「スキルアップがしたい」「自分の視野を広げたい」「働き方をアップデートしたい」とビジネス書を手に取っても、時間が取れず結局読めていない。そんな人のために、全100冊のビジネス書を要点・おすすめポイント・一読のすすめの3点でまとめた、“ビジネス書のガイドブック”が『ビジネス書大全』です。この連載では、本書から一部を抜粋してご紹介します。
第4回はファイナンシャルプランナーの泉美智子著(奥村彰太郎監修)『株・投資信託・iDeCo・NISA がわかる 今さら聞けない投資の超基本』(朝日新聞出版)です。
投資の「基礎中の基礎」を教えてくれる
『株・投資信託・iDeCo・NISA がわかる 今さら聞けない投資の超基本』(朝日新聞出版)
要点
(1)教育資金、住宅資金、老後資金は人生の三大資金と言われる。それぞれに見合った対策が求められ、自身のライフプランを考慮した資産形成が基本となる。
(2)運用には「増やす」「守る」「備える」の 3 つの目的に合わせた商品選択が必要だ。増やすには収益性がメイン、守るには安全性がメイン、備えるには流動性がメインとなる。
(3)投資や運用には、銀行預金、株式や債券など幅広い商品がある。投資可能額やライフプランを踏まえ、バランスよく組み合わせることが大切だ。
おすすめポイント
人生には大きなお金が必要となるポイントが3つあるという。
教育資金、住宅資金、老後資金だ。備えるための手段はさまざまにあるが、預貯金は過去に類を見ない超低金利が長く続き、貯めることはできても増やすことは容易にできない。そこで登場する考え方が投資だ。
株式や投資信託、不動産やFXや仮想通貨などの投資商品に興味はあるものの、どうやればいいのか分からない......。そんな方におすすめしたいのが本書だ。「今さら聞けない」という題名の通り、本書は投資の基礎の基礎から丁寧に説明しており、立場やライフステージに応じたシミュレーションや図解がふんだんに盛り込まれている。
たとえば、どの株を買ったらいいか見当もつかないという人には、食品やファッション、旅行や自動車といった、身近で興味がある業種の企業を選択してみることをすすめている。
そこから、事業内容や業績、株価動向、株主優待といった情報を追っていく。企業研究に役立つのは企業のIR情報、新聞記事、会社四季報だ。配当金や株主優待は権利確定日に株を保有していないと受け取れないので、購入前に権利確定日を確認しておこう。
この本では幅広い商品が網羅されているので、投資経験者にも参考になるところは大きいだろう。
一読のすすめ
本書は図解や運用シミュレーションの事例が満載なので、具体的なイメージがしやすい。随所に「プラスα」や「Q&A」といった豆知識がちりばめられ、ちょっとした疑問を解消できる点も親切だ。
投資未経験の方は、いきなり投資を始めるのではなく、事前にある程度の知識を学び、理解を深めておくほうがよい。そうすれば、初歩的な失敗をする確率がぐんと下がるはずだ。
投資に関する税制や手数料などもまとめられており、参照性が高く、経験者にも役立つ情報が充実している。ぜひ実際に手に取ってみていただきたい。
さらに深掘りしたい方はこちら: https://www.flierinc.com/summary/2851