トヨタが2025年度中に発売する新型「RAV4」には「コア」「アドベンチャー」「GRスポーツ」の3タイプがある。それぞれの特徴を押さえておこう。
パワートレインはハイブリッド化
RAV4は1994年に初代が発売となったトヨタのSUV。これまでに180を超える国と地域で累計1,500万台以上が売れた人気モデルだ。
通算6世代目となる新型はハイブリッド車(HEV)とプラグインハイブリッド車(PHEV)の2種類。先代モデル(現行型)には設定のあるガソリンエンジン車は廃止となるようだ。PHEVはトヨタ初搭載となる第6世代ハイブリッドシステムを採用。フル充電で150kmのEV走行が可能だという。
ウーブン・バイ・トヨタで開発を進めるソフトウェアづくりのプラットフォーム「Arene」を初めて採用しているところも新型RAV4の特徴。トヨタ初搭載の新世代マルチメディアを少し触ってみたが、ウィジェットが並ぶタブレットライクなタッチパネルは割とサクサク動いていたし、音声認識の精度は従来よりかなり向上している様子だった。
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マルチメディアの使い勝手、先進性ではテスラなど輸入車勢が先行している。「Arene」採用の新型「RAV4」を皮切りに「SDV」(Software-Defined Vehicle)の開発を本格化するというトヨタの今後には大いに期待したいところだ
新型「RAV4」のマルチメディアはサクサク使える? 動画で確認
GRスポーツの敷居が低いかも?
トヨタが新型RAV4に3つのスタイルを用意するのは、ユーザーの多様なニーズに対応するため。それぞれの特徴を見ていこう。
「コア」(CORE)ではボディ全体の塊で構成する「SUVハンマーヘッド」の採用によりタフさを表現。バンパー一体グリルで先進感と強さを立体的に表したとのことだ。
「アドベンチャー」(ADVENTURE)はオフロード感、ラギッド感をより強めたタイプ。ワイドトレッド化と専用ホイール・アーチモールで力強さが増している。グリルはシンプルな造形ながら縦比率の高い大型グリルを採用。ハンマーヘッドのノーズピークを高く設定することで、オフロード感の強いプロポーションを強調している。
「GRスポーツ」は「オンロード」の走りに特化して性能を向上させたモデル。ベース車両の「コア」と同時に開発を進め、空力を徹底的に追求したデザインにこだわったそうだ。PHEVと組み合わせると、最高出力320馬力の加速が味わえるとのこと。
コア比で+20mmのワイドとレッド化は見た目の迫力だけでなく、操縦安定性にも貢献。大きなリアスポイラーなどの効果もあって、スポーティーな雰囲気に仕上がっている。
GRスポーツと聞くと、走りに相当なこだわりのある人に向けたクルマなのではないかと身構えてしまうが、RAV4のGRスポーツは、ほかの2タイプがアウトドア派であるのに対しオンロード派、都会派といった感じの立ち位置で、街乗りメインの人が選びやすいモデルなのではないかと思えた。
なお、3タイプそれぞれの価格については現時点で非公表だ。現行型RAV4にあるガソリンエンジン車が新型ではなくなるので、少なくとも価格の最低ラインはそれなりに上がることになるだろう。