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トランプ関税でS&P500は乱高下、持ってる人は売った方がいい?

Updated APR. 24, 2025 15:41
Text : 石井僚一
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4月3日のトランプ関税の発表後、各国の株式市場が乱高下しています。近年資産運用や投資を始めた方の中には、気が気でない方もいるのではないでしょうか。

しかし今回の変動程度なら、例えばS&P500の投資などはやめる必要はありません。もし不安が残るなら、投資金額が多すぎる可能性が否定できません。トランプ関税問題でS&P500への積立投資などをやめるべきではない理由などを解説します。

トランプ関税発表で乱高下する株式市場

4月3日に発表されたトランプ関税は、対立する中国だけでなく同盟国の日本などにも厳しい内容であり世界に衝撃を与えました。その発表を受けて各国の株式市場は急落。前日2日に35,000円台で取引されていた日経平均は下落が進み、週明け7日には一時30,000円台まで急落しました。

その後トランプ大統領から、中国を除き関税の90日間延期が発表されると、株式市場は急速な戻しを見せるなど、トランプ関税の発表後に株式市場は乱高下しています。

S&P500指数も急落

株式市場の急落はトランプ大統領のお膝元の米国でも発生しました。米株価指数の中では比較的安定した値動きで知られ、投資信託などでの資産運用先としても採用されるS&P500指数も急落。5,500~5,600ポイントの水準から、7日には4,800ポイントの水準まで一時的に下落しました。9日に急反発し5,400ポイントを回復したものの、冷や汗をかいた投資家もいるのではないでしょうか?

トランプ関税後の混乱は改めて資産運用の基本を振り返る機会に

資産運用の基本は投資信託などに対する、長期・分散・継続の投資です。トランプ関税発表後の株式市場の混乱は、過去のリーマンショックやコロナショックに比べ軽微であり、資産運用をやめるレベル感ではありません。

今回の株式市場の混乱で資産運用が不安になるなら、ポジションの持ち過ぎ=投資金額が多すぎる可能性もあります。夜眠れない程のポジションを持ってはいけない、という相場格言がありますが、資産運用も同様です。資産運用は基本的に余剰資金で行うものです。余剰資金なら相場の急変で運用資産が大幅に含み損となっても実害はそれ程ないため、ユッタリと長期視点で資産運用を考えられます。

新NISAスタートで経験の少ない投資家も増える中で、今回の株式市場の混乱は、資産運用の基本を振り返るよい機会となるのではないでしょうか。

暴落があってもS&P500の積立投資を継続するべき理由

S&P500はアメリカの主要上場企業500社で構成される指数であり、500社の時価総額の加重平均で算出されます。時価総額の高い銘柄の寄与度が高いものの、高い時価総額の企業は時代とともに変化します。ナスダック総合指数はIT銘柄中心の構成であり、IT業界の好調な時は良好なパフォーマンスとなる一方、大型株中心の相場状況の時はパフォーマンスが落ちるのに比べると、パフォーマンスは安定します。

株価上昇は企業の成長が背景にありますが、米国経済は過去100年以上に渡り成長が続いています。そして1927年から現在までのS&P500の平均リターンは約6~7%であり、一時的な下落期間はあっても、長期的に見れば右肩上がりの状態が継続中です。トランプ関税による一時的な混乱で、S&P500への投資を止めるのは気が早過ぎます。

トランプ関税問題により、米株式市場に混乱が生じていますが、経済危機や金融危機が発生した訳ではありません。早期に株価が戻るかは分かりませんが、少なくとも経済実態の急速な悪化や信用収縮などはないため、あせることなく淡々と投資を続けられる状態にあります。

下落は速く上昇はノンビリ、というのが相場の傾向

相場は、下落時のスピードは速く上昇はノンビリ進む、という傾向があります。また今回のトランプ関税問題のような、一時的な株式市場の下落はしばしば発生します。

個別株投資で業績が悪化している銘柄などは、急落後に株価は戻らず長期低迷……というケースが少なくありません。ただし資産運用において重宝されるS&P500は、長期的に見ると着実な上昇が続いています。

長期・分散・継続という資産運用視点でS&P500指数に投資しているなら、トランプ関税問題の影響による資産額の減少に影響されず、淡々と投資を続けることで報われる可能性は高いです。ただし投資金額が多すぎるなど、心配で夜も眠れないなら、資産額の減額やポートフォリオの見直しなどが必要です。

トランプ関税問題は株式市場の急落継続や実体経済の急変などは招いていないため、資産運用の足元を振り返る、ちょうどよい機会となるのではないでしょうか。


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※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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