マイナビニュースマイナビ マイナビニュースマイナビ
Index square
( Life )

アスリートが「ルーティン」を取り入れる、納得の理由

JUN. 23, 2025 07:00
Share
Contents

メンタルは、"気の持ちよう"だけでは強くならない。大切なのは、「視点」と「行動」をどう変えるか――。この記事では、誰でも、いつからでも実践できる"メンタル強化の習慣"を、公認心理士・臨床心理士の松島雅美がやさしく解説する『メンタル強めになる習慣』(フォレスト出版)から一部を抜粋して紹介します。

今回のテーマは「緊張したり不安になるのは"分からない"から」

緊張したり不安になるのは"分からない"から

ふだん生活していると、緊張したり不安になることが多々あります。

「初対面の人と会うときに緊張する」
「大勢の人の前でのプレゼンに緊張する」
「試験の前になると緊張する」
「新しい職場に異動しなければならないとき不安になる」
「新しい仕事を任されたとき不安になる」「将来を考えると不安になる」
「とくに心当たりのない腹痛が起きたとき不安になる」
「予期せぬ災害が起きたとき不安になる」
「いつもすぐに返信がある友達から連絡がないと不安になる」

こういったとき、なぜ人は緊張したり不安になったりするのでしょうか。

こうした緊張や不安には、すべて共通した原因があります。

それは、“分からない"です。

◎初めて会う人がどんな人か、どんなふうに思われるか"分からない"。
◎プレゼンがうまくいくかどうか"分からない"。
◎試験でちゃんと解答できるか"分からない”。
◎新しい職場がどんなところなのか"分からない”。
◎新しい職場の人たちと仲良くやっていけるか”分からない"。
◎新しい仕事をうまくこなせるか"分からない"。
◎将来がどうなるのか"分からない"。
◎なぜお腹が痛いのか"分からない"。
◎予期せぬ災害が起きて、自分はどうすればいいのか"分からない"。
◎友達から返信がない理由が"分からない"。

そして、場合によっては、〝分からない"ことすら"分からない”ために、不安になることもあります。

とくに、対人関係で不安や悩みを抱える人は多いようですが、人が心の奥で考えていることは、他の人には分からないものです。

人の感情は日々揺れ動いているため、正確に読み取ることは非常に難しく、だからこそ「こうすれば正解」といった確実な対処方法を見つけることができません。

その結果、不安が大きくなってしまうのです。

このように、人は“分からない”ことに対して、緊張したり不安になったりします。

そして、そもそも“分からない"のは、目の前の状況や未来の展開が〝見えていない"からかもしれません。

情報が不足していると、人は本能的に警戒し、不安を感じやすくなるのです。

"分からない"を減らすための「言語化」

しかし、これには強力な対処法があります。

不安は、言葉にすることで整理され、少しずつ明確になります。

そのため、不安や心配事が多くて気持ちが落ち着かないとき、「なにが不安なのか」「なぜ不安なのか」「どうすれば不安が減るのか」などを紙に書き出すことをおすすめします。

不安が漠然とした感情のままではなく、「目に見えるもの」として整理され、対処方法を考えやすくなるのです。

つまり"言語化"することで、"分からない"状態を減らし、不安をコントロールしやすくするのです。

とはいえ、常に不安を感じている人は、自分の不安を言葉にするのが苦手な場合があるかもしれません。

もちろん、言語化しても、すべてのことが明確になるわけではありません。

それでも、「じゃあ、こうしよう」「ここだけは分かった」と事実と考えを整理できれば、"分からない"ことを少しずつ絞り込むことができます。

そうすることで、次にどう動けばいいのか、なにをすればいいのかが見つけやすくなります。

アスリートが「ルーティン」を取り入れる理由

たとえば、野球の試合でバッターボックスに立ったとき、選手は緊張することがよくあります。

ヒットが打てるのか、三振してしまうのか、あるいはフォアボールで一塁に進むのか、結果が"分からない"からです。

そこで、バッターボックスに立つ前に、「バットを短く持ってみよう」「視線を上げよう」「1回深呼吸しよう」など、具体的な行動をあらかじめ決めておきます。

これは、「なにをすればいいかが分かっている」状態にすることで、“分からない”ことによる不安を軽減する方法です。

決まったルーティンを試合前に行うアスリートが多いのも、これと同じ理由からです。

視点を変え、やるべきことを明確にすることで、「分からない」状態から「分かる」状態へとシフトし、パフォーマンスに悪影響を及ぼす過度な緊張や不安を減らすことができるのです。

『メンタル強めになる習慣』(松島雅美/フォレスト出版)

「根性」や「ポジティブ思考」だけに頼らず、“ものの見方”や“日々の選択の仕方”を少し変えることで、自然にメンタルは強くなる。『メンタル強めになる習慣』では、支援現場で積み重ねてきた経験と、科学的根拠に基づいたシンプルで実践しやすい方法を紹介しています。ストレスや不安が強いときには、前向きに考えようとしてもうまくいかず、かえって自分を追い詰めてしまうことがあります。これは心理学や脳科学の先行研究からも明らかになっています。本書では、オリンピアンなどのアスリートや都内私立高校の必修科目としても導入されている「メンタルビジョントレーニング(R)」を、視覚機能に着目した、誰でもすぐに実践できるトレーニング法として紹介しています。


Share

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

Pick Up
Iapp
PR
未経験でも年収1,000万以上! 日本住宅ローンが“おもてなし採用”で求める人材とは?
  • PR
    Index.large
    【PR】黒一色で引き締まる洗練のスタイル - 超軽量ノートPC「FMV Zero」
Weekly Ranking
  • 1

    Large
    嫌な記憶が頭から離れないときに、"ポンポン"とたたくと効果的な体のある場所
  • 2

    Large
    やせるけど老ける、中高年の運動『最悪のタイミング』
  • 3

    Large
    江戸前寿司の名店「銀座久兵衛」、3代目主人は100年めへのバトンをいかにつなぐのか
  • 4

    Large
    三流の仕事しかできない人は見た目でわかる、「仕事ができない人の特徴」7選
  • 5

    Large
    日本は2位、富裕層から最も愛されているアジア・太平洋地域の旅行先とは