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5月の住宅ローン金利「フラット35」が引き下げ、子育て世帯は特にお得なその中身

MAY. 15, 2025 17:00
Text : 石倉博子
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5月の住宅ローンの金利は、大手銀行5行で、固定金利は引き下げ、変動金利は据え置きとなりました。全期間固定金利の「フラット35」の最頻金利も下がっており、変動金利との金利差が縮小していることから、「フラット35」を検討する人が増えるかもしれません。 そこで本記事では、「フラット35」の概要や、どんな人に向いている住宅ローンなのかを解説し、あわせて「フラット35子育てプラス」などの金利優遇制度もご紹介します。

「フラット35」の最新金利と今後の金利動向

フラット35の5月の金利は、借入期間21年以上35年以下の場合、前月から0.12%引き下げ年1.820%(最頻金利)、借入期間15年以上20年以下の場合、前月から0.12%引き下げ年1.430%(最頻金利)となりました。

2025年5月の最頻金利

  • 借入期間21年以上35年以下:年1.820%(前月1.940%)
  • 借入期間15年以上20年以下:年1.430%(前月1.550%)
    ※融資率9割以下、新機構団信あり

大手銀行5行の5月の金利は、10年固定型の住宅ローンの金利を引き下げ、変動型の住宅ローンの金利は据え置きとしています。2024年3月のマイナス金利政策解除からの金利の上昇基調に一服感が見られます。

5月の固定金利が下がった理由は

固定型の住宅ローン金利は10年物国債利回り(長期金利)を主な基準としています。5月の固定金利が下がったのは、この長期金利が2025年4月に入ってから下落傾向にあることを受けています。

長期金利の低下の一因としては、アメリカの政策の影響が挙げられます。特に、トランプ政権の高関税政策によって、世界経済の先行きに対する不確実性が高まっています。国内の経済・物価への影響を注視する必要があるとの判断から、日銀の追加利上げのタイミングが後ろ倒しになるとの観測が強まりました。このような見方が、長期金利の低下につながり、結果として住宅ローンの固定金利の引き下げに反映された形です。

今後の金利動向

日銀は現在の大規模金融緩和の状態からの正常化を段階的に進める方針を掲げています。一部には景気や賃金動向の鈍化、海外経済の不透明感から利上げの先送りを予想する声もありますが、日銀の基本的なスタンスは引き締め方向にあると見られます。今後、国内の景気回復や賃上げの進展が確認されれば、政策金利が再び引き上げられる可能性が高まります。

これまで長期にわたって低金利が続いてきたため、「金利が上がる」という実感が持ちづらい状況ですが、金融政策が永続的に緩和姿勢を続けるとは考えにくいため、中長期的には金利が上昇する可能性が高いと言えます。住宅ローン利用者は、今後の金利動向を注視する必要があるでしょう。

金利動向を気にする必要がない「フラット35」

金利の上昇を心配したくない人は、「フラット35」を選ぶといいでしょう。「フラット35」は、民間の金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供する最長35年の全期間固定金利の住宅ローンです。

  • フラット35の概要

「フラット35」がおすすめの人

次に当てはまる人はフラット35を検討してみるといいでしょう。

  • 金利の動向を気にしたくない人

借り換えや繰り上げ返済など、金利上昇リスクに柔軟に対応することが苦手な人、金利動向を気にしたくない人は全期間固定金利が向いています。

  • 安定した資金計画を立てたい人

完済まで月々の返済額が一定なので、将来の資金計画が立てやすくなります。

  • 勤続年数が短い人、正社員でない人

フラット35の借入審査には、勤続年数や勤務形態などの条件がないため、転職したばかりの人や正社員でない人でも借入しやすいのが特徴です。

  • 団体信用生命保険の加入が難しい人

民間金融機関の住宅ローンは団体信用生命保険(団信)への加入が必須となるため、健康状態に問題がある場合は、住宅ローンが利用できない場合があります。フラット35は団信の加入は任意なので、健康上の理由で団信に加入できない場合でも住宅ローンを利用できます。

「フラット35」の金利優遇制度

フラット35には、借入金利を一定期間引き下げる次のメニューがあります。

  • フラット35子育てプラス
  • フラット35中古プラス
  • フラット35 S(ZEHなど)
  • フラット35リノベ
  • フラット35維持保全型
  • フラット35地域連携型
  • フラット35地方移住支援型

その中で、子育て世帯を対象とする「フラット35子育てプラス」をご紹介します。

フラット35子育てプラス

「フラット35子育てプラス」とは、フラット35の申込者が子育て世帯、または若年夫婦世帯である場合に、子どもの人数などに応じて「フラット35」の借入金利を一定期間引き下げる制度です。

子育て世帯の条件は、借入申込年度の4月1日において18歳未満の子ども(胎児を含む)がいる世帯です。

また、若年夫婦世帯の条件は、借入申込時に夫婦(事実婚を含む)であり、夫婦のいずれかが借入申込年度の4月1日において40歳未満である世帯です。

子育てプラスは、子どもの人数などに応じてポイントが加算されていき、ポイントに応じて金利引き下げ幅が決まります。

  • 出所:住宅金融支援機構 【フラット35】子育てプラス

上記の表は「フラット35子育てプラス」のみのポイントの適用があった場合の金利引き下げ期間および金利引き下げ幅です。

金利引き下げメニューは組み合わせることができます。

例えば、子どもが1人いる世帯で、住宅性能がZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)の長期優良住宅を取得した場合、合計5ポイントとなり、当初5年間は年1%の引き下げ、6年目~10年目までは年0.25%の引き下げとなります。11年目以降は引き下げなしの本来の借入金利となります。

  • 出所:住宅金融支援機構 【フラット35】子育てプラス

このように、子育て世帯が質の高い住宅を取得すると、金利の引き下げ幅が大きくなります。他にも地方移住支援などがあり、これらの条件に当てはまると、金利の優遇が受けられるので、フラット35のWebサイトで利用要件を確認してみるといいでしょう。


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※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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