「スキルアップがしたい」「自分の視野を広げたい」「働き方をアップデートしたい」とビジネス書を手に取っても、時間が取れず結局読めていない。そんな人のために、全100冊のビジネス書を要点・おすすめポイント・一読のすすめの3点でまとめた、“ビジネス書のガイドブック”が『ビジネス書大全』です。この連載では、本書から一部を抜粋してご紹介します。
第3回はワークワンダース 代表取締役CEOの安達裕哉著『仕事ができる人が見えないところで必ずしていること』(日本実業出版社)です。
観察して分かった「できる人」のノウハウ
『仕事ができる人が見えないところで必ずしていること』(日本実業出版社)
要点
(1)会議などの場では最初に案を出そう。勇気がいるが、そのぶん高く評価される。
(2)こちらの意見が正しいはずなのに理解してもらえないときには、相手の気持ちになって、自分の意見に自ら反論してみよう。そうすれば、相手の本音が見えてくるため、それを踏まえて次の意見を出せばいい。
(3)あなたが出世するためのただひとつの方法は、上司を助けて成果をあげさせ、出世させることだ。
おすすめポイント
「背中を見て学ぶ」という言葉がある。
ビジネスの現場では近年、「非効率だ」と指摘されることもあるやり方だが、学び手が前のめりである限り、学ぶ手段として有効であることに変わりはないだろう。本書はいわば、著者がさまざまな「仕事ができる人」の背中を見て学んだことが詰まった一冊だ。
2023年のベストセラー『頭のいい人が話す前に考えていること』の著者でもある安達氏が、コンサルタントとして出会ってきたさまざまな「仕事ができる人」をじっくり観察し、その人たちが「見えないところで必ずしていること」をまとめたのが本書だ。
著者の知人で誰とでも楽しく話せる「コミュニケーションの達人」は、相手の趣味などを聞き出しつつ、「私におすすめはありますか?」とたずねるという。 しかも、それを自分でもできる限り試して、感想を伝えるそうだ。
このほかにも、50歳以上の人しか採用しない会社の社長の発言など、興味深い事例を紹介している。いずれもこの先の人生を変えてくれる教えだと確信できる。
本書に登場する「仕事ができる人」たちの教えが学びの宝庫であることは言うまでもない。 それに加えて、仕事ができる人を観察し、その行動や発言の意図が分からなければ素直にたずね、読者に惜しみなくシェアするという著者の姿勢からも、学べることは多いはずだ。
一読のすすめ
本書では、実行力、決断力、コミュニケーション力、考え抜く力、働きかけ力の5つの章に分けて、「仕事ができる人」のやっていることが紹介される。どれも納得のいくものばかりで、どんな人が読んでも必ず一つは「実践してみたい」と思うような教えが見つかるだろう。
「社内営業」と「媚びを売る」の違い、「仕事を任されたら絶対すべき」8箇条、初対面でも上手に警戒を解く面接官に学ぶ 6 つのステップ、コンサル会社で部下に課した8つの訓練、「頭がいい」より「行動力がある」を優先する......本書には教えがまだまだある。ぜひ本書を手に取り、自分に足りないものを見つけたり、今後の目標設定の参考にしたりしてほしいと願う。新人からベテランまで、必ず役立つ一冊だ。
さらに深掘りしたい方はこちら:https://www.flierinc.com/summary/3599