働く現代人の“見えない不調”を大麻成分が解決する - 近年注目の「CBD」とは?

うまく寝付けずに睡眠不足や寝起きのだるさを感じたり、どことなく不安な気持ちになったりしたことは、働く現代人の多くが経験済みではないだろうか? そのような「見えない不調」を解決する成分として期待が高まっているのが、「CBD(カンナビジオール)」だ。

CBDとは、植物の麻に含まれる天然成分「カンナビノイド」の一つ。海外では一般の消費者もCBDを含む商品を利用しているというが、日本では認知度も低く、法整備も厳格化されているのが現状だ。

今回はこのCBDについてのプレスセミナーに参加。さらにゼリー状のリポソーム型CBD「Lypo-C CBD」も実際に試してみた。知られざるCBDの概要と、人生初のCBD体験をレポートする。

「Lypo-C CBD」

CBDとはどんな物質なのか? 安全な理由とは

CBDが認知され始めたきっかけは、WHO(世界保健機関)が安全性を明確に報告したことだと、臨床CBDオイル研究会事務局事務局長根木孝朗氏は話す。「CBDは精神活性作用や依存性の可能性がない」という。

「麻に含まれているのに、中毒性がないのはなぜ?」と思う人もいるかもしれない。臨床CBDオイル研究会飯塚浩氏によると、上記で触れたカンナビノイドという成分は、体内の神経系や免疫系にある「カンナビノイド受容体」に作用してバランスを調整する役目がある。このカンナビノイド受容体に過剰に作用するのは、「THC(テトラヒドロカンナビノール)」という別の物質で、いわゆる「ハイになる・不安や恐怖感をもたらす」という副作用があるものだ。

一方CBDは、ストレスや老化、栄養障害で劣化するカンナビノイドの調整機能を底上げする成分。そのため、世界では「CBDが安全な物質である」という認識が広がっている。

スーパーやアパレルショップにも! 海外で一般的なCBDの日本での将来性

例えば海外で最も大きなマーケットを持つアメリカの事例を例にとると、医療の現場では過去10年間の研究論文に、CBDの利用が記録されているのだという。その利用目的は多岐にわたり、若年層の不安障害への対処法が一番に挙げられ、歯をはじめとする身体の痛みの治療や、抗がん剤としての使用、統合失調症や自閉症スペクトラム障害への対処など、様々なのだそう。

根木氏によると、海外では薬局やスーパー、サプリメント取扱店、スポーツ用品店にアパレルショップでもCBDを含む製品を取り扱っているほど一般的なトレンドとなりつつあり、その市場は拡大中だ。

※画像はイメージ

日本では、THCの含有率を規制する法律が2024年12月12日から厳格化。あいまいだったTHCの数値がはっきりしたことで、麻薬ではないCBD製品を生産することが可能になった。これまで小規模参入だった企業が本格的に力を入れ始め、市場が拡大する予測も見込めるとのことだ。日本では医療業界だけでなく、健康や美容の範囲でも普及していく可能性があると根木氏は話す。