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メンタル不調がピークに達する、意外な年齢

JUN. 22, 2025 07:00
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メンタルは、"気の持ちよう"だけでは強くならない。大切なのは、「視点」と「行動」をどう変えるか――。この記事では、誰でも、いつからでも実践できる"メンタル強化の習慣"を、公認心理士・臨床心理士の松島雅美がやさしく解説する『メンタル強めになる習慣』(フォレスト出版)から一部を抜粋して紹介します。

今回のテーマは「社会人16年目以降にメンタル不調が増えている意外な理由」

社会人16年目以降にメンタル不調が増えている意外な理由

誰でもメンタル強めになれるとはいえ、どうしても自分ばかりがメンタル弱めに感じ、本当にメンタル強めな「頭の使い方」や「行動習慣」を身につけられるのか不安に思う人は少なくないかもしれません。

しかし、自分をメンタル弱めだと思っている人は、決してあなただけではなく周りにも多くいます。

そこで、メンタル不調に陥る人が多い現状にもかかわらず、適切な対処ができていない実態を具体的なデータで見ていきます。

また、これらの数字から、なぜメンタル不調が増えているのかということについても考えていきましょう。

ビジネスメディア「Manegy(マネジー)」の「『仕事のメンタル不調』と『部下のメンタル不調のフォロー』に関する実態調査」によると、44%もの人が社会人になって「メンタル不調」を経験しています。

さらに、そのうちの92.1%もの人が「メンタル不調に陥ったなか、無理をして仕事を続けた経験がある」と回答しています。

メンタル不調の原因は、「職場での人間関係」が最も多く、その数字は61.4%ととても高くなっています。

この調査で注目すべきなのは、「仕事が原因でメンタル不調を感じたことがある時期は?」に対する回答で最も多いのが、「社会人16年目以降」である点です。

その数字は55%、つまり2人に1人以上が「社会に慣れてから」メンタル不調を経験していることになります。

メンタル不調が増えているのかということについても考えていきましょう。

ビジネスメディア「Manegy(マネジー)」の「「仕事のメンタル不調』と『部下のメンタル不調のフォロー」に関する実態調査」によると、44%もの人が社会人になって「メンタル不調」を経験しています。

さらに、そのうちの21%もの人が「メンタル不調に陥ったなか、無理をして仕事を続けた経験がある」と回答しています。

メンタル不調の原因は、「職場での人間関係」が最も多く、その数字は61・4%ととても高くなっています。

この調査で注目すべきなのは、「仕事が原因でメンタル不調を感じたことがある時期は?」に対する回答で最も多いのが、「社会人16年目以降」である点です。

その数字は55%、つまり2人に1人以上が「社会に慣れてから」メンタル不調を経験していることになります。

若い世代よりも、仕事も人生もさまざまな経験を積んできているはずの30歳代後半から40歳代以上の人がメンタル不調に陥りやすくなっているのです。

この世代にメンタル不調が増えている理由のひとつとして、「個の尊重」「多様性」「自由」といった概念の影響が考えられます。

欧米では多様性という概念が自然に受け入れられていますが、日本に多様性という概念が本格的に広がり始めたのは2000年代に入ってからです。

そもそも日本人にはお互いを思いやり、尊重し合う文化があります。

とくにいまの40歳代以上の人は集団の調和を大切にする教育の中で育ち、多様性を前提とした生き方を学んでこなかった世代です。

にもかかわらず、突然、個の尊重を求められ、戸惑っているのかもしれません。

日本社会では、厳しい人間関係の中で学び、心を鍛えてきた側面があります。

もちろん、過剰な上下関係やいじめ、差別、男女不平等は論外ですが、厳しい状況に直面したときに試行錯誤しながら対処法を身につけ、精神的に成長してきたのも事実です。

しかし近年は、「個を尊重しましょう」「あらゆる選択は自由」という価値観が広まり、「嫌ならやらなくて良い」「リセットする」ことが容認されがちです。

このような風潮の中で、部下に対して注意をしたり、意見を伝えることさえも、ハラスメントになるのではないかと恐れて言いづらくなっています。

個の尊重が強調されるあまり、集団の調和が保たれなくなることもあります。

こうした背景があるため、試行錯誤する機会が減り、不安や緊張に直面した際に問題解決力を養うチャンスも少なくなっているのではないでしょうか。

現に40代以上の人たちは、「自由」をどう捉えるべきか悩み、会社というルールがある集団の中で、「多様性の世代」とどのように付き合うべきか、悩んでいます。

ハラスメントの概念の変化にどう対応すべきかなど、世代間の価値観の違いに戸惑い、メンタル不調を引き起こしている人も少なくありません。

同時に、「多様性の世代」の人たちも、問題が起きたときの適切な対処法を身に着ける機会がすくないために、メンタル不調を感じやすくなっているかもしれません。

『メンタル強めになる習慣』(松島雅美/フォレスト出版)

「根性」や「ポジティブ思考」だけに頼らず、“ものの見方”や“日々の選択の仕方”を少し変えることで、自然にメンタルは強くなる。『メンタル強めになる習慣』では、支援現場で積み重ねてきた経験と、科学的根拠に基づいたシンプルで実践しやすい方法を紹介しています。ストレスや不安が強いときには、前向きに考えようとしてもうまくいかず、かえって自分を追い詰めてしまうことがあります。これは心理学や脳科学の先行研究からも明らかになっています。本書では、オリンピアンなどのアスリートや都内私立高校の必修科目としても導入されている「メンタルビジョントレーニング(R)」を、視覚機能に着目した、誰でもすぐに実践できるトレーニング法として紹介しています。


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※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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