お菓子の価値は、単に"おいしい"にとどまらない。株式会社BAKEが手がけるバターサンド専門店「PRESS BUTTER SAND」のプレミアムシリーズ「PRESS BUTTER SAND GALLERY」は、アート・コミュニケーションプラットフォーム「ArtSticker(アートスティッカー)」を運営する株式会社The Chain Museumとともに、新たなプロジェクト「SWEET MEETS ART(スイート・ミーツ・アート)」を開始した。
このプロジェクトでは若手アーティストがバターサンドの味からインスピレーションを受けて制作したアート作品を、お菓子缶のデザインとして採用するというもの。
7月1日(火)に販売が開始された新商品「バターサンド<バニラココナッツ>」とコラボレーションした商品は、ビジュアルアーティストのnico ito氏が手掛けている。
同日に開催されたプロジェクト発表会では、株式会社The Chain Museum代表取締役・遠山正道氏、株式会社BAKE取締役兼CBO・北村萌氏によるトークセッションに加え、nico ito氏および第2弾作品を手がけた島田萌氏による作品紹介も行われた。
とろけたバニラ感を缶のデザインに落とし込んだ
nico氏は実際に「バターサンド<バニラココナッツ>」を食べ、自分の感覚を頼りにイラストを描き起こしたという。
「バニラの甘さととろけるような食感が印象的で、その"とろけたバニラ感"を表現しようと思い、全体的に温かみのある雰囲気に仕上げました。食べたときに感じた、やわらかくて甘い空気感が伝わるように意識しています。」
「この作品のシーンとしては、ココナッツくんが夏の気候の中で気持ちよくお昼寝していたら、いつの間にかバニラアイスになっていて、気づいたらカニヤシの木になっていた。そんな不思議な状況を描いています。ココナッツくんの顔は、ちょうど昼寝からハッと目覚めた瞬間のもので、ちょっととぼけたような、絶妙な表情がポイントです。」
遠山氏「デザインは当たり前のものとしてあるからわざわざ言葉にはしない」
遠山正道氏と北村萌氏によるトークセッションでは、遠山氏が創業したスープ専門店「Soup Stock Tokyo」とアートの関係性について語られた。
「社員時代、趣味で絵を描いていて、個展を5回ほど開いた経験があります。そして自分の手を動かして何かを表現するプロセスが、起業と似ていると感じました。」
「Soup Stock Tokyoを立ち上げた当初は、店舗で自分の絵も販売していたんです。しかし、それよりもスープの方がはるかに多くの人に届きやすいと実感したんです。 お客さまがスープをプレゼントして、その受け取った方から『おいしい』という声が返ってくる。その反応を目の当たりにして、絵を描いている場合ではないと思いました。ただ、ここ数年で再びアートへの情熱が自分の中で高まってきたんです。この熱がArtSticker立ち上げのきっかけになっています」(遠山氏)
第2弾アーティストのコラボ商品は10月から発売予定
「SWEET MEETS ART」は、"アート=表現"というアートの本質に立ち返り、キャンバスやギャラリーに限らない表現の可能性を探ることから始まった。クッキー缶や紙袋など、日常の中にあるアイテムを新しいキャンバスと見立て、アーティストの作品を落とし込むことで、見る人の心に残る体験を生み出すことを目指している。
第2弾アーティスト・島田萌氏とのコラボ商品は、10月以降に発売予定。さらに、第3弾には中村桃子氏、第4弾には奥村彰一氏のコラボ商品が登場する予定だ。