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金利上昇時代、住宅ローンは「変動」「固定」どちらがいい?

APR. 30, 2025 07:00
Text : 望月悠木
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日銀のマイナス金利政策の影響で、日本では低金利の時代が長く続いてきた。しかし、2024年3月に日銀がマイナス金利を解除、17年ぶりの利上げに踏み切り、その後も2024年7月、2025年1月と利上げが繰り返されてきた。

利上げが継続していきそうな現在、住宅ローンを検討している人にとっては悩ましい状況だ。金利上昇リスクを回避するため固定金利を選ぶべきか、それとも現時点での金利の安さを重視して変動金利を選ぶべきか。金利タイプの選び方について、日本住宅ローン株式会社の担当者に話を聞いた。

結局、どちらを選ぶのがお得?

まず、現在の金利状況はどうなっているのだろうか。

「2025年4月時点で変動金利は一般的に0.70%~1.00%、固定金利のフラットは1.90%となります。変動金利は借入期間中の金利が変動する代わりに、固定金利より金利が低いのが特徴です。『少しでも返済額を減らしたい』『金利がそこまで上昇しないだろう』と考えて、金利上昇局面の中でも、変動金利を選ばれる方も多くいらっしゃいます。」とのこと。

ただし、「金利のある世界」に突入したことに合わせ、ずっと金利が変わらない安心感から固定金利を選択する人も増えているそうだ。

金利上昇リスクが不安視される現在、ズバリどちらがお得なのだろうか。

「金利が毎年0.3%ずつ上昇して、5年で約2%に達した場合、総返済額は変動金利よりも固定金利のフラットのほうがお得、という試算結果になります。とはいえ、金利が将来的にどこまで上がるのかは現状誰にもわかりません。そこまで上がらない可能性もあるため、変動金利のほうがお得なケースも想定されます。」

金利上昇の程度をどのように考えるか、よりお得になる可能性を取るか・安心を取るかなどによって、金利タイプの選択は異なってくると言えそうだ。

  • 金利のある世界に突入したことで、固定金利を選択する人も増えている

変動金利を選ぶ際、注意したいポイント

そのうえで、変動金利を選ぶ場合には気を付けたいポイントがあるという。

「金利上昇局面だからこそ、気を付けてほしい点があります。それは、変動金利の住宅ローン特有のルール『5年ルール』『125%ルール』の存在です。」

「『5年ルール』は金利が上昇しても毎月の返済額が増えるのは5年後と、一見安心に見えますが、例えば、金利が5年目まで毎年0.5%ずつ上昇した場合、5年目の返済はほぼ利息のみの返済となり、元金はほとんど減りません。5年が経って『5年ルール』が終了すると、今度は『125%ルール』が適用されます。前回の返済額の125%を超えてはならないルールで、返済額の急上昇におびえなくていいように見えますが、こちらも要注意です。『5年ルール』と同様に、利息部分が大きくなるため、元金の返済がさらに遅くなります。」

さらに、金利が5年目まで毎年0.75%ずつ上昇した場合は、毎月返済額を利息が超えるため、未払い利息も発生し、元金の返済が一切進まなくなるとのこと。最後の返済時には多額の現金返済が必要となる可能性もあるそうだ。

「当社の住宅ローンの利用者からは、変動ローン特有のルールである『5年ルール』『125%ルール』について、多くのお問い合わせを頂戴しております。『こんなに金利が上昇するなら変動ではなく、固定にしておけば良かった……』というお客様も多くいらっしゃいます。」

「常に金利上昇リスクを抱えている変動ローンは、将来の返済計画をしっかりと立て、金利が上昇した場合は随時返済計画を見直しする必要があります。」

団信の保障内容、丁寧に確認を

他にも注目すべきポイントはあるのか。担当者によれば「団信(団体信用生命保険)」という保険制度の内容をよく吟味する必要があるという。

「最近は様々な金融機関がこの保険制度の保障内容の充実を図っており、金利以外のポイントとして重要になってきています。」

「保障内容で一番人気なのが『がん団信』。通常のがん団信はがんが発見されると住宅ローン残高が0円となりますが、当社ではユニークながん団信を提供しております。毎年、希望者にはがん検査キットをお届けし、万が一がんが見つかった場合は治療費として100万円を給付、治りにくいがんの場合は住宅ローン残高を0円にする保障内容となっております。がんを早く見つけ出して、早期治療をしていただき、購入した家で幸せに暮らしてほしいという願いを込めており、お客様から非常に好評をいただいております。」

団信以外にも、印紙代がかからない電子契約でローン契約を締結できることや、借入期間を最長50年に延ばせること、繰り上げ手数料が無料であることなど、大事な確認ポイントは多いそうだ。

さまざまな商品を比較し、自分にあった選択を

固定金利と変動金利、それぞれのメリットとデメリットを踏まえつつ、最後に大事なのは"自分に合った"商品を選ぶこと。担当者は「さまざまな種類のローン商品を比較・検討してほしい」とアドバイスしてくれた。

「固定金利のフラットは、現在金利引下げ制度を実施しており、子育て世帯や質の高い住宅の場合、当初5年間金利が最大1%引下げされます。このように家族構成や購入する住宅によっては、固定金利であっても、よりお得に借入することができます。」

「また、弊社では、固定金利か変動金利かの決断を5年後に先延ばしにできる『5年待てるローン』を提供しています。当初はお得な固定金利のフラットでお借り入れいただき、その後世の中の金利が大きく上昇した場合は固定金利のフラットを継続、そこまで上がらなかった場合は変動金利に無審査で借入当初にお約束した金利優遇幅で切り替えができるローンとなっております。金利上昇が不安な今だからこそ、お客様からは安心して借り入れできると好評いただいております。」

金利上昇時代を迎え、各金融機関によってはさまざまな工夫を凝らした住宅ローン商品を展開している。自身のライフプランやリスク許容度に応じて、じっくり検討し、自分に合ったローン商品を選択していきたい。


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※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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