土地の売却で測量するのは義務?土地測量の基本や費用、流れを解説

土地を売却する際、「測量は必ずやらなければならないのか」「費用はいくらかかるのか」と気になる方は多いのではないでしょうか。

この記事では、土地売却時の測量の必要性や測量の種類、費用相場、手続きの流れまでわかりやすく解説します。測量が必要なケースと不要なケースの判断基準も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

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  • 土地売却時の測量は法的義務ではないが、境界トラブル防止適正価格での売却のために実施が推奨される
  • 測量には現況測量・地積測量・確定測量の3種類があり、土地売却では確定測量がおすすめ
  • 確定測量の費用相場は民民査定で30〜50万円、官民査定で60〜80万円。期間は1ヶ月半〜4ヶ月程度

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目次

土地売却時の測量は義務ではないが重要

土地を売却するとき、測量を行うことは法律上の義務ではありません。しかし、実際の不動産取引では測量を求められるケースがほとんどです。

測量が求められる理由

土地売却で測量が求められる主な理由は以下のとおりです。

  • 正確な面積を把握するため:登記簿上の面積と実際の面積が異なるケースは珍しくない。正確な面積がわからなければ、適正な売却価格を算出できない
  • 境界を明確にするため:隣地との境界が曖昧なままだと、売却後に買主と隣地所有者の間でトラブルが発生するリスクがある
  • 買主が安心して購入できるようにするため:境界と面積が確定している土地のほうが、買主にとって安心材料となり、スムーズに売却できる

測量をしないとどうなる?

測量をせずに土地を売却した場合、以下のようなリスクがあります。

  • 売却後に境界トラブルが発生する可能性がある:隣地所有者との間で「ここまでが自分の土地だ」と主張が食い違い、訴訟に発展するケースもある
  • 売却価格が低くなる可能性がある:実測面積が登記簿面積より大きい場合、測量をしないと本来の価値より安く売ってしまうことになる
  • 買主が見つかりにくくなる:境界が不明確な土地は購入リスクが高いため、買い手がつきにくい
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土地測量の種類と特徴

土地の測量にはいくつかの種類があり、それぞれ目的や精度が異なります。

現況測量図

現況測量図は、現地の状況をもとに土地のおおよその面積や形状を測る測量です。

  • 隣接地の所有者の立ち会いは不要
  • 比較的短期間・低コストで実施できる
  • 境界を確定するものではないため、正式な売買契約には使えないことが多い

売却前の参考資料として面積や形状を把握したい場合に利用されます。

地積測量図

地積測量図は、土地の分筆登記や地積更正登記の際に法務局に提出される図面です。

  • 法務局に登録されているため、誰でも取得可能
  • 作成年度によっては精度が低い場合がある(昭和時代のものなど)
  • 近年作成されたものは精度が高いが、すべての土地に存在するわけではない

法務局で取得できる地積測量図がある場合は、まずそれを確認してみましょう。

確定測量図

確定測量図は、隣接地の所有者全員の立ち会いのもとで境界を確定し、作成される最も正確な測量図です。

  • すべての隣接地所有者の合意が必要
  • 官有地(道路や水路など)と接している場合は、行政の担当者の立ち会いも必要(官民査定)
  • 最も信頼性が高く、土地売買で最も求められる図面

土地売却なら確定測量がおすすめ

3種類の測量図を比較すると以下のとおりです。

種類精度隣接地の立ち会い主な用途
現況測量図低〜中不要面積の概算把握
地積測量図中〜高作成時に必要登記手続き
確定測量図必要土地売買・境界確定

土地を売却する場合は、境界と面積が法的に確定する確定測量を行うのがおすすめです。買主や不動産会社からも確定測量図の提出を求められることが一般的です。

測量が必要な土地売却のケース

すべての土地売却で測量が必要なわけではありませんが、以下のようなケースでは測量を行うことを強くおすすめします。

境界杭がない・境界が不明な場合

土地の境界を示す「境界杭(きょうかいくい)」が見当たらない場合や、工事や経年劣化で境界杭がずれている場合は、測量が必要です。境界が不明なままでは、隣地所有者とのトラブルリスクが高く、買主も安心して購入できません。

都市部や一等地など地価が高い場合

都市部の商業地や住宅地など、地価が高いエリアでは、わずかな面積の差が売却価格に大きく影響します。たとえば坪単価100万円のエリアでは、1坪(約3.3㎡)の差で100万円の価格差が生まれます。正確な面積を確定させることで、適正価格での売却が可能になります。

境界に塀やフェンスがない場合

隣地との間に塀やフェンスなどの構造物がなく、見た目だけでは境界がわからない場合も測量が必要です。目印がない状態で売却すると、後から「境界はもっとこちら側だ」と主張されるリスクがあります。

相続した土地や測量図が古い場合

相続で取得した土地は、最後に測量されたのが数十年前というケースが少なくありません。特に昭和40年代以前の測量図は精度が低いことが多く、現在の基準では使えない場合があります。

また、2024年4月から相続登記が義務化されており、相続した土地を売却する場面が増えています。相続した土地の売却を検討している場合は、早めに測量を依頼しましょう。

分筆して一部だけ売却する場合

所有する土地の一部だけを分割(分筆)して売却する場合は、分筆登記のために確定測量が必須です。分筆する際にはすべての境界を確定させる必要があるため、隣接地所有者との立ち会いも必要になります。

測量が不要なケース

一方で、以下のようなケースでは測量を省略できる場合があります。

近年分筆・造成された土地

近年に分筆や宅地造成が行われた土地は、正確な地積測量図がすでに法務局に登録されている可能性が高いです。この場合、改めて測量を行わなくても、既存の測量図で売買できることがあります。

法務局で地積測量図を取得し、作成年月日と精度を確認してみましょう。

山林・農地など地価の低い広大な土地

山林や農地など、面積が広大で地価が低い土地の場合は、測量費用が土地の売却価格に対して割高になることがあります。このような土地では、登記簿面積をもとに売買する「公簿売買」が用いられることがあります。

ただし、公簿売買は後から面積の差異が判明してもトラブルにつながる可能性があるため、契約書に面積の差異について免責条項を設けるなどの対応が必要です。

買主が測量不要に合意している場合

買主が土地の現況を確認したうえで、測量なしでの取引に合意している場合は、測量を省略できます。ただし、引き渡し後に隣地所有者と境界トラブルが発生するリスクは残るため、実務上はおすすめできません。

土地を売る際に、どこで売ればいいかわからない、詳しく比較したい人は以下の記事を参考にしてください。

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土地売却時の測量費用の相場

測量にかかる費用は、測量の種類や土地の条件によって大きく異なります。

現況測量の費用相場

土地の面積費用の目安
100㎡以下10〜20万円程度
100〜300㎡15〜30万円程度
300㎡以上20万円〜

現況測量は境界の確定を伴わないため、確定測量と比べて費用は安く済みます。

確定測量の費用相場(民民査定のみ)

隣接地がすべて民間所有の場合の費用相場です。

土地の面積費用の目安
100㎡以下30〜45万円程度
100〜300㎡35〜50万円程度
300㎡以上50万円〜

民間の隣接地所有者のみとの境界確定で済むため、比較的スムーズに進みます。

確定測量の費用相場(官民査定あり)

隣接地に道路や水路などの官有地(国や自治体が所有する土地)が含まれる場合の費用相場です。

土地の面積費用の目安
100㎡以下60〜80万円程度
100〜300㎡60〜80万円程度
300㎡以上80万円〜

行政との協議(官民査定)が加わるため、費用が高くなります。手続きにも時間がかかる傾向があります。

測量費用が高くなるケース

以下のようなケースでは、上記の相場よりも費用が高くなることがあります。

  • 隣接地の数が多い:境界確定の立ち会いが多くなるため
  • 土地の形状が複雑:不整形地や高低差がある土地は測量作業の手間が増える
  • 草木が生い茂っている:測量前の除草・伐採作業が必要になる
  • 隣地所有者との協議が難航する:境界の合意が得られず、時間と手間がかかる
  • 境界杭の設置数が多い:設置する境界標の数に応じて費用が増加する

測量費用は売主が負担するのが一般的

土地売却に伴う測量費用は、売主が負担するのが一般的です。売主が自分の土地の境界と面積を明確にしたうえで売却するのが、不動産取引の通常の流れです。

ただし、買主側が特別な条件で測量を求める場合など、買主が費用を負担するケースもまれにあります。費用負担については、売買契約の前に不動産会社を通じて取り決めておきましょう。

測量の依頼先:測量士と土地家屋調査士の違い

測量の依頼先には「測量士」と「土地家屋調査士」の2つの選択肢があります。

項目測量士土地家屋調査士
主な業務土地の測量全般測量に加え、登記手続きにも対応
登記申請不可可能
土地売却との相性△ 登記は別途依頼が必要◎ 測量から登記までワンストップ

土地売却の場合は、測量から登記手続きまで一貫して対応できる土地家屋調査士に依頼するのがおすすめです。不動産会社に相談すれば、提携している土地家屋調査士を紹介してもらえることが多いです。

土地売却時の測量の流れ(6ステップ)

確定測量を行う場合の一般的な流れを解説します。

ステップ1:土地家屋調査士への依頼・資料調査

まず土地家屋調査士に測量を依頼します。依頼を受けた土地家屋調査士は、法務局で登記簿や既存の地積測量図、公図などの資料を収集し、事前調査を行います。

ステップ2:隣接地所有者への挨拶・相談

測量を始める前に、隣接地の所有者に挨拶をして、測量の実施と境界の立ち会いへの協力を依頼します。隣接地所有者との良好な関係は、スムーズな測量の進行に欠かせません。

ステップ3:現地測量の実施

土地家屋調査士が現地で実際に測量を行い、土地の面積や形状を計測します。既存の境界標や構造物の位置も確認します。

ステップ4:境界の立ち会い・確定

測量結果をもとに、隣接地所有者全員と立ち会いを行い、境界を確定させます。官有地と接している場合は、行政の担当者にも立ち会いを依頼します(官民査定)。

この工程が最も時間がかかることが多く、隣接地所有者のスケジュール調整や合意形成に時間を要します。

ステップ5:境界杭の設置

境界が確定したら、確定した境界点に境界杭(境界標)を設置します。コンクリート杭や金属プレートなど、耐久性のある素材が使用されます。

ステップ6:図面・境界確認書の作成

確定した境界をもとに、確定測量図を作成します。あわせて、隣接地所有者全員の署名・押印を得た境界確認書を作成します。この書類が土地売却時の重要な添付書類となります。

必要に応じて、法務局に地積更正登記を申請します。

確定測量にかかる期間の目安

確定測量にかかる期間は、一般的に1ヶ月半〜4ヶ月程度です。

条件期間の目安
隣接地が少なく、協力的な場合1ヶ月半〜2ヶ月
一般的なケース2〜3ヶ月
官民査定ありの場合3〜4ヶ月以上

行政との協議が必要な場合や、隣接地所有者が多い場合は特に時間がかかります。土地の売却スケジュールに余裕を持って、早めに依頼することが重要です。

土地を売る際に、どこで売ればいいかわからない、詳しく比較したい人は以下の記事を参考にしてください。

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土地売却時の測量でよくある質問

土地の測量が不要なケースはありますか?

近年分筆や造成が行われ、法務局に正確な地積測量図が登録されている土地であれば、改めて測量を行わなくてもよい場合があります。また、山林や農地など地価の低い広大な土地では、登記簿面積で取引する「公簿売買」が用いられることもあります。

測量費用は売主・買主どちらが負担しますか?

一般的には売主が負担します。売主が自分の土地の境界と面積を明確にして売却するのが通常の流れです。ただし、買主が特別な測量を求める場合は、買主負担となることもあります。

測量にはどのくらいの期間がかかりますか?

確定測量の場合、一般的に1ヶ月半〜4ヶ月程度です。隣接地の数や官民査定の有無、隣接地所有者との協議のスムーズさによって期間は変わります。売却スケジュールに余裕を持ち、早めに依頼しましょう。

確定測量を行わないと罰則はありますか?

確定測量を行わなくても、法的な罰則はありません。ただし、境界が不明確なまま売却すると、買主との間でトラブルが発生するリスクがあります。また、確定測量図がないと買主が住宅ローンを組めない場合もあるため、実質的に売却が難しくなることがあります。

隣地所有者が立ち会いに応じない場合はどうすればよいですか?

まずは土地家屋調査士を通じて粘り強く交渉しましょう。それでも応じてもらえない場合は、法務局の「筆界特定制度」を利用する方法があります。筆界特定制度は、法務局の筆界特定登記官が境界を特定する制度で、裁判よりも費用と時間を抑えられます。

まとめ

土地売却時の測量は法律上の義務ではありませんが、境界トラブルの防止や適正価格での売却のために、ほとんどの場合で実施が推奨されます。

確認ポイント内容
測量の義務法的義務はないが、実務上はほぼ必須
おすすめの測量確定測量(隣接地所有者の立ち会いあり)
費用相場民民査定のみ:30〜50万円、官民査定あり:60〜80万円
所要期間1ヶ月半〜4ヶ月程度
費用負担売主が負担するのが一般的
依頼先土地家屋調査士がおすすめ

測量は時間がかかるため、土地の売却を検討し始めたら、早い段階で不動産会社に相談し、測量の要否を確認しましょう。

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この記事を書いた人

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