「離婚することになったけど、家はどうすればいいの?」「財産分与で損しないために、何から始めればいいの?」と悩む方は多いのではないでしょうか。
マイナビニュース不動産査定ガイド運営離婚時に家を財産分与する場合、まず必要になるのが家の査定です。査定によって家の資産価値を把握しなければ、公平な財産分与はできません。
しかし、離婚時の不動産査定は通常の売却とは異なり、税金・名義変更・住宅ローンなど注意すべきポイントが多く、手順を間違えると思わぬトラブルに発展するケースもあります。
そこで本記事では、離婚時に家の査定が必要なケースから、査定のベストタイミング、査定方法の選び方、財産分与にかかる税金、トラブル回避策まで網羅的にわかりやすく解説します。
- 「離婚時に家の査定が必要なケースとその理由」で査定が必要かを確認
- 「査定のベストタイミング」で、いつ・どの方法で査定すべきかがわかる
- 「税金」セクションで譲渡所得税・贈与税・3,000万円特別控除をチェック
- 「名義変更と住宅ローンの実務ガイド」で手続きの全体像を把握
- 「トラブルと回避策」で揉めないためのポイントを事前に確認
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監修者|大久保 博之 司法書士


モットーはクライアントの権利を守ること。司法書士登録後、年間500~600件程様々な取引の名義変更に携わりながら、遺言作成や家族信託等の財産整理業務から相続手続に至るまでクライアントをサポート。現在は東京都吉祥寺を中心に活動。
離婚時に家の査定が必要なケースとその理由
離婚時に家などの夫婦の資産・財産を分けることを財産分与といいます。財産分与は、原則として夫婦それぞれが財産を2分の1ずつ分けるのが一般的です。
しかし、家や自動車などの資産はそのままでは均等に分けられません。資産価値を明らかにして均等に分割するには査定が必要です。
具体的には、以下のケースで家の査定が必要になります。
家を売却する場合
家を売却して現金化し、夫婦で分割する方法です。売却金額を正しく見積もるために、事前に不動産会社による査定を受ける必要があります。
複数社の査定額を比較することで、相場観をつかんだうえで適切な売り出し価格を設定できます。
夫婦どちらかが家を譲り受ける場合
片方が家を譲り受ける場合は、家をもらう側が手放した側に対して代償金を支払うことで財産分与とします。
代償金の計算には、家の購入時の金額ではなく譲渡時の査定額を用います。築年数による経年劣化や社会情勢の変化によって、家の資産価値は変化しているからです。
代償金額は、家の査定額(住宅ローンの残債がある場合は差し引いた金額)の半額が原則です。ただし、夫婦の同意があれば半額でなくても問題はありません。他の財産などの兼ね合いもあるので、話し合って折り合いを付けましょう。
財産分与の対象にならない資産(特有財産)
夫婦の資産は原則として2分の1に分けますが、入手過程によっては財産分与の対象にならない資産(特有財産)もあります。
以下に該当する場合は、財産分与の対象外です。
- 片方の親族からの相続や贈与で得た財産
- 片方の親族が全額費用負担をして購入した
- 結婚前からどちらかが所有していた
- どちらか片方が結婚前の貯蓄だけを使って購入した
上記以外のケースは原則として財産分与の対象です。つまり、結婚後に家を購入した場合は不動産査定が必要であると考えておきましょう。



不動産の評価の指標には、固定資産評価額や路線価等ありますが、時価を知りたい場合は不動産会社などに査定してもらうのが一般的です。
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なお、不動産一括査定サービスは、それぞれ対応するエリアや提携する不動産会社が異なるため、1つだけでなく複数のサービスを利用することをおすすめします。
次の記事ではより多くのサービスを含めたランキングや「査定結果の満足度TOP3」や「親族・友達におすすめしたいTOP3」などカテゴリ別にもランキングを紹介しています。さらに詳しく知りたい方は読んでみてください。
「【2024年最新】不動産一括査定サイトの口コミ・人気ランキング10選!おすすめのサービスを徹底比較」
離婚時の家の査定はいつすべき?ベストタイミングを解説
離婚時の家の査定は、状況に応じて適切なタイミングと方法を選ぶことが重要です。以下の3つの段階ごとに、最適な査定方法を解説します。
離婚を考え始めた段階(匿名査定・AI査定で概算把握)
離婚を検討し始めた段階では、まず家のおおよその価値を把握しておくことが大切です。
この段階では、配偶者に知られたくないケースも多いため、匿名査定やAI査定の活用がおすすめです。個人情報を不動産会社に渡すことなく概算額がわかるため、配偶者や周囲にばれずに査定を受けられます。
| 査定方法 | 特徴 |
|---|---|
| AI査定 | 物件データを入力するだけで即時に概算金額がわかる |
| 匿名査定 | サイトを通じて物件概要のみを伝え、不動産会社が査定するためAI査定より精度が高い |



ただし、匿名査定の結果はあくまで概算です。具体的に話し合いを進めるためには、正確な情報を提示して査定を受ける必要があります。
離婚協議の開始時(複数社に無料査定を依頼)
離婚の意思が固まり、具体的な協議を始める段階では複数の不動産会社に無料査定を依頼しましょう。
不動産会社による査定は、オンラインで物件情報を送信しておこなう机上査定と、家の状態や周辺環境を含めて詳細に査定する訪問査定の2通りです。
まずは机上査定で複数社を比較して、より希望にマッチする会社の訪問査定を受けるという流れが一般的です。訪問査定の結果が出るまでには約1〜2週間かかるため、早めの依頼を心がけましょう。
調停・裁判に発展した場合(不動産鑑定士の有料鑑定)
協議がまとまらず調停や裁判に発展した場合は、国家資格を持つ不動産鑑定士による有料鑑定が必要になることがあります。
不動産鑑定士が作成する鑑定評価書は、裁判所などの公的機関でも効力を発揮します。費用相場は約20〜50万円(物件の種類や評価額により変動)、鑑定には数週間かかります。
特別な事情やトラブルなく売却を進めるなら、不動産会社の無料査定で十分です。有料鑑定は裁判など財産分与のトラブルが懸念される場合に検討しましょう。
離婚前と離婚後、売却はどちらが有利?
家を売却するタイミングは税金面で大きな違いがあります。
| 項目 | 離婚前に売却 | 離婚後に売却 |
|---|---|---|
| 税金 | 贈与税がかかるリスクあり | 財産分与として原則非課税 |
| 3,000万円特別控除 | 夫婦間(親族間)の取引は適用不可 | 離婚後は適用可能 |
| 手続きの手間 | 夫婦で協力して進める必要あり | 離婚後の関係性次第で手間がかかる場合も |
| 精神的負担 | 離婚前に決着がつく安心感 | 離婚後に元配偶者と連絡を取る必要がある |
一般的には、離婚後に財産分与として売却するほうが税制上有利です。離婚前に財産を移転すると贈与とみなされ、贈与税が発生するリスクがあります。
ただし、離婚後の財産分与の請求期限には期限があります。現行法では離婚成立から2年以内ですが、2026年施行の民法改正により5年に延長される予定です。いずれにしても期限を過ぎると家庭裁判所に申し立てができなくなるため、早めに手続きを進めましょう。



財産分与に不動産が含まれる場合、夫婦間で合意がない限り、いずれは査定が必要になります。早めに行動されることをおすすめします。


離婚にともなう家の査定方法
家の査定方法は大きく分けて有料鑑定と無料査定の2つがあります。それぞれの特徴を理解して、自分に合った方法を選びましょう。
有料の不動産鑑定
有料の不動産鑑定は、国家資格を持つ不動産鑑定士が家を鑑定評価する方法です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 費用相場 | 約20〜50万円(物件の種類・評価額により変動) |
| 所要期間 | 約2〜4週間 |
| 法的効力 | 裁判所などの公的機関で効力あり |
| 適したケース | 調停・裁判など財産分与のトラブルが懸念される場合 |
鑑定評価書は法的に高い信頼性を持つため、裁判で争う可能性がある場合に利用されます。費用は高額ですが、裁判所が重視する評価方法です。
無料の不動産査定
裁判をおこなうなどの特別な事情がなければ、不動産会社による無料査定を受けましょう。
不動産会社の無料査定は2種類あります。
| 査定方法 | 特徴 | 精度 | 所要期間 |
|---|---|---|---|
| 机上査定 | 物件データのみで算出。来訪不要 | やや低い | 即日〜数日 |
| 訪問査定 | 実際に家の状態を確認して算出 | 高い | 1〜2週間 |
これらは不動産会社の営業の一環でおこなわれるため、どちらも無料で利用できます。まずは机上査定で複数社を比較して、信頼できる会社に訪問査定を依頼する流れが効率的です。



無料査定をお願いする場合は、売却も可能性としてありえることを伝えたほうがよいでしょう。
配偶者に知られず査定する方法(匿名査定・AI査定)
「夫(妻)に提案する前に家の価値を知っておきたい」「周りに離婚や売却を勘付かれたくない」という場合は、匿名査定という方法があります。
連絡先などの個人情報を不動産会社に渡すことなく査定結果を確認でき、立ち会いも不要なため、配偶者や周囲にばれずに査定を受けられます。
- 匿名査定の結果はあくまで概算であり、正確な金額ではない
- 具体的に話し合いを進めるには、正確な情報を提示しての査定が必要
- 不動産会社から自宅宛の郵送物が届くことがあるため、「郵送物を送らないでほしい」と依頼しておくと安心
- 通常の査定と比べて精度は低いため、意思決定の参考程度にとどめる


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不動産評価額の種類と財産分与で使うべき基準
財産分与で揉めやすいポイントの一つが「家の評価にどの金額を使うか」です。不動産にはいくつかの評価額があり、それぞれ金額が異なります。
4つの評価額の違い
| 評価額 | 概要 | 時価との関係 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| 時価(実勢価格) | 実際に市場で売買される価格 | 基準 | 不動産売買 |
| 公示価格 | 国土交通省が毎年発表する標準地の価格 | 時価の約90〜100% | 土地取引の指標 |
| 路線価 | 国税庁が算定する道路に面した土地の価格 | 時価の約80% | 相続税・贈与税の算定 |
| 固定資産税評価額 | 市区町村が算定する評価額 | 時価の約70% | 固定資産税の算定 |
財産分与では「時価」を基準にすべき理由
財産分与では、時価(実勢価格)を基準にするのが一般的です。
路線価や固定資産税評価額は時価よりも低く算定されているため、これらを基準にすると家の本来の価値よりも低い金額で分割されることになり、一方が不利益を被る可能性があります。
時価を把握するには、不動産会社の査定を受けるのが最も現実的な方法です。
相手が低い評価額を主張してきた場合の対処法
代償金の支払いを抑えたい側が、路線価や固定資産税評価額を根拠に低い評価額を主張してくるケースがあります。
このような場合は、以下の対処法が有効です。
- 双方がそれぞれ不動産会社の査定書を取得し、2つの査定額の平均値を採用する
- 不動産鑑定士による有料鑑定を依頼し、客観的な時価を算出してもらう
- 弁護士に相談して、法的根拠のある交渉を進める



固定資産税評価額は毎年届く通知書で簡単に確認できますが、あくまで税金計算用の評価です。財産分与の基準として使う場合は、不動産会社の査定額と比較して適正かどうか確認することをおすすめします。
離婚で家を査定するときの注意点
離婚にともなう家の査定は、通常の不動産売却と異なる注意点があります。売却する場合と譲り受ける場合、それぞれのポイントを確認しましょう。
家を売却する場合
家が共有名義なら双方に売却意思が必要
家の登記名義人が夫婦の共有名義である場合は、夫婦双方に売却意思がなければ売却できません。家の所有権が夫婦それぞれにあるため独断では進められず、夫婦間での話し合いが不可欠です。
離婚がネガティブな理由である以上、精神的な疲弊から話し合いが先延ばしになるケースも少なくありません。しかし、不動産査定から売却完了までには数ヶ月〜1年程度かかることもあります。できるだけ早めの行動を意識しましょう。
住宅ローンの残債があるなら完済が必要
住宅ローンの残債がある状態では、原則として家を売却できません。基本的には家の売却金や預金で住宅ローンを完済してから売買取引を完了させます。
ただし、査定額は成約価格よりも高く提示される場合も多いです。売却額のみで住宅ローンを完済しようと考えている場合は、査定額よりも多少下がった金額で売却されることも念頭に置きましょう。
住宅ローンの残債額は融資先の金融機関で確認できます。
アンダーローン・オーバーローンとは


| 用語 | 意味 | 対応 |
|---|---|---|
| アンダーローン | 家の査定額が住宅ローン残債を上回っている | 売却すればローンを完済でき、残った金額を財産分与 |
| オーバーローン | 家の査定額が住宅ローン残債を下回っている | 売却額だけでは完済できないため、貯金の充当や任意売却を検討 |
アンダーローンであれば話し合いは進みやすいですが、オーバーローンの場合は任意売却や自己資金による完済も視野に入れる必要があります。
夫婦どちらかが家を譲り受ける場合
話し合いで合意が得られれば、どちらか一方が家をもらうことも可能です。特に子供がいる場合、親権を得た側が家をもらい受けることも多いでしょう。
代償金の計算には譲渡時の査定額を用います。購入時の金額ではない点に注意してください。
- 家の査定額:3,000万円
- 住宅ローン残債:1,000万円
- 代償金 =(3,000万円 − 1,000万円)÷ 2 = 1,000万円
ただし、夫婦の同意があれば半額でなくても問題ありません。他の財産との兼ね合いも含めて話し合いましょう。
離婚後の家は売却or維持どちらがいい?
離婚後の家を売却するか維持するかは、家庭の状況によって最適な選択が異なります。それぞれのメリット・デメリットを比較して判断しましょう。
家を売却するメリット・デメリット
家を売却するメリット
- お金にすることで明確に分けられる
- まとまった金額が得られ、新生活の資金にできる
- 家を手放すことで離婚後のトラブルを防ぎやすい
家を売却するデメリット
- 共有名義の場合、売却活動を2人でおこなう必要がある
- 売れるまで3ヶ月〜1年程度かかる可能性がある
- 生活環境が変わり、子供への影響が懸念される
売却の最大のメリットは、家という資産をお金に換えることで明確に分割できる点です。離婚後に元配偶者との関わりを最小限にしたい場合に適しています。
早期売却を目指すなら、不動産会社による買い取りも選択肢です。金額は市場価格の7〜8割程度になりますが、買い主を探す手間を省いて早く現金化できます。
家を維持するメリット・デメリット
家を維持するメリット
- 慣れた環境で住み続けられる(子供の転校・転園が不要)
- 引越し費用を節約できる
- 売却の手間や労力を省ける
家を維持するデメリット
- 代償金の話し合いで揉める可能性がある
- 名義変更の手間がかかる
- 離婚後にも住宅ローンや名義に関するトラブルの可能性がある
子供の生活環境を変えたくない場合は維持が適していますが、住宅ローンの支払いや名義変更に関するトラブルが起こる可能性があるため、事前に取り決めを書面化しておくことが重要です。
家が売れない場合の選択肢
住宅ローンのオーバーローンや、買い手が見つからないなどの理由で通常の売却が難しい場合は、以下の代替手段を検討しましょう。
| 方法 | 概要 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 任意売却 | ローン残債がある状態で金融機関の同意を得て売却 | オーバーローンでも売却可能 | 金融機関との交渉が必要、信用情報に影響する場合がある |
| 不動産買取 | 不動産会社が直接買い取る | 最短数日〜数週間で現金化、仲介手数料不要 | 市場価格の7〜8割程度になる |
| リースバック | 家を売却した後、賃貸として住み続ける | 住環境を変えずに現金化できる | 賃料が発生する、将来的に退去を求められる場合がある |
離婚時の家の財産分与にかかる税金
離婚時の財産分与では、状況によってさまざまな税金が発生する可能性があります。知らずに手続きを進めると予想外の出費になるため、事前に確認しておきましょう。
譲渡所得税
家を売却して利益(譲渡所得)が出た場合は、譲渡所得税が課税されます。税率は所有期間によって異なります。
| 所有期間 | 区分 | 税率(所得税+住民税+復興特別所得税) |
|---|---|---|
| 5年以下 | 短期譲渡所得 | 39.63% |
| 5年超 | 長期譲渡所得 | 20.315% |
※所有期間は売却した年の1月1日時点で判定されます。
贈与税がかかるケース
離婚に伴う財産分与は原則として贈与税はかかりません。ただし、以下のケースでは贈与税が課される可能性があります。
- 離婚前に財産を移転した場合:婚姻中の財産移転は「贈与」とみなされる
- 分与された財産の額が過大な場合:婚姻中の財産の額やその他の事情を考慮して多すぎると判断された部分
- 贈与税や相続税を免れるためにおこなわれた場合:偽装離婚など
離婚前に財産を渡したい場合は、贈与税のリスクがあるため注意が必要です。財産分与は離婚成立後におこなうのが税制上安全です。
不動産取得税と登録免許税
家の名義変更にあたっては、以下の税金が発生します。
| 税金 | 金額の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 登録免許税 | 固定資産税評価額の2% | 所有権移転登記にかかる税金 |
| 不動産取得税 | 原則は固定資産税評価額の3%(住宅用) | 清算的財産分与による取得は非課税。慰謝料としての取得は課税の場合あり |
清算的財産分与(婚姻中に夫婦で形成した共有財産の清算)として不動産を取得する場合は、不動産取得税は非課税となります。ただし、慰謝料的財産分与や扶養的財産分与として不動産を受け取る場合は課税される可能性があります。
3,000万円特別控除の適用条件
居住用の家を売却した場合、一定の条件を満たせば譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例があります。
- 自分が住んでいた家であること
- 売却先が配偶者や親族でないこと(離婚前は適用不可)
- 住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること
- 前年・前々年にこの特例の適用を受けていないこと



重要ポイント:離婚前の夫婦間での売却は親族間取引となるためこの特例は使えません。離婚が成立した後に売却すれば適用可能となります。
家を財産分与する手順【5ステップ】


離婚時に家を財産分与する際は、以下の5つのステップで進めましょう。
ステップ1. 家の名義を調べる
まず、法務局で「登記事項証明書(不動産登記簿謄本)」を取得し、家の名義人を査定依頼前に調べておきましょう。
登記事項証明書の取得費用は以下のとおりです。
| 取得方法 | 手数料 |
|---|---|
| 窓口(書面請求) | 600円 |
| オンライン請求・郵送受取 | 520円 |
| オンライン請求・窓口受取 | 490円 |
確認すべきポイントは以下のとおりです。
- 甲区:所有権に関する事項(名義人の確認)
- 乙区:抵当権の設定状況(住宅ローンが完済されていれば抵当権は抹消済み)



法務局で登記事項証明書を取得する場合は、土地は地番、建物は所在および家屋番号が必要になります。家を買ったときの契約書等の資料があるとスムーズに取得できます。
ステップ2. 住宅ローンの残債・契約内容を確認する
金融機関で住宅ローンの残債額・契約者名義・連帯保証人を確認しましょう。
不動産の名義人と住宅ローンの契約者が同一でない可能性もあるので、契約者の名義も忘れずに確認します。
早い段階で住宅ローン残債を明確にしておくと、家の売却金でローンの完済ができるか判断でき、夫婦間の話し合いにも具体性が増します。



連帯保証人から外れるには、代わりの保証人を立てて金融機関と交渉が必要です。
ステップ3. 不動産会社や鑑定士に査定を依頼する
不動産会社や不動産鑑定士に査定を依頼して、家の現在の価値を把握しましょう。
お互いの合意があれば、無料査定の結果を基準に話し合っても問題ありません。
不動産査定のポイント
- 複数社に依頼して査定額を比較する(査定額は不動産会社によって大きく異なる)
- 不自然に高い査定額を出す不動産会社には注意する
- 売却を考えている場合は、対応の丁寧さや根拠の説明力も確認する
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なお、不動産一括査定サービスは、それぞれ対応するエリアや提携する不動産会社が異なるため、1つだけでなく複数のサービスを利用することをおすすめします。
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「【2024年最新】不動産一括査定サイトの口コミ・人気ランキング10選!おすすめのサービスを徹底比較」
ステップ4. 特有財産の有無を確認する
話し合いの前に、特有財産(夫婦の協力以外で手に入れた財産)がないかを確認しましょう。特有財産は財産分与の対象にならないため、明らかにしておくと話し合いがスムーズです。
判断が難しい場合には、弁護士など専門家への相談がおすすめです。
ステップ5. 夫婦で話し合いをおこなう
必要な情報が集まったら、それをもとに夫婦で話し合いましょう。
家について話し合うべき主な内容は次のとおりです。
- 住み続けるか売却するか
- 売却方法はどうするか
- 住宅ローン残債をどうするか
- 仲介手数料や税金などをどちらが負担するか
- 名義変更の手続きをどうするか
話がまとまらない場合は弁護士などの第三者を立てることも検討しましょう。また、決めたことは必ず書面(公正証書)に残すことをおすすめします。口頭の約束だけでは、離婚後にトラブルに発展するケースが少なくありません。
名義変更と住宅ローンの実務ガイド
家を維持してどちらかが住み続ける場合、名義変更や住宅ローンに関する手続きが必要になることがあります。手続きの全体像を把握しておきましょう。


家の名義変更の手続きと必要書類
家の名義変更は「所有権移転登記」の手続きをおこないます。必要書類は以下のとおりです。
- 離婚協議書(財産分与の内容を記載)または調停調書
- 登記事項証明書
- 固定資産評価証明書
- 印鑑証明書(双方)
- 住民票
- 登記原因証明情報
- 委任状(司法書士に依頼する場合)
名義変更は個人でも手続き可能ですが、必要書類が複雑なため司法書士に依頼したほうがトラブルや漏れを防ぐことができます。
住宅ローンの名義変更は原則できない
住宅ローンが残っている場合、ローンの名義変更は原則としてできません。住宅ローンは名義人の収入や信用情報に基づいて審査されているため、金融機関が簡単には応じないのが実情です。
また、ローン契約者が住まない状態は契約違反にあたる可能性があります。例えば、夫名義のローンが残っている家に妻だけが住む場合、金融機関から一括返済を求められるリスクがあります。
住宅ローンの借り換えによる対処法
名義変更ができない場合の現実的な対処法が、住宅ローンの借り換えです。
家に住み続ける側が新たに住宅ローンを組み、既存のローンを一括返済することで、実質的にローンの名義を変更できます。
ただし、借り換えには審査があります。住み続ける側に十分な収入や信用がない場合は審査に通らないこともあるため、事前に金融機関へ相談しましょう。
連帯保証人・ペアローンの解消方法
離婚後に連帯保証人やペアローンの関係が残っていると、一方の返済が滞った場合にもう一方に支払い義務が発生します。
連帯保証人の解消方法:
- 代わりの保証人を立てて金融機関と交渉する
- 別の金融機関で住宅ローンを借り換えて、新しいローンでは連帯保証人を外す
- 家を売却して住宅ローンを完済する
いずれのケースでも金融機関の承諾が必要です。離婚が決まったら早めに金融機関へ相談することをおすすめします。



家を維持する場合で住宅ローンの残債がある場合は、いずれのケースでも金融機関の承諾が必要で、通常は名義変更も自身でおこなうことはできません。第三者である金融機関の権利の保護という観点から、中立的な司法書士が手続きをおこなうのが一般的です。


離婚時の家の査定でよくあるトラブルと回避策
離婚時の家の査定や財産分与では、さまざまなトラブルが起こり得ます。事前に回避策を知っておきましょう。
査定額で意見が割れた場合の解決法
夫婦それぞれが異なる不動産会社に査定を依頼した結果、査定額に大きな差が生じるケースがあります。
- 双方の査定額の平均値を採用する
- 中立的な立場の不動産鑑定士に有料鑑定を依頼する
- 弁護士を通じて調停を申し立てる
いずれの場合も、査定書は書面で残しておき、話し合いの根拠として活用しましょう。
配偶者が売却を拒否した場合の対処法
共有名義の場合、配偶者が売却を拒否すると家全体の売却はできません。
段階的な対処法:
- まずは冷静な話し合いを試みる(第三者を交えるのも有効)
- 話し合いがまとまらなければ家庭裁判所に調停を申し立てる
- 調停でも合意に至らない場合は審判によって裁判所が判断する
共有持分のみを売却することも法的には可能ですが、買い手が見つかりにくく、大幅に安くなるため、最終手段と考えましょう。
公正証書の作成で口約束トラブルを防ぐ
財産分与の取り決めは、口頭の約束ではなく公正証書に残すことが極めて重要です。
公正証書には強制執行認諾条項を付けることができ、相手が約束を守らなかった場合に裁判なしで強制執行(給与差し押さえなど)が可能になります。
- 財産分与の対象となる財産の一覧
- 家の評価額と分割方法(売却 or 代償金)
- 住宅ローンの支払い方法と負担割合
- 名義変更の時期と費用負担
- 連帯保証に関する取り決め
公正証書は公証役場で作成でき、費用は財産の価額に応じて数万円程度です。
離婚による家の査定に関するQ&A
家の査定に関して押さえておきたい内容をQ&A形式でまとめました。
まとめ
離婚時の家の財産分与は、査定・税金・名義変更・住宅ローンなど、さまざまな手続きが絡む複雑なプロセスです。
本記事のポイントを振り返りましょう。
- 家の査定は早めに行動することが大切。離婚を考え始めた段階で匿名査定、協議開始時に無料査定と、段階に応じた方法を選ぶ
- 財産分与では時価を基準にする。路線価や固定資産税評価額を主張されても安易に受け入れない
- 離婚前の財産移転は贈与税リスクがある。財産分与は離婚成立後がおすすめ
- 3,000万円特別控除は離婚前の夫婦間取引では使えない
- 名義変更や住宅ローンの手続きでは金融機関への早めの相談が重要
- 取り決めは公正証書で書面化し、口約束によるトラブルを防ぐ
新しい生活を歩み出すためにも、共有財産の価値は早めに明確化し、お互いに納得のいく財産分与を実現しましょう。




モットーはクライアントの権利を守ること。司法書士登録後、年間500~600件程様々な取引の名義変更に携わりながら、遺言作成や家族信託等の財産整理業務から相続手続に至るまでクライアントをサポート。現在は東京都吉祥寺を中心に活動。
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