アパートの建て替えはやるべき?基礎知識と判断ポイントを解説

経営するアパートが老朽化してきたことで、建て替えのタイミングや費用、立ち退き作業について悩みを抱えてはいませんか。

アパートの建て替えは、築年数が30年以上で空室率50%以上など、収益性が低くなった段階が1つのタイミングとされます。費用が高額になる可能性も踏まえ、事前に収支計画をたてることが重要です。

この記事では、アパートの建て替えによって得られるメリットやタイミング、費用、成功へ導くポイントを解説します。古いアパートをどうすべきか悩んでいる方は、参考にしてください。

目次

アパートを建て替えるメリットとは

アパートの建て替えには、確かに費用がかかります。しかし建て替えを行うことで、次のような長期的なメリットが3つ得られます。

  • 修繕費や集客費用が減る
  • 家賃収入を増やせる
  • 節税効果が得られる

1つずつ詳しく見ていきましょう。

修繕費や集客費用が減る

アパートの建て替えを行うことで、将来的な修繕費や集客費用を減らすことができます。不具合が原因で家賃を下げざるを得ないとすれば、アパートの建て替えを行うことで将来的な修繕費を抑えられるだけでなく、家賃を下げる原因を取り除けるのもメリットです。

また、不具合が多い古いアパートのままだと、不満を持った入居者が頻繁に入れ替わり、そのたびに入居者募集のための広告を出すことになるかもしれません。賃貸経営をサポートする業者に入居者募集を依頼している場合は、毎回の仲介手数料を節約することにもつながります。

家賃収入を増やせる

アパートを建て替えると新築になるため、これまで以上の家賃でも集客を見込めます。建て替え費用はかかるものの、現在の生活習慣に合わせた間取りや設備を導入できるためです。リフォームだけでは得られない清潔感も手に入るため、今までは選んでくれなかった客層からもアパートに住んでもらえる可能性が高まります。

また、古いアパートのままでは集客が見込めず、家賃を下げざるを得ないケースもあるでしょう。しかし建て替えを行えば高めの家賃を設定しやすくなり、集客力が高まることで満室を狙いやすくなります。結果として、収入が増えるのです。

節税効果が得られる

新しくマンションを建てることで、所得税と相続税、双方に節税効果を得ることができます。

所得税を節税

マンションをはじめ、不動産など経年劣化がある財産には法定耐用年数が決められています。この法定耐用年数の年数分、アパートの取得費を規則的に配分し、帳簿の上で計上する費用を減価償却費といいます。たとえば鉄筋コンクリート造のアパートなら47年が法定耐用年数であり、この年数が過ぎるまでは、毎年規則的に帳簿上の利益を小さくする効果が得られるのです。

しかし、年数が経ったアパートの中には、法定耐用年数を過ぎて減価償却費を計上できなくなるものがあります。マンションを建て直すことで減価償却費を計上できるようになり、結果として所得税がかかる範囲を小さくできるのも、建て替えのメリットです。

相続税を節税

法定耐用年数を過ぎてしまうほど古いアパートを建て替えることは、相続税対策にもメリットがあります。理由は次の2つです。

  • 建設用の資金融資を受けることで相続財産評価額が小さくなる
  • 入居率が高いほど評価額が小さくなる

まず、相続税を計算する際には、アパートなども含めて財産全体を計算したうえで課税が行われます。しかし、住宅ローンなど金融機関から借入を行ったものについては、マイナスの財産として財産全体から差し引かれるため、相続税が課税される額そのものを小さくしてくれるのです。したがって、アパートを新築する際に融資を受けることで、相続財産評価額を小さくする効果が期待されます。

また、アパートの相続財産評価額を計算する際は、次の計算式を土地と建物それぞれに使用します。

アパートの建物評価額=建物固定資産税評価額×(1-借家権割合×入居率)
アパートの土地評価額=路線価評価額×(1-借家権割合×借家権割合×入居率)

どちらの式にも、入居率が利用されています。借家権割合については全国一律で30%が上限であり、借地権割合はエリアごとに決まっているのが特徴です。つまり同じ地域にある似たようなアパートでも、入居率が低いアパートの方が相続財産評価額は高くなります。アパートを新築にして入居率を高めれば、将来的に相続を行う際にもメリットが大きくなるでしょう。

アパートの建て替え時期を見極めるポイント

アパートの建て替えを行うには、用意を始める時間も必要です。所有するアパートの状態など3つのポイントから総合的に判断することになります。ここではアパートの建て替えをいつ行えばよいのか、判断するポイントを解説します。

【ポイント1】アパートの築年数

アパートの建て替えの目安として、築年数が法定耐用年数を過ぎているかどうか、が挙げられます。法定耐用年数を過ぎると減価償却費が計上できなくなるため、税金の支払いが増え、減価償却費を計上できていた時と同じ収入でも、手元に残る賃料が少なくなってしまうからです。

法定耐用年数は、建物の構造と用途によって異なります。またアパートを自身が新築で手に入れたのか、それとも中古で手に入れたかによっても、さらに計算方法が異なる点に注意が必要です。新築だった場合の構造別の法定耐用年数については、以下の表を参考にしてください。

構造 耐用年数
木造のもの 22年
鉄骨鉄筋コンクリート造のもの 47年
鉄筋コンクリート造のもの 47年
レンガ・石・ブロック造のもの 38年
金属造のもの 34年(4mm超え)、27年(3mmを超え、4mm以下)、19年(3mm以下)
アーケード・日よけ設備(主として金属製のもの) 15年
給排水・衛生設備・ガス設備 15年

出典:国税庁 確定申告書等作成コーナー「耐用年数(建物/建物附属設備)」を編集して作成

また、中古物件を購入した場合は、改めて減価償却費を計算することになります。

減価償却期間=(法定耐用年数-経過年数)+経過年数×0.2

たとえば築5年の鉄筋コンクリート造のアパートを購入し、経営を行っていた場合は、その時点で減価償却期間は(47年-5年)+5年×0.2=43年となります。

【ポイント2】アパートの空室率

空室率が50%を超えており、改善できそうにない場合は、建て替えを検討したい時期です。たとえば家賃5万円で10部屋あるアパートが空室率50%なら、経営を続ける程に満室状態の時に比べ、25万円もの損が出ることになります。修繕やローン返済も考えると、経営的にも厳しい状態といわざるをえません。

ただし、建て替えを前提とすると、空室率が高い状態はメリットのある部分も持ち合わせています。それは退去を依頼する入居者の数が少ないという点です。退去を依頼する際も人数が少なければ1人ずつ対応しやすく、もめごとも起こりづらいでしょう。

しかし時間が経つごとに自己資金の持ち出しが増えてしまい、アパートの建て替え費用が用意しにくくなる面もあります。空室率が50%を超え、改善できそうにない場合は、早めに建て替えを検討し始めましょう。

賃料を下げる以外にも、アパート経営の空室対策はさまざまです。対策について、詳しく解説したこちらの記事も参考にしてください。

https://news.mynavi.jp/fudosan-satei/9070

【ポイント3】アパートにかかる修繕費

建て替えの目安として、前と比べて修繕する箇所や費用が増加した場合が挙げられます。現状ではリフォームで間に合っていても、数年後には耐震補強や断熱修繕といった、大規模な修繕が必要な段階となってしまうかもしれません。

判断するポイントとして、大規模な修繕をした場合、費用の回収にかかる年数を計算してみましょう。修繕を行ったとしても、回収できる年数が経つまでには築年数が今より高くなるため、収益性が低下しているかもしれません。そのうえで、アパートの建て替えを行った場合の収益性と費用回収にかかる年数を計算することで、建て替えの必要性を見極めていきましょう。

アパート建て替えにかかる費用

建て替えを行う際には、次の4つの費用が発生します。

  • アパートの解体費用
  • アパートの建設費用
  • アパート本体建築以外でかかる費用
  • 入居者への立ち退き費用

費用のポイントを、それぞれ見ていきましょう。

アパートの解体費用

以下の表は、アパートの構造に対し、延床面積1坪当たり解体費用がいくらかかるのか、目安をまとめたものです。

アパートの構造 延床面積1坪当たりの単価
木造 4万円~5万円
軽量鉄骨造 6万円~7万円
鉄筋コンクリート造 7万円~8万円
プレハブ造 3万円~4万円

注意したいのは、建物の解体は地域や物件があるエリアまで入るための道路状況、建物の規模、使用されている素材など、さまざまな要素で費用が大きく異なることです。解体工事の依頼先となる会社を探し、現地を見てもらったうえで見積もりを取るようにしましょう。

その会社が所有する重機や技術力によって差がつくこともあるため、早めに依頼することをおすすめします。初めて建て替えを行うのであれば建設会社に解体を依頼するのも手です。

以下の記事では、建物の解体を行うにあたりどのような費用がかかるのか、安く済ませるためにはどのようなポイントがあるのか解説しています。参考にしてください。

https://news.mynavi.jp/fudosan-satei/5425

アパートの建設費用

建設費用は、建てたいアパートの広さと階数、構造、依頼する建設会社、デザインによって異なります。電気・ガス・水道などの設備費用やアパートの設計料は、本体の建設費にすでに含まれていることが一般的です。以下に、1坪あたりの建設費用目安を表にしました。

建設するアパートの構造 1坪当たりの建設費用相場
木造 50万円~60万円
鉄骨造 70万円~100万円
鉄筋コンクリート造 70万円~120万円

一般的に鉄筋コンクリート造は他の構造と比べると、高額になる傾向にあります。職人の高齢化により人材確保が難しくなったことで、地域によってはより費用がかかる可能性も考慮しておきましょう。建設会社との相性が悪いと情報が伝わりづらく、建設費用がかさむ可能性もあるため、複数の会社の対応力も比較した上で選ぶとよいでしょう。

以下の記事では、アパート建設においておすすめの会社をランキングで紹介していますので、参考にしてください。

https://news.mynavi.jp/fudosan-satei/20715

アパート本体建築以外でかかる費用

アパート建設には、本体の建設費以外にも次のような費用がかかります。

  • アパートの駐車場やフェンスなど外構工事
  • 地盤改良費
  • 登記費用
  • 固定資産税
  • 火災保険料
  • ローン保証料

外構工事にかかる費用は、どのような設備を設けるかによっても異なりますが、アパート本体の工事費用に対し20%が目安とされます。しかし、既存の水道管などが老朽化していて太いものに取り換える、フェンスを凝ったものにしたいなどといった場合には、追加で費用がかかることもあります。

また、登記費用や固定資産税といった諸費用については、銀行から融資を受けることはできません。原則として、自己資金で支払うことになります。アパートの広さや地域によっても異なるため、早い段階で依頼する建設会社の担当者や税理士など専門家に相談し、いくら必要になるのか、把握しておきましょう。

入居者への立ち退き費用

入居者にアパートから立ち退いてもらうために、立ち退き費用が必要となります。立ち退きは入居者からすれば、オーナー側の事情で急に自宅が奪われるようなものです。そこで借地借家法第28条では、入居者を守るための次のルールが定められています。

  • 正当事由(正当な理由)がある立ち退きである
  • 立ち退きに伴う財産上の給付がある

正当事由とは、居住者と結んだ借家契約が満了する日より、少なくとも6ヶ月前に解約・更新拒絶を通知する(立ち退きを依頼する)にあたり、その理由と要件のことです。正当事由か判断するポイントとして、次の4つの条件が当てはまります。

  • そのアパートをオーナーが必要とする事情がある
  • 営業目的でその土地をオーナーが必要とする事情がある
  • 建物が老朽化しており補強工事のために立ち退きが必要となる事情がある
  • 再開発など有効利用のために立ち退きが必要となる事情がある

現代の技術により、アパートの耐久性は高まっています。そのため、老朽化だけでは、正当事由とは認められない場合があることから、立ち退き料を支払い、正当事由であると法的に認めてもらえる状態にすることが重要です。

立ち退き料は法的に必要な額が決められていませんが、半年分の家賃を支払う代わりに、入居者に退去を依頼するのが一般的です。入居者が次の生活を始めやすいように、同じくらいの家賃のアパートやマンションを近隣で探し、紹介するのもよいでしょう。

アパート建て替えを成功させるコツ

アパートの建て替えを成功へ導くには、本当に建て替えがアパート経営にとってメリットとなるのかが重要となります。ここでは成功へ導くためにおさえておきたい、4つのポイントを解説します。

アパートの収支計画をシミュレーションする

建て替え後のアパートの収支計画をシミュレーションすることで、建て替え後の経営がうまく進むのか判断できるようになります。収支計画をシミュレーションする際は、収益性が詳しく分かる実質利回りで計算しましょう。理想としては、実質利回りは5%以上あると良いと言われています。

実質利回りの計算式は、以下の通りです。

実質利回り=(年間家賃収入-年間経費)÷(物件購入価格+取得時諸経費)×100

利回りは、物件に投資した場合、1年で回収できる初期投資費用を割合として示したものです。上記の実質利回りはより正確な費用の割り出しに用いられますが、状況によっては物件に空室を反映しない想定利回りや、経費を含まない表面利回りが用いられることもあります。

アパート経営の利回りについて基礎から知りたいという方は、次の記事も参考にしてください。

https://news.mynavi.jp/fudosan-satei/12168

 収支計画のシミュレーション例

では実質利回りのシミュレーションを行ってみましょう。条件は、以下の表に記載した通りです。

項目 計算と数値
家賃(1年間分) 7万円×8部屋×12ヶ月
建築価格 5,000万円
建築にかかる諸費用 250万円
空室率 5%
維持管理にかかる費用(1年間分) 約134万円

1年間すべての部屋が埋っていることを前提に家賃収入を計算すると、今回は672万円です。空室率は5%のため、672万円へ0.95をかけることで、1年間の空室率も加味した家賃収入が計算されます。今回は638万4,000円となりました。

これを実質利回りの計算式へ当てはめます。

実質利回り=(638万円4,000円-250万円)÷(5,000万円+134万円)×100=約8%

この計算を元にすると、毎年初期費用を8%ずつ回収できる予定です。大きな災害や景気の減退、空室率の増加がなければ、12年ほどで資金をすべて回収できます。災害が起きた場合はどうなるのか、リフォームが必要となった際の対応なども加味して、より詳細なシミュレーションを行っておくとよいでしょう。

周辺をリサーチする

建て替え後に新たな入居者を得られるように、周辺のアパートに備えられている設備や入居者のニーズをリサーチしなおしましょう。なぜなら、最初にアパートを建てた当時とは、周囲の状況が変わっているからです。リサーチしておきたいポイントとしては、次の内容が挙げられます。

  • 近くに新しく建てられたアパートの広さや規模
  • 近くのアパートの今の家賃に変化はあるか
  • 医療・教育関係の建物
  • 近隣の駐車場に変化はあるか
  • 公共交通機関との位置関係に変化はあるか
  • コンビニやスーパー、ドラッグストアは増えているか

近くのアパートの広さや規模、家賃などから、建て替え後にどのようなアパートを建てるべきか、目安が見えてきます。また施設や公共交通機関などが建て替えられたり、新しくできたりした結果、これまでとは異なる層がアパートを求めているかもしれません。

建て替え後のアパートはどのような層をターゲットとすべきか調べるためにも、周辺のリサーチは怠らないようにしましょう。

入居者の退去は早めに行動をはじめる

立ち退きを依頼するにあたり、注意したいのは、次の2点です。

  • 立ち退きはオーナー自身か弁護士しか行えない(非弁行為)
  • 入居者と揉めてしまうと建て替え時期が延び続けてしまう

立ち退きは賃貸借契約の契約を解除するため、弁護士法に基づき、代理人として依頼できるのは弁護士だけです。管理会社には依頼できないため、弁護士を依頼するか、自身が実際に入居者の元を訪れて退去を依頼しましょう。大まかには、次のような流れで行います。

  1. 入居者に書類や口頭で立ち退きの経緯を伝える
  2. 立ち退きを実際に会って説明する
  3. 立ち退き料の交渉を行う
  4. 納得してもらったうえで退去手続きを行う

この時に入居者と揉めてしまうと、最終的な解決として裁判を行うケースもあります。事前に話し合いで解決できるように、退去費用だけでなく、6ヶ月から1年など、十分な期間を設けたうえで依頼することが大切です。

資金を用意しておく

銀行から融資を受けられない費用として、今のアパートの解体費用と立ち退き費用、登記費用や固定資産税といった諸費用が挙げられます。したがって、これらの費用を支払えるだけの自己資金の確保が必要です。

また、アパートを建てる際、融資として受けられる限度額はアパートの資産価値の50%から60%が相場とされます。融資が受けられない部分については自己資金で支払うことになるため、突発的な出来事に対応できるだけの資金を確保しつつ、費用を確保しておきましょう。

アパート建て替え以外の選択肢について

収支計画を立てたうえで、アパートの建て替えが難しい、利益を上げづらいと判断できる場合はどうすればよいのでしょうか。ここでは、建て替え以外に選べる3つの選択肢を解説します。

リフォーム

アパートの一部をリフォームすることで、建て替えよりも費用を抑えつつ、空室率を下げられる可能性があります。選ぶ際は、アパートの建て替えとリフォーム、それぞれのメリットとデメリットを比較してみることが大切です。

アパートに対し行うこと メリット デメリット 判断ポイント
リフォーム
  • 低コスト
  • 立ち退きをお願いしなくて済む
  • 工事期間が短い
  • ピンポイントで改修できる
  • 築年数は変わらない
  • 修繕費がその後も発生する
  • 構造上リフォームできない可能性がある
  • 築年数が法定耐用年数内
  • 収益が上がることが確認できる
建て替え
  • 修繕費や集客費用が減る
  • 家賃収入を増やせる
  • 節税効果が得られる

 

  • リフォームと比べ費用が高い
  • 立ち退きが必要
  • 築年数が法定耐用年数を超えている
  • 耐震性や耐火性に問題がある
  • 空室率が50%以上
  • 修繕費が以前より高い

目安として、減価償却費を計上できるものの、設備に老朽化が目立ちだす築年数15年あたりなら、リフォームも大きな効果を発揮します。リフォームには補助金や特例を利用できるケースもあるため、柔軟に検討しましょう。

ただしデメリットに挙げたように、築年数は変わらないため、収益性が変化しないかもしれません。リフォームするのであれば、しっかりと手を入れて物件としての価値を高めることを目指しましょう。

他の活用方法へ変える

アパートを解体して更地にした後、他の方法で土地活用するという手段です。たとえば、周辺をリサーチした結果、アパートの需要が落ち込んでいる場合、ふたたびアパートを建てて経営を安定させるのは困難な可能性があります。そこで現状の需要や周辺環境に合わせ、他の土地活用を始めることが有効となるのです。

以下の表に、土地活用の例と向いている土地の特徴とメリット・デメリットをまとめました。参考にしてください。

活用方法 向いている土地の特徴 メリット デメリット
月極駐車場
  • 周囲に会社や住居がある
  • 駅から近い
  • アパートの解体後に建物を建てづらい
  • 更地の状態で土地を確保できる
  • 初期費用が少ない
  • 固定資産税が高くなる
  • 高収益は難しい
資材置き場 近隣に工場・企業が多い 資材を置きたい会社に管理を任せられる
  • 収益が少ない
  • クレーム対応が必要になる可能性がある
レンタルボックス・屋外トランクルーム
  • 住宅地やマンションが近い
  • 駐車場を併設できる
アパートを解体せずに活用できる
  • 駐車場が必須
  • 借り手がつくとは限らない
  • 新たなアパート経営は始めにくい
オフィスビル
  • 駅が近く周辺にオフィスビルが多い地域
  • 背の高い建物を建てられる土地
貸出先が法人のため高収益が見込める コストが高い

売却

相続などで資産整理を早めに行いたい場合は、アパートを売却するという手段も候補に挙がります。売却によるメリットは、次の3つです。

  • 住人に立ち退きを依頼する必要はない
  • 売却額が手元に残る
  • 売却によって得た資金で新たな事業を始められる

ただし、古いアパートは希望価格で売るのが難しい、という側面も持っています。ローンの残債がある場合は、立ち退きを依頼したうえでアパートを解体し、更地にして売ることも1つの方法です。

まとめ

アパートの建て替えは、築年数が経過してしまったアパートの競争力を高め、収益アップや節税によりその後の経営を安定させるメリットがあります。特に今後もアパートの需要が高い地域であれば、建て替えによって収益性を高めることで、さらなる効果を期待できます。

ただし、建て替えを行う際には、必ず収支計画を立て、シミュレーションを行うことが重要です。大規模なリフォームの方が収益につながることもあれば、解体して他の土地活用に利用した方がメリットがある場合も考えられます。

建て替えにかかる費用は決して安くはないため、不動産コンサルタントなど専門家にも相談し、自らが納得する選択をしていきましょう。


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