薄毛というと中高年の悩みというイメージを持たれがちですが、実は20代で約10%、30代で20%の男性が、いわゆるAGA(男性型脱毛症)を発症していると言われています。
そこで気になるのが、AGA治療は何歳から受けられるのか? ということではないでしょうか。若い頃にAGAを発症すると、誰に相談していいか分からず不安になってしまいますよね。
逆に、高齢で薄毛に悩んでいる人にとっては、何歳までAGA治療が有効なのか? といった点が気になるポイントかと思います。
この記事では、AGA治療と年齢の関係について解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
日本人の年代別AGA発症比率
AGAは男性型脱毛症とも呼ばれ、ヘアサイクルにおける成長期が短くなり、休止期の状態の毛包が多くなることで起こります。
私たちの髪の毛は、毛母細胞が分裂を繰り返し、毛が長く太く成長していく成長期、毛母細胞の増殖スピードが落ちて毛が成長しなくなっていく退行期、髪の毛の成長が完全に止まり、古い毛が新しい毛に押し出されて抜ける休止期というサイクルを繰り返していますが、AGAになるとこのサイクルが乱れ、成長期が短くなり休止期が長くなってしまうというわけです。
日本皮膚科学会が発行している『男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン(2017年版)』
によると、日本人男性のAGA発症頻度は約30%と言われています。
年代別に見ると、以下のように年齢とともに発症率が高まります。
・20代 約10%
・30代 20%
・40代 30%
・50代以降 40数%
つまり、20代であっても約10人に1人の割合でAGAを発症しているわけですから、特別なことではないということです。
AGAの原因は男性ホルモン
AGAは、男性ホルモンであるテストステロンがDHT(ジヒドロテストステロン)に変化することで起こります。DHTが毛乳頭にあるホルモン受容体と結合することで毛母細胞の増殖が抑制され、結果的にヘアサイクルにおける成長期が短くなってしまうのが、AGAのメカニズムです。
そして、テストステロンをDHTに変換させる酵素(5α-還元酵素)の活性度が高く、毛乳頭の男性ホルモン受容体の感受性が高い人ほど、AGAを発症しやすいといわれています。
20代の約10人に1人がAGAを発症しているのに対し、40代になってもAGAを発症していない男性が7割いる理由は、これらの活性度や感受性は遺伝によるところにあるといえるでしょう。
AGA治療が受けられる年齢は何歳から?
AGA治療で行われる主な治療は、以下の2つです。
・フィナステリドやデュタステリドといった内服薬で5α-還元酵素の働きを阻害し、脱毛を抑制してヘアサイクルを正常化させる
・ミノキシジル外用薬(クリニックによっては内服薬も処方)で休止期の毛包を活性化させ、新しい毛の発毛と成長を促す
AGAクリニックで処方される治療薬の成分と効果・副作用を解説
そして、これらの治療の提供を「20歳から」としているクリニックが多いです。
10代がAGA治療を受けられない理由
フィナステリド・デュタステリド・ミノキシジルはいずれも日本では未成年に対する臨床試験が行われておらず、安全性が確認されていないため使用できないことになっています。
まず、AGA治療で使用されるフィナステリド・デュタステリドは、男性ホルモンに働きかける薬。発達段階の体で服用すると、成長や生殖器の発達に影響を与える可能性があります。
また、ミノキシジルには強い血管拡張作用・血圧降下作用があるため、AGAクリニックで適切な量と使用方法を指導してもらうと良い薬です。こちらも、未成年が使用した場合の臨床データが取られておらず、安全性や有効性が確証できないため、市販のメーカーでも未成年は使用不可としています。
これらの治療薬を用いたAGA治療が受けられるのは、原則として20歳を過ぎてからだと考えていいでしょう。
ただし、AGA治療クリニックの中には、18歳以上を治療可能としているところもありますのでご注意ください。
何歳までOK?高齢でもAGA治療は可能?
AGA治療を始められる年齢は、多くのクリニックで20歳から、一部のクリニックで18歳からとなっています。
では、逆に高齢で薄毛に悩んでいる人は、何歳までAGA治療を受けることができるのでしょうか?
結論から言うと、AGA治療に年齢の上限はありません。原則として、何歳であってもAGA治療を開始することが可能です。
ただし、治療の開始が早いほど効果を実感しやすい
注意すべきは、年齢とともにAGAがかなり進行した状態では、効果を実感することは難しいという点です。
逆に、60代以上の高齢者であっても、薄毛の進行が軽度であれば、治療効果を実感することができます。
年齢よりも、「AGAの進行度」が治療効果の実感に大きくかかわるということですね。
年齢にかかわらず、AGAが発症してからできるだけ早いタイミングで治療を開始することが重要となります。
65歳以上は注意が必要
AGA治療に上限はありませんが、特に65歳以上の人は注意が必要です。その理由は、年齢とともに持病を持つ人の割合が増えてくるためです。
特に持病がない人であっても、薬である以上一定の副作用は発生します。65歳で持病をお持ちの人は、必ず医師の診察時にその旨を伝え、ご自身の体調を確かめながら治療を受けてください。
AGA治療を始めるタイミングはいつ?
上記での触れたように、AGAを発症してから早ければ早いほど治療の効果を実感しやすいです。
薄毛の進行度合いが軽度であれば薬の種類や量も少なくて済みますので、経済的にもメリットがあります。
AGAかな? と思ったら、できるだけ早くAGAクリニックでカウンセリングを受け、進行しないうちに治療を始めることをおすすめします。
抜け毛・薄毛が気になったら専門クリニックの受診を
AGAは、適切な治療で改善が可能な症状です。そして、より高い効果を実感するためには、AGAの発症からできるだけ早く治療を開始することが重要です。
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また、最近はオンライン診療に対応したAGAクリニックも増えてきました。オンライン診療であれば、自宅にいながら診察を受け、処方薬は郵送で受け取れるので便利です。
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AGAかな? と感じたら、まずは気軽に相談することから始めてみてはいかがでしょうか。
(パパ社長)