「マンション価格は今後下がるのでは?」と期待する声は多いですが、2025年も首都圏の新築マンション平均価格は約8,958万円と過去最高を更新し、中古マンションも12年連続で上昇しています。
本記事では、マンション価格が下がらない理由、暴落の可能性、日銀の金利政策の影響、そして購入・売却判断のポイントまで、最新データをもとに専門家監修で徹底解説します。
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宅地建物取引士・管理業務主任者・不動産コンサルタント・不動産プロデューサー。不動産業界10年以上の専門家。物件調査、重説作成・説明などの実務経験が豊富。特に土地の売買、マンション管理に精通。大阪を中心に活動をおこなっている。
マンション価格の最新動向【2025-2026年】
マンション価格は2025年に入っても上昇を続けており、新築・中古ともに過去最高水準を更新しています。
新築マンションは過去最高値を更新中
不動産経済研究所の調査によると、首都圏の新築マンション平均価格は以下のとおり推移しています。
| 時期 | 首都圏平均 | 東京23区 |
| 2023年 | 8,101万円 | 1億1,483万円 |
| 2024年 | 7,820万円 | 1億1,181万円 |
| 2025年上半期 | 8,958万円 | 1億3,064万円 |
※2024年は一時的に平均価格が下がったものの、これは高額物件の供給比率が変動したためであり、m2単価ベースでは4年連続で最高値を更新しています。
東京23区では2025年上半期にm2単価が201.5万円に到達し、初めて200万円を突破しました。近畿圏(2024年:5,357万円、7年連続上昇)、中部圏(2024年:5,015万円)でも上昇傾向が続いています。
中古マンションも上昇が続く
東日本不動産流通機構(レインズ)のデータでは、首都圏の中古マンション成約価格は12年連続で上昇しています。
| 時期 | 成約価格 | m2単価 |
| 2022年 | 4,276万円 | 67.24万円 |
| 2023年 | 4,575万円 | 71.92万円 |
| 2024年 | 4,890万円 | 76.88万円 |
2025年に入っても上昇は継続し、11月時点の成約価格は5,204万円(前年同月比+3.6%)です。国土交通省の不動産価格指数も2025年6月に216.8(2010年=100)と、2010年比で2倍以上の水準に達しています。
マンション価格の詳しい推移データは、以下の記事もあわせてご確認ください。


マンション価格が下がらない4つの理由
「マンション価格はそろそろ下がるはず」と考える人は少なくありません。しかし、現在のマンション価格には構造的に下がりにくい要因が複数あります。
理由①建築コスト・資材価格の高止まり
マンション価格の大きな部分を占める建築コストが、ここ数年で大幅に上昇しています。
- 国土交通省の建設工事費デフレーターは2025年8月時点で130.9(2015年=100)と高水準を維持
- 鉄筋・鉄鋼の価格は2020年以前と比べて3〜4割高の水準
- 日建連の試算では、直近48カ月で建設コスト全体が25〜29%上昇
建築コストが高止まりしている限り、デベロッパーが新築マンションを安く供給することは難しく、これが中古マンションの価格にも波及しています。
理由②人件費の上昇(建設業の2024年問題)
2024年4月から建設業にも時間外労働の上限規制が適用されました(原則:月45時間・年360時間)。これにより、工期の延長やシフト体制の見直しが必要となり、人件費の上昇につながっています。
- 公共工事設計労務単価は13年連続で引き上げ(2025年3月適用分で前年度比+6.0%)
- 国土交通省は技能者賃金の「おおむね6%上昇」を建設4団体と申し合わせ
- 60時間超の時間外労働に対する割増賃金率が50%に引き上げ
建設業の人手不足と働き方改革は今後も続くため、人件費の低下は当面見込めません。
理由③用地取得競争の激化
特に都心部では、マンション用地をめぐる競争がますます激しくなっています。
- ホテルや物流施設との用地競合が激化
- 再開発事業の増加により、好立地の用地供給が限定的
- 用地取得費の上昇がそのままマンション価格に転嫁
用地の仕入れ価格が上がれば、当然ながら販売価格も上がります。特に駅近・都心部の物件は用地取得コストが高騰しており、今後も価格が下がりにくい構造です。
理由④海外投資家の購入増と円安効果
円安が続く中、海外から見ると日本の不動産は割安に映っています。
- 東京の高級マンション価格はニューヨークの約65%、ロンドンの約49%(日本不動産研究所の国際比較)
- 東京23区の1億円以上のマンションのうち、約15%が海外投資家による購入とされる
- 2024〜2025年のドル円相場は概ね140〜160円台で推移し、海外投資家にとっての「お買い得感」が継続
海外マネーの流入が都心部の高額帯マンション価格を押し上げ、それが周辺エリアの価格にも波及する構図が続いています。
マンション価格は暴落する?下落シナリオを検証
「マンション価格はバブルであり、いずれ暴落するのでは」という懸念もよく聞かれます。ここでは、価格が下がる可能性のあるシナリオを検証します。
金利急騰シナリオ
住宅ローン金利が急激に上がれば、購入できる層が減り、価格が下落する可能性があります。
しかし、日銀は2024年3月にマイナス金利を解除した後も段階的に利上げを進めており(2025年12月時点で政策金利0.75%)、急激な金利引き上げは行わない姿勢を示しています。住宅ローンの変動金利も2026年初頭時点で0.6〜0.9%台と、過去の水準(2006年頃:2%台)に比べれば依然として低い状態です。
金利の上昇は価格の伸びを鈍化させる要因にはなりますが、急騰による暴落の可能性は低いでしょう。
景気後退シナリオ
リーマンショック(2008年)のような大規模な景気後退が起きれば、マンション価格が下落する可能性はあります。
ただし、リーマンショック時でもマンション価格の下落幅は約15〜20%であり、その後数年で回復しました。現在は建築コストの高止まりという「価格の下支え要因」があるため、同規模の景気後退が起きても1990年代のバブル崩壊のような長期的な暴落は起こりにくいと考えられています。
人口減少・2025年問題シナリオ
2025年には団塊世代(約800万人)が全員75歳以上の後期高齢者となりました。相続に伴う不動産売却が増えれば、供給過多で価格が下がる可能性があります。
- 日本の世帯数は2030年にピーク(5,773万世帯)を迎え、その後減少に転じる予測
- 空き家率は2023年時点で13.8%(900万戸)、2043年には25.3%に達するとの試算も
ただし、この影響は地域によって大きく異なります。人口流入が続く都心部ではこの影響はほぼ出ませんが、人口減少が進む地方では深刻な下落リスクとなります。
結論:暴落の可能性は低いが二極化は加速
総合的に見ると、以下の理由から全国的な暴落の可能性は低いと考えられます。
- 建築コストの高止まりが「価格の下限」を形成
- 日銀は急激な利上げを避けるスタンス
- 海外投資家の需要が都心部の価格を下支え
一方で、「上がるエリア」と「下がるエリア」の二極化(三極化)は加速します。マンション価格の今後を考えるうえでは、「全体が上がるか下がるか」ではなく、「どのエリア・どの物件が上がるか」という視点が重要です。
日銀の金利政策とマンション価格の関係
マンション価格に大きな影響を与える要因の一つが、日銀の金融政策です。2024年以降、17年ぶりの利上げが始まり、住宅ローン金利にも変化が出ています。
マイナス金利解除から利上げまでの経緯
| 時期 | 政策決定 | 政策金利 |
| 〜2024年3月 | マイナス金利政策(-0.1%) | -0.1% |
| 2024年3月 | マイナス金利解除(17年ぶり利上げ) | 0〜0.1% |
| 2024年7月 | 追加利上げ | 0.25% |
| 2025年1月 | 追加利上げ(17年ぶりの水準) | 0.5% |
| 2025年12月 | 追加利上げ(約30年ぶりの水準) | 0.75% |
日銀の植田総裁は「経済・物価情勢次第で追加利上げも検討する」とし、市場では2026年中に政策金利が1.0%に達するとの予測もあります。
住宅ローン金利への影響
日銀の利上げに伴い、住宅ローン金利にも変化が出始めています。
変動金利(2026年初頭・主要銀行):
| 銀行 | 変動金利(新規) |
| SBI新生銀行 | 0.590% |
| PayPay銀行 | 0.630% |
| りそな銀行 | 0.640% |
| 三菱UFJ銀行 | 0.670% |
| みずほ銀行 | 0.775% |
| 三井住友銀行 | 0.925% |
固定金利(フラット35・21〜35年):
フラット35の金利は2026年に入り2%台に突入し、2026年2月には2.26%まで上昇しています。
金利上昇でマンション価格はどうなるか
金利の上昇は「借りられる金額の減少」を通じてマンション価格に影響します。
5,000万円を35年で借りた場合の月々の返済額:
| 金利 | 月々返済額 | 総返済額 |
| 0.5% | 約12.98万円 | 約5,453万円 |
| 1.0% | 約14.14万円 | 約5,940万円 |
| 1.5% | 約15.31万円 | 約6,429万円 |
金利が0.5%から1.5%に上昇すると、月々の返済額は約2.3万円増、総返済額では約976万円増になります。
ただし、金利上昇による影響が出るのは主に購入者の予算上限が下がるという形であり、マンション価格そのものが直ちに下落するわけではありません。特に都心の人気エリアでは、価格が下がっても別の購入者(富裕層・法人・海外投資家)が買い支えるため、大幅な値下がりは起こりにくいでしょう。
今後のマンション価格は「三極化」が加速
マンション価格の今後を考えるうえで重要なのは、エリアによって明暗が分かれる「三極化」の動きです。
【都心部】上昇は今後も続く
東京都心部・大阪市中心部・名古屋市中心部など、人口が集中する都市部では今後も価格上昇が続くと見られています。
- 都心への人口流入が継続(リモートワーク定着後も都心回帰の傾向)
- 海外投資家からの需要が安定
- 再開発プロジェクト(渋谷・虎ノ門・大阪うめきたなど)による街の価値向上
- 供給戸数の減少(用地不足)による需給のひっ迫
【郊外】横ばい〜やや上昇
都心部へのアクセスが良い郊外エリア(首都圏では横浜・川崎・さいたま・千葉など)は、横ばいからやや上昇の傾向が見込まれます。
- 都心の価格高騰からの「流出需要」を受け入れ
- テレワークの定着により、郊外でも利便性の高いエリアは底堅い
- ただし、駅から遠い物件や築年数の古い物件は価格が伸び悩む可能性
【地方】下落リスクが高い
人口減少が進む地方都市や過疎地域では、価格の下落リスクが高い状況です。
- 世帯数が2030年以降に減少に転じ、住宅需要が縮小
- 空き家率の上昇(2043年に25.3%と予測)により供給過多に
- 公共交通の縮小により、車がないと生活しにくいエリアの価値がさらに低下
地方のマンションは「今が最も高い」可能性があるため、売却を検討している場合は早めの行動が重要です。
マンションは今が買い時?購入判断のポイント
「マンション価格が下がるまで待つべきか、今買うべきか」は多くの人が悩むテーマです。結論から言えば、無期限に値下がりを待つのは得策ではありません。
価格下落を待つのは得策ではない理由
- 建築コストと人件費の上昇が続く限り、新築マンションが安くなる構造的な見込みがない
- 新築が下がらなければ、中古マンションも大幅には下がらない
- 価格下落を待っている間に金利が上昇し、同じ物件を買うのに総支払額が増える可能性
- 住宅ローンには完済年齢の上限(多くの場合80歳)があり、待つほど借入期間が短くなる
金利上昇を見据えた購入タイミング
金利が上昇局面にある今、購入を検討している方は以下を意識しましょう。
- 変動金利のリスクを理解する:今後さらに金利が上がる可能性を織り込んで資金計画を立てる
- 固定金利との比較:フラット35は2%台に入ったが、長期の金利上昇リスクを避けたい場合は検討の価値あり
- 繰上返済の余力を持つ:金利上昇に備え、余裕を持った借入額に設定する
資産価値が落ちにくいマンションの選び方
購入するなら、将来的に資産価値が維持されやすい物件を選ぶことが重要です。
- 立地:駅徒歩10分以内、複数路線利用可能、商業施設充実
- エリアの人口動態:人口が増加している自治体かどうか
- 管理状態:管理費・修繕積立金の適正さ、大規模修繕の実施履歴
- 総戸数:50戸以上の規模があると管理コストが分散されやすい
- 築年数:新耐震基準(1981年6月以降)の物件が望ましい
- 災害リスク:ハザードマップで浸水・土砂災害リスクを確認
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マンションは今が売り時?売却判断のポイント
マンション価格が高値圏にある今は、売却を検討する好機でもあります。ただし、すべてのマンションが「今が売り時」とは限りません。
高値圏の今が売却のチャンス
首都圏の中古マンション成約価格は2024年で4,890万円と過去最高を更新し、2025年もさらに上昇しています。
- 新築・中古ともに過去最高水準の価格で売却できる可能性
- 金利上昇が進めば、購入者の予算が下がり、買い手が減る可能性
- 築年数は毎年1年ずつ増えるため、待つほど資産価値は下がる
築年数別の価格推移と売り時
中古マンションの価格は築年数に大きく左右されます。
| 築年数 | 価格の傾向 |
| 築5年以内 | 新築時とほぼ同等〜やや下落 |
| 築6〜10年 | 新築時から10〜15%程度下落 |
| 築11〜20年 | 新築時から20〜30%程度下落(下落幅が最も大きい期間) |
| 築21〜30年 | 下落幅が緩やかに。底値に近づく |
| 築31年以上 | 底値圏で安定。立地次第で値上がりも |
築11〜20年の物件は下落スピードが最も速いため、売却を検討しているなら早めの行動が重要です。一方、築30年超の物件は底値圏にあるため、急いで売る必要は低いでしょう。
売却を検討する際にやるべきこと
- 複数社に査定を依頼:一括査定サイトを活用し、3社以上に査定を依頼して相場感を把握する
- 相場価格を自分でも確認:レインズマーケットインフォメーション等で、同エリア・同条件の成約価格を調べる
- 売却にかかる費用を把握:仲介手数料、譲渡所得税、住宅ローンの残債確認
- 売却理由と優先順位を明確にする:「できるだけ高く売りたい」のか「早く売りたい」のかで戦略が変わる


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マンション価格に関するよくある質問
まとめ
マンション価格は2025年も上昇を続けており、建築コスト・人件費の高止まりや海外投資家の需要を背景に、全国的な暴落の可能性は低い状況です。
- 首都圏新築マンション平均価格は2025年上半期に8,958万円と過去最高を更新
- 建築コスト(直近48ヶ月で25〜29%上昇)と人件費(13年連続引き上げ)が価格の下限を形成
- 日銀は段階的に利上げを実施(2025年12月時点で0.75%)するも、急激な引き上げは行わない姿勢
- 三極化が加速:都心部は上昇継続、郊外は横ばい、地方は下落リスク
- 購入は「いつ買うか」より「何を買うか」が重要。資産価値が維持される物件選びがカギ
- 売却は高値圏の今がチャンス。特に築11〜20年の物件は早めの行動が有利
マンションの購入・売却を検討している方は、まず一括査定サイトで現在の市場価格を確認してみることをおすすめします。
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