2022年11月25日、アプリズムは「滋賀県近未来技術等社会実装推進事業」として、AIを活用した混雑検知システム「tsumiki」を用いて、立命館大学びわこ・くさつキャンパスのバス停の混雑状況を可視化するサービスの実証実験を行うというプレスリリースを発表した。では、この取り組みはどのようなものなのだろうか。今回は、こんな話題について紹介したいと思う。

「tsumiki」を活用したバス停混雑状況可視化の取組み

まず、アプリズムを紹介したい。アプリズムは、大阪難波に本社を置く企業で、大手企業の先端技術研究部署と連携しながら、AI・IoT・CPSの最先端技術を開発するプロフェッショナル集団だ。同社のホームページにはこんな言葉がある。

  • 「先端技術で社会を変えろ」

とても魅力的でキャッチーな表現だ。

では、AIシステムのtsumikiを活用したバス停混雑状況可視化とは、どのような取組みなのだろうか。

バス停には、長蛇の列が発生する時間帯がある。これは立命館大学も然りだ。確かに経験上、バス停の混雑状況を事前に確認してからバス停に向かうことができれば、さまざまな用事を効率的に済ませることができ、ゆっくりする時間も増え、精神的にも良いだろう。

そこでアプリズムは、バス利用者がバス停に向かう前に、混雑状況がスマートフォンから確認できるようにしたという。混雑の検知は、バス停やその周辺に設置するカメラで行う。カメラにはもちろん、プライバシーに配慮したAIエッジカメラを採用。カメラ内でAIが処理を行うことで、外部には画像データを送信することなく、安全な運用を行うことが可能だ。しかも立命館大学での実証実験では、嬉しいことに、このサービスの利用には面倒な会員登録が一切不要。QRコードにアクセスするだけ、混雑状況を確認することができるという。

  • 立命館大学でのバス停の混雑状況を可視化する実証実験

    立命館大学でのバス停の混雑状況を可視化する実証実験(出典:アプリズム)

またtsumiki自体は、実は今回のようなバス停のみならず、レストラン・カフェ・アパレルショップなどや会議室・喫煙所などのあらゆる場所でも、AIエッジカメラを設置するだけで混雑状況を正確かつリアルタイムで可視化することができるソリューションだ。そして、これらの場合もAIカメラ内で処理するので、動画や画像は残らず、処理したデータのみを扱うので、プライバシーも守られる。

  • アプリズムのAIエッジカメラ混雑検知ソリューション「tsumiki」

    アプリズムのAIエッジカメラ混雑検知ソリューション「tsumiki」(出典:アプリズム)

いかがだっただろうか。バス停に限らず、混雑状況を事前に知っていれば、「もっと時間を効率的に使えたのに」とか「もっと早く行動を起こせたのに」などと思ったことは、誰でも一度はあるだろう。もし行列が無くなる未来が実現したら、どんなに利便性が向上するだろうか。人の行動が劇的に変わる印象がある。