現在放送中のABCテレビ・テレビ朝日系ドラマ『ミス・ターゲット』(毎週日曜22:00~)。本気の婚活を始めた結婚詐欺師・松本まりか演じる朝倉すみれが、上杉柊平演じる和菓子職人・村松宗春とピュアなラブストーリーを繰り広げている。そんな今作に登場するのが、ウソがつけない結婚詐欺師見習いの玉木萌。すみれを慕い、時にサポートするまっすぐで明るい妹キャラの萌に、SNSでは「萌ちゃんかわいすぎる」「萌ちゃんできる子」「萌ちゃんかっけぇ女」との声が集まっている。

萌を演じるのは、歌手の鈴木愛理。女優としてのキャリアも着実に積み、主演を務める経験も増えた鈴木だが、今作のクランクイン前は緊張で眠れなかったと明かす。演じる萌の魅力や、血がつながっていると思えるほどのシンパシーを覚えているという松本とのエピソードを聞いた。

  • 鈴木愛理

    鈴木愛理 撮影:宮田浩史

クランクイン前日は緊張で眠れず

――鈴木さんにとって、ゴールデン・プライム帯のドラマにレギュラー出演するのは初だと思うのですが、改めて今作出演が決まったときの感想を教えてください。

昨今はドラマのお仕事をさせていただく機会が増えたものの、これまでテレビで見てきた俳優さんたちの中にポンと入れていただいて、「先輩方に迷惑をかけてはならぬ!」というドキドキ感がすごくありました。いつも寝すぎちゃうくらいの私が、クランクインの前日は緊張で眠れなかったです。

――八嶋智人さん、筒井真理子さん、沢村一樹さんといったベテラン俳優さんたちも出演していますもんね。

私が小さい頃から活躍されていて、作品を通して心に残るものをたくさんくださった俳優さんたちと、自分が台詞を交わす機会をいただけたことが、ちょっとよく分からなくて(笑)。「大丈夫!?」と自分で自分がすごく心配でした。でも、あたたかい皆さんに支えられながら、ついていこう、吸収しようという気持ちで、日々新しい刺激をもらっています。

  • 鈴木愛理

――どんなときに、あたたかさを感じますか。

もともと、アイドルやモデルの現場には先輩がいたのですが、ソロ活動を始めてからは先輩後輩という立ち位置で人と関わることがあまりなく、専属モデルとして出演している雑誌『Ray』でも、一番年上になっていたので、先輩方の中に入れていただくこと自体が久しぶりで。でも、会えていることが奇跡というレベルの皆さんが、「どんどんアドリブ言ってきていいんだよ」とか、「台詞をこう変えたいんだけど、気持ち作れそうかな」とか、私のことを一役者として扱ってくださって、あたたかいな、私もこんな人間になりたいなと感じます。まりかさんも初日から「感じたことはどんどん言っていいんだからね」って言ってくださって、筒井さんと三人のシーンも、話し合って、考えながら自分の役にも息を吹き込むことができているので、楽しいです。

  • ドラマ『ミス・ターゲット』より (C)ABCテレビ

松本まりかとは「血がつながってる感覚(笑)」

――主演の松本さんは、鈴木さんのちょうど10歳上にあたりますが、魅力を教えてください。

もう、魅力の塊のような方です! お会いするまでは、“ミステリアスの権化”というイメージだったので、私のようなポジティブ野郎とお話ししてくれるのかな、“住んでいる村が違う”んじゃないかと思っていたんです。でも蓋を開けてみると、もっと知りたくなる、色気という意味でのミステリアスさはありつつも、本当にピュアな方で、芯の強さや人に対する気配りのアンテナがすごくて、本当に尊敬できる存在。初日から役を超えて、本当にお姉様になっていただきたい、大好きな方になってしまいました。年齢差を感じさせないぐらい、近い距離で話してくれますし、クランクインしてすぐの頃に、お互いの過去を重ね合わせながら、まりかさんが経験してきたことや感じてきたことを話してくださって。今や、勝手に「血がつながってる」ぐらいの感覚でいます(笑)。そんなまりかさんだからこそ、演じているときも、萌として自然にすみれさんのことを大好きでいられます。

松本まりかからのプレゼントや差し入れに驚き

――“気配りのアンテナ”はどんなときに感じますか。

毎秒気遣いの方で、お芝居のことを考えながら、スタッフさんや共演者さんがいかに居心地よく現場にいられるかをずっと気にしていらっしゃるのが、同じ空間にいてすごく伝わってくるんです。ちょっとしたお声掛けや、おいしいものを差し入れで買ってきてくれるところ、チーム全員へのあふれる愛が画面を通しても伝わるから、『ミス・ターゲット』があたたかい作品になっているんだと思います。

――素敵な座長ですね。

あと、4月の私の誕生日に素敵なバッグをプレゼントしてくれて! 撮影がめちゃくちゃ忙しくて、番宣のお仕事もたくさんある中で、「うそ! いつ買ってくださったんですか!?」ってビックリしました。絶対に傷をつけたくないから、もういっそ使わないほうがいいのかなと悩みながら、大事に持って帰りました。椿鬼奴さんがゲスト出演されたときには、まりかさんが「お体に気をつけてらっしゃるとお聞きしたので」と、オーガニックのナッツをお渡ししていたんですけど、「愛理ちゃんもナッツが好きって言ってたよね」って、私がこれまでに何気なく言ったことを覚えてくれていて、私にも買ってくれていたんです! 「大事に食べなきゃ」と思いつつ、おいしすぎてすぐに一瓶丸々食べ終わっちゃいました(笑)。でも瓶も大事にしたくて、別のおせんべいを詰めて使い始めた頃に、「おいしいって言ってたよね」って詰め替えのナッツをくれて、「えー!? 私の行動、読んでますか!?」って!

――松本さんへの熱い愛がすごく伝わってきます(笑)。

お姉ちゃんがいたらこんな感じなのかな、って疑似体験をしているような。いい匂いがするし、美しいし、いつも尊敬のまなざしで見つめています。

鈴木愛理

末っ子ポジションの萌を演じるのが楽しい

――萌を演じていて、楽しいところを教えてください。

私は家族の中では長女で、℃-uteでは真ん中ぐらい、末っ子というポジションはBuono! で経験したくらいだったので、「お姉様、お姉様!」という妹キャラになるのは、不思議な感覚ですが、楽しいです。これまでも、明るくてがむしゃらに頑張る女の子を演じることが多かったのですが、生粋の後輩気質である萌ちゃんは、その中でも特に笑顔で、いろんなことを我慢している子。頑張っていることを他人に気付かせないぐらい、いつも笑顔でいる萌ちゃんが好きで、演じていて苦しいときもあるのですが、苦しいと思えば思うほど、萌ちゃんの気持ちとリンクできているのかなと感じます。見ている方からは「萌ちゃんは、いかにも愛理ちゃんって感じだよね」と言っていただくこともあるのですが、普段の私よりも、不器用でまっすぐなところが、演じていて楽しいです。

――今はまだ笑顔がチャームポイントというキャラクターですが、「演じていて苦しい」部分も出てくるんですね。

これから描かれるストーリーで、萌の過去に何があったのか、なぜ結婚詐欺師を目指すことになったのかが明らかになると、萌の明るさや笑顔に意味を感じていただけると思います。

――楽しみにしています。インタビュー後編では、鈴木さんのこれからについてお話をお聞きします。

  • 鈴木愛理

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■鈴木愛理
2002年6月、8歳で「ハロー! プロジェクト・キッズ オーディション」に合格。2005年6月に℃-uteを結成し、2017年まで活動。あぁ! 、Buono! としても活動した。2017年12月より、ソロ活動をスタート。女性ファッション雑誌『Ray』の専属モデルや、『オーイシマサヨシ×鈴木愛理のアニソン神曲カバーでしょdeショー!!』、『クラシックTV』、『お願い! ランキング presents そだてれび「あざとくて何が悪いの?」』のMCも務めている。昨今のドラマ主演作に、『ANIMALS‐アニマルズ‐』、『推しが上司になりまして』、『ある日、下北沢で』がある。