メルセデス・ベンツ日本は新型「AMG GTクーペ」を発売した。高性能ブランド「AMG」の完全独自開発によるスポーツカーで、価格は2,750万円。世の中に2人乗りや5人乗りのクルマは多いが、新型GTクーペは基本が2人乗りで、オプションで後席を取り付ければ2+2になる変わった1台だ。

  • メルセデス・ベンツ「AMG GTクーペ」

    メルセデス・ベンツ日本が新型「AMG GTクーペ」を発売! 納車開始は2024年4月下旬の予定

AMG GTクーペってどんなクルマ?

GTクーペはメルセデスAMGのトップパフォーマンスモデル。今回は9年ぶりのフルモデルチェンジとなる。

新型AMG GTクーペはAMGが「One Man, One Engine」の原則に則って生産した4.0LのV型8気筒ツインターボエンジン「M177」を搭載。最高出力585PS、最大トルク800Nmという圧倒的な動力性能を発揮する。ちなみに、M177は「Sクラス」や「Gクラス」のAMGモデルも搭載しているが、GTクーペのエンジンにはオイルパンを刷新するなどさまざまな改良を施したとのこと。

  • メルセデス・ベンツ「AMG GTクーペ」
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  • モデル名は「メルセデスAMG GT 63 4MATIC+ クーペ」。ステアリングは左。価格は2,750万円。新車発表会に登壇したメルセデス・ベンツ日本の上野金太郎社長は同モデルのライバルは何かと聞かれ、「いっぱいあります。PとかFとか」と話していた。たぶん、ポルシェとフェラーリのことだろう

新型AMG GTクーペの標準モデルは2シーターだが、オプションで「可倒式リアシート」を装着可能。これを取り付けると4人乗車が可能な2+2になる。ラゲッジルームの容量は標準の2シーター仕様で321L(欧州参考値)。可倒式リアシート装着時は後席を倒すことで675Lに拡大する。

  • メルセデス・ベンツ「AMG GTクーペ」
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  • 「可倒式リアシート」はオプション設定。安全上の理由から後席の対応身長は150cm以下、チャイルドシート装着時は同135cm以下となる

「あくまでAMG GTクーペの走りにこだわりたい。車重が重くなりそうだから後席は不要だ」とおっしゃる方にお伝えしたいのだが、このクルマの商品担当に話を聞いたところ、オプションで付けられる後席の重さはたったの20kgくらいであるとのこと。持ってみることができなかったので確認できてはいないのだが、わずか20kgというのが本当なら、装着してもそこまで走りに影響が出ないのではないだろうか。

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    4人乗りも選べるようになったことから、「AMG GTクーペ」の間口は従来よりも広がったのではないだろうか。どんなにお金を持っていても、「2人乗りのクルマはNG」と家族などに言われている人はいると思われるからだ。クルマを何台も買える人には関係ない話かもしれないが……

意外? 普段使いもOKなんです

見るからに速そうで足回りはガチガチなのではないかと想像してしまうAMG GTクーペなのだが、メルセデス・ベンツ日本の上野社長によればこのクルマ、意外にも「デイリーユース」でも問題なく乗れてしまうそうだ。

「スポーツ性能を求める方はもちろんですが、今回の新型はサスペンション回りにも注力しています。通常、スポーツカーというと『ハードな感じ』が先行するのですが、このクルマは乗ってみると、デイリーユースにも使えるくらいのコンフォート感があります。スポーツカーが欲しいけど普通の使い勝手も求めたいという方にもオススメできる、お客様を選ばないクルマになっていると思います」(上野社長)

「Slippery(滑りやすい路面)」「Comfort」「Sport」「Sport+」「RACE」「Individual」の6つから走行モードが選べるAMG GTクーペ。商品担当によれば、コンフォードモードの「コンフォート具合」はかなり向上しているそうで、このモードに入れたときの乗り心地の違いは明確だという。このあたりも「普段使いもできるスポーツカー」としての性能に貢献しているらしい。

日本は常に世界トップ5に入るほどAMGが売れている市場であるとのこと。新型AMG GTクーペも「年間数百台規模で」売っていきたいというのが上野社長の考えだ。