土地売買を行う際は、大半が売主と買主の間に不動産会社が入り、不動産会社が両者の仲介を行いながら売買手続きを進めていきます。
不動産売買の手続きには専門的な知識が不可欠であり様々な書類も必要であることから、特に資格を持っていない個人が売買するのは難しいと思っている人も多いのではないでしょうか。
しかし、土地売買は不動産会社を介することなく個人間で売買することも可能です。
ただし、個人で土地売買を成功させるためには、しっかりとした事前準備も必要になります。
本記事では、土地の個人売買に関する取引の流れや押さえておくべき具体的な注意点について、徹底的に解説していきますので、初めて不動産の売却を検討している場合はぜひ参考にしてみてください。
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\\この記事は専門家監修のもと作成しています//
西崎洋一|宅地建物取引士
宅地建物取引士・管理業務主任者・不動産コンサルタント・不動産プロデューサー。不動産業界10年以上の専門家。物件調査、重説作成・説明などの実務経験が豊富。特に土地の売買、マンション管理に精通。大阪を中心に活動をおこなっている。
土地の個人売買は可能か
「そもそも個人で売買取引していいの?」「何か法に触れるんじゃないか不安…」という人に、まずは土地の個人売買の是非を確認しましょう。
土地の個人売買は合法
土地売買で不動産会社が仲介に入る必要性はなく、個人売買は合法な取引となっています。売買契約書を作成せず口約束で引き渡し、名義変更をしてしまっても、法律的には問題ありません。
例えば、隣家に使っていない土地を売却するときや、知人から土地を購入するときなど、個人売買は親しい間柄で行われることが多いです。不動産会社を介する必要はなく、売主と買主の条件が合えば取引が成立します。
- 親しい間柄での売買を検討している人
- すでに買主が決まっている売主
- 不動産取引についてある程度の知識を持っている人
個人売買の場合、不動産会社を介さないため仲介手数料がかからないというメリットがあります。しかし、初めての不動産売買を個人で行うのは難しく、トラブルも起こりやすいです。個人売買は合法ですが、自分にできるか判断した上で行いましょう。
個人売買以外で手数料を抑える方法
個人売買は不動産に関する知識がない人や取引相手が見つかっていない人には特にデメリットのある取引です。「仲介手数料を抑えたいから」という理由で個人売買を検討しているなら、以下の方法もおすすめです。
- 仲介手数料が安い不動産会社を探す
- 不動産会社に手数料の交渉を行う
- 買取業者に買取を依頼する
仲介手数料は、上限は定められているものの下限はありません。不動産会社によっては、仲介手数料が安かったり無料のキャンペーンを行ったりする場合があります。また、交渉によっては安く契約できることもあり、試してみる価値はあるでしょう。
売却を急いでいる場合、不動産の買取業者を利用するのも手です。買取は不動産会社が買主となります。通常の仲介による売却よりも価格は下がりますが、スピーディな売却が期待できます。
土地を個人売買するメリット/デメリット
土地の個人売買を行うメリット・デメリットを紹介します。まず以下の表をご覧ください。
メリット | デメリット |
|
|
土地を個人売買することは一見ハードルが高いと思われがちですが、もちろんデメリットだけでなくメリットも存在します。個人売買を行うか判断するためにも、自分のケースに当てはめてそれぞれを比較しましょう。
土地を個人売買する2つのメリット
まず、不動産会社の仲介をせず個人間で取引することで得られるメリットについてご紹介します。
- 仲介手数料を支払わなくて済む
- 自由な売却活動・土地探しができる
メリット①仲介手数料を支払わなくて済む
不動産会社を介する売買では、土地の取引額に応じた仲介手数料がかかります。土地の取引額が大きければそれなりの金額を支払う必要があり、仲介手数料の存在は売主にとっても買主にとっても気になるところです。
個人売買を行うことで、この仲介手数料を支払う必要がなくなります。また、仲介手数料の上限額は、宅地建物取引業法にて以下のように決まっています。
土地の売買価格 | 仲介手数料 |
200万円以下 | 取引額の5%以内 |
200万円超400万円以下 | 取引額の4%以内 |
400万円超 | 取引額の3%以内 |
例えば1,000万円の土地なら、仲介手数料上限は36万6,000円です。さらに、上記の仲介手数料に加えて10パーセントの消費税も発生します。
一方で個人売買の場合は、仲介手数料を支払う必要がありません。個人売買を行うことで、数十万円もの出費を節約することができます。
メリット②自由な売却活動・土地探しができる
個人間での取引であれば、売主の売却活動も買主の土地探しも自由に制約なく行うことができます。
不動産会社に仲介を依頼した場合、基本的には依頼された不動産会社が主体となって土地の売買活動を行います。任せられることは利点でもありますが、自分の思い通りに売買活動ができないストレスを抱える場合もあるでしょう。
さらに、不動産会社の中には売却活動を積極的に行わない会社や、自社に収益の大きい土地しか紹介しないような悪徳な会社も存在します。個人間での取引の場合は自由に売却活動や土地探しができるため、悪徳な不動産会社に遭遇するリスクを避けられる点もメリットでしょう。
土地を個人売買する2つのデメリット
対して、個人売買のデメリットはどういったものでしょうか?デメリットを理解することで、個人売買よりも仲介売買のほうが主流である理由がおわかりいただけると思います。
- 成約までに時間がかかる
- トラブル対処が困難
デメリット①成約までに時間がかかる
個人売買は売却や購入が決まるまでに時間がかかりやすいというデメリットがあります。人によって差はありますが、広い人脈を持っていない限りは数ヶ月以上の時間を要するでしょう。
一方、不動産会社を介する土地売買は、基本的に不動産会社が売買活動を行います。既存の販売ルートや、広告などを利用することで、早ければ3ヶ月程度で買主を見つけることが可能です。
購入の場合はインターネットを使い自分で土地を探すこともできます。しかし、不動産ポータルサイトに掲載された物件は不動産会社を介しているため、売主に直接個人売買を持ちかけることは難しいです。
個人から土地を購入する場合、そもそも売りに出されること自体が少ないため、土地の持ち主を調べて直接交渉する必要があります。取引相手が決まっていない場合は、個人売買でなく不動産会社を介すほうが早期成約を目指せるでしょう。
デメリット②トラブル対処が困難
専門家のサポートを受けずに土地の個人売買をすると、不動産取引に関する知識やノウハウが十分でないため、手続きに不備が生じてトラブルに発展しやすくなります。特に、契約の場面や書類の作成時、契約後のアフターフォローの際は注意が必要です。
トラブルを避けるためには、事前に不動産取引に関する知識を身につけ準備しましょう。実際に売買取引に入る前に、取引の流れや全体像を把握し、個人売買の経験者や不動産の専門家に相談するなど、周到に準備を進めることが望ましいです。
また口約束は避けて、引き渡しの条件を売買契約書など書面に記載しましょう。証拠がないと口論が続き、裁判にまで発展する可能性もあります。
次の章で土地の売買で起きるトラブルについて詳しく解説します。
土地を買った際に、家を建てたいと考えている人、詳しく比較したい人は以下の記事を参考にしてください。
土地の個人売買で起こりがちなトラブル事例と対策
不動産売買は大きな金額が動くため、慎重に取引を行わなければトラブルのもとです。個人売買は専門家を介さないため、トラブル対策には特に注意しましょう。
個人売買で起こりがちなトラブル事例と対策は次の通りです。
起こりやすい立場 | トラブル事例 | 対策 |
売主 | 契約内容に関するトラブル | 土地の状況を調査する 書面にまとめ合意のもと契約する |
売主 | 価格設定に関するトラブル | 事前に相場を確認する |
買主 | 詐欺トラブル | 公的な身分証明証を提示してもらう |
それぞれのトラブル事例を詳しく見ていきましょう。
売主に起こりやすいトラブル
土地を個人取引で売却する場合、契約内容と価格設定に関するトラブルが起こりやすいといわれています。
①契約内容に関するトラブル
売買契約に関するトラブルは長期的な争いに発展する可能性があるため特に注意しましょう。具体的には次のようなトラブルが考えられます。
- 「言った」「言わない」の水掛け論になってしまった
- 不備や不良を知らなかった/伝えなかった
- 契約解除時の取り決めをしていなかった
口約束で取引しても咎められることはありませんが、書面にまとめなければ後々トラブルに発展することが多いです。トラブルを避けるなら、親しい間柄であっても書面に残して取引しましょう。
また、たとえ書面に残していたとしても、素人が作る契約書は不備があることが多いです。土地の状態をよく調べずに取引すると、境界不確定の土地だったり、地質に問題があったりする場合があります。土地を売りに出す前には、必ず土地の状況を調査しましょう。
②価格設定に関するトラブル
個人で土地を売る場合、価格の設定は売主自身の感覚が頼りです。土地を売却するなら、その土地の価値を正しく理解し、相場にあった価格を設定しましょう。
例えば、相場に比べて金額を高く設定すると買主に不信感を抱かせてしまいます。価格を下げて納得してもらえればいいですが、最悪の場合契約を解除される恐れもあります。親しい間柄でも金銭トラブルに発展することがあるため注意が必要です。
また、価格が安すぎても贈与税が課せられる可能性があります。これは本来の評価よりも安く売却する相続税や贈与税逃れを防ぐための課税です。贈与税は購入した側に課せられるため、さらなるトラブルが起こる可能性もあります。
相場を知るなら、一括査定サイトを利用するなどして不動産会社に査定を依頼するとよいでしょう。
おすすめの一括査定サイトは「すまいステップ」
買主に起こりやすいトラブル
続いて、土地を個人から購入する際に起こりやすいトラブルです。詐欺の被害に注意しましょう。
詐欺トラブル
個人売買で土地を購入する際、なりすましの詐欺被害に遭うこともあります。なりすましとは、登記上の所有者以外が勝手に土地を売り出し、代金を受け取って逃げるというものです。
買主は登記上の所有者から訴えられ、土地の権利は得られずお金だけ失うことになります。
取引相手が権利書や登記簿を持っていても、土地の所有者とは限らないです。運転免許証やマイナンバーカードなど、公的な顔写真付きの証明書を提示してもらってください。
弁護士や司法書士を名乗る人を同席して契約を進めようとしたり、極端に安い価格であったりするなら、疑いを持ちましょう。
土地を個人売買するときの流れ
土地の売買をする機会を持てる人はそう多くはいないでしょう。初めて土地を個人売買する人は、わからないことだらけで不安になるのも当然です。
これから土地を個人間で売買しようと検討しているなら、不安を解消するためにも事前に流れや全体像を把握しておくことが大切です。
【売主側】土地を個人間で売却する流れ
土地を個人で売却するときの流れは、以上の6つのステップで構成されています。それぞれの手続きの中身について、詳しく見ていきましょう。
①土地の適正な市場相場を調べる
自分の土地を売却するときは、土地の価格相場を調査してしっかり把握しておくことが大切です。個人売買の際は特に、価格相場を把握しておかなければ取引相手に主導権を握られてしまい、要望がなかなか通らず後悔してしまう可能性もあります。
近隣の土地で実際に取引が成立した価格を知りたい人は、国土交通省の「不動産情報ライブラリ(旧:土地総合情報システム)」というサイトで調べることができます。2005年からの取引データがあり、価格の推移も把握が可能です。
また自分の土地がある地域で、できるだけ長年経営していてその地域に精通している不動産会社に相談し、周辺の価格相場を調査してもよいでしょう。実際に取引に入る前に自分の土地の実勢価格を確認し、相場状況に合わせて価格設定をすることをおすすめします。
②売却に必要な書類を準備する
土地の売買を行う際は、権利関係書類や本人確認書類などさまざまな書類が必要になります。手続きをスムーズに進めるためには、取引のどの段階でどのような書類が必要になるのか事前に確認し、できるだけ早い時期に書類を用意しておくことが大切です。
ここでは、土地の売却に必要な書類とその書類の役割について紹介します。
必要な書類 | 書類の役割 |
登記済権利証 | 登記名義人がその不動産の所有者であることを証明する書類 |
地積測量図・境界確認書 | 土地の面積や、境界線を測量して確認した証明書 |
固定資産税納税通知書 | 毎年1月1日時点での不動産の所有者に課税される、固定資産税の詳細が記載された書類 |
印鑑証明 | 登記関係の書類に使用されている判子が、実印であることを証明する書類 |
身分証明書 | 売主が本人であることを特定できる書類 例:運転免許証・パスポート・マイナンバーカード・健康保険証 |
不動産売買契約書 | 契約書に記載されている金額で売買を行うことを規定している書類 |
書類の中には役所から取り寄せるものや、発行にお金がかかるものがあります。買主が見つかってから用意するのではなく、早めに取り寄せておくことをおすすめします。
③売り出し価格を決定する
不動産会社が取引の仲介に入る場合、土地の売り出し価格は不動産会社が決定したり売主と相談して決定したりします。しかし個人間で土地を売買する際は、土地の売り出し価格は売主が自分で決める必要があります。
場合によっては、買主と話し合って両者の納得いく価格を決めるケースもありますが、基本的には相場価格を参考にしながら売主自身が売り出し価格を決定します。
しかし、初めて売買を行う人は特に、何の目安もないまま土地の売り出し価格を決めることは難しく、何を参考にしたらよいかわからない方がほとんどでしょう。
売り出し価格を決めるコツは、相場価格を調べたうえで、相場よりもやや高めに設定することです。相手からの値引き交渉はあり得るため、あえて高く設定しておくと交渉に応じても相場より安くなるのを防ぎやすくなります。
④買主を探す
土地を個人売買する際には、売主が自分で取引相手となる買主を探さなければなりません。しかし、闇雲に取引相手を探したところで、信頼できる買主を見つけることはそう簡単ではありません。不動産の取引を行う人の中には、相手を騙してお金を取ろうとする人もいるため注意が必要です。
まずは親戚や友人など、身近な知り合いから取引相手を見つけることをおすすめします。顔見知りであることから信頼でき、円滑に交渉も進められるでしょう。
広く買主を募集したい場合は、個人売買のポータルサイトを利用すると、手間をかけず誰でも物件の詳細を確認できる状態にできます。基本的に広告の掲載料は無料で、掲載期間が無制限のサイトもあります。
⑤価格交渉と売買契約
買主が見つかったら、次は売買契約を行います。契約を行うにあたり、事前にしっかりと準備をしておくことが大切です。特に契約書の作成は大切です。土地は高額な財産であるため、取引の前に重要事項を記入した契約書を作成しておきましょう。
契約の際は自分で価格交渉を行います。交渉の場面では相手の要望を聞き入れながら、お互いが納得のいく売買価格を決定して契約成立へ導くことが大切です。
十分に交渉を行い最終的に相手の同意が得られたのなら、事前に用意してある契約書を使用して売買契約を締結します。注意事項としては、契約書をはじめとした書類の作成は、想像以上に手間がかかる点です。多くの人にとっては土地の売買契約書の作成は初めてという場合が多く、時間もかかることでしょう。
間違いや不備などがあれば後々トラブルになる可能性もあることから、しっかりと情報を収集して内容を確認しながら書類作成を行いましょう。インターネット上には、売買契約書の無料テンプレートがいくつもあります。最新の法律に対応したものを利用すると、多少は手間を省けます。
⑥決済と土地の引き渡し
無事に売買契約が成立した後は、あらかじめ設定した引き渡し日に、買主へ土地を引き渡します。万が一引き渡し後に何か問題が起きた場合は、売主がアフターフォローを行う必要があります。
土地を引き渡した後に発生する問題例としては、近隣住民との境界線に関するトラブルや、土地の地盤が弱い、何らかの埋没物が見つかったなどがあげられます。
売主としては、想定できることを事前に把握したうえで、できるだけトラブルが発生しないように対策を行ってから土地を引き渡すようにしましょう。
【買主側】土地を個人間で購入する流れ
一方、土地を個人間取引で購入する場合は、次のような手順を踏みましょう。隣地から土地を購入する場合など、土地の所有者がわかっている場合は手順3の相場価格を調べるステップからご覧ください。
- 条件にあった土地を探す
- 土地の所有者を調べる
- そのエリアの土地の相場価格を調べる
- 所有者に購入を持ちかける
- 交渉を経て売買契約を結ぶ
- 決算と土地の引き渡し
個人から土地を購入したいなら、希望にあった土地を探すところから始めましょう。土地の持ち主は法務局で取得できる登記簿謄本で確認できます。
購入する場合であっても、そのエリアの相場を調べておくことをおすすめします。相場を把握することで、売主から不当な価格を提示されるようなトラブルを避けられるでしょう。
土地の個人売買を成功させるためのポイント
不動産会社を仲介して行う土地売買に比べて、不動産会社を介在させない個人売買は成功するのが難しいと一般的に言われています。
しかし、実際に土地を個人売買している人は数多くいます。重要なポイントさえきちんと押さえて取引を進めることができれば、たとえ個人間であっても納得のいく土地の売買は十分可能です。
土地の個人売買を成功させるために知っておきたいポイントとしては、以下の5つが挙げられます。
- 不動産一括査定サイトを利用する
- 司法書士などの専門家の手を借りる
- 取引相手の調査を始める
- 土地の境界を確定させておく
- 契約不適合責任の取り決めをしっかり行う
ここからは、それぞれのポイントの中身について解説します。
不動産一括査定サイトを利用する
土地の売り出し価格を設定する際は、不動産の一括査定サイトを上手に活用して適切な価格を設定するとよいでしょう。
土地の個人売買を成功させるためには、土地の売り出し価格を正しく設定することが大切です。土地の売り出し価格が相場より高すぎるとなかなか買い手が見つかりません。しかし、あまりに売り出し価格を低くすると儲けが少なくなるため注意が必要です。
土地の売り出し価格が妥当であるか、素人である個人が判断することは難しいのが現状です。そこで一括査定サイトの利用をおすすめします。
不動産の一括査定サイトはネット上に複数あり、無料で簡単に情報を得ることができます。一括査定サイトの中には信頼性に乏しいサイトもあることから、利用する際はできるだけ利用者や登録業者が多く信憑性の高いサイトを選んで利用することをおすすめします。
おすすめの一括査定サイトは「すまいステップ」
司法書士などの専門家への相談
書類作成は司法書士などの専門家に任せることをおすすめします。
売買契約が成立した際には契約書を始めとした複数の書類が必要になります。書類の作成や用意などを全て自分で行うと、想像以上に時間や手間がかかるためあまりおすすめできません。
また、取引の場面では不動産に関する知識も必要になるため、自分だけで手続きを進めると間違いや不備などが生じるリスクもあります。
自分1人で全て決めるのではなく、分からない点がある場合はノウハウを持っている不動産会社にその都度相談しましょう。疑問点を解消しながら手続きを進めると、成功の可能性はより高くなります。
司法書士と行政書士の違い
司法書士や行政書士は不動産売買に関する書類作成ができる専門家ですが、どのような違いがあるのでしょうか。行政書士が行う業務は大きく分けると3つに分けられます。
- 官公庁に提出する書類の作成に関する業務
- 権利義務に関する書類の作成に付随する業務
- 事実証明に関する書類の作成に関する業務
行政書士は上記のような業務を主に行い不動産売買においては、売買契約書の作成が可能です。しかし司法書士と違い登記申請の代理権は認められていません。法務局への申請は自分たちで行うこととなるため、司法書士に依頼することがほとんどで、行政書士に依頼する人はほとんどいません。
取引相手の調査を行う
不動産売買の経験が少ない者同士で取引を行う際は、見つかった取引相手についての調査を行うことをおすすめします。これまで自分で土地売買を行ったことがない方であれば、なおさら騙される可能性が高いことから、自分の判断を過信しないように気をつけましょう。
取引相手の調査を行う際は、まずその契約者は本当に実在しているのか、さらにその人物が契約者本人で間違いないのかをきちんと確認するよう心がけましょう。過去の不動産取引の場面では、自分の身元を欺いて土地取引を行い、多額のお金を騙し取った詐欺事例がいくつもあります。信用できる相手かどうかしっかりと見極めることが重要です。
土地の境界を確定させておく
土地を売却する場合、あらかじめ土地の境界を確定させておくほうが無難です。
特に長い間取引が行われていなかったような土地は、境界が書類上と異なる場合も多いです。堀が隣家の土地上にあったり、書類上の坪数より狭かったりすると、引き渡し後に買主からクレームが来て、対処をしなければいけません。
万一、土地の境界が曖昧な場合は、測量を行い敷地がどこまでなのかを確定しましょう。隣地の所有者の立ち会いのもと確定測量を行なっておくのもおすすめです。専門家に依頼をすれば概ね1~3ヶ月程度で測量は完了します。
契約不適合責任の取り決めをしっかり行う
契約不適合責任とは、引き渡した土地に売買契約書に記載されていない問題が見つかると、補償や契約解除を求められてしまう責任です。自分が把握していない問題でも、売買契約書に記載がなかった場合は対処しなければなりません。
引き渡してから数年後に、地下から知らない瓦礫が見つかり、高額な撤去費用を求められるケースなどの事例があります。
しかし、問題を売買契約書に記載して買主が同意していれば、何かあっても記載した範囲内の問題は契約不適合責任を問われません。土地の状態や予想されるトラブルを十分に確認せずに契約してしまうと、甚大な責任を負う可能性もありますので注意が必要です。
個人間で土地の売買を行う際は、口頭で説明した内容を全て契約書に記載できているか、くまなく確認するようにしましょう。
土地を買った際に、家を建てたいと考えている人、詳しく比較したい人は以下の記事を参考にしてください。
土地の個人売買にかかる費用
土地の個人売買では、不動産会社の仲介が不要のため、仲介手数料はかかりません。しかし書類の作成や売買を成功させるために、次の費用がかかります。
売主にかかる可能性のある費用 | 買主にかかる可能性のある費用 |
|
|
課税対象になる場面や、いくらかかるのかを詳しく見ていきましょう。
作成した売買契約書に印紙税
印紙税は売買契約書に貼り付ける収入印紙代です。売買契約書は売主と買主が1部ずつ持つため、自分の分を負担して貼り付けることが一般的です。
印紙税の額は売買する金額によって決まっており、次のようになっています。
売買する金額 | 印紙税 |
50万円超え100万円以下 | 1,000円 |
100万円超え500万円以下 | 2,000円 |
500万円以下1,000万円以下 | 1万円 |
1,000万円超え5,000万円以下 | 2万円 |
5,000万円超え1億円以下 | 6万円 |
2021年7月段階で、2022年3月31日までに作成された契約書であれば、軽減措置が適用され印紙税は規定の半額です。作成する時は最新の税制を確認してから、収入印紙を貼りましょう。
登記手続きの登録免許税・司法書士報酬
不動産の売買に伴った登記手続きにも費用がかかります。想定される登記手続きは以下の通りです。
登記する人 | 行う可能性のある登記 | 費用 |
売主 | 抵当権抹消登記 | 不動産1つあたり1,000円 |
買主 | 抵当権設定登記 | ローンの借入金額×0.4% ※条件を満たす場合2027年3月31日まで0.1% |
売主/買主 | 所有権移転登記 | 土地の評価額×2% ※2026年3月31日まで1.5% |
抵当権設定登記は、ローンを借り入れる場合のみに課せられる税金です。
これらの登記を司法書士に委託するなら、さらに費用がかかります。依頼する手続きや司法書士事務所によって費用は異なるため、事務所に問い合わせるとよいでしょう。
境界を確定させるための測量費用
土地の測量は、土地家屋調査士に依頼することになります。かかる費用は隣接する土地によって大きく変わります。隣地を国や行政が所有する場合は60~80万円、民間のものだけなら35~45万円が相場です。
測量する土地が広かったり、隣接する土地の所有者が多かったりすると、手間がかかり費用は高額になります。複数の業者で見積もりを取っておくと損をすることはなくなるでしょう。
測量費は売主が負担することが一般的ですが、交渉によっては買主と負担を分け合うこともあります。
売却の利益にかかる譲渡所得税
売主には、土地を売却し出た利益に対して譲渡所得税がかかります。課税される利益の計算式は次のようになっています。
課税される利益=売却価格ー(取得費+譲渡費用)ー特別控除
譲渡費用は、上記で紹介した印紙税や登録免許税、測量費用が該当します。特別控除は確定申告で適用されるものが多く、建物ありの土地では条件次第で3,000万円まで控除を受けられます。
買主が負担する費用
ここまで紹介してきた費用以外に、買主には主に次のような費用負担があります。
- ローン手数料:住宅ローンの契約にかかる事務手数料など
- 固定資産税の精算:引き渡し時期に応じて負担
- 不動産取得税:不動産を得た際に払う地方税
固定資産税は土地の所有者がまとめて納めるため、売主がすでに支払った分を精算する必要があります。時期によって価格が異なるため、売主と相談して金額を決めましょう。
また、不動産取得税に関しては、軽減措置や免除措置もあるため、管轄の自治体に確認しましょう。
土地を買った際に、家を建てたいと考えている人、詳しく比較したい人は以下の記事を参考にしてください。
土地の個人売買ができるサイト
個人間で土地を売買したいが、取引相手がスムーズに見つかるとは限りません。そこで知人や親族で買い手が見つからないという場合は、不動産個人間売買サイトを利用して購入希望者を見つけるといった方法もおすすめです。
次の4つの個人売買サイトについて特徴などを表にまとめてみました。
- e-物件情報
- 不動産直売所
- 家いちば
- ジモティー
サイト | 掲載でかかる費用 | 掲載期限 | 掲載できる不動産の種類 | 特徴 |
e-物件情報 |
| なし |
土地・戸建て・マンション・事業用建物・土地・貸地・家・賃貸 |
|
不動産直売所 |
| なし | 日本国内の物件 |
|
家いちば |
| なし | 制限なし |
|
ジモティー | 無料 | 2ヶ月 | 制限なし |
|
土地を個人売買するときの注意点
土地売買の手続きは煩雑であり、必要な書類なども多いことから、特に個人間で取引を行う際は注意が必要です。
手続きに際しての注意点は、主に以下の4つが挙げられます。
- 継続的に売買する場合は免許が必要
- 引き渡し後に確定申告を忘れない
- 買主に贈与税が課税される場合もある
- 購入時のローン審査は厳しい
土地の個人売買を成功させるためには、これらの点を事前に把握したうえで慎重に手続きを進めることが大切になります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
継続的に売買する場合は免許が必要
土地を個人間で売買する場合には、特に免許などは必要なく自由に行うことができます。しかし、継続的に売買していく場合には、宅建業者としての免許が必要になります。
これは、一時的な取引でなく継続的に土地の売買を行うと経済行為と見なされるためです。都道府県知事や国土交通省が交付する宅地建物取引業法に基づく宅地建物取引士の資格が必要となります。
数ヶ月間で複数回転売をしたり、区画分けした土地を個人売買していたりすると、経済行為と判断されやすいです。法律で明確な判断基準は決められていないため、不安がある売買は不動産会社に仲介を依頼した方が無難です。
引き渡し後に確定申告を忘れない
課税される利益がプラスになる土地の個人売買では、確定申告が必須になります。申請は引き渡した翌年の2月15日から3月15日です。年始めに取引が完了していると、1年近く期間が空くため確定申告を忘れないでください。
もし忘れると、罰則で無申告加算税と延滞税の納税を求められます。無申告加算税なら15~20%、延滞税なら最大で年利14.6%の税率を納税額にかけた額だけ支払います。確定申告が必須の状態でも事前に通達は届かないため、注意をしましょう。
買主に贈与税が課税される場合もある
前述しましたが、個人間で土地の売買を行う場合、状況によっては買主に贈与税が課税されるケースもあるので気をつけましょう。
例えば、親族間で個人売買を行う際に、相場を踏まえた適正価格よりも大幅に安く売却した場合は、みなし贈与として扱われる可能性があります。みなし贈与は本来の贈与ではない形で財産などの受け渡しをすることであり、贈与税の課税対象になるのです。
回避するには、適正価格の売買で受け取ったお金の一部を、贈与税の基礎控除内で相手に渡していくという方法もあります。110万円未満の贈与であれば非課税となるため、長期計画で挑みましょう。個人売買で課税されるかどうかは、税理士などに相談しておくと間違いがないでしょう。
購入時の住宅ローン審査は厳しい
個人売買の場合、ローン審査が厳しい場合があることを覚えてきましょう。
土地の個人売買では、不動産会社に重要事項説明書を作成してもらえればローンを組むことが可能です。不動産会社が仲介なしで書類の作成だけ受けてくれるとは限らないため、個人経営の事務所など責任者と話をしやすいところに依頼する必要があります。
しかし、重要事項説明書の作成ができたとしても、ローンの審査を通る保証はありません。契約上のトラブルリスクを無くすため、個人間の土地売買では不動産会社を介して行う場合よりも審査は厳しくなるのが一般的です。
もしも審査に通らなかった場合はトラブルが起きることもあります。例えば契約時にローン特約をつけていなかった場合は、売買契約の解除がスムーズにいかず支払った手付金が返って来ないなどです。
融資の審査を受ける際には、できる限り複数の金融機関をリサーチし、少しでも審査が通りやすい金融機関に申請することをおすすめします。
利用方法によっては住宅ローンが使えない
土地の購入にはまとまったお金が必要になるため、ローンを組む人が多いでしょう。しかし、土地の利用方法によっては住宅ローンが使えないため注意が必要です。
住宅ローンとは住宅の購入や改築に使用できる融資です。土地を自分の住宅用地として購入する場合は、つなぎ融資を利用し、住宅建築後に住宅ローンを利用できます。
土地を購入して事業を始める場合などは、住宅ローンの代わりに事業用ローンや目的が制限されないローンを組みましょう。融資に関する疑問は、金融機関やファイナンシャルプランナーに相談することをおすすめします。
土地を買った際に、家を建てたいと考えている人、詳しく比較したい人は以下の記事を参考にしてください。
土地の売却に関するよくある質問
まとめ
本記事では、土地を個人売買する際の手続きの流れや注意点、成功するために必要なポイントなどを紹介しました。
不動産の取引は手続きが複雑であり必要な書面も多いです。さらに、不動産会社へ相談しようとしても、売買・仲介を専門としている不動産会社が、自社の利益にならない個人間での売買を前向きに手伝ってくれる可能性は低いと考えられます。
それだけ個人売買は難しいケースが多く、さらに専門知識を持たない者同士での取引は、不備やトラブルに発展するリスクがあり注意が必要です。
土地を個人売買するのであれば、事前に全体の流れをしっかり把握して十分な対策をしたうえで、手続きに向かいましょう。今回の記事を参考にして、トラブルなくスムーズな取引を目指していただければ幸いです。
土地の適正な売値を決定するためには、本記事で紹介した「すまいステップ」のような、優良な不動産会社と提携する不動産一括査定サービスを利用し、土地の相場を把握することをおすすめします。
土地を買った際に、家を建てたいと考えている人、詳しく比較したい人は以下の記事を参考にしてください。
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・https://www.land.mlit.go.jp/webland/
・https://www.rosenka.nta.go.jp/
・https://www.retpc.jp/chosa/reins/
・https://www.land.mlit.go.jp/webland/servlet/MainServlet
・https://www.zentaku.or.jp/cms/wp-content/uploads/2022/02/2021-fudousan-anke-to.pdf
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