これまで何度も上がったたばこの税金ですが、2026年からまた増税されることが決定しました。さらに、JTは一足先に商品の値上げを決定しており、愛煙家にとっては痛い出費が続きます。今回はたばこ増税の内容やスケジュール、JTの値上げについて解説します。
2026年から始まるたばこ増税とは
防衛費の財源を確保するため、2026年からたばこ税の増税が実施されます。内容は大きく分けて、紙巻きたばこと加熱式たばこの税差の解消、たばこ全体の増税の2つです。
紙巻きと加熱式の税差解消
現在紙巻きと加熱式は税金が異なり、加熱式のほうが1本あたりおよそ5円ほど安くなっています。コストが安いことで加熱式を選んでいた方も多いでしょう。
しかし、2026年に加熱式の税金が引き上げられ、紙巻きとの税差が解消されます。
たばこ全体の増税
2027年からは、たばこ全体が増税されます。1年で1本あたり0.5円、1箱あたり10円高くなります。2027年、2028年、2029年と、3年連続で引き上げられていきます。
加熱式の増税には批判の声も
加熱式は、含まれる葉タバコの量が少ないことを背景に、税が紙巻きより低く抑えられてきました。しかし、今回の増税により、加熱式の税でのアドバンテージがなくなります。 欧州では加熱式タバコのほうが健康リスクを抑えられることから、税率が低く設定されています。今回の増税は、このような動きと逆行するものであると批判する意見もあります。
JTは一部のたばこ商品を2025年5月から値上げ
増税とは別に、JTの一部のタバコは一足先に2025年5月から値上げされます。対象の商品の一例は以下のとおりです。
- キャメル・クラフト・14・ボックス:430円→450円
- キャメル・クラフト・メンソール・5・ボックス:430円→450円
- メビウス・プレミアムゴールド・レギュラー・ウィズ用:480円→500円
紙巻きたばこの「キャメル・クラフト」の全18銘柄、インフューズドたばこの「ウィズ」用たばこカプセル全6銘柄が値上げ対象で、20円値上げされます。
増税も合わせると、喫煙家の方にはさらに大きな負担となります。
禁煙を成功させたらどれくらい節約できる?
たばこの価格は半分以上が税金であるうえ、今後も増税や値上げは続くと思われます。家計を守るために、禁煙をしてたばこの購入をストップしたいと考える人もいるでしょう。 たとえば毎日たばこ代として450円支払うとすると、1カ月で約1万3,000円、1年で約16万円の出費になります。禁煙をすれば、この出費がなくなる分、家計が楽になります。
たばこ税は今後も増税される可能性が高い
財務省は、たばこ税の税収とたばこの販売量の推移を公表しています。 たばこの販売数量は、平成9年をピークに右肩下がりになっているにも関わらず、たばこの税収は毎年2兆円前後をキープしています。
販売数量が減っていく分を税率を上げることにより、税収ダウンを防いでいる仕組みです。少子高齢化でたばこの販売数量は伸びないと思われるため、たばこ税は今後さらに増税される可能性が高いでしょう。