マンションリサーチは、有楽町線延伸が不動産業界に与える影響についての考察を3月7日に発表した。
有楽町線の延伸計画は、東京の交通インフラを強化し、利便性を向上させるために進められているプロジェクト。この計画によって、豊洲駅から住吉駅までの約4.8キロ区間が2030年代に延伸される予定。また、本計画は利便性の向上だけでなく、東京メトロの他の路線やJRなどの交通量の緩和を目指しており、通勤・通学時間の混雑解消にも貢献すると考えられている。これを受けて、マンションリサーチは有楽町線延伸がマンション市場に与える影響について考察を発表した。
まず、住吉駅周辺の中古マンション相場について、住吉駅周辺では高騰しながら推移してきたものの、最近ではやや踊り場感が見られると考察した。株価上昇に伴い中古マンション価格が高騰する環境下にあったこと、住宅ローン金利が低い状態で購入需要を促進していたこと、コロナ化で中古マンション供給量が減少し、相対的に需要が高まったこと、などが高騰の理由としている。
豊洲駅周辺の中古マンション相場はいまだに勢いを保ったまま高騰し続けている。吉住駅で述べた上記の3つの理由に加え、湾岸タワーマンション自体に過剰な需要が発生しているためと考えられる。
また、新駅「千石駅(仮)」・「枝川駅(仮)」周辺マンション相場については、一般的に駅近のマンションはニーズが高く、価格が高くなることから、新駅が出来る事で、交通利便性が向上し、その駅周辺は駅近から順に価格が引き上げられやすくなると予測される。
建設予定の新駅「千石駅」の西側は2024年においても、価格の高騰が見られるのに対し、東側はむしろ横ばいもしくは下落。一方で新駅が出来る事で周辺エリアニーズが高まるため、むしろ東側の駅近は、将来性を見ると割安になると考えられる。
新駅「枝川駅」周辺の高騰率については、「枝川駅」周辺は2024年(対2023年)に高騰しているため、現況でもある程度ニーズがあることが分かる。一方で隣接駅となる東陽町駅と豊洲駅程は高騰していないため、本エリアは相対的には割安になると予想される。