世界最大規模の世論調査会社イプソスは、住宅に関する意識や希望調査を実施した「イプソス住宅モニター2025」の結果を2月19日に発表した。調査は2024年11月22日~12月6日の期間、日本を含む世界30か国22,279人を対象に行われた。
はじめに、自国が直面している最大の住居関連の問題は何か尋ねると、日本では「税金が高すぎる」と回答した人が52%にのぼり、30か国平均の28%を大きく上回った。不動産価格や賃貸料の高さを課題とする国が多い中、日本では税負担の重さが特に問題視されていることが明らかに。特に、日本の税負担への課題感は他国と比べても際立っており、2位のイタリア(42%)と10ポイントの差をつけて1位となった。また、住宅供給不足やホームレス問題を懸念する割合は比較的低く、日本の住宅政策においては、税制の見直しが喫緊の課題となっていることがうかがえる結果になった。
世代別に見ても、日本の住宅関連の最大の課題として、ベビーブーマー世代を除く全世代が「税金が高すぎる」を挙げていることがわかった。特にミレニアル世代では「税金が高すぎる」が59.4%と最も高く、ベビーブーマー世代との差は約15ポイントとなり、世代間での認識の違いが明らかに。一方、ベビーブーマー世代のみ「住宅建設費が高騰している」(55.4%)が1位となり、税金(44.3%)は3位にとどまっている。
世界の賃貸人のうち「マイホームを持ちたい」と考える割合の平均は71%であるのに対し、日本は42%と最も低い結果となった。また、「今後、家を買う余裕ができるとは思えない」と考える賃貸人の割合は68%と、ドイツ(70%)、オーストラリア(69%)に次いで3位に。日本では、持ち家取得を希望する人が少ないだけでなく、経済的な理由から取得を諦めている人が多い可能性があると推察される結果になった。