LCMサービスとは?どう選ぶ?サービス7選を比較!選定ポイントも解説

LCMサービス(IT運用管理)

近年、IT機器を利用する企業は多く、IT資産管理業務が負担となっているケースも少なくありません。LCMサービスは、IT資産管理業務の負担を軽減するサービスの一種です。本稿では、おすすめのLCMサービスを紹介・比較するとともに、サービス内容や選び方について解説します。

LCMサービスとは

LCMサービスとは「Life Cycle Management」の略で、IT資産の導入から廃棄までを管理するIT資産管理代行サービスのことです。

IT資産管理に大きなコストをかけている企業にとって、本業ではないIT資産管理業務は大きな負担となっています。このIT資産管理業務をアウトソーシングすることで、企業は本業の自社リソースを活用でき、生産性の向上も期待できます。

LCMサービス7選徹底比較

ここからは、おすすめのLCMサービスを紹介し、その特徴を比較します。提供するサービス内容やサポートの充実度などを確認して、自社に適したサービスを探してみてください。

「IT資産運用支援サービス(キッティング)」
株式会社エスエヌシー

POINT
  • 参考価格:別途問い合わせ
  • 提供形態:同社施設/オンサイト
  • 従業員規模:全ての規模に対応
  • 主なサービス内容:調達、キッティング、設定、ヘルプデスク、データ消去、再キッティング、買取
  • 無料トライアル:別途問い合わせ

PCの導入、入替時に手間の掛かるキッティング作業を担当者に代わって対応してくれるサービスです。「情報システム部代行」として業務を止めないサポート、外部の情報システム部として活用されています。

キッティングに関してはマスター作成、バージョン管理はもちろん、台数、設定によってクローニングなどお客様の運用にあった方法を提案。PC/IT機器に関しても新品/中古問わず導入時のキッティングから、使用終了後のデータ消去、再キッティングもしくは買取のサイクルも可能です。

また、場所は同社施設はもちろん、指定の場所へ同社スタッフが訪問するオンサイトキッティングにも対応可能。これまで官公庁、金融機関も数多く対応した実績をもちます。


「LCMサービス」
株式会社アイエスエフネット

POINT
  • 参考価格:別途問い合わせ
  • 提供形態:クラウド/オンプレミス
  • 従業員規模:全ての規模に対応
  • 主なサービス内容:導入支援、キッティング、設定、運用・保守、ヘルプデスク
  • 無料トライアル:別途問い合わせ

各種デバイス(PC/スマートフォン/タブレット)の運用サービスを提供しています。ご利用のデバイスのセットアップ・出荷・回収・保管・故障対応等を実施し、お客様の運用負荷の軽減と保管と配送サービスも対応しているので、保管スペースの削減も図ることが出来ます。少数台数からのサービスやお客様の要望に合わせた提案も可能。また、ゼロタッチプロビジョニングを利用した、「シンプルデバイス管理」という新たなサービスも提供しています。

<主なサービス内容>
【導入】
デバイス構成設計、マスターイメージ作成、ゼロタッチプロビジョニング環境構築
【保管】
1台から保管可能、保管スペース単位での契約
【配送】
物流会社と連携し日本全国への配送
【運用・保守】
・ハードウェア故障時のメーカー修理対応
・故障時の対応:翌日出荷, 故障機器回収後の修理およびセットアップ対応
・構成管理:マスタイメージ変更, プロファイル変更(Intune, Workspace One)


「Assetment Neo」
株式会社アセットメント

POINT
  • 参考価格:【Light】40,000~60,000円など
  • 提供形態:クラウド、SaaS、ASP
  • 従業員規模:250名以上
  • 主なサービス内容:導入支援
  • 無料トライアル:あり

クラウド型の社内資産管理ソフト「Assetment Neo」。自社でIT資産を管理する場合に必要となる資産管理および資産の持出・貸出管理をサポートします。LCMサービスとしての提供ではなく、 サービス内容としては導入支援のみ用意しています。

資産管理の効率を上げる機能は、バーコードなどを活用した棚卸や購入・廃棄のワークフロー など。自社で資産管理を継続する予定で、効率よく管理できるソフトウェアをお探しの場合に適した製品です。


「LCMサービス」
SBフレームワークス株式会社

POINT

  • 参考価格:別途問い合わせ
  • 提供形態:サービス
  • 従業員規模:全ての規模に対応
  • 主なサービス内容:調達、設定・構築、運用・保守、入替・撤去、データ消去、買取・廃棄
  • 無料トライアル:別途問い合わせ

本サービスは、SBフレームワークス株式会社の提供するフルフィルメントサービス(受注、決済、ピッキング、配送などの一連の業務を代行するサービス)の1メニューです。LCMサービスはフルフィルメントサービスの別メニューとして分かれています。

ITデバイス全般のライフサイクル管理ができる点が特徴で、IT資産管理を全てアウトソーシングしたい場合に検討したいサービスです。


LCMセンター」
株式会社ジャパンコンピューターサービス

POINT

  • 参考価格:PCキッティング1台3,000円~、マスターイメージ作成1イメージ50,000円~など
  • 提供形態:サービス
  • 従業員規模:全ての規模に対応
  • 主なサービス内容:調達、キッティング、サポートデスク、保守、セキュリティ、機器回収、廃棄
  • 無料トライアル:別途問い合わせ

パソコン・モバイル端末などの情報機器の調達から管理・廃棄までをトータルサポート するLCMサービス。監視カメラなどセキュリティ対応している約400坪のLCMセンター内で各作業を進めます。

プロビジョニング (機種非依存のマスターパッケージ作成)やMDT(Microsoft Deployment Toolkit)などのサービスも提供。 技術支援やヘルプデスク業務もアウトソーシングできます。


「IT資産運用最適化サービス」
ヤマトシステム開発株式会社

POINT

  • 参考価格:別途問い合わせ
  • 提供形態:その他、サービス
  • 従業員規模:500名以上
  • 主なサービス内容:IT資産管理基準制定、企画・提案、機器調達、マスター作成、キッティング、配送・現地設置、運用、IT資産管理(ライセンス管理)、代替機保守、ヘルプデスク、撤去・更新、機器撤去・回収、データ消去、返却・買取
  • 無料トライアル:別途問い合わせ

IT資産管理の基準制定など企画の段階から調達、返却・買取まで、IT機器のライフサイクル全体で必要となるサービスを完備 したLCMサービス。必要なサービスを組み合わせて利用できます

ヤマトグループの強みを活かしたロジスティクス(配送)の最適化が強みで、物流コストを削減できる点も特徴 です。テレワークの増加により社員自宅へ配送する場合はヤマトの宅急便ネットワークを活用。スムーズにキッティングセンターから社員宅への配送を行えます。


「LCMサービス」
株式会社パシフィックネット

POINT

  • 参考価格:別途問い合わせ
  • 提供形態:サービス
  • 従業員規模:100名以上
  • 主なサービス内容:機器調達、キッティング、運用・保守、適正処理(ITAD)、データ消去、適正処分
  • 無料トライアル:別途問い合わせ

IT機器のライフサイクル全体をサポートするサービスメニューを提供するLCMサービス。機器の調達ではレンタルも可能 で、PCのリユースやテレワークに便利なクラウドを活用したゼロタッチキッティング、といったサービスも用意しています。

不要になったIT機器は、データ消去など適正処理(ITAD:IT Asset Disposition)を実施 。セキュリティ面でも安心して処分を任せられます。

LCMサービスの主なサービス内容5種類

LCMサービスは、IT機器の導入から廃棄までのライフサイクルに沿って、以下のサービスを展開しています。

1、選定・調達

IT機器の選定・調達を行うサービスです。ハードウェア・ソフトウェアおよびIT機器を提供するベンダーについての知識がある担当者が、最適な機器選定を進めます。IT機器類に対して専門知識を持たない企業にとっては非常に助かるサービスです。

2、キッティング

キッティングとは、購入したIT機器を使えるようにする作業全般を指します。1台のパソコン程度なら現場の社員でも行えますが、オフィスの引越しや大量のパソコン入れ替えなどの場合大きな負担となる作業です。

作業内容としては、購入したIT機器の開梱・セッティング・配線、必要なソフトウェアのインストール、機器の初期設定などを全て実施。知識のない人間が実施すると1日がかりの仕事です。キッティング作業が完了すると、すぐにIT機器を利用できるようになります。

3、マスターイメージ作成

キッティング作業の共通部分である「ソフトウェアのインストールと初期設定」を自動化するための手法です。具体的には、セットアップ完了状態のハードディスクをマスターイメージとして作成します。

キッティング作業で開梱して電源を入れた状態にした後、マスターイメージを各パソコンに複製。大量に同じタイプのパソコンを効率よくセットアップできます。マスターイメージの作成には専門知識が必要で時間も要するため、アウトソーシングできると便利です。

4、ヘルプデスク

社内のIT機器に対する問い合わせやトラブル対応を代行するサービスです。顧客の職場に常駐するオンサイト型と、電話・メール・Webなど社外から対応するオフサイト型の2種類があります。

5、下取り・データ消去

不要となったIT機器の下取りおよび、ハードディスク内のデータを消去するサービスです。

セキュリティの観点から、下取りや廃棄するIT機器のデータは、読み取られないように完全に消去しなければなりません。専門業者なら、確実にデータを消去できる機器も所持しているため、自社で処分するよりも確実なデータ消去が可能です。

LCMサービスの導入メリット3つ

LCMサービスを導入・活用するメリットは以下の3点です。

1、本業へのリソース集中

IT機器管理コストは、従業員数が増えれば増えるほど大きくなります。IT機器管理部門の負担だけでなく、各職場でもパソコンの入れ替えだけで手を取られ、本来の業務に充てる時間が削られます。

IT機器管理そのものをアウトソーシングすることにより、IT機器管理コストを削減。IT機器管理業務から解放された人材も、本業に集中できます。

2、IT機器にかかるコストの削減

LCMサービス提供者はIT機器の調達に精通しているため、IT機器の選定・調達を最適化できます。結果、自社でIT機器を調達するよりもIT機器にかかるコスト削減も可能です。

3、セキュリティ対策になる

IT機器廃棄時は、セキュリティの観点からハードディスクのデータを完全消去しなければなりません。自社で行うよりも、専門業者でデータを完全消去する方が確実です。結果として、IT機器廃棄業務で生じるセキュリティリスクを低減できます。

LCMサービスを選ぶ3つのポイント

どの業者のLCMサービスを選ぶかを検討する際、比較したいポイントは以下の3点です。

1、サービスの対象範囲

LCMサービスの提供するサービスの対象範囲はどこまでかを確認しましょう。パソコンのみに特化している場合もあれば、IT機器全般の管理およびヘルプデスクまで可能なサービスや、ITシステム全体の管理をアウトソーシングできる場合もありまます。

アウトソーシングできる範囲が広いと、その分料金も上がるため、予算とも折り合いをつけて、自社に最適な対象範囲のサービスを選んでください。

2、サービス内容

IT機器管理のライフサイクルに対応したサービス内容は、サービスによって細かな部分に違いがあります。また、自社でLCMサービスを利用する目的によっても、選択するサービス内容は違うでしょう。自社の目的に合ったサービス内容を選択できるLCMサービスを選んでください。

3、料金体系

LCMサービスの料金体系は、従業員数や管理する機器数、選択するサービス内容の種類によって変動し、個別見積もりのケースが多く見られます。料金体系で比較する場合は、個別に見積もりを依頼しましょう。

まとめ

従業員数が多くなりIT機器の管理業務が負担になっている企業にとって、LCMサービスは管理負担を軽減し、本業にリソースを集中するために必要なサービスです。管理したいIT機器の種類や台数などをまとめた上で、各サービス提供会社に見積依頼をして、自社にマッチしたサービスを選択しましょう。

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