コロナ禍を経て、わたしたちの暮らしや働き方は変化していきました。リモートワークが定着し、居場所に関係なくさまざまな人とつながり、仕事ができるようになりました。日本にいながらも海外のマーケットとビジネスを進めていくことが容易になり、同時に、日本企業が海外マーケットでも影響力を高めていく必要性も高まっています。企業がグローバル進出を果たすには、国内外のマーケットを熟知していることが必要不可欠です。そんな世界的なビジネスをデジタルでサポートしていく組織が誕生しました。

株式会社電通デジタルは2024年1月、グローバルビジネスをリードするCoE(センターオブエクセレンス)組織「Dentsu Digital Global Center」を新設。今回は同組織に所属する4名の社員にインタビュー。業務の内容や普段から心がけていることなどを伺いました。

【インタビュイー】

嶋田さん
鄭 礼智さん
韓国出身。Webサイトやサービスのユーザー体験やコンテンツ設計を担当。韓国から来日して9年目で、電通デジタルに入社してからは6年目。2年前まではグローバルのDX案件に携わっていた。
アントワーヌさん
デムリエ・アントワーヌさん
フランス・パリ出身。デザイナー歴15年。2016年より電通グループにて勤務開始。これまでラグジュアリー、化粧品、自動車、テクノロジー業界の案件に従事。グローバル案件において、ユーザーインターフェースの最終設計が第一にユーザーにとって、加えて企業にとっても魅力的であり、かつそのブランドらしさを大切にしたデザインとなるよう心がけている。
嶋田さん
嶋田遥さん
2023年9月にプロジェクトマネージャーとして電通デジタルに入社。前職は事業会社で、アプリのローンチや新機能開発などプロダクトマネジメントをする部署に在籍。現在関わるプロジェクトでは、デザイナーから上がってきたデザインを開発に渡すまでの業務要件に落とし込んだり、画面設計に落とし込む仕事をしている。
三木さん
三木香麻理さん
Dentsu Digital Global Centerビジネスプロデュース事業部のグループマネージャー。2023年1月に入社。デジタル業界における20年以上の経験を活かし、現在進行している案件のプロジェクトリーダーを務める。

電通デジタルのグローバル集団「Dentsu Digital Global Center」とは?

――「Dentsu Digital Global Center」はどんな組織ですか?

三木さん:Dentsu Digital Global Center(DDGC)はデジタルメディアとクリエイティブのふたつの部門が元となり、2024年1月に設立されました。日本以外に10か国以上のバックグラウンドを持つ、150名以上のグループになっています。日本国内マーケットをターゲットとした外資系グローバル企業、およびグローバルマーケットへの拡大を目指す日本企業に対して包括的な支援を約束。デジタルビジネスの拡大や成長機会の発掘をサポートすることを目的としています。今回インタビューにお答えする4名は、クリエイティブ、DXなどをサポートしている部署に所属しています。

さまざまな言語・文化的背景をもつメンバーと一つのプロジェクトを進める――そのために欠かせない柔軟なコミュニケーション

――現在動いているプロジェクトについて教えてください。

三木さん:とあるラグジュアリーブランドのグローバルECサイトのリニューアルをサポートしています。我々の役割はクライアント企業はもちろん、開発チームとも連携してプロジェクトをリードすること。webサイトを通じて顧客体験を提供しています。DDGCを発足する前年からプロジェクト自体はスタートしており、2023年には主に要件の洗い出しなどを含むディスカバリーを行いました。プロジェクト参加メンバーは、電通デジタルからは約20名、クライアント企業はイギリスとアメリカにデザインチームがおり、イギリスとインドにも開発に携わるグループ会社であるMerkleのチームがあるので、合計で約50名になります。

アントワーヌさん:プロジェクトを動かすためには、イギリスやアメリカの方々とも連携していかなくてはいけません。また、各国に合わせてwebサイトのUIUXを熟考しなければならないんです。本プロジェクトにはさまざまな国籍のメンバーが所属しているので、彼らから学ぶことは多いですし、一緒になってクライアントの課題を解決していかなくてはならないとも思っています。

――仕事を進める上で大変なことはありますか?

三木さん:やはり「時差」ですね。3つのタイムゾーンにまたがるチームとの会議があるのですが、各国との時差を考えると、日本における20時半~22時くらいが、集まるのにちょうどいいということが分かりました。現在はその時間にミーティングを行なっています。

嶋田さん:クライアント企業の担当者すべてが開発のプラットフォームに明るいわけではないため、開発の観点からは難しいリクエストがくることもあり、それをどう実現するか複数のステークホルダーと調整するのが大変です。あとはコミュニケーションの取り方ですね。さまざまなバックグラウンドを持つメンバーがいて、発言もハッキリ「NO」と主張されることもあるので、こちらの意見をどう伝えていくかを常に考えています。

鄭さん:逆に日本語で言いづらいときは、英語で話すとシンプルに伝わることがありますし、意見を出しやすい雰囲気を作り出せることを実感しています。三木さんもおっしゃっていた通り、各国のメンバーとのミーティングに対応するのは大変でしたが、状況に合わせて柔軟に言語ややり方を調整しながら進行しています。

本来の目標・目的はどこだったのか?――困難や課題にぶつかるたびに、原点に戻る

――プロジェクトに関わるメンバー・クライアント企業と共通認識を持つために、どのようなことを意識していますか?

三木さん:社内だけではなく、クライアント企業側の意見をまとめるのもとても大変ではありますが、共通認識を持つためには重要であり、日々の連携は必須です。まだまだ試行錯誤中ですが、クライアント企業との会話を密に行なうことにより、プロジェクトのリスクを少しでも回避できたらと思っています。

嶋田さん:開発に関わる、デザイナーなどスペシャリストの方々は議論に対してとても熱を持っているので、どうしても専門的な話で議論が白熱することがあります。それはいいことではあるのですが、プロジェクトマネージャーとして時にトピックを戻したり、最終的な目標・目的はどこだったか立ち返ったりすることが重要で、私たちがその役割を担っています。幸い年齢や性別、国籍などに関して偏見や差別がない現場で、意見がフラットに言えるのは大きいですね。

鄭さん:皆さんが必要であれば、定例以外のミーティングを設定して早めに認識を合わせたりするなど、社外・社内を問わず積極的にコミュニケーションを取るようにしています。

――ミーティングでは英語で喋ることが多いですか?

三木さん:状況に応じて言語は使い分けています。1人でも日本語を話せないメンバーがいたら英語を使います。ボストン(アメリカ)のメンバーがいる場合は英語、クライアント企業のクリエイティブチームとのやり取りも英語、という感じですね。ミーティングの議事録も、そのとき、そのときに合わせた言語で作成しています。

オンオフの切り替え、カジュアルな時間を過ごすことで新たな発見も!

――1日のお仕事のスケジュールを簡単にご説明いただけますか?

アントワーヌさん:会社がフレックスタイム制度を採用しているので、自分で時間を管理しながら仕事ができるのですが、特にDDGCは時差のある海外メンバーとのミーティングも多いため、より時間を柔軟に使って働くことができるんです。そのため、スケジュールも割とそれぞれですね。我々のチームは、デザインに集中できる時間を確保するように努めています。

――仕事以外でのコミュニケーションを取ることもありますか?

三木さん:メンバー同士で雑談をする時間もあります。私はコロナ禍に入社したので、最初の頃は画面越しにメンバーを見ることが多く、出社するように心がけました。実際に会って立ち話をすると、それまでの画面越しでの印象とは変わり、その人をより理解できるようになりました。実際に対面で表情を見ながら話を聞くことは、相手を尊重することにつながると改めて実感しています。

鄭さん:週に1回現在の状態を共有するミーティングを行なっているのですが、その場でもカジュアルな話をしています。我々のチームでは、どんなテーマでもいいので自分の趣味や詳しい分野の話をしていますね。こういう会話をしていると、仕事でもフラットな会話をしやすくなります。

アントワーヌさん:繁忙期は仕事に集中し、リラックスできる時期はしっかりと休める。柔軟な切り替えのできる職場なのはありがたいです。

異なる言語、文化的背景や経験を持つメンバーが集まり、同じ目標に向かう。
「DDGC」はデジタルまわりのことならなんでもできる、スペシャリストが集まるマルチなチーム

――グローバルなチーム運営には何が必要でしょうか?

アントワーヌさん:内部のチームで重要なのは、お互いの意見を聞くことです。各々の立場はあると思いますが、まずはそこからだと思います。クライアント企業に対しては信頼関係を築くこと。我々は専門的な知識を持っているので、信頼していただきつつ、相手の立場を尊重しあいながらコミュニケーションをするのが大事です。そうすれば、同じ目標に向かって進んでいけると思います。

嶋田さん:私は、前職での仕事は社内メンバーとの関わりが多かったので、ある意味で馴れ合いの関係になってしまっていたのを自覚しています。DDGCに来てからは、クライアント企業が電通デジタルに期待していることを常に念頭に置き、目標を一緒に達成していくために、クライアントとの信頼を築いていくことの大事さに気づきました。

アントワーヌさん:クライアント企業へ最適なソリューションを提供して喜んでもらうことはもちろん重要ですが、その先にユーザーがいることを忘れてはいけません。クライアント企業とユーザーが求めているものが違うと思った場合、クライアント企業には我々からしっかりとそのことをお伝えします。世界中のプラットフォームの知見やリレーションを持ち、さまざまな提案ができるのが我々の強みです。最適なwebデザインだけでなく、シームレスな顧客体験をお届けするために日々邁進していきます。

――「DDGC」だからこそできることは何でしょうか?

鄭さん:多様なバックグラウンドを持つメンバーと色々な視点で仕事を進められることです。そして新しいツールや情報にもオープンな姿勢を持っている方々が多いので、一緒に働いていて非常に勉強になります。日本にいながら海外のことも吸収できるので、とてもお得な働き方ができると思いますね。

アントワーヌさん:我々は、CX(顧客体験)を提供しているので、常にオープンマインドでいることを意識しています。個人的には、オフィスがとてもきれいなのもポイントに感じていて、ここで働けば、自然とインスピレーションも湧いてきます。海外のカンファレンス視察やクライアント先への出張など、自己成長できる機会があるのもよい環境だと思います。

嶋田さん:「グローバル」というのがもちろんひとつの特徴だと思うのですが、加えて、他の部門と違いさまざまなスキル、専門知識を持つ人がひとつの部門に集まっているのが面白いです。1つの案件に対してDDGCからデザイナー、ソリューションアーキテクト、PMなどマルチな人材を輩出することができます。デジタルまわりのことならなんでもできる、言わばプロフェッショナル集団だと思います。

三木さん:海外進出を考えているクライアント企業に向けてのサポート、また逆に海外から日本進出を考えているクライアント企業へのサポート、双方へのお力添えができます。海外に拠点を持つグループ会社と連携したサポートができることは、大きな強みだと自負しています。

――最後に、本インタビューを通じてDDGCに興味を持った方々に、メッセージをお願いします。

鄭さん:DDGCは常に視野がグローバルに向いているので、自分も視野が広がります。ビジネスチャンスを広げたい人には向いている組織だと思っています。プロジェクトを進めるなかでは、イレギュラーなことが起こりうるものですので、変化や刺激にポジティブに対応できる人が向いているかもしれません。実際にDDGCには、様々な状況に柔軟に対応できる方が多いです。

アントワーヌさん:グローバルな案件に携われる機会が多くあることが魅力だと思います。そして、たくさんの人に出会えること、さまざまな言語にも触れることができます。アメリカやイギリスなど世界各国にいるメンバーとも一緒に仕事ができるので、刺激もあり学びの機会も多くあります。強みとしては、デジタルの体験はもちろんですが、それだけでなく、さまざまな体験を構築して届けることができる。それは、多様なバックグランドをもつメンバーがいるからこそ、最高のものを届けることができると思います。

嶋田さん:年次関係なく積極的に発言・発信でき、自分がやりたいことに常にモチベーションを持っている人には向いている職場だと感じています。業界も規模感も全く違う案件にたくさん携われるので、自分のそのとき身につけたいスキルやなりたい未来像に合わせて選ぶことができ、スキルアップがしやすいと思います。

三木さん:やりたいことを実現することができる土壌はあります。プロジェクトに対して、受動的なだけではなく、前向きな姿勢を示すことにより、バックグラウンドに対する偏見を持たずに受け入れてくれる環境はとてもありがたいと感じています。やりたいことについて真剣に取り組む人にぜひ来てほしいですね。好奇心旺盛の方、お待ちしています。

電通デジタルは、国内最大規模の総合デジタルファーム。今回紹介した「Dentsu Digital Global Center」だけでなく、幅広い分野でクライアント企業の持続的な成長に貢献している。

「人の心を動かし、価値を創造し、世界のあり方を変える。」をパーパスに、生活者に寄り添うクリエイティビティとテクノロジーを統合的に活用することで、あらゆるトランスフォーメーションを実現。クライアント企業の事業成長パートナーとして、共に新たな価値を創造することで、経済そして社会の「変革と成長」を目指している。

[PR]提供:電通デジタル