エイチ・アイ・エス(以下、HIS)は、今年のゴールデンウィーク(2025年4月25日~5月6日、以下GW)の旅行動向について4月3日に発表した。調査は、HISの予約状況から対象出発日(2025年4月25日~5月6日)の旅行の申込み者を対象に、3月24日に行われた。
はじめに、海外旅行予約者数全体では前年同期比で96.9%と、前年から3ポイント減となった。今年は暦通りの休みの場合、最大で4連休と短く、近場の旅行先に人気が高く、長距離路線での最高位はパリの14位でした(前年7位)という結果に。
旅行日程は、「4日間」の割合が全体の24.2%と一番多く、次いで「5日間」(16.5%))、「3日間」(13.4%)と、旅行者の半数以上(54.1%)が4日間前後での旅行を選択していることがわかった。
今年のGWは後半の4連休を海外旅行に充てる傾向が高く、最も多い出発日は4連休の初日となる「5月3日」で、次いで「5月2日」が多く、帰国日としてはGW最終日となる「5月6日」、次いで「5月5日」だった。海外旅行の平均単価は前年比ほぼ横ばいとなる100.5%の20万3,000円となっている。
旅行先については、順位の変動はあるものの、1位~8位までは前年と同じ旅行先が並んだ。1位には3年連続でソウルがランクイン。年代別でみれば「20代」が一番多く26.8%と、引き続き若年層から高い支持を得ている。次いで、2位には「台北」、3位には「バンコク」が続いた。
9位、10位にはビーチを楽しめるケアンズ、セブ島がそれぞれ前年より大きくランクアップ。それぞれコンパクトに観光ができ、短い日程でも満足度が高い旅行がしやすいことや、LCCが就航しており価格の選択肢が多いことなどが選ばれる理由にあげられる。
前年からの伸び率が急上昇した旅行先としては、昨年11月末よりビザ免除措置が適用された中国の上海が前年比262.3%と大きく伸びた。ツアーでみれば、市内観光と食事が付いた満喫プランや上海ディズニーリゾートのチケットが付いたプランが人気。3位にはマドリードがランクイン。マドリードだけでなくスペイン国内を周遊する人が多く、なかでも往路の到着空港がマドリード、復路の出発空港がバルセロナとする行程での予約が多くなっている。バルセロナにある世界遺産サグラダ・ファミリアは2026年に完成予定で、建設途中を見ることができる期間はあと僅か。
国内旅行予約者数全体では前年同期比で109.2%。平均単価は前年同期比97.9%の9万7,300円となっている。出発日としては海外旅行の動向と同様に4連休の初日となる「5月3日」が群を抜いて人気。次いで「4月26日」、「4月27日」が続いた。帰りは「5月5日」が最も多く、次いで「5月6日」となり、GW後半の2日間はUターンで混雑が予想される。
上位10位までは順位もほぼ変わらず前年と同様の旅行先が並び、いずれも、前年より予約者数が伸びる県が多いなか、4位の東京都はインバウンド需要の増加により、ホテルの宿泊費が高騰したことや取りづらくなったことも影響し、前年を割った。千葉県、神奈川県が前年同期比で二桁増となっていることから、隣県を選ぶ人が増加したと考えられる。
前年からの伸び率が急上昇した旅行先としては、高知県が1位に。レンタカーを利用し四国周遊をする玄関口として、高知県から入る人が多くみられた。