企業や組織運営する上で、情報システムは欠かせないものになりました。情報システムを多用している企業は利便性の向上と引き換えに、情報漏洩やサイバー攻撃被害などのリスクを抱えることになるため、セキュリティシステムを構築する必要があります。
セキュリティシステム構築の基本となる製品が「ファイアウォール」です。この記事では、おすすめのファイアウォールをご紹介します。
30秒で分かる「ファイアウォール」
ファイアウォール(Firewall)とは、企業の内部ネットワークを不正アクセスから守るためのセキュリティシステムです。
WANの発展により、Web経由で内部ネットワークに侵入できるようになり、データ改ざんやサイバー攻撃が行われるようになりました。そのため、セキュリティ対策として製品が開発されたのです。
ファイアウォールは、送信されてきたパケットデータを接続するか判断していき、不正データを発見した際に、管理者に通報する仕組みになっています。
「ファイアウォール」でおすすめ4製品を徹底比較
独自開発システムで未知のウイルスも検出「FortiGate」
株式会社ピーエスアイ
- 価格:お問い合わせ
- 提供形態:オンプレミス型、クラウド型
- 対象従業員規模:全規模
- 導入までの期間:お問い合わせ
FortiGateは、独自開発のスキャニング高速処理技術「FortiASIC」と専用OS「FortiOS」により、アンチウィルスやコンテンツフィルタリングをリアルタイムに行える製品です。
プログラムコードの動きを見てウイルス検出を行う技術「Heuristic」で、未知のウイルス検出もできます。高度な検出技術で独立機関による認定や世界有数の調査会社であるガートナー社から、ファイアウォールのリーダー企業と評価されています。
高度な検出技術が魅力の製品ですが、契約は機器単位のため運営コストを抑えられる点も魅力的です。
コンテンツ配信速度を落とさないセキュリティ「CDN square」
アクセリア株式会社
- 価格:お問い合わせ
- 提供形態:クラウド型
- 対象従業員規模:全規模
- 導入までの期間:お問い合わせ
CDN squareの提供会社アクセリアは、大量データのWebコンテンツ配信プラットフォームを提供している会社です。
デジタルマーケティングを実施する企業が増えて、大規模コンテンツ配信やクラウドサービスの導入が進んでいますが、このような最先端技術にも考慮されたセキュリティ製品です。
ブラウザサイドでコンテンツ取得先の切り替えが行えるマルチCDNを採用しているため、セキュリティを強化しながら、コンテンツ配信の速度を維持できます。通信速度の速いコンテンツは顧客満足度を上げることができ、売上につながります。そのため、大量データのWebコンテンツを配信する場合におすすめの製品です。
IT担当者が不在でも負担なくUTM導入が行えるセキュリティ製品「Untangle」
ウェアポータル株式会社
- 価格:年間18万円~(※ライセンス数12、1年契約の場合)
- 提供形態:オンプレミス型
- 対象従業員規模:全規模
- 導入までの期間:お問い合わせ
Untangleは、シンプルな管理画面が特徴的なファイアウォールシステムです。管理画面やレポート画面に表示されるグラフは、多くの企業で使用されているExcelに寄せられて開発されており、IT担当者でなくても管理・運用しやすくなっています。
Untangleのマニュアル類は英語ですが、ドキュメントが充実している部分が高く評価されている製品です。Untangleもトライアル版が用意されているため、英語で問題なく使用できるかを体験してみましょう。トライアル時でも、手厚いサポートが受けられると高く評価されています。
ワンストップのサポート体制「ビジネスセキュリティ(VSR)」
株式会社 USEN ICT Solutions
- 価格:お問い合わせ
- 提供形態:オンプレミス型
- 対象従業員規模:全規模
- 導入までの期間:お問い合わせ
ビジネスセキュリティ(VSR)の提供会社USENは、2001年に民間企業で世界初の商用光ファイバーを提供して注目を集めました。その結果、光ファイバサービス「USEN GATE 02」は約4万社に導入されています。
現在は、ネットワークやセキュリティ、クラウドサービスを統合的に提案できる強みを活かして、マルチサービスベンダーとして企業の課題解決してもらえるため、安心できるでしょう。
ビジネスセキュリティは、複合的な機能を持った専門機器をレンタル導入して利用します。ファイアウォールなど、数多くの機能から必要な機能を選ぶことができます。
ファイアウォールの主な機能
ファイアウォールの主な機能として、フィルタリング機能とNAT機能があります。
フィルタリング機能は、発信元や通信情報を選別して、不正な通信を遮断する機能です。
NAT機能は、プライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスの切り替えができる機能です。このようにIPアドレスを切り替えることで、社内の複数台のネットワークを安心して接続することができます。
製品比較のポイント4つ
おすすめのファイアウォールをご紹介しましたが、導入すべき製品は企業で異なります。そのため、製品の比較方法について理解を深めておきましょう。
1、セキュリティ製品の違いを理解する
ファイアウォール製品をご紹介しましたが、製品は、ファイアウォール、次世代ファイアウォール、UTMに分類できます。それぞれの製品の違いを理解しておきましょう。
ファイアウォール…企業内部ネットワークを不正アクセスから守るためのシステム
次世代ファイアウォール…セキュリティ監視機能が盛り込まれたシステム
UTM…ファイアウォールを含む、数多くのセキュリティ機能を搭載した製品
2、オンプレミス型かクラウド型かを決める
ファイアウォールには、オンプレミス型とクラウド型の2種類があります。それぞれのメリット・デメリットを理解した上で製品を導入しましょう。
・オンプレミス型… 自社基準の高いセキュリティレベルを追求できて、完全オリジナル仕様にできます。高いセキュリティ要件が求められる金融業界などではオンプレミス型が導入されています。
・クラウド型… 導入時間が短くて済み、導入コストも安いです。クラウド上で管理することで、問題が検出された場合は速やかに対処してもらえます。
3、製品のパフォーマンスを比較する
外部アクセスのデータがファイアウォールを通過するため、製品に高いパフォーマンスが求められます。パフォーマンス次第では、VPNの通信速度が下がるため注意しなければいけません。
大量のWebコンテンツを配信している企業などは、通信速度の低下は離脱の原因になるため、製品のパフォーマンスを比較しましょう。
4、運用管理が行いやすいか
ファイアウォールを導入して安心してはいけません。セキュリティ状況や通報を正しく理解する必要があります。そのため、運用管理が行いやすい製品を導入しましょう。
新たに製品を導入すると、想像以上に操作に慣れるまで工数がかかります。そのため、管理画面の見やすさや、レポーティング機能が充実しているかも確認しておきましょう。
まとめ
情報漏洩やサイバー攻撃被害などのリスクに備えてセキュリティシステムを構築することが大切です。その基本製品となるのがファイアウォールです。
ファイアウォールでも高度な検出技術を持つ製品や、運用管理がしやすい製品など、それぞれ特徴が異なります。そのため、製品を比較して自社に見合ったものを導入しましょう。