第二回の名品語り、今回紹介するのはポータークラシックのバッグです。「普通のポーターとは違うの?」と思ったそこのあなた。鋭い。
実は「ポータークラシック」は、鞄で有名な吉田カバンの自社ブランド「ポーター」とは少し違います。このブランドは、吉田カバンの創業家に生まれた吉田克幸氏と、その息子である吉田玲雄氏の二人によって設立しました。
その経緯故に勘違いされやすいのですが、ブランド自体は完全に別会社の別ブランドとなります。
簡単にブランドの説明をしましょう。
ポータークラシックは2007年に創業したブランドです。「メイド・イン・ジャパン」にこだわり「世界基準のスタンダード」をコンセプトに掲げています。
その卓越した技術とクオリティは言わずもがな、アパレル界隈の玄人からも評価が高いブランドです。今回この僕の目線で名品を語ろうという題材を頂いた際、このブランドは入れたいなとずっと思っていました。
写真はポータークラシックの代表作の一つであるスーパーナイロンシリーズの、ヘルメットケースです。
この「スーパーナイロン」とは何ぞや、を簡単に説明しますと「経年変化するナイロン生地」。化学繊維でありながらもデニムのように色が褪せ、徐々に風合いが出てくるのが特徴です。
このナイロン生地は後染め(織りや編みの行程を終えた後に染色する方法のこと)なんですが、元来ナイロンを後染めするのは非常に難しいそうで、発売当時は「世界初の色落ちするナイロン」という触れ込みで販売されていました。世界初ですよ。そんなの欲しくなるに決まってるじゃないですか。
ちなみに写真のもので約10年くらい使っています。新品との比較画像を用意できなくて恐縮ですが、かなりいい感じの風合いになってきました。
いわゆるラグジュアリー、モードの世界では基本的に新品最新のものが最上とされます。 しかしその一方で、長年使ってできた摩耗や傷、色の変化等を味とし愛でる価値観もありまして。例えばレザーは代表的な例でしょう。「レザーのエイジングが云々…」とか聞いたことないですか?
新品であることが最高の状態ではなく、使い育てることでより魅力が増す一品。そういうアイテムにこそ惹かれるという方も多いはず! 男性は特にね!
名品とは長く愛せるから名品なのです。