確認する
不審なアプリや、ファイルを探してみましょう。
身に覚えのないものや、使用していないのに起動しているものなどが、不審なアプリとしての指標になります。
- インストールした覚えがないアプリやファイル
- 通常のアプリとは異なる名前や、読めない文字列で構成されている
- 勝手に起動したり、バックグラウンドで動作している
- カメラ、マイク、位置情報など、アプリの機能と関係のない権限を要求している
- バッテリーを大量に消費している
- 不自然に多くのデータ通信量を消費している
CPUの使用率を見ることで、どのアプリが起動しているかなどをリアルタイムで確認可能です。
WindowsでCPU使用率を確認する方法
- Ctrl + Shift + Escキーを押して、タスクマネージャーを開きます。
- 「パフォーマンス」タブを選択し、CPUの使用率を確認します。グラフと共にリアルタイムの使用率が表示されます。
- 「プロセス」タブで、どのアプリケーションやプロセスがCPUリソースを消費しているかを確認します。
専門業者でフォレンジック調査する
自分で確認ができない場合や、不審な挙動が見られた場合は、専門の業者にフォレンジック調査を依頼することが最も確実です。
フォレンジック調査とは、「システムやデジタル機器、ネットワークなどで発生したインシデントや不正アクセス、情報漏洩などの事件・事故に関して、科学的かつ法的に信用できる方法でデータを分析し、証拠を収集・解析するプロセス」のこと。
フォレンジック調査をすることで、遠隔操作を含むサイバー攻撃の原因や、情報漏洩の有無などを調査できるため、事件の原因究明に役立ちます。
ご自身のパソコンが遠隔操作されて困っている場合や、不安な場合は、フォレンジック調査をおすすめします。
おすすめのフォレンジック調査会社
フォレンジック調査を依頼するなら、デジタルデータソリューション株式会社がおすすめです。
サイバー攻撃やマルウェア感染調査、情報漏えいの調査などに定評のある専門業者で、過去の相談件数は3.9万件以上。全国の捜査機関にも捜査協力を行うなど、豊富な実績があります。
24時間365日、無料相談を受け付けていますので、インシデントが発生した際は相談してみてください。もちろん、公的機関に提出可能な作業報告書(調査レポート)も作成してくれます。
パソコンが遠隔操作されている場合の対処法
ここからは、パソコンの遠隔操作が疑われる場合の対処法について解説します。被害を最小限に防ぐためにも、紹介している対処法をすぐに実践してください。
パソコンのネットワークを切断する
まずは、ネットワークを切断しましょう。
遠隔操作はネットワーク経由で行われます。そのため、インターネットを切断してしまえば基本的に遠隔操作されることはありません。
セキュリティーソフトのスキャンを行う
セキュリティソフトを使用してシステム全体をスキャンし、不審なファイルやプログラムを特定・削除しましょう。
詳しく調査して安全に消したい場合は、フォレンジック会社への依頼もおすすめです。
パスワードを変更する
各種オンラインサービスやパソコン自体のログイン・パスワードを速やかに変更しましょう。パスワードを変更することで、今後の不正アクセスへのハードルを高くできます。
また、マイクロソフトアカウントやアップルIDなど重要なアカウントについては、強力なパスワードを設定したうえでの二要素認証が推奨です。
パソコンの初期化を行う
最終手段になりますが、遠隔操作のリスクが高い場合やデータ削除などで復旧が困難な場合は、パソコンの初期化も1つの方法です。
初期化をすることでパソコンを出荷時と同じ状態にできるため、悪意のあるファイルや登録されている情報などをリセットできます。
その際の注意点は、データをバックアップしないこと。マルウェアなどの悪意のあるファイルも一緒にバックアップしてしまう可能性もあるため、おすすめしません。
パソコン内のデータが無くなっても構わない場合のみ、初期化するようにしましょう。
プロの業者に調査してもらう
自己対処で解決できない、自信がない場合は、フォレンジック調査会社への依頼がおすすめです。
フォレンジック調査では、個人で使用しているパソコンはもちろん、サービスやシステムに対して不正なアクセスがあった場合に「そのアクセスがどこから来たのか、不正アクセスによって何がされたのか」を解析するため、遠隔操作された原因を調べることができます。
24時間365日、無料相談を受け付けていますので、インシデントが発生した際は相談してみてください。もちろん、公的機関に提出可能な作業報告書(調査レポート)も作成してくれます。
パソコンを遠隔操作で乗っ取られないための対策
最後に、パソコンを遠隔操作で乗っ取られないための対策についてもご紹介します。意識したいポイントは、以下の4点です。
- パスワードを管理する
- ソフトウェアやOSは最新バージョンにする
- 不審なメールやサイトは開かない
- 最新のセキュリティソフトを導入する
パスワードを管理する
複雑なパスワードをそれぞれのサービスやパソコンのアカウントで設定することはもちろんのこと、そのパスワードをパスワード管理ツールを使って安全に保存しておくと、安心です。
定期的なパスワードの変更も有効で、2カ月に一度のパスワード変更をおすすめします。
ソフトウェアやOSは最新バージョンにする
ソフトウェアやOSには定期的にセキュリティの脆弱性が発見され、それに対応するためのセキュリティパッチが配布されます。そのため、バージョンは常に最新にしておきましょう。
これらのパッチを適用しないままでいると、第三者に簡単に侵入される可能性が高まります。
不審なメールやサイトは開かない
多くのサイバー攻撃は、フィッシングメールや悪質な偽サイトから始まります。「ユーザーを騙して個人情報を入力させる」「悪意のあるソフトウェアをダウンロードさせる」といった手口が使われますので、以下の2点に注意してください。
メールのリンクや添付ファイルに注意する
知らない相手からのメールに添付されたファイルや、リンクをクリックすることは避けましょう。フィッシングメールは正規の企業を装うことが多いため、送信者のメールアドレスやメッセージ内容を慎重に確認しましょう。
怪しいウェブサイトにはアクセスしない
不審なサイトにはアクセスしないようにし、怪しいポップアップ広告をクリックするのも避けましょう。
最新のセキュリティソフトを導入する
セキュリティソフトを導入することで、デバイスはリアルタイムで保護されます。
パソコンが外部から狙われるといった脅威に対しても対応できますので、リスク管理として最新のセキュリティソフトを導入しておきましょう。
まとめ
パソコンが遠隔操作されるリスクを、完全に無くすことはできません。しかし、適切な対処と、迅速な対処法を知っておけば、被害を最小限に抑えることができます。
もし被害にあった場合は、フォレンジック調査への依頼がおすすめです。詳しく調べるもらえますので、依頼を検討してみてください。