新しいもの好きなシンガポール人に人気の熟成古酒
「シンガポールの方に日本酒の魅力を伝えるには、そのストーリー性がとても大事です。友人宅に手土産として持って行った際、お酒の話題で会話が盛り上がるかどうかが重視されますので」。
このように話すのは、シンガポールに3店舗を展開する高級スーパー「明治屋」の古﨑秀和氏(明治屋シンガポール有限公司 常務取締役 兼 株式会社明治屋 執行役員)。
シンガポールで事業を開始して45年を迎える「明治屋」は、2023年11月から日本産のお酒専門の販売店「MEIDIYA-SAKE&SPIRITS」を現地で運営しており、日本酒の蔵元が参加する試飲会なども定期開催しています。
古﨑氏は「シンガポールの方は新しいものが好きな国民性なので、日本酒ファンであっても毎回同じお酒を買うことは少なく、常に新しいトレンド酒を購入されます」と説明します。
そんな古﨑氏が現地で評判の酒のひとつとして挙げるのは、「龍力」などを醸す本田商店(兵庫・姫路市)の「熟成古酒1999」(2,750円 720ml ※本田商店の通販サイトでの価格)。
「3年前くらいは香りの華やかな純米大吟醸が人気でしたが、最近では山廃仕込みや熟成古酒、にごり酒なども注目されるようになってきています」(古﨑氏)。
日本酒の酒米の王様と言えば「山田錦」ですが、「龍力」(本田商店)は全量、最高品質である兵庫県特A地区産のものを使用。さらに特A地区の中でも、最高品質の山田錦が栽培される<社地区、東条地区、吉川町>の3つの地域の特性を活かして、テロワールを意識した酒造りをしているのが特徴です。
「実際に3地区の味の違いまで分かる方はいらっしゃいませんでしたが、土壌研究や酒米へのこだわりといった蔵のストーリー性が好評で、ボリューム感のあるわかりやすい熟成酒の味が、イベントでとても人気でした」と古﨑氏。このお酒は「龍力」のオンライン通販サイトでも販売されています。
今回ご紹介した3つは、これからのお花見や春の行楽ピクニックなどにも合いそうなお酒ばかり。特に「龍力」の「熟成古酒1999」は桜道明寺やみたらし団子にも合うでしょう。文字通り、「花より団子」の人にもおすすめ! インバウンド観光客にもおすすめしたい、日本の誇るべき日本酒を、ぜひこの機会にチェックしてみましょう!