貸しコンテナとは土地にコンテナを設置して、貸倉庫として利用する経営方法ですが「稼げるなら土地活用で貸しコンテナに挑戦したい」「貸しコンテナのやり方を知りたい」と考えていませんか。
他の土地活用よりもリスクが少なく、立地に影響されにくいメリットがある一方で、高い利益や安定した経営は望めない可能性があります。土地活用で貸しコンテナにチャレンジする際は、そのやり方について詳しく理解しておく必要があります。
この記事では、貸しコンテナを使った土地活用やメリット・デメリットについて詳しく紹介します。また貸しコンテナ運営を成功させる秘訣や始めるときの手順、よくある疑問なども取り上げるので、貸しコンテナの経営方法を理解したうえで土地活用に反映させてみましょう。
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貸しコンテナを使った土地活用
貸しコンテナを始める前に、運営方法やコスト、利回りなどを把握しておく必要があります。ここでは、貸しコンテナを使った土地活用の概要をまとめました。
屋外にコンテナを設定して貸倉庫にする
貸しコンテナは屋外にコンテナを設置して、貸倉庫にするだけの手軽な土地活用の方法です。具体的には、自宅などに置けない荷物を置く場所として、コンテナハウスをレンタルして運営します。
貸しコンテナを使った土地活用の場合は、コンテナだけでなく駐車スペースも設ける必要があります。場所によっては自動車で荷物を運ぶため、駐車場を設置することで利用しやすい貸しコンテナになるでしょう。
貸しコンテナを使った土地活用の運営方法
貸しコンテナには業務委託とリースバック、事業用定期借地という3種類の運営方法があります。それぞれの特徴は以下の通りです。
貸しコンテナを使った土地活用の運営方法 | 特徴 |
業務委託 |
|
リースバック |
|
事業用定期借地 |
|
自身で経営する業務委託は、稼働率によって収入が上下しますが、経営の手腕によっては高収入を目指せます。リースバックは固定賃料になっているため、安定した収入を望める運営方法です。
事業用定期借地も収入面においては安定するものの「10~50年未満」という契約期間なので、途中で別の土地活用に切り替えることはできません。それぞれにメリット・デメリットがあるため、自身に合った運営方法を選ぶとよいでしょう。
貸しコンテナで土地活用するときの利回り
貸しコンテナに限らずあらゆる土地活用において、投資金額に対する収益率である「利回り」を考える必要があります。利回りの計算方法は以下の通りです。
貸しコンテナの場合は、利回り15~25%程度が目安の数値です。アパート経営の場合の平均利回りが10%程度なので、貸しコンテナは高い利回りを期待できます。
貸倉庫経営の利回りや運営方法について、さらに詳しく解説しているのは以下の記事です。
https://news.mynavi.jp/fudosan-satei/11053
貸しコンテナでの土地活用にかかる費用
貸しコンテナにかかる初期費用として、コンテナの設置代と宣伝するための看板代があります。コンテナは1基120万円程度、看板を設置する費用は20万円程度が目安です。
ランニングコストは運営方法によって異なり、業務委託では管理費として売上の10~20%程度支払い、リースバックの場合は賃料(満室時)の半分程度です。また業者に支払う費用の他に、不動産を所有しているだけで固定資産税もかかります。
ランニングコストはやり方や土地によって異なりますが、初期費用はその他の土地活用法に比べても、ほとんどかかりません。
土地活用で貸しコンテナを設置する4つのメリット
土地活用で貸しコンテナを設置するメリットは、以下の4つあります。
- 少額の初期費用で土地活用を始められる
- 業者委託をすると自分で管理せずに済む
- 他の土地活用方法へと変更しやすい
- 立地や土地の形に左右されにくい
ここでは、各メリットの詳細を紹介します。
少額の初期費用で土地活用を始められる
土地活用で貸しコンテナを設置するメリットは、初期コストがそれほどかからないことです。代表的な土地活用として、アパート経営やマンション経営がありますが、これらには数千万~数億円の初期投資が必要なケースもあります。また商業施設や介護施設の経営なども、初期費用が少額とは言い切れません。
一方、貸しコンテナの場合は基本的にコンテナを設置するだけで、少額の初期費用で気軽に始められます。「できる限り初期費用を抑えたい」という方には、うってつけの方法です。
業者委託をすると自分で管理せずに済む
貸しコンテナの運営方法として業者委託を選択した場合は、自身で管理することなく業者に任せられることもメリットです。コンテナを設置するだけで、土地活用ができる手軽な方法ではあるものの、管理せずに放置しておくと、近隣住民からのクレームやトラブルに発展する可能性もあります。
しかし専門の業者に依頼すれば、管理する手間や時間を省けて余計なトラブルを回避できるでしょう。また事業用定期借地の場合は、何もしなくても賃料を得られるメリットがあります。
他の土地活用方法へと変更しやすい
貸しコンテナは、アパート・マンション経営と比較すると、他の土地活用に変えやすいです。アパート・マンション経営の場合は、建物を取り壊す時間がかかったり、それなりの解体費用がかかったりしますが、貸しコンテナであればコンテナの撤去だけで済みます。
「経営がうまくいかない」「別の土地活用を試してみたい」という場合も、すぐに対応できることは大きなメリットです。
立地や土地の形に左右されにくい
アパート・マンション経営の場合は、土地の形がいびつだったり駅から遠かったりした場合には、高い収益にならない可能性がありますが、貸しコンテナは立地や土地の形に左右されにくいです。
貸しコンテナは、自宅などに置けない荷物を置くための場所であって、住むための場所ではないため、交通機関からの距離が大きく収益に影響するわけではありません。またコンテナさえ設置できれば、土地の形が悪くても運用を開始できます。
「駅からすごく遠い」「不整形な土地で活用しづらい」といった場合は、数ある土地活用法の中から貸しコンテナを検討してみましょう。
土地活用で貸しコンテナを設置する3つのデメリット
貸しコンテナの設置にはメリットだけではなく、以下のようなデメリットもあります。
- 他の土地活用より高い利益は望めない
- 貸しコンテナを担保として融資を受けにくい
- 安定した経営を続けにくい
こうしたデメリットについても理解を深めて、賢い貸しコンテナ経営を目指しましょう。
他の土地活用より高い利益は望めない
貸しコンテナはローリスクかつ少額で始められるものの、高い収益になるとは限りません。アパート経営と比較すると利回りは高くなる傾向にありますが、賃料の単価が安く利益は大きくなりません。
また、倉庫目的の貸しコンテナは住宅にはならず、固定資産税の軽減もありません。そのため貸しコンテナは「しっかりと儲けたい」「節税対策したい」という土地活用には向いていないでしょう。
貸しコンテナを担保として融資を受けにくい
貸しコンテナは住宅と比べた場合に担保の価値が高くなく、金融機関から融資を受けにくいというデメリットもあります。
マンション経営などを行う場合は、賃貸住宅が担保になって比較的融資を受けやすいのですが、貸しコンテナにその価値はありません。初期費用がある程度必要になることだけでなく、金融機関から融資を希望する際は、別の担保を用意する必要があり、始めやすい土地活用とはいえません。
安定した経営を続けにくい
貸しコンテナ専用のポータルサイトが少なく、集客しづらいこともデメリットです。賃貸アパート・マンションであれば、大手のポータルサイトはたくさんあります。しかし貸しコンテナに関しては、土地活用としてそれほど知名度が高くなく、集客に時間がかかってしまいます。
また、周辺にライバルの貸しコンテナが現れた場合も差別化しにくく、安定した経営を続けにくいでしょう。
トランクルーム経営で失敗を回避する方法を詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
https://news.mynavi.jp/fudosan-satei/12237
貸しコンテナ運営で土地活用を成功させる秘訣
貸しコンテナ経営を成功させるコツは、以下の通りです。
- 本当にその地域で需要があるのか事前にリサーチ
- 貸しスペース以外のサービスをプラスで提供する
- 借主へのサービスが充実している業者と共に経営する
本格的に貸しコンテナの運営を検討している方は、こうした成功させる秘訣もおさえておきましょう。
本当にその地域で需要があるのか事前にリサーチ
貸しコンテナ経営を始める際は、その土地において需要があるのかを調べる必要があります。「手軽に始められるから」「初期費用が安いから」といった安直な理由で始めても、利用者がおらず初期コストを回収できない可能性があるためです。
大手のコンテナ業者が参入しているエリアは、需要が高い傾向にあるため、事前にリサーチしておくことをおすすめします。
貸しスペース以外のサービスをプラスで提供する
貸しコンテナにプラスのサービスを付けることも、成功させる秘訣です。照明設備や防犯カメラといった基本的なものだけではなく、以下のように「あると非常に便利」と利用者に思ってもらえるサービスを提供しましょう。
- フェンス
- 空調
- 屋根
- 自販機
ただし、さまざまなサービスを付けてしまうと利回りを低める可能性があるため、できる範囲で取り入れることをおすすめします。
借主へのサービスが充実している業者と共に経営する
貸しコンテナを利用する側は、サービスの充実度をチェックしています。そのため24時間出し入れ可能であったり、セキュリティがしっかりしていたり、保証サービスが整っていたりする業者と契約することで、需要を高められます。
他にも、運搬サービスや不用品処分サービス、Web簡単申込サービスがあるといった点も、利用希望者へのアピールポイントになるでしょう。
土地活用で貸しコンテナを始める手順
貸しコンテナを始める際は、以下の手順で行います。
- 貸しコンテナを設置できる土地なのかを調べる
- 運営方法の種類を決める
- 利用する業者を選ぶ
- 選んだ業者と事業計画を立てて契約
- 貸しコンテナを設置して運営を開始
スムーズに貸しコンテナを始められるように、ぜひ参考にしてください。
貸しコンテナを設置できる土地なのかを調べる
最初に貸しコンテナを設置できる土地と、そうではない土地を調べる必要があります。厳密には、貸しコンテナを設置できる土地は、どういう建物なら建てられるのかを定めている「用途地域」の調査が必要です。
用途地域は、市町村役場にある「都市計画図」でわかります。貸しコンテナを設置できる用途地域は次の通りです。
- 第二種中高層住居専用地域
- 第一住居地域
- 第二種住居地域
- 準住居地域
- 田園住居地域
- 近隣商業
- 商業地域
- 準工業地域
- 工業地域
- 工業専用地域
第二種中高層住居専用地域や第一住居地域、田園住居地域に関しては制限があるので、事前にチェックしておきましょう。
運営方法の種類を決める
用途地域を調べたら、どのように貸しコンテナを運営するのかを決めます。初めての土地活用であれば、自身で経営するのではなく業者にすべて任せる方法がおすすめです。
利益中心の場合は業務委託を選択しても問題ありませんが、経営は自身で行う必要があり、土地活用や不動産業界の知識がない場合は、失敗してしまうリスクがあります。
利用する業者を選ぶ
運営方法を決定したら、どの業者を利用するのかを決めます。業者を選ぶ際は実績だけでなく、近隣の稼働率や既存のコンテナハウスの管理状況などもチェックしましょう。
また、自分に合っていて土地にもマッチした業者を選定したいなら、複数社を比べることをおすすめします。各業者を比べることで、優良業者なのか悪徳業者なのかが判断可能です。
選んだ業者と事業計画を立てて契約
土地に合った業者を見つけられたら、現場を視察してプランニングを開始します。事業計画を立てる際は、レイアウトや見積書、収支表作成などをおろそかにせず、時間をかけて入念に調査することをおすすめします。
選んだ業者とは積極的にコミュニケーションを取り、後悔のないプランを構築しましょう。貸しコンテナは初期費用が安いとはいえ、それなりのコストが必要なため、事業計画の立案・企画に対して怠慢になってはなりません。
貸しコンテナを設置して運営を開始
選んだ業者と事業計画を立てて契約したら、貸しコンテナを設置して運営をスタートさせます。工事は舗装なども含め、1ヶ月程度かかると認識しておきましょう。そのため、その他の土地活用のように、ある程度時間的な余裕が必要です。
また貸しコンテナ設置前の申請で、2ヶ月程度かかるケースがあることも意識しておいてください。
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ただ、おすすめは複数の土地活用種類にチェックを入れることです。自分が思いもよらない収益化方法を知ることができるかもしれません!
土地活用で貸しコンテナを設置するときのよくある質問
最後に、土地活用で貸しコンテナを設置するときのよくある質問について、回答を提示します。
コンテナハウスで盗難や災害のリスクはあるか
貸しコンテナは屋外に設置するため、盗難や災害の影響を受けやすいです。屋外の建物において、自然災害の影響はどうしても無視できません。最悪の場合、コンテナハウスが崩壊して初期費用を回収できないリスクもあります。
そのため、しっかりと業者を選定して頑丈なコンテナハウスを採用したり、管理責任を利用者に負ってもらったりして、リスクを下げることを意識しましょう。
貸しコンテナ設置に向いている土地とは
貸しコンテナ設置に向いている土地の条件は、いくつかあります。貸しコンテナ設置に向いている土地は、以下の通りです。
- 付近に住宅街がある
- 自動車でのアクセスが悪くない
- 道路に接している面が広い
上記のような利用しやすい貸しコンテナには、土地活用においてアドバンテージがあるといっても過言ではありません。
まとめ
貸しコンテにはさまざまな運営方法があり、目安になる利回りがあります。そんな貸しコンテナのメリットは、少額の初期費用で土地活用を始められることや、業者委託をすると自分で管理せずに済むこと、他の土地活用方法へ変更しやすいことです。
一方、他の土地活用より高い利益は望めない、貸しコンテナを担保として融資を受けにくい、安定した経営を続けにくいなどのデメリットもあります。
貸しコンテナの運営を成功させるためには、その地域で需要があるのかを事前にリサーチし、貸しスペース以外のサービスをプラスで提供して、借主へのサービスが充実している業者と共に経営しましょう。さらに、利用する業者を入念に選ぶことも重要です。使っていない土地を貸しコンテナとして活用してみませんか。
◆記事で紹介した商品・サービスを購入・申込すると、売上の一部がマイナビニュース・マイナビウーマンに還元されることがあります。◆特定商品・サービスの広告を行う場合には、商品・サービス情報に「PR」表記を記載します。◆紹介している情報は、必ずしも個々の商品・サービスの安全性・有効性を示しているわけではありません。商品・サービスを選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品・サービススペックは、メーカーやサービス事業者のホームページの情報を参考にしています。◆記事内容は記事作成時のもので、その後、商品・サービスのリニューアルによって仕様やサービス内容が変更されていたり、販売・提供が中止されている場合があります。