不動産業界の2020年問題とは?予想される問題や価格下落の対策についても解説!

不動産業界では「2020年問題」「2022年問題(生産緑地問題)」「2025年問題」と、不動産価格が暴落するリスクがたびたび指摘されてきました。

しかし2026年現在、いずれの問題でも「暴落」は起きていません。むしろ都心部を中心に不動産価格は上昇を続けています。

本記事では、それぞれの問題が実際にどうなったのかを2026年最新データで検証し、なぜ暴落しなかったのかを分析します。さらに、今後の不動産市場で注意すべき2030年問題や金利上昇リスクについても解説します。

すぐわかる!この記事3つのポイント!
  • 2020年問題(五輪後暴落)・2022年問題(生産緑地)・2025年問題(団塊の世代)は、いずれも価格暴落には至らなかった。金融緩和の継続や政策的対応が主な理由
  • 2022年の生産緑地問題では約89%が特定生産緑地に移行し、大量の宅地放出は回避された。次の節目は2032年前後(10年延長の期限到来)
  • 今後は2030年問題(人口減少加速・築古マンション急増・建設業の人手不足)と金利上昇リスクが新たな課題。不動産の二極化がさらに進行する見込み
目次

2020年の不動産問題

東京オリンピックの開催決定をきっかけに不動産価格が上昇した2013年以降、「五輪後に暴落するのでは」という懸念が広がりました。実際にはコロナ禍による1年延期を経て2021年に開催されましたが、不動産市場にはどのような影響があったのでしょうか。

※以下は2020年当時の予測・分析です。実際の結果は本セクション末尾の「結果検証」で解説しています。

2020年の不動産問題とは

不動産投資などを検討していたり、すでに不動産をお持ちの場合はご存じの方も多いかと思いますが、延期が決まった東京オリンピックの影響で不動産価値が下がる可能性があると言われています。

不動産の価値は、アベノミクスの効果も影響して2013年後半から長期上昇傾向にあります。東京オリンピックの開催が決まったのもこの年でした。特に選手村が建設される湾岸のエリアの人気は高く、価格も上昇。外国人観光客増加を狙ったホテルや商業施設も増えて、その周辺では新築マンションの建設が進み、不動産の価値は高まっていったのです。

しかし、東京オリンピック開催後は増えた不動産がそのまま空き家になってしまい、不動産の価格が暴落してしまうのではという見方もあります。

特に湾岸エリアでは増えすぎた居住用マンションがすでに供給過多になっているともいわれていて、値下がりすると見込まれています。さらに、新型コロナウイルスの影響で外国人観光客の来日が予想を下回るなどオリンピック自体の盛り上がりも懸念されていますので、今後の動向に注視する必要がありそうです。

価格が暴落する要因・しない要因

2020年をきっかけに不動産が暴落すると言われている一方で、価値があまり変わらない不動産もあると見込まれています。次で詳しく見ていきましょう。

省エネ基準が厳格化されたため

まずは不動産価格の暴落が見込まれる根拠についてですが、中古不動産をすでにお持ちの方が特に必読なのが、省エネ基準の厳格化です。2016年から段階的に施行された「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」がついに義務化されます。

この影響で、基準を満たしていない中古不動産などは価格が暴落する可能性があるのです。これから購入を検討している方は、この省エネ基準を満たしているかチェックするよう心がけましょう。

オリンピック後の空室の増加

上記でもお話したように、東京オリンピック後の空室の増加も不動産価格の暴落につながるのではないかと言われています。

それに加え、価格高騰の要因の一つにオリンピックに向けた建設費用の増加がありましたが、単純に不動産の積極的な建設がなくなることで価格が下がることが予想できると思います。さらに海外投資家のマンション購入はオリンピック開催を境に減少すると見込まれています。

空き家の増加、建設費用の減少、投資の減少など、様々な要因が重なって暴落につながる可能性が高いのです。

都内の需要増加

一方で暴落しない可能性を持っている不動産もあります。それは東京都内のマンションです。

日本の人口は東京一極集中といわれているように、地方から東京へは常に人口が流入しています。コロナでリモートワークが推進されていると言えども、都内への進学や就職など東京の不動産は一定の需要があるため、空き家の急増もなく価格は暴落しにくいと言えるでしょう。

価値のある土地や物件は安定している

価値のある土地や物件は暴落する可能性が低いと言えます。

特にバブル崩壊やリーマンショックなどこれまでに景気低迷した時期を乗り越えてきた物件は、この2020年問題も乗り越えられる可能性が高いのです。

良質な土地や物件は高止まりが続くと予想されていますので、過去のデータも参考にしながらより慎重にリサーチする必要がありそうです。

【結果検証】2020年問題は実際にどうなったか

結論から言えば、2020年問題による不動産価格の暴落は起きませんでした

予測実際の結果
五輪後に不動産価格が暴落する暴落せず。2021年以降むしろ価格上昇が加速
湾岸エリアの供給過多で価格下落湾岸エリアのマンション価格も上昇を継続
省エネ基準未対応物件が暴落省エネ基準の義務化は2025年4月に延期され、2020年時点の影響は限定的
海外投資家のマンション購入が減少コロナで一時停滞したが、円安を背景に海外投資家の購入はむしろ増加

暴落しなかった主な理由は以下のとおりです。

  • 日銀の金融緩和が継続: 低金利環境が住宅需要を下支えした
  • コロナ禍によるテレワーク普及: 住環境への関心が高まり、住宅需要が増加
  • 東京五輪はほぼ無観客での開催: 1都3県の会場は無観客となり、インバウンド需要の消失で「五輪バブル」自体が限定的だった
  • 建築資材の高騰: 新築供給が抑制され、中古を含む既存物件の価格が維持・上昇

2022年の不動産問題

2022年の不動産業界で特に注目すべきなのは「生産緑地」に関する問題です。この影響で多くの土地が売り出される可能性があるのです。詳しく見ていきましょう。

2022年の問題とは

「生産緑地」という言葉を耳にしたことはありますか?2022年の不動産業界で最も大きな出来事となりそうのでぜひ覚えていただきたい言葉です。

これまで生産緑地に指定された農地は、農業以外の使用を禁止されていました。高度経済成長期に都市化が進む中、古くから農業を行っている人たちから「農業を続けたい、農地を守ってほしい」などの社会的な要請があり1974年に制定されました。

この制度は、指定を受けてから30年間は農地としてしか利用できない代わりに税制において優遇を受けられるというものです。

しかし2022年になると、30年の期限を迎える生産緑地が立て続けに出てくるのです。農地を別の用途に利用してもよくなり、宅地化が進むと言われています。後継人がいないなどの耕作放棄地も問題となっている中で多くの土地が宅地として売りに出されることが見込まれていて、その結果価格が暴落すると予想されています。

生産緑地とは

それでは、「生産緑地」について詳しくみていきましょう。

1970年代の前半、日本は高度経済成長期の終盤を迎えており、経済は大きく前に進んでいました。そんな中「市街化区域」という都市化を進める区域が指定され、緑地や農地が次々と宅地用の土地として売りに出されたため農地が減少。農業を続けたい人たちからの不安の声が上がりました。

そこで1974年に始まったのが「生産緑地」の指定です。指定を受けてから30年間は農地としてしか利用できない代わりに固定資産税軽減や相続税の猶予など、税制において優遇を受けられるというもので、主に三大都市圏で農業を続けたい多くの農家が指定を受けました。

令和元年3月末時点の国土交通省調査によると、全国の市街化区域内農地約6.6万haのうち1.2万haが生産緑地に指定されていて、その9割以上が三大首都圏に集中しています。

生産緑地の条件

では、農地を生産緑地に指定するにはどのような条件が必要なのでしょうか?詳しく解説していきます。

用地として適していること

まず条件の1つ目は用地として適していることです。そもそも生産緑地は農家の要望ももちろんですが、良好な都市環境を維持するためのものです。

農林漁業と調和した都市環境の保全などのため長きにわたって農地として残し、円滑に都市計画を行えるか、また公共施設等と共存する土地として適しているかを判断し指定しています。

さらには急速に都市化が進むと地盤の保持や保水などが難しくなってしまいます。地震や大雨などの災害が発生した際に災害を防止するために必要な土地かということも判断材料です。

300㎡以上の面積

生産緑地がスタートした当初は、”面積が単独または近隣の農地と合わせて500平方メートル以上であること”が条件でした。しかし2017年6月に市町村条例により生産緑地法が一部改正され、300平方メートルまで引き下げられました。

したがって現在は、近隣の農地(面積が100平方メートル以上)と合わせて300平方メートル以上の農地が生産緑地の対象となります。

農林業の継続が可能

最後の条件として、農業等の継続が可能な条件を備えていることがあります。
なぜなら、今後農業を継続できず耕作放棄地などとなる可能性があるのにもかかわらず税制の優遇があってはならないからです。

指定を受けるためには、用排水を始めさまざまな施設の整備状況が整っい、なおかつ身体的にも農業の継続が可能であるとの認識を得られる必要があります。

条件を満たすと判断した所有者は生産緑地の申請を行い、市町村が都市計画の原案を作成したのち、都道府県と協議して指定の決定となります。

生産緑地で優遇されていること

なぜ都市部の多くの農地が生産緑地に指定されているかというと、農家にとってもメリットがあるからです。優遇されている税金について解説します。

相続税の納税猶予

生産緑地に指定された農地は相続税の納税が猶予されるという優遇があります。

その内容としては、相続や遺贈によって取得した生産緑地を農業を目的に使用する場合に相続税の一定額の納税猶予が申請できるというものです。

猶予となる条件は以下の通りとなります。

  • 農業相続人が死亡した場合
  • 農業相続人が特例農地等の全部を後継者に生前一括贈与した場合
  • 市街化区域内農地で農業を20年間継続したとき

※三大都市圏の特定市の生産緑地では営農期間が終身となる

参考:国税庁HP【農業相続人が農地等を相続した場合の納税猶予の特例】

しかし、農地を譲渡したり貸したりした場合や、「継続届出書」を3年ごとに提出しなかった場合、相続税が免除になる前に相続人が農業経営を廃止した場合には納税猶予が打ち切られる場合もあります。その場合は相続時までさかのぼって課税される「さかのぼり課税」が課せられることになります。

固定資産税の減額

固定資産税が減額されるのも生産緑地の指定が増えた要因の一つです。

通常農地の固定資産税の納税額は通常、宅地より安くなっています。

しかし生産緑地に指定されていない一般市街化区域農地に関しては宅地並みの価値があると評価され、納税額は高くなります。さらに東京、大阪、愛知などの三大都市圏にある農地は、「特定市街化区域農地」として宅地と同等の価値があると評価され、納税額はさらに高くなるのです。

そこで生産緑地の指定を受けることで市街化区域にあったとしても農地として必要な土地としてみなされ、固定資産税が減額される仕組みが受けられます。

以下、農林水産省が公表している税額のイメージです。表にまとめましたので参考にしてみてください。

スクロールできます
農地の分類評価(課税方法)税額のイメージ
一般農地農地評価(農地)千円/10a
市街化区域農地(生産緑地地区の指定を受けた農地)農地評価(農地)数千円/10a
市街化区域農地(一般市街化区域農地)宅地並み評価(農地に準ずる)数万円/10a
市街化区域農地(特定市街化区域農地※三大都市圏)宅地並み評価(宅地並み)数十万円/10a

2022年問題における生産緑地の問題点

「1974年に制定され30年後はとっくに過ぎているのになぜ2022年の問題?」と不思議に思っている人もいるのではないでしょうか?

実は生産緑地法は1992に改正されており、条件が緩和されたのです。それをきっかけに多くの農地が生産緑地に指定され、その年から30年が2022年ということなのです。

令和元年3月末時点で約1.2万ヘクタールある生産緑地の約8割が2022年に指定解除となると見込まれています。今後は「農業を続けなければならない」という縛りがなくなるため後継者の問題などで農業の継続が難しいと判断する農家が増えると言われており、多くの農地が宅地へ転用される可能性が高いのです。

その生産緑地の8割が市場に出回るとすれば、需要と供給のバランスが大幅に変化し土地価格の下落につながるかもしれません。

2022年問題で取られている対策

これまで問題ばかりを取り上げてきましたが、政府が2022年問題に対して対策をしていないわけではありません。

2017年の生産緑地法の改正はその一つといえます。政府は生産緑地法を改正し相続税や固定資産税の税制優遇措置を10年延長できる「特定生産緑地指定制度」を設けました。

この制度は繰り返すことができ、10年後に再び指定を受けることでさらに10年延長することができます。(※特定生産緑地制度が適用されると同じく10年間宅地への転用は不可)

そしてもう一つの対策としては、2018年に可決成立した「都市農地借地法」です。所有する農地をほかの農家や事業者に貸し付けすることができるようになりました。近年農業への関心が高まってきていることもあり、都市部の農地の多様化に一役を買っていて、後継者のいない農家にとっても農地が活用しやすくなりました。

上記の政府の対策が、2022年の大量宅地放出を防ぐ結果となりました。

【結果検証】2022年問題は実際にどうなったか

大量の宅地放出による地価暴落は起きませんでした。

国土交通省の調査(2022年12月時点)によると、指定期限を迎えた生産緑地のうち約89%が「特定生産緑地」に移行し、10年間の税制優遇延長を選択しました。特定生産緑地に指定されなかった割合は約10.7%にとどまり、即座に宅地化されたのはさらにその一部にすぎません。

項目数値
特定生産緑地への移行率約89%(2022年12月時点)
特定生産緑地に指定されなかった割合約10.7%(即座に宅地化されたのはさらにその一部)
特定生産緑地の延長期間10年間(再延長も可能)
次の節目2032年前後(10年延長の期限到来)

暴落が回避された主な理由は以下です。

  • 2017年の生産緑地法改正: 特定生産緑地指定制度が創設され、税制優遇を10年延長する選択肢が用意された
  • 都市農地貸借法の成立(2018年): 農地を他の農家や事業者に貸し付けることが可能になり、選択肢が広がった
  • 5年間の段階的な税額引き上げ措置: 急激な税負担増を避ける経過措置が設けられた

ただし、2032年前後に特定生産緑地の最初の10年延長期限を迎えます。高齢化した農地所有者の代替わりにより、次回は移行率が下がる可能性もあり、引き続き注視が必要です。

2022年問題で価格の下落が起こりそうな地域

では、2022年問題で価格の下落が懸念されている地域はどこなのでしょうか?それはずばり、郊外のファミリー向け住宅が多い地域です。生産緑地のほとんどは三大都市圏に集中しており約8割が2022年に期限を迎えると言われています。その総面積は東京ドーム約700個分。戸数にすると約25万戸にのぼります。

とはいえ、都心部の駅が密集している地域には生産緑地はほとんどなく、都心から少し離れて駅からもやや遠い、郊外のファミリー向け住宅に生産緑地の多くが存在しているのです。実際に東京都八王子市や町田市、立川市などは生産緑地が多いという統計が出ています。

駅から離れていて宅地としての需要があるのか?と考える方もいるかもしれませんが、ファミリー層は自家用車を持っている割合も高く、郊外でも土地や物件を求める人は多くいると考えられています。

郊外の不動産を所有している人は早めの検討を、郊外の不動産購入を考えている人は最新の市場動向を確認することをおすすめします。

なお、2022年の期限到来後も実際に大規模な地価下落は確認されていません。東京都八王子市・町田市・立川市などの生産緑地集中エリアでも、宅地化のペースは緩やかにとどまっています。ただし、今後の特定生産緑地の再指定状況次第では、2032年以降にこれらの地域で供給増加が起きる可能性は残っています。

2025年の不動産問題

続いて2025年に起こると考えられている不動産問題について掘り下げていきます。この年の問題は日本の経済の発展に尽力してきた団塊の世代がキーワードになります。

戦後の1947年~1949年の第一次ベビーブームに産まれた団塊の世代は2025年には75歳を迎え、後期高齢者となります。

その人数は約800万人、日本の総人口の5人に1人になると言われています。これだけ多くの人が後期高齢者となると付随してくる問題といえば社会保障です。医療、年金、福祉、介護など合わせて、今よりも約20兆円増えるとも見込まれているのです。

2025年問題が与える影響

団塊の世代が後期高齢者となることで起こりうる2025年問題。より深刻になる少子高齢化社会や、社会保障の増額が不動産にどのような影響を与えるのでしょうか?詳しく見ていきましょう。

相続で不動産が売却される

この章の冒頭でお話ししたように、2025年に約800万人になる団塊の世代はいま、日本人の人口で一番多いとされています。そのため起こりうるのが相続による不動産の売却です。その中でも65歳以上の高齢者のいる世帯の8割が持ち家に居住。単身の場合は6割強の高齢者が持ち家を所有しています。

相続人が引き続き居住する場合は問題ありませんが、不動産を引き継げない場合は売却するという選択をせざるを得なくなります。単身世帯が6割というデータを見ると、その数が少ないないことが読み取れると思います。

2025年には75歳以上が5人に1人になるというデータもある一方で、家を買う中心となる世代である30代は減少傾向にあるため供給過多となり空き家が増え、不動産の価格が下がると予想されているのです。

不動産価格が上がる地域が限定される

団塊の世代が生まれた第1次ベビーブームの時、国内出生数は1年間に270万だった一方で、2019年の国内出生数は年間86万4千人となり(厚生労働省発表)、1899年の統計開始以来初めて90万人を下回りました。また出生数が死亡数を下回る、人口の「自然減」も約51万人と初めて50万人を超え、少子化や人口減少がどんどん加速しているのがデータとして明確に現れました。

人口減少に比例して減っていくとされているのが公共施設です。それを見越して自治体が策定を急いでいるのが「立地適正化計画」です。自治体が推奨する居住エリアに住むことを勧め、公共施設やインフラを集約して費用を抑えようという取り組みです。

この取り組みにより、学校などの教育機関を始めとするさまざまな公共施設が統廃合され、自治体が居住を推奨する地域とそれ以外のエリアの不動産の価値に大きな差が生まれると見込まれています。

一定の層向けの需要が高まる

一方で、後期高齢者向けの住宅の需要は高まると予想できます。中でもバリアフリーなど高齢者の身体に配慮したものや、負担の少ない低層階の賃貸物件などが増える可能性もあります。

そういった賃貸マンションの建設や購入を検討している場合はリスクも生じることを覚悟してください。というのも、身体機能の低下によりより安全上のリスクをより考えなければなりませんし、万が一死亡してしまった時のリスクもあります。保証会社を利用するなど、通常のマンション建設よりも入念な受け入れ準備が必要となりそうです。

2025年問題で影響のあるエリア

これまでの内容から推測すると、高齢者が多い地域ほど影響を受けやすいことが読み取れると思います。2015年の総務省の統計によると、高齢化率の高い順に、

  1. 秋田県(33.84%)
  2. 高知県(32.85%)
  3. 島根県(32.48%)

などとなっている一方で、高齢化率が24%未満と高齢者が比較的少ないエリアは、低い順に下記のようになっています。

  1. 沖縄県(19.63%)
  2. 東京都(22.67%)
  3. 愛知県(23.79%)
  4. 神奈川県(23.86%)

高齢化率の高いエリアは、より影響があると言えるでしょう。

参考:全国都道府県の高齢化率(65歳以上比率)ランキング

【結果検証】2025年問題は実際にどうなったか

2025年問題による不動産価格の暴落も起きていません。

首都圏の中古マンション成約平米単価は84.85万円/m2(2025年8月時点)で前年同月比約13%上昇、新築マンション平均価格は東京23区で1億円を超え、首都圏全体でも1億円に迫る水準となっています。

ただし、不動産市場の二極化は顕著に進行しています。

エリアタイプ価格動向
都心部(駅近・再開発エリア)上昇継続
郊外(駅徒歩10分以内)安定〜緩やかな上昇
地方・郊外(駅遠・人口減少地域)横ばい〜下落傾向

また、空き家数は2023年時点で過去最高の900万戸(空き家率13.8%)に達しており、「暴落」ではないものの空き家問題は着実に深刻化しています。

2025年問題のより詳しい分析は以下の記事で解説しています。

【2026年最新】不動産価格の現状

2020年問題・2022年問題・2025年問題を経ても、不動産価格は全体として上昇を続けています。最新のデータを確認しましょう。

不動産価格指数の推移

指標数値(2024年12月時点)備考
住宅総合141.6上昇基調が継続
マンション(区分所有)208.12010年比で2倍以上

※出典:国土交通省「不動産価格指数」(2025年3月公表)

公示地価(2025年1月1日時点)

区分前年比
全国全用途平均+2.7%(バブル崩壊後最高の伸び率、4年連続上昇)
全国商業地+3.9%
全国住宅地+2.1%
東京都商業地+10.4%
東京都住宅地+5.7%

※出典:国土交通省「令和7年地価公示」

空き家の現状

一方で、空き家数は増加を続けています。

空き家数空き家率
2013年820万戸13.5%
2018年849万戸13.6%
2023年900万戸13.8%

※出典:総務省「住宅・土地統計調査」

都心部の価格上昇と地方の空き家増加が同時に進む「二極化」の構造が鮮明です。不動産市場を一括りに「上がる」「下がる」と語ることは難しく、エリアと物件タイプによって大きく異なる状況となっています。

今後の不動産市場の課題|2030年問題と金利上昇リスク

2020年・2022年・2025年の各問題は「暴落」には至りませんでしたが、不動産市場が抱える構造的な課題は解消されていません。今後注視すべき主な課題を整理します。

2030年問題

2030年に向けて、以下の構造的変化が予測されています。

課題内容
人口減少の加速日本の総人口は約1億1,662万人に減少する見込み(国立社会保障・人口問題研究所 2023年推計)
空き家率の上昇2033年に空き家率18.3%に達する見込み(野村総合研究所 2024年予測)
築古マンションの急増築40年超のマンションは現在の約148万戸から20年後には約482万戸に急増する見込み(国土交通省)
建設業の人手不足生産年齢人口が2015年〜2030年で約819万人減少し、修繕・建替えコストがさらに上昇

金利上昇リスク

日銀の段階的な利上げにより、住宅ローン金利は上昇傾向にあります。

  • 固定金利(フラット35): 上昇傾向が鮮明
  • 変動金利: 依然として低水準だが、今後の利上げペース次第では上昇リスクあり

金利が上昇すると住宅ローンの返済負担が増え、購入意欲の低下から不動産価格の下押し要因になり得ます。特に変動金利で住宅ローンを組んでいる場合は、金利上昇リスクへの備えが重要です。

地域間格差(三極化)の進行

今後の不動産市場は、以下のような「三極化」がさらに進むと見込まれています。

分類エリア例見通し
上昇エリア都心5〜6区、再開発エリア価格上昇が継続
安定エリア駅徒歩10分圏内、セカンドベスト立地安定〜緩やかな上昇
下落リスクエリア災害リスク高地域、管理不全マンション、郊外の空き家密集地域下落リスク大

自治体の「立地適正化計画」により、公共施設やインフラが集約されるエリアとそれ以外のエリアで、不動産の価値に大きな差が生まれつつあります。

不動産問題で起きる価格下落の対策

2020年問題・2022年問題・2025年問題では暴落は起きませんでしたが、不動産市場の二極化は着実に進行しています。今後の価格変動リスクに備えるための実践的な対策を紹介します。

好条件の物件探し

今後の不動産業界に起こる問題を乗り越えるためには、今まで以上によりよい物件をしっかりと吟味する必要があります。駅近や高齢化の少ない地域、省エネ基準を満たしているか、これまでのバブル崩壊やリーマンショックを乗り越えてきたかなど、価値が下がりにくいと考えられる付加価値のある不動産なら、例え2020年、22年、25年に問題が起こったとしても影響は受けにくくなるでしょう。

そのためにはなるべく多くの不動産を見比べて土地や地域性などについて調べる必要があります。活用したいのが不動産の比較サイトです。SUUMOやHOME’Sなど多くの不動産を取り扱っているサイトで、なるべく好条件の物件を探してみるのもいいかもしれません。

特に2026年以降は、省エネ基準適合義務化(2025年4月〜)により、基準を満たしていない既存住宅の価値が相対的に下がるリスクがあります。中古住宅を購入する際は、省エネ性能の確認も重要なチェックポイントです。

不動産投資の物件の選び方について詳しく知りたい人は、こちらの記事もおすすめです。

物件情報は丁寧にチェックする

投資を検討いている不動産に今後需要があるのか知るためには、物件の情報についてこまめに探す習慣をつけることが大切です。生産緑地の多い地域か、高齢化率はどのくらいかなどのエリアの詳細な情報も合わせて調べて頭に入れておくとよいでしょう。

さらに2020年から始まる住宅の省エネ基準の厳格化にも注意を払い、物件がきちんと基準を満たしているか、満たしていない場合はそれに見合う価格をしているかなど、細かい物件情報のチェックも忘れずに行うように気を付けましょう。

早めの損切りを心がける

投資用不動産売却の失敗でよくあるのが、決断ができず損切りのタイミングが遅れるということです。入居者や家賃が減少しているにも関わらず売るタイミングを見送ってしまい、多額の赤字を抱え込んでしまう人も少なくありません。その理由としては「また価格が上がるかもしれない・・・」という一縷の望みにかけてしまうからです。

しかし、不動産売買に関しては、売却損などでマイナスになることよりも1円でも多く手元に残して、残った資産で今後可能性がある不動産に投資したほうが良い場合もあるのです。

少ない可能性に賭けるのではなく、価格の下がってしまった不動産は早めに売却して新たな投資に回す「損切り」の決断も必要になるのです。一括査定サイトを利用すると、最新の相場を簡単に把握でき、売却で大損をするリスクを下げられます。

一括査定サービス利用者が選んだおすすめサービスTOP3

イエウールランキング1位

※クラウドワークス、クロスマーケティング調べ(2021/4/9~2021/4/13実施 回答数380人)

こちらは、サービス利用者のアンケート結果による「おすすめの不動産一括査定サービスTOP3」です。実際の利用者の声とマイナビニュース 不動産査定ガイド運営の知見が合わさったできたランキングですので、ぜひ参考にしてください。

なお、不動産一括査定サービスは、それぞれ対応するエリアや提携する不動産会社が異なるため、1つだけでなく複数のサービスを利用することをおすすめします。

次の記事ではより多くのサービスを含めたランキングや「査定結果の満足度TOP3」「親族・友達におすすめしたいTOP3」などカテゴリ別にもランキングを紹介しています。さらに詳しく知りたい方は読んでみてください。

市場の確認もまめにする

これまで解説してきた不動産業界に起こるであろう問題ですが、特に2020年の問題については起こるとも起こらないとも断言できないのが現状です。しかし、”起こらないとも言えない状況”の場合は万が一を考えて行動することが、自分の資産、自分の身を守る最善の策となるのです。

したがって必要となるのがこまめな市場の確認です。不動産市場で価格の低下が始まったのかもしれないなど小さな市場の変化を感じ取れるようにするには、とにかくこまめにチェックする必要があります。市場の小さな動きも、ご自身が所有する不動産にも影響してくることでしょう。

なお、2026年の税制改正では中古住宅のローン控除に関する借入限度額の引き上げや床面積要件の緩和(50m2→40m2)が行われており、中古住宅市場が活性化する可能性があります。売却を検討している場合は、こうした市場環境の変化も考慮に入れましょう。

マンション価格の推移や売買タイミングについてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

不動産問題に関するよくある質問

不動産業界が抱える大きな問題は?

日本の不動産業界が抱える大きな問題は、人口減少や少子高齢化にともなう市場規模の縮小地価の二極化、建設業の担い手不足の深刻化などです。2020年問題・2022年問題・2025年問題では「暴落」は起きませんでしたが、空き家の増加や地域間格差の拡大といった構造的な課題は着実に進行しています。

不動産の2020年問題・2022年問題・2025年問題は結局どうなった?

いずれの問題でも不動産価格の暴落は起きていません。2020年問題は金融緩和の継続とテレワーク需要で暴落を回避、2022年の生産緑地問題は約89%が特定生産緑地に移行し大量放出を回避、2025年問題も都心部では価格上昇が継続しています。ただし、地方や郊外では空き家増加や価格下落が進んでおり、「暴落はしなかったが二極化は進行した」というのが実態です。

生産緑地の2022年問題は今後どうなる?

2022年に期限を迎えた生産緑地の約89%は「特定生産緑地」に移行し、10年間の税制優遇延長を受けています。次の節目は2032年前後で、この10年延長の期限が到来します。高齢化した農地所有者の代替わりにより、2032年には再移行率が下がる可能性があり、その際に一部地域で宅地供給が増加するリスクがあります。

不動産の2030年問題とは?

2030年問題とは、人口減少の加速(総人口約1億1,662万人)、空き家率のさらなる上昇、築40年超マンションの急増(約148万戸→20年後に約482万戸)、建設業の人手不足といった構造的課題が顕在化する問題です。都心部と地方・郊外の不動産価格の三極化がさらに進行すると予測されており、立地や物件の質による価値の差がこれまで以上に大きくなる見込みです。

まとめ

不動産業界の「2020年問題」「2022年問題(生産緑地問題)」「2025年問題」は、いずれも価格暴落には至りませんでした

  • 2020年問題: 金融緩和の継続とコロナ禍でのテレワーク需要により、むしろ価格は上昇
  • 2022年問題: 約89%が特定生産緑地に移行し、大量の宅地放出は回避
  • 2025年問題: 都心部は価格上昇を継続、ただし空き家数は900万戸に達し二極化が進行

しかし、不動産市場の構造的課題は解消されていません。今後は2030年問題(人口減少・空き家率上昇・築古マンション急増)や金利上昇リスクが新たな課題となり、エリアや物件タイプによる三極化がさらに進行する見込みです。

不動産の購入・売却を検討する際は、過去の「暴落予測」に惑わされず、最新のデータに基づいてエリアごとの動向を見極めることが重要です。一括査定サイトや不動産比較サイトを活用し、複数の情報源から相場を確認することをおすすめします。

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https://www.rosenka.nta.go.jp/
https://www.retpc.jp/chosa/reins/
https://www.zentaku.or.jp/cms/wp-content/uploads/2022/02/2021-fudousan-anke-to.pdf


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