資産1300億ドルを築いた投資の神様、ウォーレン・バフェット。投資が身近になってきた現在だからこそ、彼の生き方や考え方を知って、投資に対する姿勢や精神的に豊かな人生へのヒントを学びましょう。この連載では、『決定版 バフェットの投資哲学がマンガで3時間でマスターできる本』(明日香出版社)から、バフェットの考え方の一部を抜粋して掲載していきます。
今回紹介するのは、バフェットの教える「株を売る理由」。バフェットの師・フィッシャーによると、株を売る理由はわずか"3つ"だというのですが......。
株を売る理由は3つしかない
売買を繰り返すよりも持ち続ける
ここまで見てきたようにバフェットの投資に対する考え方は、株価の動きなどを気にすることなく、本当に優れた企業に投資をして、それをできるだけ長く所有するというものです。
理由のひとつは、本当に優れた企業というのはそれほど多いわけではないため、例えばアメリカン・エキスプレスやコカ・コーラといった企業の株を買ったなら、利ザヤを稼ごうと売買を繰り返すのではなく、持ち続ければいいというものです。
優れた企業を長期間所有するメリットをバフェットに教えてくれたのがもう1人の師といえるフィリップ・フィッシャーです。
フィッシャーによると、株を売る理由は(1)投資対象を選択する時点で判断が誤っていた、(2)当初は優れた会社であったものが時の経過とともにかつての輝きを失う、(3)もっと有望な成長株に乗り換えるーーのわずか3つしかありません。
長く持つことを前提に買う
フィッシャーも本物の成長株は何十年と所有しますが、バフェットの所有期間は「永久に」というほど長く持つことが前提です。バフェットはいいます。
「喜んで10年間株を持ち続ける気持ちがないのなら、たった10分でも株を持とうなどと考えるべきですらないのです」
10年間というと驚くかもしれませんが、バークシャー・ハサウェイが投資している株でいうと、コカ・コーラやアメリカン・エキスプレスへの投資期間が30年を超え、ガイコやシーズ・キャンディーズは約50年になります。ここに成功の秘訣があります。
『決定版 バフェットの投資哲学がマンガで3時間でマスターできる本』(桑原 晃弥 著/明日香出版社 刊)
資産1300億ドルを築いた投資の神様に学ぶ「成功法則」! NISAやiDeCoが広まり「投資」がごく身近なものになってきました。しかし、身近になればなるほど、市場の動きに翻弄されたり、誤った知識に振り回されたりする人も増えています。そんな「投資に関心はあっても経験は浅い」人たちに知ってもらいたいのが、本書で紹介するウォーレン・バフェットです。バフェットは、「世界一の投資家」「オマハの賢人」と呼ばれ、株式投資だけで1300億ドル以上の資産を築きました。そんなバフェットの投資法はいたってシンプルです。「長期の目線で投資する」「価格より価値を見る」「いつ売るかは自分で考える」「納得いくまで徹底的に企業を調べる」など、本質的で、長期にわたって資産を増やすヒントが多く詰まっています。バフェットの生き方、考え方を知ることで、投資に対する姿勢はもちろん、精神的にも豊かな人生を送ることができるでしょう。