「スキルアップがしたい」「自分の視野を広げたい」「働き方をアップデートしたい」とビジネス書を手に取っても、時間が取れず結局読めていない。そんな人のために、全100冊のビジネス書を要点・おすすめポイント・一読のすすめの3点でまとめた、“ビジネス書のガイドブック”が『ビジネス書大全』です。この連載では、本書から一部を抜粋してご紹介します。
第5回は実業家のジョージ・S・クレイソン著(楡井浩一訳)『バビロン大富豪の教え 「お金」と「幸せ」を生み出す五つの黄金法則』(文響社)です。
資産形成における普遍の真理
『バビロン大富豪の教え 「お金」と「幸せ」を生み出す五つの黄金法則』(文響社)
要点
(1)稼ぎの十分の一を貯蓄したとしても、暮らし向きは少しも悪くはならない。それどころか以前よりお金が流れ込んでくるようになる。
(2)貯えたお金を働かせることで、絶え間なく定期収入が入ってくる富の流れを生み出すべきだ。
(3)「なんとなく金持ちになりたい」と願う人は、目的意識を欠いている。一方で「金貨を五枚得たい」と願う人は、その明確な願望を達成すべく努力する。
(4)黄金の扱いに秀でた者の助言に熱心に耳を傾ける持ち主から、黄金が離れることはない。
おすすめポイント
普遍の真理が書かれた一冊だ。
本書は100年近くも読み継がれており、資産形成の心構えを書いたものとしては古典にあたる。説かれている内容は、以下のように要約できる。
「得た稼ぎの十分の一を何が何でも貯金し続ける。お金が貯まったら適切なアドバイザーの助言も得て堅実な投資を実践していく。するとお金がお金を生む状態となり定期収入が入ってきて金銭的な成功に近づく」――きわめてシンプルではないか。
本書で言われている、
「収入の十分の一を貯金せよ」
「欲望に優先順位をつけよ」
「貯えた金に働かせよ」
「危険や天敵から金を堅守せよ」
「住まいをわがものとせよ」
「今日から未来の生活に備えよ」
「自分こそを最大の資本にせよ」
という7つの「道具」はシンプルであるがゆえ、スッと頭に入ってきやすい。 当たり前のように感じるかもしれないが、これこそ身を救ってくれる教訓である。
資産形成に興味のある人に強くおすすめしたい。
一読のすすめ
お金持ちになる人、ならない人を分けるのは何なのか。色々と要因は挙げられるだろう。しかし本書を読むと、資産形成においてマインドや習慣がいかに大切なのか、あらためて思い知らされる。特に本文中で何度も出てくる「奴隷」という言葉はいささか衝撃的で、いま自分がお金の奴隷になっていないかどうか、振り返る契機にもなるだろう。
本書に従って行動を律することができれば、そうそう金銭面で困ることはなくなるだろう。お金は私たちの生活の基盤となる、必要かつ重要なシステムである。 お金との正しい向き合い方について、しっかり学ぶ必要があるのは言うまでもない。
お金に関するひとつのクラシックとして、一度はお読みいただきたい一冊である。
さらに深掘りしたい方はこちら: https://www.flierinc.com/summary/2575