1996年~2001年に販売されたトヨタ自動車「チェイサー」(100系)の中でも“最強”といわれたのが、当時の規制値いっぱいの最高出力280PSを発生する「1JZ-GTE型」2.5L直列6気筒ターボエンジンを搭載した「ツアラーV」だ。このクルマ、KINTOで借りられるらしい。
フツーな個体は珍しい?
「チェイサー ツアラーV」の4ドアハードトップのボディは全長4,715mm、全幅1,755mm、全高1,400mm、ホイールベース2,730mm。丸目4灯のヘッドライトを持つ顔つきと同じく丸目4灯のテールランプ、5MTと四輪ベンチレーテッドディスクブレーキなど、走り屋を満足させる出立ちと装備が若い人たちに受け、「マークⅡ3兄弟」といわれた「マークⅡ」「クレスタ」と比べても断然人気があったという。
「ノスタルジック2デイズ2025」の会場には、トヨタ系の「ヴィンテージクラブ by KINTO」がレンタカーとして仕上げた「チェイサー ツアラーV」が展示されていた。
話を聞いたKINTO総合企画部の上杉梓主任によると、「このチェイサーはヴィンテージクラブのラインアップに新しく追加した1台で、今回初めて皆さんに披露したものです。チェイサーはドリフト車とかシャコタンのイメージがあります。こうした綺麗なノーマル然とした個体は、若い人にも『珍しいね、いいね』と思ってもらえるかもしれません」という。
足回りにも細かな工夫が!
確かに、内外装は新車のような仕上がりで、ホワイトのボディはまさに当時のまま。フルレストアが行われており、外装の白はオリジナルの色で全塗装してある。また、「元々はTRDスポーツ仕様だったエアロパーツは、サイドはそのままなのですが、前後を純正のエアロに付け替え、さらにテールランプを後期型LED(社外品)に換えて、リアウイングを取り外すことで、しっとりとしたイメージに仕上げました」とのことだ。
足回りでは車高調を入れてノーマルより数センチだけ低くして見栄えの良いバランスをとり、それに合わせてホイールは欧州向けの「カローラスポーツ」用を装着。欧州仕様なので剛性が高いうえ、現代の小型車のホイールを当時のクルマに取り付けると径が大きく見えてマッチするはず、という判断からだ。
1JZ-GTE型エンジンもしっかりとオーバーホール済み。マフラーはフジツボ製できめている。エンジン単体をベンチテストで回し、280馬力が間違いなく出ていることを確認するとともに、各部からオイル漏れなどがないこともチェックしたという。
当時を知る50~60代のドライバーだけでなく、チェイサーに乗ったことのない20~30代の若者にもしっかりアピールできる仕上がりだ。